抜髄された歯の神経の約半分は、本当は取る必要が無かった神経?

相談者: おかかさん (42歳:女性)
投稿日時:2007-12-07 16:17:44
いつも大変勉強になります。
有難うございます。

以前から気になっていたことを教えて下さい。

40年以上開業されていたかかりつけの先生が、

自分の勘では、半分ぐらいは抜随しなくても助かるケースだが、先生によってはフルクラウンアンレーを入れるために、大事を取って抜随されていることがあるように思う。

なので、もし、ほかの医院で、抜随すると言われたら、痛くなってもいいから、抜随せずにやってみてくれと依頼するように。

と教えて下さいました。


その言葉に従って、後年、一カ所抜随を拒絶しましたが、支障はありません。

抜随するという判断を下す、主な理由は、「患者が痛がって仕方ない」以外にどのようなものがあるのでしょうか?

このサイトで抜随の予後が良くないことを知りました。
しかし、抜随しますと言われてそれを断わることは、大変です。

患者としては、本当に抜随しないとだめなのか、その点を何とか確認したいです。

是非、お差し支えのない範囲でそのあたりの判断基準を教えて下さい。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-12-08 01:26:40
今晩は

神経を取るかどうかは、専門的に言えば歯髄に非可逆的な炎症があるときです。

その診査として、確実に診断できるものはありません。
痛みは診断の基準としては非常にあいまいです。

私の場合は、慎重に虫歯におかされた歯の質をとっていって、神経まで穴が開いてしまったときを基準としています。

虫歯に冒されているかどうかは、世界的な基準、硬い歯質が出てくるまで、スプーンエキスカという器具でカリカリととっていきます。

虫歯の部分を残して抗生剤などで蓋をするような治療法もあるようですが、民間療法で、科学的な検証がなされていません。

私は、ほかの先生に比べ神経を取ることは少ないほうだと思っていますが、患者さんの中には、神経を取らないほうが言いということを勘違いして、前から虫歯があるのを知っていながら、かなり虫歯が進んでから、神経は取りたくないとおっしゃる方も見えます。

私から見れば神経を取りたくないなら、なぜ予防をしっかりして、もっと早く歯医者に来ないのかと思います。

神経の取りすぎもよくないですが、必要があるのにとらないのも問題です。

基準は先生によって違ってきます。

これは仕方が無いと思いますが、極端にパターン化しているのはよくないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おかかさん
返信日時:2007-12-10 13:16:26
小牧先生、ご回答有難うございます。

私は、歯科における診断基準も、一般的な疾病と同様、国際的な標準に従って、ステージ分類されており、10人の先生が診察した場合、本人が執刀できるかどうかはともかく、確定診断としての正解は一つであるべきなのかな〜と思ってきました。

ですが、以前、相当なベテランで、他の医院からも転院される方が沢山おられた歯科の先生が、

これまで、自分だったら抜随せずに何とかやれたと思うケースもよく見かけたし、これは自分でももう無理かも・・・と思うケースでも、患者さんのたっての希望で抜随せずに処置したら、何とかなったということが、経験上かなり多いので、

あなたたちも、初診で抜随宣告されたら、ダメもとで、抜随せずにやってくれるよう頼んでみるといい

と教えて下さったことがあり、これを記憶していたので、
一度、若い男性の先生から、抜随して被せると言われたときに、

まだ、全く痛みもないし、とりあえず、今回は詰め直しにしてほしいと依頼したところ、

痛みが出ても、自己責任。
再治療はしません。ほかに行って下さい。
そうまで言うなら、今回に限りやってあげる。

と、突き放されたのですが、急いでいたので、そこでなんとか、お願いしてみました。

それが7年位前になりますが、その後、特に、痛いとか、とれたとかいうこともなく、経過しています。

ただ、仕上がりは・・・で、先生がセラミックで被せることを主張されたのも納得・・・でした。

このような経験からすると、最近、3MIXがもてはやされていますが、これとても、3MIX自体に効力があるというより、3MIXでないと、だめと考えられているような、ひどい虫歯でも、抜随せずに処置すれば持ちこたえうるからなのではないかな?と思えてしまいます。

小牧先生のおっしゃっておられる、抜随診断は、そのベテランの先生が言われていたことと、ぴったりと一致しています。

抜随は、神経に感染して不可逆的に炎症を起こしているときにやむなく行う。
虫歯削りは、歯質が柔らかくなっているところだけを丁寧に手作業で取る。

とおっしゃって、それを実践されていたようです。

抜随や抜歯の基準は先生によってかなり変わるということは、普通はなかなか思いつけないのではないでしょうか。

貴重で素晴らしいご回答を有難うございます。
小牧先生の医院の患者さんは大変幸せだと思います。
とてもうらやましいです。



タイトル 抜髄された歯の神経の約半分は、本当は取る必要が無かった神経?
質問者 おかかさん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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