親知らず抜歯後5年続く、舌神経麻痺の原因について知りたい
相談者:
らさん (35歳:女性)
投稿日時:2008-07-18 18:36:04
5年前に左下親知らずを抜いたことが原因で、非常に不快な舌神経麻痺を煩っております。
このようなことになった原因を知りたいと思っています。
下記、4つの質問をさせて下さい。
1.下歯槽神経は舌の感覚の支配に関係がありますか。
2.麻酔薬としてキシロカインカートリッジ1.8 ml X 3本が使用されました。
カートリッジの説明書には3-5mlが用量として記載されています。麻酔の量が舌神経を損傷する原因となったと考えることは出来ますか。(浸潤麻酔をしたということです)
3.最後の歯根を抜く瞬間に相当な激痛がありました。
力づくで歯根がなくなり、瞬間にきゅっと音がなったように記憶しています。
これも神経損傷の原因になりえますでしょうか。
4.親知らずの抜歯による舌神経損傷は、一般的にどのような操作で起きやすいのでしょうか。
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いでございます。
宜しくお願い申し上げます。
このようなことになった原因を知りたいと思っています。
下記、4つの質問をさせて下さい。
1.下歯槽神経は舌の感覚の支配に関係がありますか。
2.麻酔薬としてキシロカインカートリッジ1.8 ml X 3本が使用されました。
カートリッジの説明書には3-5mlが用量として記載されています。麻酔の量が舌神経を損傷する原因となったと考えることは出来ますか。(浸潤麻酔をしたということです)
3.最後の歯根を抜く瞬間に相当な激痛がありました。
力づくで歯根がなくなり、瞬間にきゅっと音がなったように記憶しています。
これも神経損傷の原因になりえますでしょうか。
4.親知らずの抜歯による舌神経損傷は、一般的にどのような操作で起きやすいのでしょうか。
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いでございます。
宜しくお願い申し上げます。
回答1
歯科医師の松山です。
回答日時:2008-07-18 20:07:01
松山です
多分神経の名前を間違えているのだと思いますが、ご質問に対しては
?下歯槽神経は舌の感覚を支配していません。
?考えられません
?抜歯操作がどのようなな元に行われたか(器具の使い方等)定かではありませんし、神経と書かれているだけなので、答えられません。
?口腔底部に達する損傷でも及ぼさない限り、下顎親知らず抜歯時におきることは普通考えられません。
唇の痺れ感などを指しているのではと思いますが、いかがですか。
多分神経の名前を間違えているのだと思いますが、ご質問に対しては
?下歯槽神経は舌の感覚を支配していません。
?考えられません
?抜歯操作がどのようなな元に行われたか(器具の使い方等)定かではありませんし、神経と書かれているだけなので、答えられません。
?口腔底部に達する損傷でも及ぼさない限り、下顎親知らず抜歯時におきることは普通考えられません。
唇の痺れ感などを指しているのではと思いますが、いかがですか。
回答2
湯浅です。
回答日時:2008-07-19 08:16:20
湯浅です
松山先生が質問されているように、舌の左半分のしびれ感なのか、左の下唇のしびれ感のどちらかで回答が異なります。
下唇の麻痺に関しては、これまでも何度もすばらしい回答がありますので、それを参考にしてください。
海外では、舌側(内側)に歯を倒しこんだり、舌側の歯肉を大きくめくって抜くので発生率は、数%との論文もあります。
しかし、日本では、まったくといっていいほど発生しません。
よって、一般的には、どの施設でも事前に説明もしないと思います。
ごく僅か、報告もあるのも事実ですが、ごく僅かのため一般的にどのような操作というほどわかっていません。
松山先生が回答されているように、よほどのことがあるか、たまたま神経の位置がずれているなど、特異的なことがない限り、一般的な抜歯では起こりません。
たとえば、以下のサイトの10ページ目。
http://www.mcci.or.jp/www/shinkei/vol6.pdf
>最後の歯根を抜く瞬間に相当な激痛がありました。
力づくで歯根がなくなり、瞬間にきゅっと音がなったように記憶しています。
これも神経損傷の原因になりえますでしょうか。
最初から、歯の根が下歯槽神経に触っていれば、丁寧に抜いても、同じ感覚があります(激痛)。
ともかく、5年間の苦痛ですと、大変ですね。
舌神経ですと、マイクロサージェリーで切れた神経をつなげて治ったとの報告もあるので、一度、大学の口腔外科を受診されることをすすめます。
5年前ですと、薬での改善は期待できません。
もしかしたら、星状神経節ブロックという手もあるのですが、これも5年前ですと、効果は不明です。
よって、手術的がもっとも良いと思われます。
日常の生活に支障がない程度ですと、そのままがほとんどだと思われます。
地域の総合病院の口腔外科では、対応できないと思うので、大学病院が良いと思います。
それでも、マイクロでつなげるところとそうでないところがあります。
どこかというのは、それに得意な先生がいるかいないかで変わるので(たまたま退職したとか)、聞いてみないとわかりません。ごめんなさい。
松山先生が質問されているように、舌の左半分のしびれ感なのか、左の下唇のしびれ感のどちらかで回答が異なります。
下唇の麻痺に関しては、これまでも何度もすばらしい回答がありますので、それを参考にしてください。
海外では、舌側(内側)に歯を倒しこんだり、舌側の歯肉を大きくめくって抜くので発生率は、数%との論文もあります。
しかし、日本では、まったくといっていいほど発生しません。
よって、一般的には、どの施設でも事前に説明もしないと思います。
ごく僅か、報告もあるのも事実ですが、ごく僅かのため一般的にどのような操作というほどわかっていません。
松山先生が回答されているように、よほどのことがあるか、たまたま神経の位置がずれているなど、特異的なことがない限り、一般的な抜歯では起こりません。
たとえば、以下のサイトの10ページ目。
http://www.mcci.or.jp/www/shinkei/vol6.pdf
>最後の歯根を抜く瞬間に相当な激痛がありました。
力づくで歯根がなくなり、瞬間にきゅっと音がなったように記憶しています。
これも神経損傷の原因になりえますでしょうか。
最初から、歯の根が下歯槽神経に触っていれば、丁寧に抜いても、同じ感覚があります(激痛)。
ともかく、5年間の苦痛ですと、大変ですね。
舌神経ですと、マイクロサージェリーで切れた神経をつなげて治ったとの報告もあるので、一度、大学の口腔外科を受診されることをすすめます。
5年前ですと、薬での改善は期待できません。
もしかしたら、星状神経節ブロックという手もあるのですが、これも5年前ですと、効果は不明です。
よって、手術的がもっとも良いと思われます。
日常の生活に支障がない程度ですと、そのままがほとんどだと思われます。
地域の総合病院の口腔外科では、対応できないと思うので、大学病院が良いと思います。
それでも、マイクロでつなげるところとそうでないところがあります。
どこかというのは、それに得意な先生がいるかいないかで変わるので(たまたま退職したとか)、聞いてみないとわかりません。ごめんなさい。
回答3
湯浅です。
回答日時:2008-07-19 08:43:06
湯浅です
最近、論文を読んだ記憶があったので調べました(自宅なので、ネットですが)。
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015892837/
http://www.meteo-intergate.com/journal/search.html
↑
こちらで、「舌神経 抜歯」を検索キーワードにしてください。
やはり大学病院ですね。
メディカルオンラインですと、医療関係者でなくても、お金さえ払えば手に入ると思います。
書いてあるのは、専門医向けですが、症例報告なので、読むのは可能と思います。
PS:同じ大学からの報告ですね。
最近、論文を読んだ記憶があったので調べました(自宅なので、ネットですが)。
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015892837/
http://www.meteo-intergate.com/journal/search.html
↑
こちらで、「舌神経 抜歯」を検索キーワードにしてください。
やはり大学病院ですね。
メディカルオンラインですと、医療関係者でなくても、お金さえ払えば手に入ると思います。
書いてあるのは、専門医向けですが、症例報告なので、読むのは可能と思います。
PS:同じ大学からの報告ですね。
回答4
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2008-07-19 11:41:58
らさん、こんにちは。
舌の麻痺で大変お困りのことと思います。ご心中お察しします。
既に松山先生・湯浅先生から詳しいご回答が書かれていますが、数点加えたいと思います。
【1】舌神経と下歯槽神経の関係について
1)
らさんもおそらくはご自身で色々と調べられていると思いますが、舌神経と下歯槽神経は、下顎神経(三叉神経)からの枝分かれです。
下顎神経が途中で舌神経と下歯槽神経に枝分かれして、舌神経は名前の通り舌へ、下歯槽神経は下顎の骨の中(歯の下)を通って歯や歯茎、最終的には下唇に分布します。
2)
神経を損傷すると、その神経が支配している部位に障害が生じることになります。
3)
さて、親知らずの抜歯で一番問題となりやすいのは下歯槽神経です。
親知らずの歯のすぐ下を走行することが多く、抜歯過程で偶発的に損傷する可能性があります。
その場合は左下半分の歯・歯茎・唇の感覚異常は生じる可能性はあるとしても、舌の麻痺等をきたすことはありません。
4)
一方で舌神経は、大元の下顎神経から下顎の骨よりももっと手前で舌の側に分岐し、歯や歯茎の裏側(舌側)を走行して舌に分布します。
したがって、通常の親知らずの抜歯過程で、この舌神経を損傷する可能性は、場所的に低いということになります。
【2】舌神経を損傷する可能性
前記の通り、下歯槽神経に比較して舌神経は親知らずの抜歯で損傷する可能性は極めて低いです。
ですが湯浅先生がご回答されている通り、もちろんゼロではありません。
また神経の走行は人によって個人差があるため、通常は舌神経を触らないはずの手技で不幸にも損傷する可能性も否定はできません。
以下、舌神経損傷が起こりうる可能性を例示しておきます。
これらは通常頻繁に発生しうるものではなく、特殊なケースである事を前提にされてください。
1)舌側での局所麻酔
通常麻酔の注射は頬側に行いますが、親知らずの抜歯では舌側にも麻酔を追加される先生もおられます。
この場合、時として注射針が舌神経に触れてしまったり麻酔薬の影響が舌神経に出る可能性があります。
また、伝達麻酔でも舌神経に触れることも解剖学的には考えられます。
ただし、神経は通常直径が2.5mmから3mmであり、注射針はこれよりずっと細いです。
そのため、注射針で舌神経を損傷したと考えても、神経が完全に切断される可能性は低いと思われます。
2)抜歯時の切開
埋伏抜歯時には歯茎から骨膜まで切開を加えますが、この時に舌側に傾きすぎた切開を加えてしまうと、舌神経を損傷する可能性はあります。
3)縫合時の巻き込み
抜歯が終了して縫合する際に、2)で書いた切開が舌側によっていた場合、切開で傷付かない場合でも、縫合する際に舌神経を巻き込んで縛ってしまう可能性があります。
【3】今後の対応について
最後に今後の対応ですが、5年前の抜歯のどの過程で舌神経を損傷したか、という原因を追究することは、率直に申し上げると大変困難かと思います。
ですが、らさんが舌の知覚麻痺でお困りであることは事実ですし、大変不快な感じであると思われます。
ですので、私も湯浅先生のご回答と同じく、まずは大学病院での診察、ついで必要に応じた処置を行うことが良いのではと思います。
ただ、神経損傷の治療はケースによっては完全に奏効しないことも事実です。
神経の損傷箇所などが明確に確認できる場合は、湯浅先生が書かれておられるマイクロサージェリーで口の中からの手術が可能の場合もありますが、損傷箇所や原因が定かにならない場合は、なかなか決め手となる対応法がないのも事実です。
その辺りのことは、実際に大学病院を受診された際に、担当の先生からご説明を受けられてください。
何とからさんの舌の状況が望ましい方向に進まれることを願っています。
お大事にどうぞ。
舌の麻痺で大変お困りのことと思います。ご心中お察しします。
既に松山先生・湯浅先生から詳しいご回答が書かれていますが、数点加えたいと思います。
【1】舌神経と下歯槽神経の関係について
1)
らさんもおそらくはご自身で色々と調べられていると思いますが、舌神経と下歯槽神経は、下顎神経(三叉神経)からの枝分かれです。
下顎神経が途中で舌神経と下歯槽神経に枝分かれして、舌神経は名前の通り舌へ、下歯槽神経は下顎の骨の中(歯の下)を通って歯や歯茎、最終的には下唇に分布します。
2)
神経を損傷すると、その神経が支配している部位に障害が生じることになります。
3)
さて、親知らずの抜歯で一番問題となりやすいのは下歯槽神経です。
親知らずの歯のすぐ下を走行することが多く、抜歯過程で偶発的に損傷する可能性があります。
その場合は左下半分の歯・歯茎・唇の感覚異常は生じる可能性はあるとしても、舌の麻痺等をきたすことはありません。
4)
一方で舌神経は、大元の下顎神経から下顎の骨よりももっと手前で舌の側に分岐し、歯や歯茎の裏側(舌側)を走行して舌に分布します。
したがって、通常の親知らずの抜歯過程で、この舌神経を損傷する可能性は、場所的に低いということになります。
【2】舌神経を損傷する可能性
前記の通り、下歯槽神経に比較して舌神経は親知らずの抜歯で損傷する可能性は極めて低いです。
ですが湯浅先生がご回答されている通り、もちろんゼロではありません。
また神経の走行は人によって個人差があるため、通常は舌神経を触らないはずの手技で不幸にも損傷する可能性も否定はできません。
以下、舌神経損傷が起こりうる可能性を例示しておきます。
これらは通常頻繁に発生しうるものではなく、特殊なケースである事を前提にされてください。
1)舌側での局所麻酔
通常麻酔の注射は頬側に行いますが、親知らずの抜歯では舌側にも麻酔を追加される先生もおられます。
この場合、時として注射針が舌神経に触れてしまったり麻酔薬の影響が舌神経に出る可能性があります。
また、伝達麻酔でも舌神経に触れることも解剖学的には考えられます。
ただし、神経は通常直径が2.5mmから3mmであり、注射針はこれよりずっと細いです。
そのため、注射針で舌神経を損傷したと考えても、神経が完全に切断される可能性は低いと思われます。
2)抜歯時の切開
埋伏抜歯時には歯茎から骨膜まで切開を加えますが、この時に舌側に傾きすぎた切開を加えてしまうと、舌神経を損傷する可能性はあります。
3)縫合時の巻き込み
抜歯が終了して縫合する際に、2)で書いた切開が舌側によっていた場合、切開で傷付かない場合でも、縫合する際に舌神経を巻き込んで縛ってしまう可能性があります。
【3】今後の対応について
最後に今後の対応ですが、5年前の抜歯のどの過程で舌神経を損傷したか、という原因を追究することは、率直に申し上げると大変困難かと思います。
ですが、らさんが舌の知覚麻痺でお困りであることは事実ですし、大変不快な感じであると思われます。
ですので、私も湯浅先生のご回答と同じく、まずは大学病院での診察、ついで必要に応じた処置を行うことが良いのではと思います。
ただ、神経損傷の治療はケースによっては完全に奏効しないことも事実です。
神経の損傷箇所などが明確に確認できる場合は、湯浅先生が書かれておられるマイクロサージェリーで口の中からの手術が可能の場合もありますが、損傷箇所や原因が定かにならない場合は、なかなか決め手となる対応法がないのも事実です。
その辺りのことは、実際に大学病院を受診された際に、担当の先生からご説明を受けられてください。
何とからさんの舌の状況が望ましい方向に進まれることを願っています。
お大事にどうぞ。
回答5
回答日時:2008-07-19 12:41:40
こんにちは。
5年とは辛いですね、歯科よりも大学病院なりペインクリニック等受診された方が良い気がします。
原因よりも、今後のことの方が大事ですからね。
実は私は親知らずの抜歯の際に、下歯槽神経麻痺は経験がないものの、舌神経麻痺はお1人だけ経験しました。(そんなに珍しいんですね)
理屈としては中本先生の解説の通りで、自分の場合は
>1)舌側での局所麻酔
に当てはまると思うのですが、その通り、約半年で幸いに症状が消失しました。
患者さんとの話し合いでペインクリニックなどの他科は紹介せず、途中からビタミン剤(メチコバール)の処方はしましたが、効果の程は不明です。
参考⇒〔親知らずを抜いた後の舌のしびれについて〕
らさんの場合、すでに経過が長いことから、あくまで推測ではありますが局所麻酔時の僅かな損傷ではなさそうな気はします。
であれば時期的にはもう改善してそうですからね。
もしくは、きっかけは針の損傷だったのが違う種類の痛みに発展してしまった可能性もあるかも知れませんが、注射時ではなくて抜歯時に激痛を感じたとのことですから、おそらく抜歯に関連するかと。。
さらに推測ですが、抜歯時の骨折の際に、周囲の粘膜にも傷をつけるなどしてしまい、神経そのものを断裂してしまったのかも・・・・・・とは想像します。
ただこういったことはいくら注意を払っていても避けようがありませんし、今となってはそれを色々推測してもあまり意味はない様に感じてしまいます。
湯浅先生のおっしゃる様に、星状神経節ブロックが良いのか、外科手術が可能なのか、あるいはこのまま痛みと上手に付き合う選択をするのか、専門的な判断を、専門の先生に仰がれた方が良いかと思いますよ。
本当にお辛いこととは思いますが、何とか解決することを願っています。
お大事にされて下さい。
5年とは辛いですね、歯科よりも大学病院なりペインクリニック等受診された方が良い気がします。
原因よりも、今後のことの方が大事ですからね。
実は私は親知らずの抜歯の際に、下歯槽神経麻痺は経験がないものの、舌神経麻痺はお1人だけ経験しました。(そんなに珍しいんですね)
理屈としては中本先生の解説の通りで、自分の場合は
>1)舌側での局所麻酔
に当てはまると思うのですが、その通り、約半年で幸いに症状が消失しました。
患者さんとの話し合いでペインクリニックなどの他科は紹介せず、途中からビタミン剤(メチコバール)の処方はしましたが、効果の程は不明です。
参考⇒〔親知らずを抜いた後の舌のしびれについて〕
らさんの場合、すでに経過が長いことから、あくまで推測ではありますが局所麻酔時の僅かな損傷ではなさそうな気はします。
であれば時期的にはもう改善してそうですからね。
もしくは、きっかけは針の損傷だったのが違う種類の痛みに発展してしまった可能性もあるかも知れませんが、注射時ではなくて抜歯時に激痛を感じたとのことですから、おそらく抜歯に関連するかと。。
さらに推測ですが、抜歯時の骨折の際に、周囲の粘膜にも傷をつけるなどしてしまい、神経そのものを断裂してしまったのかも・・・・・・とは想像します。
ただこういったことはいくら注意を払っていても避けようがありませんし、今となってはそれを色々推測してもあまり意味はない様に感じてしまいます。
湯浅先生のおっしゃる様に、星状神経節ブロックが良いのか、外科手術が可能なのか、あるいはこのまま痛みと上手に付き合う選択をするのか、専門的な判断を、専門の先生に仰がれた方が良いかと思いますよ。
本当にお辛いこととは思いますが、何とか解決することを願っています。
お大事にされて下さい。
相談者からの返信
相談者:
らさん
返信日時:2008-07-23 21:55:56
お仕事をしながらの本当にお忙しいところ、全ての先生方のご丁寧なご回答に深く感謝致します。
下顎埋伏智歯(下親知らず)抜歯により、左舌先の痺れ(時に痛みを感じます)、左舌根元が引きつっています。
唇は大丈夫だと思います。
麻痺回復の為、大学病院にも通院していましたが、舌神経の縫合と言う選択肢は無いということでした
(麻痺が生じて10ヶ月後でしたが、手術をするには遅いということでした)。
浸潤麻酔の注射刺入点は全部で7点で(エラーが出て図がupできません)、うち3つは舌側でした。
智歯の頭の見えていた部分より遠心かつ舌側(切開前)に1カ所(智歯頬側に2カ所)、また、切開後に現れた智歯の部分のすぐ脇の舌側と頬側に歯根に近づくように場所を変えて2カ所ずつでした。
切開図では、舌側にも歯肉弁を形成しているように見えました。
1)舌側に歯肉弁を形成したとするとこの際に舌神経に触れて損傷した事や、舌側から刺された注射針が直接触れて舌神経が損傷した事が考えられると思いますが、神経に針などが物理的に直接触れるのでは無くて、浸潤した麻酔薬で神経が損傷する可能性も考えられるのでしょうか(回答4より)。
2)術前診断(下顎智歯抜歯前)のX線写真で、下顎智歯抜歯により、舌神経を損傷しやすいかどうか事前に判断することは出来るのでしょうか
(下歯槽神経を損傷しやすいかどうかは分かると思いますが)。
3) “>抜歯時の骨折の際”(回答5より)というのは、“歯根を取り去る時”、という解釈で宜しいのでしょうか(骨折の意味を教えて頂けませんか)。
4) 麻酔が効いていても、激痛を感じるのでしょうか。
(>最初から、歯の根が下歯槽神経に触っていれば、丁寧に抜いても、同じ感覚があります(激痛)−湯浅先生の回答より)
非常にお忙しいところ申し訳ございませんが、上記4つの質問に、コメント、ご回答頂ければ幸いでございます。宜しくお願い申し上げます。
下顎埋伏智歯(下親知らず)抜歯により、左舌先の痺れ(時に痛みを感じます)、左舌根元が引きつっています。
唇は大丈夫だと思います。
麻痺回復の為、大学病院にも通院していましたが、舌神経の縫合と言う選択肢は無いということでした
(麻痺が生じて10ヶ月後でしたが、手術をするには遅いということでした)。
浸潤麻酔の注射刺入点は全部で7点で(エラーが出て図がupできません)、うち3つは舌側でした。
智歯の頭の見えていた部分より遠心かつ舌側(切開前)に1カ所(智歯頬側に2カ所)、また、切開後に現れた智歯の部分のすぐ脇の舌側と頬側に歯根に近づくように場所を変えて2カ所ずつでした。
切開図では、舌側にも歯肉弁を形成しているように見えました。
1)舌側に歯肉弁を形成したとするとこの際に舌神経に触れて損傷した事や、舌側から刺された注射針が直接触れて舌神経が損傷した事が考えられると思いますが、神経に針などが物理的に直接触れるのでは無くて、浸潤した麻酔薬で神経が損傷する可能性も考えられるのでしょうか(回答4より)。
2)術前診断(下顎智歯抜歯前)のX線写真で、下顎智歯抜歯により、舌神経を損傷しやすいかどうか事前に判断することは出来るのでしょうか
(下歯槽神経を損傷しやすいかどうかは分かると思いますが)。
3) “>抜歯時の骨折の際”(回答5より)というのは、“歯根を取り去る時”、という解釈で宜しいのでしょうか(骨折の意味を教えて頂けませんか)。
4) 麻酔が効いていても、激痛を感じるのでしょうか。
(>最初から、歯の根が下歯槽神経に触っていれば、丁寧に抜いても、同じ感覚があります(激痛)−湯浅先生の回答より)
非常にお忙しいところ申し訳ございませんが、上記4つの質問に、コメント、ご回答頂ければ幸いでございます。宜しくお願い申し上げます。
回答6
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2008-07-24 00:04:05
らさん、あらためまして。
お答えできる範囲でコメントいたします。
【ご質問1】
>浸潤した麻酔薬で神経が損傷する可能性も考えられるのでしょうか
【回答】
これは、麻酔薬そのものの影響というよりは、麻酔薬に配合されている血管収縮薬や、麻酔器具・カートリッジに付着したアルコールの影響で、神経組織の一過性の変性が考えられます。
ただ、神経を切断・断裂するまでの影響は考えにくいです。
少なくとも5年に及ぶ症状の原因になるとは思えません。
【ご質問2】
>術前診断(下顎智歯抜歯前)のX線写真で、下顎智歯抜歯により、舌神経を損傷しやすいかどうか事前に判断することは出来るのでしょうか
【回答】
舌神経はX線で得られる情報も少なく、また前記回答の通り神経の走行には個人差もあることから、事前の予測は困難であると思われます。
※付記
なお、一点気になる点がありましたのでコメントさせてください。
【1】
当初のご質問を拝見して、私はらさんが「舌の症状の対処をどうしたら良いのか」ということを一番にお悩みになっておられるのでは、と思い回答いたしました。
ですが、今回のご質問をうかがうかぎり、らさんは既に大学病院も受診されているとのこと。
そこではどのような診断と対処がされたでしょうか。
【2】
私が気になったのは、今回のご質問を受けて、再度前回からの流れをトータルで拝見してみたところ、「現在の舌の症状の改善に向けての質問」よりも「舌の症状の原因追求」の要素が強いように感じられます。
また、浸潤麻酔の刺入点や切開図・歯肉弁に関することなども、相当詳しくお調べになられている(あるいは抜歯を担当された先生より説明を受けられている)ことと思います。
【3】
ただ、前記回答にも書きましたとおり、抜歯から5年たった現在では、その原因を追究することは極めて困難であると思われます。
また、“症状の改善”という観点からは、5年前の抜歯手技のどの時点で神経損傷をきたしたのかを追及することは、今となっては必要性は決して高くないと思います(抜歯とは無関係のその他の疾患が疑われるのであれば別ですが)。
【4】
一方で、これは全くの推測ですが、もしかするとらさんは、“症状の改善”とは別の目的で、原因の追究をなされているのかもしれません。
ですが法的な見地からも・テクニカルな見地からも、インターネットの医療相談で、文面のみのご質問から、らさんの神経損傷の原因となりうる可能性を色々と探ることは、これ以上は難しいかと思われます。
【5】
5年間、舌の症状で大変お困りであったことと思います。
また大学病院の受診等、ご自身でも色々と対処なされた上で、現在もお困りの状況にあると思います。
何とか良い方向に向かわれることを願っていますが、ネット相談ではどうしても限界が存在します。
あまりお役に立てずに申し訳ありません。
お大事にどうぞ。
お答えできる範囲でコメントいたします。
【ご質問1】
>浸潤した麻酔薬で神経が損傷する可能性も考えられるのでしょうか
【回答】
これは、麻酔薬そのものの影響というよりは、麻酔薬に配合されている血管収縮薬や、麻酔器具・カートリッジに付着したアルコールの影響で、神経組織の一過性の変性が考えられます。
ただ、神経を切断・断裂するまでの影響は考えにくいです。
少なくとも5年に及ぶ症状の原因になるとは思えません。
【ご質問2】
>術前診断(下顎智歯抜歯前)のX線写真で、下顎智歯抜歯により、舌神経を損傷しやすいかどうか事前に判断することは出来るのでしょうか
【回答】
舌神経はX線で得られる情報も少なく、また前記回答の通り神経の走行には個人差もあることから、事前の予測は困難であると思われます。
※付記
なお、一点気になる点がありましたのでコメントさせてください。
【1】
当初のご質問を拝見して、私はらさんが「舌の症状の対処をどうしたら良いのか」ということを一番にお悩みになっておられるのでは、と思い回答いたしました。
ですが、今回のご質問をうかがうかぎり、らさんは既に大学病院も受診されているとのこと。
そこではどのような診断と対処がされたでしょうか。
【2】
私が気になったのは、今回のご質問を受けて、再度前回からの流れをトータルで拝見してみたところ、「現在の舌の症状の改善に向けての質問」よりも「舌の症状の原因追求」の要素が強いように感じられます。
また、浸潤麻酔の刺入点や切開図・歯肉弁に関することなども、相当詳しくお調べになられている(あるいは抜歯を担当された先生より説明を受けられている)ことと思います。
【3】
ただ、前記回答にも書きましたとおり、抜歯から5年たった現在では、その原因を追究することは極めて困難であると思われます。
また、“症状の改善”という観点からは、5年前の抜歯手技のどの時点で神経損傷をきたしたのかを追及することは、今となっては必要性は決して高くないと思います(抜歯とは無関係のその他の疾患が疑われるのであれば別ですが)。
【4】
一方で、これは全くの推測ですが、もしかするとらさんは、“症状の改善”とは別の目的で、原因の追究をなされているのかもしれません。
ですが法的な見地からも・テクニカルな見地からも、インターネットの医療相談で、文面のみのご質問から、らさんの神経損傷の原因となりうる可能性を色々と探ることは、これ以上は難しいかと思われます。
【5】
5年間、舌の症状で大変お困りであったことと思います。
また大学病院の受診等、ご自身でも色々と対処なされた上で、現在もお困りの状況にあると思います。
何とか良い方向に向かわれることを願っていますが、ネット相談ではどうしても限界が存在します。
あまりお役に立てずに申し訳ありません。
お大事にどうぞ。
回答7
回答日時:2008-07-24 01:18:13
中本先生のご回答の通りですが、私の担当のところだけ。
>3) “>抜歯時の骨折の際”(回答5より)というのは、“歯根を取り去る時”、という解釈で宜しいのでしょうか(骨折の意味を教えて頂けませんか)。
“歯根を取り去る時”、で良いですよ。
毎回必ず起きる様なことではありませんが、歯根の周りに薄い顎骨がひっかかっていたりすると、抜くために歯根に力を入れた際に折れることがしばしばあります。
折れると言っても当然非常に狭い範囲のことですから、「骨折」という言葉のイメージとは少し異なるかも知れませんね。
>3) “>抜歯時の骨折の際”(回答5より)というのは、“歯根を取り去る時”、という解釈で宜しいのでしょうか(骨折の意味を教えて頂けませんか)。
“歯根を取り去る時”、で良いですよ。
毎回必ず起きる様なことではありませんが、歯根の周りに薄い顎骨がひっかかっていたりすると、抜くために歯根に力を入れた際に折れることがしばしばあります。
折れると言っても当然非常に狭い範囲のことですから、「骨折」という言葉のイメージとは少し異なるかも知れませんね。
相談者からの返信
相談者:
らさん
返信日時:2008-07-24 13:34:21
ご回答本当にありがとうございます。
先生方に教えて頂いた事をヒントにさせて頂いて、自分でこの損傷が起こった可能性を調べて、確認しながら考えてみるつもりです。
次の一点だけ、もしご回答が可能であれば、教えて頂ければ幸いでございます。
1)X線写真から得られるだけの舌神経の情報を読み取るには、写真のどの箇所を診れば宜しいのでしょうか。
図書、文献情報などでも頂ければ幸いです。
(>舌神経はX線で得られる情報も少なく、また前記回答の通り神経の走行には個人差もあることから、事前の予測は困難であると思われます。)
また下記のご質問に関しましては、ビタミンB12とATPの投与を約1年続けました(麻痺になってから、約10ヶ月後から投与開始)。
舌神経は切れてはいないだろうという診断でした。
症状の改善はみられませんでした。
(>既に大学病院も受診されているとのこと。
そこではどのような診断と対処がされたでしょうか。)
先生方に教えて頂いた事をヒントにさせて頂いて、自分でこの損傷が起こった可能性を調べて、確認しながら考えてみるつもりです。
次の一点だけ、もしご回答が可能であれば、教えて頂ければ幸いでございます。
1)X線写真から得られるだけの舌神経の情報を読み取るには、写真のどの箇所を診れば宜しいのでしょうか。
図書、文献情報などでも頂ければ幸いです。
(>舌神経はX線で得られる情報も少なく、また前記回答の通り神経の走行には個人差もあることから、事前の予測は困難であると思われます。)
また下記のご質問に関しましては、ビタミンB12とATPの投与を約1年続けました(麻痺になってから、約10ヶ月後から投与開始)。
舌神経は切れてはいないだろうという診断でした。
症状の改善はみられませんでした。
(>既に大学病院も受診されているとのこと。
そこではどのような診断と対処がされたでしょうか。)
回答8
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2008-07-24 14:30:38
らさん、こんにちは。
「舌神経はX線で得られる情報も少なく」と書きましたが、これは限りなく得られる情報はゼロであるということです。
X線は通常、歯や骨といった硬組織を写し出します。
神経は写りません。
下歯槽神経の位置がX線で確認できるのは、下歯槽神経自体が写るからではなく、下歯槽神経・同動静脈が入っている下顎骨の管(下顎管)がX線で確認できるからにすぎません。
舌神経はこういった骨の管を通っているわけではないので、X線での確認はできません。
加えて、繰り返しコメントしますが、神経の走行は人によって差異があります。
したがって、術前の予測は極めて困難であり、全ての歯科医師が、不幸にして舌神経損傷を偶発的にきたす可能性をゼロにすることは不可能であると思われます。
以上、ご参考になれば幸いです。
「舌神経はX線で得られる情報も少なく」と書きましたが、これは限りなく得られる情報はゼロであるということです。
X線は通常、歯や骨といった硬組織を写し出します。
神経は写りません。
下歯槽神経の位置がX線で確認できるのは、下歯槽神経自体が写るからではなく、下歯槽神経・同動静脈が入っている下顎骨の管(下顎管)がX線で確認できるからにすぎません。
舌神経はこういった骨の管を通っているわけではないので、X線での確認はできません。
加えて、繰り返しコメントしますが、神経の走行は人によって差異があります。
したがって、術前の予測は極めて困難であり、全ての歯科医師が、不幸にして舌神経損傷を偶発的にきたす可能性をゼロにすることは不可能であると思われます。
以上、ご参考になれば幸いです。
相談者からの返信
相談者:
らさん
返信日時:2008-07-24 18:55:03
タイトル | 親知らず抜歯後5年続く、舌神経麻痺の原因について知りたい |
---|---|
質問者 | らさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 35歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
抜歯後の痛み・異常・トラブル 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず) 親知らずの抜歯 親知らずその他 専門的な質問その他 親知らず抜歯後の後遺症・トラブル 親知らず抜歯後の麻痺・しびれ |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。