[写真あり] 子どもの6歳臼歯にC1の虫歯、治療はシーラントで大丈夫?
相談者:
くりさん (38歳:女性)
投稿日時:2008-08-12 02:41:54
こんにちは。現在7歳の子供の虫歯治療についてです。
予防にはとても気をつけていたつもりでしたが、子供の6歳臼歯に虫歯をつくってしまいました。
ひとつは右下頬側に小さな茶色の点。
これはくぼみもほとんどない状態。
もうひとつは左上舌側の側面にある溝に白濁部分があり、C1の虫歯で少し削れているとのこと。
削らなくてもよい虫歯でシーラントをしましょうとのこと。
両方にシーラントです。
「虫歯にシーラント?」
「シーランとは逆に虫歯を作りやすいとも聞くし・・」
と思いながらその旨伝えると、
「シーラントした部分から虫歯になるとは聞いたことないです。欠けた時はそうなる可能性もありますが・・」
とのこと。
なんだか腑におちないままシーラントをしてもらう形になりました。
ちなみにここまではすべて歯科衛生士さんです。
最終のチェックは先生がしましたが。
シーラントは6歳臼歯の咬合面溝にはしております。
が、今回の治療はなんだか引っ掛かります。
・このような場合のC1虫歯部分にシーラントするのは心配ないのでしょうか?
・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
予防にはとても気をつけていたつもりでしたが、子供の6歳臼歯に虫歯をつくってしまいました。
ひとつは右下頬側に小さな茶色の点。
これはくぼみもほとんどない状態。
もうひとつは左上舌側の側面にある溝に白濁部分があり、C1の虫歯で少し削れているとのこと。
削らなくてもよい虫歯でシーラントをしましょうとのこと。
両方にシーラントです。
「虫歯にシーラント?」
「シーランとは逆に虫歯を作りやすいとも聞くし・・」
と思いながらその旨伝えると、
「シーラントした部分から虫歯になるとは聞いたことないです。欠けた時はそうなる可能性もありますが・・」
とのこと。
なんだか腑におちないままシーラントをしてもらう形になりました。
ちなみにここまではすべて歯科衛生士さんです。
最終のチェックは先生がしましたが。
シーラントは6歳臼歯の咬合面溝にはしております。
が、今回の治療はなんだか引っ掛かります。
・このような場合のC1虫歯部分にシーラントするのは心配ないのでしょうか?
・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
回答1
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2008-08-12 07:12:08
くり さまおはようございます。
>シーランとは逆に虫歯を作りやすいとも聞くし・・
シーラントの材質にはプラスチック系とセメント系があります。
セメント系のシーラントは取れるときに磨り減ってポロポロ取れていきます、そのためにシーラント取れかけたことによるむし歯にはなりにくいと考えております。
しかしプラスチック系のシーランとは欠けることが無いため、一部がエナメルにくっついたまま取れずに残ってしまうことがあり、その様な取れ方をした場合にはその下でむし歯になってしまうことがあります。
したがってセメント系のシーラントを使えば虫歯を作りやすいということは無いと思います。
ただ取れやすいので半年に一回くらいのチェックは必要だと思います。
>・このような場合のC1虫歯部分にシーラントするのは心配ないのでしょうか?
むし歯がエナメル質に限局しておれば問題ないと思います。
>・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
その歯を実際に診たわけでは無いので難しいところですが、エナメル質の白濁がもう少し進行してエナメルの表面が崩壊を起こしている状態では無いでしょうか。
もしそうであるなら、むし歯を削って詰めるかそのまま削らずに詰めるかの判断は難しい所だと思います。
削らずに詰めたのなら注意深いフォローが必要だと思います、むし歯が進行してくるようならその時点で、むし歯を除去して充填処置が必要だと思います。
その辺りを主治医の先生に尋ねてみられてはいかがでしょうか。
お大事になさってください。
シーラント
http://www.yamadashika.jp/prevent02.html#a03
画像1 エナメル質の白濁 一部茶色く変色が始まっている、もう少し進行すると表面が崩壊してきます。
画像1
>シーランとは逆に虫歯を作りやすいとも聞くし・・
シーラントの材質にはプラスチック系とセメント系があります。
セメント系のシーラントは取れるときに磨り減ってポロポロ取れていきます、そのためにシーラント取れかけたことによるむし歯にはなりにくいと考えております。
しかしプラスチック系のシーランとは欠けることが無いため、一部がエナメルにくっついたまま取れずに残ってしまうことがあり、その様な取れ方をした場合にはその下でむし歯になってしまうことがあります。
したがってセメント系のシーラントを使えば虫歯を作りやすいということは無いと思います。
ただ取れやすいので半年に一回くらいのチェックは必要だと思います。
>・このような場合のC1虫歯部分にシーラントするのは心配ないのでしょうか?
むし歯がエナメル質に限局しておれば問題ないと思います。
>・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
その歯を実際に診たわけでは無いので難しいところですが、エナメル質の白濁がもう少し進行してエナメルの表面が崩壊を起こしている状態では無いでしょうか。
もしそうであるなら、むし歯を削って詰めるかそのまま削らずに詰めるかの判断は難しい所だと思います。
削らずに詰めたのなら注意深いフォローが必要だと思います、むし歯が進行してくるようならその時点で、むし歯を除去して充填処置が必要だと思います。
その辺りを主治医の先生に尋ねてみられてはいかがでしょうか。
お大事になさってください。
シーラント
http://www.yamadashika.jp/prevent02.html#a03
画像1 エナメル質の白濁 一部茶色く変色が始まっている、もう少し進行すると表面が崩壊してきます。
画像1
回答2
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2008-08-12 11:50:36
僕も山田先生とほぼ同意見です。
実はウチの法人では衛生士専門学校を経営しているのですが、専門学校では「レジン系のシーラント」を教えています。
しかし、僕個人の臨床では「グラスアイオノマーセメントによるシーラント」を行う事の方が多いです。
レジン系シーラントは
・ラバーダムをかけ
・適切な歯面処理を行う
事で理想的なシーラントを行う事ができます。
しかし、この二つの用件を満たすことは現実問題としては難しのです(森川先生を除く)。
ラバーダムは歯頚部と言って、歯のくびれにかけます。
萌出途中でくびれの無い6歳臼歯に適切にラバーダムをかけることは容易なことではありません(森川先生を除く)。
また、ピンポイントでエナメル質をエッチングする事も容易ではありません。
衛生士学校の学生さんの年齢は18才以上ですから、6歳臼歯は十分に生えきっていますし、治療が嫌で暴れたりもしません。
しっかりとラバーダムをかけることが可能で、歯面処理も適切に行えます。
学生同士の相互実習でもシーラント剤はしっかり歯面に接着しています。
ですから「理想的なシーラント」を教えることが可能なわけです。
接着していないシーラント剤は虫歯の温床になりかねません。
ですから僕も、山田先生のおっしゃられているように「万が一、外れてしまったとしても安全性が高いのはグラスアイオノマーセメントによるシーラント」と言う選択肢が現実的なのではないかと考えています。
そして、もうひとつ。
レジン系シーラントに比べ、グラスアイオノマーセメントはフッ素の放出量が圧倒的に多いとされています。
フッ素の放出により、歯質が強化され、顕微鏡レベルでの再石灰化が期待できますし、グラスアイオノマーセメント自体がスポンジのような役割をして、フッ素洗口剤やフッ化物の局所塗布などからフッ素成分を取り込み、長時間蓄えておく事が可能になり、再放出する事により歯質強化に貢献すると言われています(リチャージと言います)。
白濁が改善されるところまで再石灰化するか?と言われると厳しい面があるのですが、それでも虫歯予防には「やらないより効果があるんじゃない?」とは言えると思います。
実はウチの法人では衛生士専門学校を経営しているのですが、専門学校では「レジン系のシーラント」を教えています。
しかし、僕個人の臨床では「グラスアイオノマーセメントによるシーラント」を行う事の方が多いです。
レジン系シーラントは
・ラバーダムをかけ
・適切な歯面処理を行う
事で理想的なシーラントを行う事ができます。
しかし、この二つの用件を満たすことは現実問題としては難しのです(森川先生を除く)。
ラバーダムは歯頚部と言って、歯のくびれにかけます。
萌出途中でくびれの無い6歳臼歯に適切にラバーダムをかけることは容易なことではありません(森川先生を除く)。
また、ピンポイントでエナメル質をエッチングする事も容易ではありません。
衛生士学校の学生さんの年齢は18才以上ですから、6歳臼歯は十分に生えきっていますし、治療が嫌で暴れたりもしません。
しっかりとラバーダムをかけることが可能で、歯面処理も適切に行えます。
学生同士の相互実習でもシーラント剤はしっかり歯面に接着しています。
ですから「理想的なシーラント」を教えることが可能なわけです。
接着していないシーラント剤は虫歯の温床になりかねません。
ですから僕も、山田先生のおっしゃられているように「万が一、外れてしまったとしても安全性が高いのはグラスアイオノマーセメントによるシーラント」と言う選択肢が現実的なのではないかと考えています。
そして、もうひとつ。
レジン系シーラントに比べ、グラスアイオノマーセメントはフッ素の放出量が圧倒的に多いとされています。
フッ素の放出により、歯質が強化され、顕微鏡レベルでの再石灰化が期待できますし、グラスアイオノマーセメント自体がスポンジのような役割をして、フッ素洗口剤やフッ化物の局所塗布などからフッ素成分を取り込み、長時間蓄えておく事が可能になり、再放出する事により歯質強化に貢献すると言われています(リチャージと言います)。
白濁が改善されるところまで再石灰化するか?と言われると厳しい面があるのですが、それでも虫歯予防には「やらないより効果があるんじゃない?」とは言えると思います。
回答3
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-08-12 21:58:03
>・このような場合のC1虫歯部分にシーラントするのは心配ないのでしょうか?
くりさんは、シーラントを健全な歯(もしくはCO)に対してだけ行うものと考えているんですよね?
CO、C1の鑑別はかならずしも簡単ではありません。また、シーラントは健全な歯質は取り除きませんが、レジン充填の場合は必ず健全な歯質の除去を伴います。
ですので、C1なら必ずレジン充填したほうが良いとまでは言い切れないと思います。
また、当然ですが、C1だからといって、何も機械的な処置を行わなかった場合は、虫歯が進行してしまう可能性が十分あります。
・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
できます。(できまくりです。)
タイヨウ先生>
私は、ミラクルゴールドフィンガーの持ち主ではありませんので、シーラントの時にラバーがかけられない経験は山ほどあります。(私が、「全症例にラバーをかける派」ではないのは周知のことかと思いますが・・・)
といいますか、6歳臼歯のシーラントは、萌出途中で行うのが普通ですから、(私の技術では)大概はラバーがかけられません。
その場合、シーラントは暫間的な治療との位置付けです。
くりさんは、シーラントを健全な歯(もしくはCO)に対してだけ行うものと考えているんですよね?
CO、C1の鑑別はかならずしも簡単ではありません。また、シーラントは健全な歯質は取り除きませんが、レジン充填の場合は必ず健全な歯質の除去を伴います。
ですので、C1なら必ずレジン充填したほうが良いとまでは言い切れないと思います。
また、当然ですが、C1だからといって、何も機械的な処置を行わなかった場合は、虫歯が進行してしまう可能性が十分あります。
・白濁部分は少し削れてしまっているらしいですが、永久歯でも白くて削れてしまっている虫歯はできるのでしょうか?
できます。(できまくりです。)
タイヨウ先生>
私は、ミラクルゴールドフィンガーの持ち主ではありませんので、シーラントの時にラバーがかけられない経験は山ほどあります。(私が、「全症例にラバーをかける派」ではないのは周知のことかと思いますが・・・)
といいますか、6歳臼歯のシーラントは、萌出途中で行うのが普通ですから、(私の技術では)大概はラバーがかけられません。
その場合、シーラントは暫間的な治療との位置付けです。
相談者からの返信
相談者:
くりさん
返信日時:2008-08-12 22:29:22
山田先生 タイヨウ先生、森川先生 ありがとうございます。
シーラントの種類のこと、その特性。
虫歯にシーラントを使う場合のこと。
よくわかりました。
息子の虫歯の処置後、悶々としていたものがすっきりとしました。
私が歯のことでは苦労してますので、子供の歯を守りたい一心でまた六才臼歯は絶対に虫歯にしないぞと 仕上げ磨きしておりましたのに このざまです。
咬合面ばかり気を付けていました・・
もっと歯磨きがうまくなりたいとネットや歯科で歯磨き指導をうけているのですけれど・・・
もっともっと上手になりたいです。
シーラントといっても種類があるのですね。
たしか「フッ素成分の多いシーラントをしておきます。」というようなことを言っておられました。
次回、どのようなシーラントなのか聞いてみようと思います。
もしプラスチック系のシーラントをつかっている場合は、やり直ししてもらうのは歯にとっていかがなものでしょうか?
それから今回シーラントしたところは十分注意していこうと思っていますが、素人がみて シーラントがはがれているとか虫歯が進行しているって判るものなのでしょうか?
シーラントの種類のこと、その特性。
虫歯にシーラントを使う場合のこと。
よくわかりました。
息子の虫歯の処置後、悶々としていたものがすっきりとしました。
私が歯のことでは苦労してますので、子供の歯を守りたい一心でまた六才臼歯は絶対に虫歯にしないぞと 仕上げ磨きしておりましたのに このざまです。
咬合面ばかり気を付けていました・・
もっと歯磨きがうまくなりたいとネットや歯科で歯磨き指導をうけているのですけれど・・・
もっともっと上手になりたいです。
シーラントといっても種類があるのですね。
たしか「フッ素成分の多いシーラントをしておきます。」というようなことを言っておられました。
次回、どのようなシーラントなのか聞いてみようと思います。
もしプラスチック系のシーラントをつかっている場合は、やり直ししてもらうのは歯にとっていかがなものでしょうか?
それから今回シーラントしたところは十分注意していこうと思っていますが、素人がみて シーラントがはがれているとか虫歯が進行しているって判るものなのでしょうか?
回答4
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-08-12 22:58:31
>もしプラスチック系のシーラントをつかっている場合は、やり直ししてもらうのは歯にとっていかがなものでしょうか?
やり直しの必要はないと思います。
私はグラスアイオノマー系のシーラントは使いませんが、それは、グラスアイオノマー系のほうが、レジン系よりも臨床成績が悪いといったことは良く聞きますが、逆にレジン系のほうが成績が悪いと言ったデータを(探せばあるかもしれませんが)見たことがありません。
いくら基礎実験でよくても、実際の臨床でよくなければ意味がないと思います。
>それから今回シーラントしたところは十分注意していこうと思っていますが、素人がみて シーラントがはがれているとか虫歯が進行しているって判るものなのでしょうか?
簡単にはわからないと思います。
定期的に通院されるのがよろしいかと思います。
やり直しの必要はないと思います。
私はグラスアイオノマー系のシーラントは使いませんが、それは、グラスアイオノマー系のほうが、レジン系よりも臨床成績が悪いといったことは良く聞きますが、逆にレジン系のほうが成績が悪いと言ったデータを(探せばあるかもしれませんが)見たことがありません。
いくら基礎実験でよくても、実際の臨床でよくなければ意味がないと思います。
>それから今回シーラントしたところは十分注意していこうと思っていますが、素人がみて シーラントがはがれているとか虫歯が進行しているって判るものなのでしょうか?
簡単にはわからないと思います。
定期的に通院されるのがよろしいかと思います。
相談者からの返信
相談者:
くりさん
返信日時:2008-08-14 12:50:17
ご返答ありあがとございました。
3か月ごとの定期健診にはかよってるものの、その場でうまく聞けないことや、帰宅して時間がたってから疑問が出てくることも多々ある中で、このようなサイトがあることに感謝いたします。
3か月ごとの定期健診にはかよってるものの、その場でうまく聞けないことや、帰宅して時間がたってから疑問が出てくることも多々ある中で、このようなサイトがあることに感謝いたします。
タイトル | [写真あり] 子どもの6歳臼歯にC1の虫歯、治療はシーラントで大丈夫? |
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質問者 | くりさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
虫歯治療 虫歯予防 シーラント その他(写真あり) 子供(子ども)の虫歯 子供の虫歯予防 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。