[写真あり] 歯の神経を「取る・取らない」と保険「内・外」治療の関係について

相談者: kuronekoさん (40歳:女性)
投稿日時:2008-08-29 23:17:05
初めまして。

東京でずっと同じ歯医者さんに診て頂いていたのですが、事情で出身地に戻ることになりました。

東京で最後に定期検査をした時、虫歯が見つかったのですが、時間がなかったので、出身地で治療することにしました。
痛み等の自覚症状は全くありませんでした。


今日、出身地で新しい歯医者さんに初めて診て頂いたのですが先生の説明によると

レントゲンの所見では大分進行しているので、根の治療(根の神経を取る)が必要。

しかし1時間3万円くらいする保険外の薬(水酸化カルシウム系の薬とのこと)を使えば根の神経を取らなくてもすむ。

保険内の治療では根は取らない治療はできない。」

とのことでした。


私自身は「根の神経を取るとの寿命が短くなる」と思っていたので、取らずにすむのならば取らない治療を選択したいのですが「1時間3万円」という治療費にちょっと驚いたのと、「保険外治療なら神経を取らずに済むが、保険内なら取らなければならない」というのが、よく理解できませんでした。


東京のお医者さんに電話で意見を伺ったところ

「痛みもまだ無いので100%取らないといけないとは言えないが、治療を始めてみないとわからない」

とのことでした。



納得の行かない治療を受けるのは気が進まないので、出身地で別の歯医者さんの意見も聞いてみようと思うのですが、

1) 保険内治療で根の神経が残せる治療はないのでしょうか?
2) 逆に「保険内治療で根の神経が残せる」と言う歯医者さんがいたら、治療技術や効果をあまり信用しない方がよいのでしょうか?

懸案の歯は「右下5」です。
レントゲン写真は東京の歯医者さんがくれました。
2Mバイトあったのでサイズを落としています。

長くなってしまいましたが、ご回答いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-08-29 23:45:37
保険内の治療ではそれなりに、
保険外の治療では丁寧に

という意味だと思います。
確かに神経まで近い虫歯があるようにも見えます。


●保険治療の場合、無理をして神経を残す治療をして痛みが出てクレームがつくくらいなら神経を取ってしまおう

●保険外で十分な時間と費用をかけて丁寧に治療を行うのであれば、がんばって神経を温存することにトライしてみよう


といった背景があるのではないでしょうか?

薬=高い

との解釈ではなく、

技術料=高い

との解釈が正しいです。


ただ、現在の治療方針に疑問を感じる気持ちは良くわかります。
せっかくですから他の医院にも行ってみて、セカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか?

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 10:35:12
大筋でタカタ先生の書かれた通りです。

おそらく、地元の先生は「保険外の薬を使えば神経を取らなくても済むかもしれない」と言う事を伝えたかったのだと思います。

死んでしまいそうな歯の神経を取る抜歯してしまう事は実は歯医者にとっては非常に簡単な事です。
しかし「死にそうなを保存する事」は非常に難しく技術が必要です。

そのあたりをkuronekoさん自身も考えてみてください。
もちろん、セカンドオピニオンを求められても良いと思います。




参考までに(わかりにくい写真かと思いますが)

画像1は虫歯を削っていったら神経が露出してしまった写真です。
画像2は保険外の薬剤を使い、丁寧に処置をして神経を保存できた写真です。
(途中経過は長くなるのではぶきますが‥)


神経を取る処置は5分で行えます。
神経を守る処置は1時間かかりました。

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-30 14:40:34
タカタ先生・タイヨウ先生
(連名で失礼いたします)

お忙しい中、御丁寧なお返事を有難うございました。

保険内と外の治療では差があるのは当然」
「神経を保存するのは難しい」

ということは理解できました。



気持ち的な問題だと思うのですが、新しく診ていただいた先生のご説明が

保険外の治療を選択するなら神経を取るしかない」

という、選択の余地がない印象を受けたこと(神経は取ってしまえば再生しないのですよね?)。

また添付した写真は東京の先生から頂いたのですが
(先週撮影したばかりで、放射線量は微量とはいえ何度もレントゲン写真を取りたくなかったので)、

地元で結局再度撮影を強く求められ、その後、写真を頂けるか尋ねたところ「機械に取り込んでいるので出せない」と断られたこと(パソコン上で見ているのに??)、等々で若くて決して感じの悪い先生ではなかったのですが、今ひとつ信頼したいという気持ちがくじけます。

やはり他の歯医者さんにも診て頂いて、ご意見を伺ってみようと思います。



[ところで根の治療に関する質問なのですが]

虫歯が神経まで達していれば治療は必要というのはわかりますが
「神経を取る」と言った場合、神経は全て取るのでしょうか?

東京で右上6番を治療した時、結局、根の神経を取ったのですが
最初は全て取らなかったような記憶が。。。

「根は2-3本ある(?)ので、様子を見ながら少しずつ取っていき、だめだったので結局、全て取ったが、進行しなければ、1-2本は残しておく事も可能」という理解は正しくないですか?

また長くなってしまいましたが、ご回答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 17:50:46
こんにちは。
確かに色々な意味でちょっと微妙な話になりますから、混乱してしまいますよね。



>1) 保険内治療で根の神経が残せる治療はないのでしょうか?

についてですが、保険内で神経を残す(確証はありませんから、”残そうとする”が正しいです)治療法も一応ありますよ。

保険用語では「直接覆とう」と言って、これも水酸化カルシウム系(と言っても色々ですが・・)を使用するのですが、問題点が2点、

・成功率がそれほど見込めない
・医院収入が、手間に対して異常に低い(≒必要な手間をかけられない)
 ※医院収入で1200円(3割負担の患者さんで360円)+色々な制限

参考⇒神経を取らないためには?(3Mix-MP法 or 直接覆髄 or 間接覆髄)
(井野先生の回答2に、詳しく書いてあります)



実質的には

「もっと良さそうな材料もあるのに、それは使えない」
「まともにやると1時間ぐらいかかることを(コスト的に)5分以内でやらなくてはいけない」

・・方法の様に思えます。

もちろん、赤字覚悟で時間をかけて丁寧にして下さる先生もいらっしゃるかと思いますので、ご希望でしたら探されても良いかも知れませんね。



>2) 逆に「保険内治療で根の神経が残せる」と言う歯医者さんがいたら、治療技術や効果をあまり信用しない方がよいのでしょうか?

うーん・・解釈が難しいのですが、以前かかられてた先生のおっしゃる様に、極端に大きい虫歯や強い症状がある場合をのぞけば、

神経を抜くか抜かないかは実際に削ってみないと判断出来ない」

と思います。

ですが実際のところは保険点数の関係もあってか、「神経は抜く予定で削る」と言うケースが多い気がします。

神経を残す必要がなければ、遠慮なくガバッと削ればいいのですから、数分で終われますからね。



画像は、インレー2次カリエスの為に脱離してきて再治療です。

拡大鏡マイクロスコープを使って、神経が出来るだけ露出しない様、チマチマと最低限の削り方をしますので、画像1→画像2だけで30分以上かかります。

画像2で、神経が出てしまいました。



(書いてる間に返信1がついてしまいました^^; ・・続きます)

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 18:12:00
で、その後更に虫歯の取り残しがないかを薬液を使って確認、消毒・止血をしてからMTAと言う薬(※保険適応外)を使用して露髄面を封鎖しているのが画像1です。

その後(MTAの硬化を確認するのに仮蓋をして数日置くのが正式です)、何らかの修復処置(画像2 この後ラバーダムを外して研磨を約30分)をします。

私の場合だと、やはりMTAまでで1時間、この様に修復処置(レジン充填)まで行うと2時間ほどかかってしまいます。



臨床的実感としてはこのケースの様に、時間とコストを惜しまなければ、自覚症状の出ていない様な虫歯ならまずほとんどの場合で神経は残せると思います。

実はリスクも患者さんに説明の上で、ご本人の希望があった場合のみですが、このケースよりも遥かに大きく神経が露出してしまった様なケース(※教科書的には直接覆髄適用外)、自覚症状が出ていた様なケースでさえも、今のところ神経が保存出来ており、神経の生きようとする力は強いと感じています。



保険適用の材料だけ使っても、たぶんまあまあのところまで出来るとは思うのですが、実際には・・。

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 18:17:39
で、返信2についての回答ですが、私でもレントゲン写真は撮りなおすと思います。

精密な治療を行おうと思えば、少なくともパノラマ写真では診断が出来ませんし、レントゲンは撮影の仕方によって写り方も非常に変わりますから、よほどいい写真を頂けない限り、自分でやりたいです。
(断られれば仕方ないですが・・)

被爆量の心配については、過去ログを検索してみて下さい。



>「神経を取る」と言った場合、神経は全て取るのでしょうか?

成人の場合、普通はそうです。



お大事にどうぞ^^

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-30 20:48:23
渡辺先生
お忙しい中、大変丁寧なご説明とお返事を有難うございました。


タカタ先生が書かれていたように「技術料」とコストなのですね。。。
私も翻訳の仕事をするので、値切られるのは困るのはよくわかります(でも人間相手なので状況や関係によっては大割引の時もあります)。

患者の治療費用を安くするために歯医者さんの善意に頼るのは申し訳ないが、かと言って私も裕福ではないし(3万円/1hrで、最終的に一体いくらかかるのか?)

そもそも私の1本の神経にそんなに価値があるのか。。。悩ましいところです。


保険適用範囲がもっと広がってほしいです。


しかしながら状況が少しクリアになっただけでも、気持ちが落ち着きました。

症状は変わらなくても理解は不安を減らします(私の場合)
素人の質問に丁寧にお答え下さって本当に有難うございます。



週明けに別の歯医者さんの診断を伺ってまたご報告いたします。



PS
ところで「根の神経」とは、タイヨウ先生の画像1の銀色っぽいところ、渡辺先生の回答3の画像2の赤っぽいところですか?...また素人質問ですみません。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 21:25:11
パソコンとレントゲンの話ですが、
個人情報保護のために、
パソコンからデータを外に出せないような
システムのパソコンもあります。


その場合、医院には保存できますが、
CDに焼いたり、プリントアウトできなかったりします。

これは担当医の怠慢ではなく、そういうシステムなので
ご了解ください。


数人の便宜よりも、多くの方の情報保護のほうが
優先される傾向にありますが、これも致し方ないですし、
そのほうが多くの方にとって安心であると思います。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 21:38:45
保険適応の範囲は狭くなることはあっても広がることはないと思います。

社会福祉に費用をかけることを現在の政府は是としておりませんし、個人的には、圧倒的な社会弱者の方たちに対しての予算や、乳幼児と就学児童に対しては手厚い保護が必要だと思いますが、直接的に生死にかかわらない範囲の医療は削減の方向でも、致し方ないと思います。


これまでの方針が無軌道に借金をして、医療を支えてきたので、必要なコストを自身のプライアオリティで判断して、上質なものには見合う金額を、そうでない場合は、それなりで。
自分の分は少なくとも自分で支払う。

この思想でないと、いつか誰かが払うだろう、
では、借金の踏み倒しができればいいですが、
国の借金ではどうしようもありません。

高齢の先生から伺いましたが、
終戦直後は抜歯一本が、大卒の初任給程度だったそうです。

私がボランティアで飛び回っている南アジアで、屋台で歯科治療をしている場面に出くわしましたが、現地のレートで、大体同じようなものでした。


日本人は大変恵まれていると私は感じています。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 22:23:09
丁寧にするから自費にするは、本来保険医はしてはいけないんですけど・・・

保険外の材料を使用するので自費で治療するなら自費治療としては成立しますが、これも患者さんの同意があってのことです。




今回の相談は、歯科保険の限界というか難しい問題だと思います。

神経は残した方がいいのですが、保険システム上、神経の保存に失敗するとペナルティー(減点)が待ち構えており、歯科医院としては保存を行うよりは神経は取ってしまう傾向にあります。

神経の保存を提示してくれた分まだ良かったかもしれませんよ。

http://www.google.co.jp/search?q=%92%BC%90%DA%95%A2%90%91%96@&btnG=Google+%8C%9F%8D%F5&hl=ja&as_sitesearch=www2.ha-channel-88.com&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS



直接覆髄法って手間もかかり、100%上手く行く治療ではないので、そこの所をよく理解した上で治療にあたられた方がいいと思いますよ。


先日もMTA直接覆髄後1ヶ月で痛みが出て抜髄になってしまったケースがあります。



>タカタ先生が書かれていたように「技術料」とコストなのですね。。。

保険治療の設定に技術料なんて考えあるのでしょうか!?
誰がやっても同じ治療費、30年前と同じ形式、質、精度を追求した治療ではないのですから。

治療費も30年前から据え置き、変わってきているのは治療範囲が減ってきていることと、患者さんの要求が大きくなったぐらいで・・・



私も佐藤先生と同じ意見で日本人は医療に関していえば恵まれている方だと思いますよ。
ただ医療従事者としては、医療制度全体が崩壊直前のようにも感じます。

近くの総合病院の季刊紙にも
「医療崩壊の足音」という記事があります。

・社会の医療への考え方に食い違い
(社会は不都合な結果を医療事故として扱い始めている)
・医療行為は不確実で限界があるもの
(100%安全な医療は存在しない)
・現実を知らなすぎる

近年医療裁判は増えています。
医療従事者は明日は我が身だと考えます。
言っても無駄、それより犯罪者となる前に身を引いた方が良い・・・

これが産婦人科・小児科では!?

医療とはどのようなもので、医療に何ができるのか!?できないのか!?

そこの締めくくりに
『最後に困るのは患者とその家族』
とあります。


一般の方が知らない間に医療現場はここまで酷い状況になりつつあるのです。

ある国では医療はお金持ちの『特権』という国もあります。



少なくとも歯科に関して言えば、保険制度で全てをまかなうには限界の所まで来ています。

理想を言えば神経は保存すべきです、保険治療でも残してくれる先生はいます。
ただし結果が伴わなくてもミスだとは思わないでください。

水酸化カルシュウムより、MTAを使用した方がデンチンブリッジ(保護層)の出現は有意に見られます。
また水酸化カルシュウムで作られたデンチンブリッジは多孔性で質も良くはないです。

しかし、MTA自体が保険で使える材料ではないので、保険で直接覆髄法を受けられても若干成功率は低くなることがあります。


ホント今回の相談は難しい問題を抱えていると思います。
 

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 22:30:17
ですね・・。


>ところで「根の神経」とは、タイヨウ先生の画像1の銀色っぽいところ、渡辺先生の回答3の画像2の赤っぽいところですか?

そうですよ。



それと費用については、一本のの治療の途中で自費材料を使用すると(例えばMTAセメント)、その後の詰め物被せ物保険が使えなくなりますので、概算については事前に確認された方が良いですね。

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2008-08-30 23:48:25
渡辺先生のコメントに対して、私なりの意見を述べますと、

>>1) 保険内治療で根の神経が残せる治療はないのでしょうか?

>・成功率がそれほど見込めない

痛みが出ていない状況であれば、私の場合で60%〜70%程度でしょうか。


>・医院収入が、手間に対して異常に低い(≒必要な手間をかけられない)
>※医院収入で1200円(3割負担の患者さんで360円)+色々な制限

うちでは、レジン充填までその日に終了するのが普通ですので、加算費用は¥0円です。
つまりやっても何にも費用はもらえません。

すごいでしょう。日本の保険制度って。
(それなのに、「○○円も取られました、高すぎませんか?」みたいな相談が少なくないんで、そういうのを目にすると、ほんとにがっかりしますね。)



>「もっと良さそうな材料もあるのに、それは使えない」

これは、あえてメーカーが保険を通さないようにしているんだと思います。
なんたって算定費用が¥0ですから、保険を通すとだれもつかってくれなくなりますから


>「まともにやると1時間ぐらいかかることを(コスト的に)5分以内でやらなくてはいけない」

保険の場合だと確かに、1時間はかけられないですね。
ただ5分程度時間を伸ばせばそれなりに(60〜70%程度の成功率なら十分)可能ですから、神経を残す処置を行う先生も少ないないと思います。


>もちろん、赤字覚悟で時間をかけて丁寧にして下さる先生もいらっしゃるかと思いますので、ご希望でしたら探されても良いかも知れませんね。

他の先生はそうではないかもしれませんが、うちの場合なら、(永久歯の場合は)神経を取ってしまうと、ほぼ確実に(その患者さんの収支は)赤字に転落しますので、できるだけ残すようにしてます。

これは、根の治療が尋常でない不採算部門であるのが原因で、根の治療はできるだけやりたくないというのが率直な気持ちです。やればやるほど大赤字です。

だから保険医を辞めて自費オンリーの根管治療専門医の先生が出現してきたんだと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-31 00:25:49
佐藤先生/井野先生/渡辺先生

詳しいご説明と真摯なご意見を有難うございます。


「医療保険のあり方」という、最初の投稿時はそこまで深く考えていなかった難しいお話になってきました。

最初に知りたかったこととは少し方向が違うのですが、私も自分の素人意見を述べさせて頂いてもよろしいでしょうか。



1年間、イギリスに住んでおりました。
先生方の方が私よりはるかにお詳しいと思いますが、NHSというほとんど建前に等しい立派な制度があります。

「国民の誰もが無料で治療を受けられる」

(もちろんそんな都合のいいことを期待すべきではないのですが)という制度の実体は、

「予約は早くて3ヶ月、手術は2年先」

で、受けられる医療レベルも大変低いと言われていました。
重大な事態の場合、余裕のある人は保険のきかない高額な私立病院に私費か、私費で払う治療費と同じくらいの掛け金で入っている保険会社の保険でかかります。

日本以上に格差社会のイギリスですから、井野先生のおっしゃる通り、

「医療はお金持ちの『特権』」

です。


私はいわゆる「負け犬」で、今も収入が少ないので国民年金保険料の支払いも免除になるほどです。
貯蓄もあまりありません。

今は仕事ができるし、贅沢もしていないので、困ることはあまりないですが、将来、働けなくなって、年金も受け取れなくなって、医療制度もイギリスのようになったら、病気になっても病院にも行けず死ぬのだと思っています。


しかし「もっとひどい国もあるから」とか「昔はもっとひどかったんだから」という理由で、納得することもできません。
もちろん非現実的な理想論だとはわかっていますが。
これは先生方に訴えているのではなく、政治家に訴えたいことでもあります。



> 上質なものには見合う金額を、
> そうでない場合は、それなりで。
> 自分の分は少なくとも自分で支払う。

これが贅沢品(高い車とか家とか)なら、消費税率も値段に応じて上げればいいと思いますが、医療もそうなのでしょうか。。。


それからイギリスにいた時は私も私立病院にかかることのできる保険に入れたので、ではありませんが、ケガをした時、私立病院で膝の手術を受けました。

しかし担当された先生の態度が最悪でした。

患者として自分の症状を知りたいのでニュートラルな質問をしているつもりなのですが、何を聞いても訴えられることを恐れているのか、常に威圧的な態度で質問に答えてくれませんでした。

(例えば術後に痛みの原因をたずねると、「私の判断は正しかった!」的な質問の答になっていない答。)

井野先生が書いていらっしゃるように、医療裁判が増えていて、明日は我が身だと考えているのかと思いましたが、私の方もそのことがトラウマになってしまい、お医者さんの説明がよくわからないとものすごく不安になります。



大変ご親切にご回答いただきましたのに、現場を知らない素人の話に不快に思われたら、どうかご容赦下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-31 00:30:03
森川先生

返信3を書いている間に、先生からご回答をいただきました。
どうも有難うございました。

お医者さんも患者も大変な現状なんですね。。。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-31 00:37:29
追伸


> 自分の分は少なくとも自分で支払う。

もちろん

「自分のことは自分で責任を取らなければならない」

という論理は正しいとも思います。



何度もすみません。
回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2008-08-31 00:46:53
>現場を知らない素人の話に不快に思われたら、どうかご容赦下さい。

いえいえ、誰も不快になんて思っていないですよ^^


kuronekoさんに少しでも知識をつけてもらい自分の望む治療を受けて頂きたいので、このような厳しい書き方になってしまいました。

すみません、kuronekoさんがしばらくして知識をおつけになられ、読み返されたときはまた違った感想などを持つとおもいます。


kuronekoさん対して集中的な書き方になってしまい申し訳ありませんでした。


良い先生に出会えるといいですね^^

回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2008-08-31 00:54:50
あ、なんか分かる気はしますよ。

私もヒヨッコながら、日々葛藤がありますね。


医療を提供する側も葛藤があるし、患者さんにも葛藤がある・・それでも高い医療も安い医療も、選べるだけ良い国だと思います。

そして今は歯チャンネルもあるし・・(笑)


面倒だとは思いますが、患者さん自身も努力して、まずはある程度の知識をつけることで、ご自分の求める医療を選択出来る様になるのではないでしょうか。

現実は難しいですが。。。

医院選びも、慎重に後悔のない様選ばれて下さいね。




井野先生とカブりました(汗)

回答 回答13
  • 回答者
回答日時:2008-08-31 01:06:58
ちょっと複雑な振り方をしてしまい、すいません。

社会福祉と資本主義のありかた、バランスですが、
現在の資本主義はすこし行き過ぎに私には思えます。

選択の幅があることはいいことですが、
幅のありようが問題に思えます。

高い車は行きていく為に万人に必要なものではないですが、
あまりにも高度な医療やあまりにも高額な医療も、
どこまでが必要なのか?私も迷います。



かつて大戦後のドイツで医療を国民皆保険で行った際に、
やはりドイツ人ですから、最高の医療をすべて保険でまかない、
結果、保険財政が破綻の危機にさらされました。


必要最低限度の医療は出来うる限り廉価であるべきですが、
最低限度ではなく、高いクウォリティが求められる部分は
やはり品質の分、値段がそれなりにつくことになると思います。

これは他の商品やサービスと同じ考え方です。
医療を別扱いにするのであれば、かなりの抜本的な
意識改革とシステム変更が必要です。



お話のNHSは日本を手本にしたそうです。

アングロサクソンが日本のシステムで行うと、
ああなるのですから、
アングロサクソン化する日本も、我々が生きている間に
ああなるのではないか?
事実そうなってきていると思います。

これは政治の問題でもあるので、歯チャンネルにふさわしいか
どうか、私には判断出来かねますが、
AもBも欲しいから借金して購入していた時代から、
どちらか一方を選択しないといけない時代に
突入したのでしょう。



ただ、悪化してはいますが、世界レベルで考えれば、
日本人は本当に恵まれてますよ。

ただしそれらの医療資本はすでに遺産であり、
きちんと大事に守らなければ、
近い将来無くなってしまうと思います。

ただ、どういったものでも、
いいもの、すばらしいものは、いつでも、なんでも
いい対価ではないでしょうか?



質問者さんの問いかけにどこまでお答えできたかは
疑問ですが、幸いにも自由があり民主主義国家の国民であれば、
自分で意見を述べ、代議員を選出することも、
自ら代議員になることも可能です。

この点も、いくつかの国では望めないことですから
日本人で良かったと私は思います。




返信2で書かれておられました。

一本の歯の神経の価値、これは値段とおきかえれば、
神経そのものを端的に値段に換算できませんが、
そのものであれば、それをつくるとしたら、
インプラントで30万円から60万円程度でしょう、

とうぜんこれは天然、本物では、無い人工物なので、
天然の歯、ご両親からいただいた本物の歯であれば、
その数倍ではないか?と思います。

その一部分なので、その数分の一とするのが
妥当ではないか?と思います。

ただ、価値と価格は似ているようで違いますので、
これも人それぞれの価値判断、
独自の基準やモノの考え方ではないか?と思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-08-31 12:05:08
佐藤先生

昨晩は勢い余って、確かに歯チャンネルの趣旨とは違うことまで書いてしまったように思います。

初めは単純な質問だと思っていたのに、先生方に御丁寧で真面目なご回答をたくさん頂き、大変勉強になりました。

また他の方の別の質問のご回答に「治療方法は社会的な理由で決まる」というのがあり、なるほど、と思いました。



森川先生

根の治療保険の関係がそこまで奥深いとは知りませんでした。医院収入のことは患者側はほとんどわからないので、漠然とお医者さんは一般より儲かっている職業だと思っていました。



井野先生

たまたま先生のご回答をたくさん引用してしまいましたが、どうかお気を悪くなさらないで下さい。
現実のことだと思います。



渡辺先生

確かに歯チャンネルは素晴らしい制度です!
病院に行かなくてもここまで専門の先生方に色々教えて頂けるなんて。



先生方にはお忙しい中、本当に有難うございました。
追ってまたご報告いたします。

回答 回答14
  • 回答者
回答日時:2008-09-01 11:13:19
保険保険外のお話は確かに社会的に難しい問題問題を含んでいますので、今回は僕は発言を控えさせていただきたいと思いますが、


>そもそも私の1本の神経にそんなに価値があるのか。。。悩ましいところです。

これは「1人の歯科医師として」聞き捨てならないお言葉ですよ。

歯は神様が作ってくれた大切な「臓器」です。
kuronekoさん自身も考えてくださいね。

指の神経が無くなってしまったら‥。

歯も同じことだと思います。


患者さんの経済力に左右されてしまう医療と言うのも「何だかなぁ?」と言う気もしますが、現実問題は無視できませんからね。

回答 回答15
  • 回答者
回答日時:2008-09-02 15:57:01
アメリカ民主党のオバマ候補は大統領当選の公約として、
国民皆保険を提唱されているそうです。
どのようなものになるのか、見守りたいと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-09-04 23:18:06
タイヨウ先生, 佐藤先生
諸先生方

ご回答ありがとうございました。
お礼を書くのが遅くなってしまい、申し訳ありません


先生方のご回答のおかげで

レントゲン写真を取り直したり、患者に渡さないのは理由があってのこと。

保険内では根の神経は取ることが多い。

・選択肢を提示しないので取ってしまうこともあるので、保険外診療について言ってくれたのは親切。

...等々が理解できました。



その後、別の歯医者さんに診て頂いて、神経を取るかどうかについて訊ねたところ

「削ってみないとわからない」
「なるべく取らない方向で考えましょう」

とおっしゃって下さったので、削る前から「保険内では取る」と断定された先生よりも、私としてはお願いしたい気になったので、こちらに代わることにしました。

(ただ新しい先生にレントゲン写真の入っているUSBメモリスティックをお渡ししたら、「使い方がわからない」と言われ、一抹の不安を感じました...^^;
私が先生のパソコン上に移しました。)



よって問題は解決したのですが、こちらに掲載した写真は削除することはできないのでしょうか?


PS
保険外診療はいくら受けたくても、やはり自分の収入に占める割合を考えるとあきらめざるを得ません。。。
回答 回答16
  • 回答者
回答日時:2008-09-08 19:18:07
こちらでレントゲンを削除してもいいですが、
勝手に消してもいいでしょうか???

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-09-08 20:27:40
佐藤先生(お顔が変わられました...?)

はい、「質問」のレントゲン削除をお願いしてもよろしいでしょうか。

また、勢いで書いてしまった「返信3」も削除して下さって結構なのですが。
ご多忙中お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します。
回答 回答17
  • 回答者
回答日時:2008-09-10 02:03:39
とりあえず、「質問」のレントゲンはこちらで消去させて頂きました。

返信3は個人的には考えさせられる文面だったのでまだ消去せずに残してありますが、kuronekoさんが削除をご希望でしたらこちらで削除させて頂きますので、再度書き込み頂けますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

回答 回答18
  • 回答者
回答日時:2008-09-10 06:14:23
kuronekoさまおはようございます。

医療制度は政府が決定します、その政府は国民が間接的に選びます。

そして現在の医療制度はほぼ崩壊しています、ただ官僚がほころびを取り繕いながら延命をしているのが現状では無いでしょうか。

そのほころびもついに来る所まで来たような感じがします、昨日もどこかの会社の健康保険組合が解散をして政府管掌保険に加入したとの報道がありました。

根本的な財政的なてこ入れが無いといよいよ制度的に破綻するでしょう。



歯科医師は掃いて捨てるほどいますからなんとでもなりますが、医師は絶対的に不足しています、遅ればせながら来年から医学部の定員を増やすことを政府が決定しましたが、実際に戦力として医療に携わるのは10年後のことです。

その頃日本の社会構造がどうなっているか想像するのは困難な部分もあるでしょう。

いずれにしろ現実は麻酔医、救急医、産婦人科医、小児科医は全く不足しています。

現実に色々な折に報道されているので感じていらっやるかも知れません。


一方日本の医療保険制度は世界的に見て大変優れた制度だと思います、これほど安い医療費で歯科医療が受けられる国は他に無いように感じています。

これは日本人がかなりまじめな民族で安い医療費でもブツブツ文句を言いながらも一生懸命治療に当たっている面もあるからだと思います。


もうすぐ総選挙があるでしょう、この国の進む方向を決めるのは事実上選挙で一票を行使することしかありません。

是非投票に行かれて御自分の意志を一票にこめてください、それが集まって国を動かします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kuronekoさん
返信日時:2008-09-10 09:43:11
田尾先生
山田先生
先生方

どうも有難うございました。
当初の質問に関しては一応解決しましたので、これでいったん「解決済み」とさせて頂きます。

医療費の問題が「解決済み」となる日はなかなか来ないと思いますが、政治の進む方向はしっかり見つめていきたいと思います。

あらためて大変ご親切で御丁寧な回答を本当に有難うございました。



タイトル [写真あり] 歯の神経を「取る・取らない」と保険「内・外」治療の関係について
質問者 kuronekoさん
地域 非公開
年齢 40歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
根管治療の治療費・費用
その他(保険と保険外)
その他(写真あり)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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