長い間放置した根尖病巣の菌で命にかかわることがありますか?

相談者: 香帆さん (31歳:女性)
投稿日時:2008-11-19 18:09:34
初めて相談させて頂きます。

小学3年生の頃、怪我で上の前歯1番が2本とも差し歯になりました。
折れたは1本なのですが、強度が弱いということで、隣の歯を少し削ってブリッジ(2本でもブリッジというのでしょうか?)にしています。


今の差し歯にしてからもう10年以上になるのですが、6,7年 前頃より、折れた方の差し歯と歯茎の間に隙間が出来てきて、歯茎の色も黒ずんできました。
歯医者に行かなければと思いながらも、私はパニック障害と、麻酔に対する過度の恐怖心があり、歯医者に行くことができずにそのまま放置してしまい、ますます隙間と黒ずみがひどくなっています。


先日、思い切って大学病院歯科を受診したところ、

「差し歯の中にある元の歯が虫歯になっており、それがかなり深いところまで達していて、その先に病気を作って感染症を引き起こしています。

そのため、根の治療が必要で、かなり頻繁に通院が必要で、期間も長くかかります。」

というような説明を受けました。


レントゲンを見ると、歯の先に丸い影が写っているのが見えました。

自分で調べてみたところ、根尖病巣が出来ていて、そのために根管治療が必要なのだろうと推測しています。

また、

「根が深いので、顎の骨を少し削らないといけないかもしれない。
あるいは、矯正のようにして歯を下にずらすことができればその方法もできるかもしれない」

との説明も受けました。

これも自分で調べてみたところ、「クラウンレングスニング」「エクストルージョン」のことではないかと思います。



そこで、質問なのですが、

?根尖病巣が出来ていて、感染症を引き起こしている場合、その菌が身体に回って命に関わるような事態にまでなることはあるのでしょうか?

もう何年も放置してしまっていたので、とても心配です。


?その病巣は、根管治療すれば通常は完治するものなのでしょうか?
やはり期間は相当かかるのでしょうか?

?顎の骨を削るということに非常に強い恐怖心があるのですが、それは歯科の治療では珍しいことなのでしょうか?


治療はまだ開始されておりません。

長々と書いてしまいましたが、よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-11-19 18:50:27
香帆さん、こんにちは。

突然いろいろとわからないことが出てきて不安だと思います。


>?根尖病巣が出来ていて、感染症を引き起こしている場合、その菌が身体に回って命に関わるような事態にまでなることはあるのでしょうか?

人間の体と言うのはうまくできていて、体の中に感染症があっても、免疫系の細胞(白血球)が働いて、体に害のないレベルまで細菌と戦ってくれます。
しかし、免疫能が不完全な高齢者や乳幼児などはちょっとした感染症で命にかかわるようなことも起きてしまう可能性があります。
香帆さんの場合はそこまで心配しなくても大丈夫でしょう。


>?その病巣は、根管治療すれば通常は完治するものなのでしょうか?
やはり期間は相当かかるのでしょうか?

完治するかはやってみないとわからないですし、治療期間も同様です。


>?顎の骨を削るということに非常に強い恐怖心があるのですが、それは歯科の治療では珍しいことなのでしょうか?

歯科の治療において骨を削るということは日常的に行われています。
と言っても私は元々口腔外科の出身なので、そういう患者さんが多いのかもしれません。
しかし、一般の歯科においてもインプラント治療などでも日常的に行われています。

参考にしてください

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-11-19 22:21:15
はじめまして。
よく調べられてますね^^



>?根尖病巣が出来ていて、感染症を引き起こしている場合、その菌が身体に回って命に関わるような事態にまでなることはあるのでしょうか?
>もう何年も放置してしまっていたので、とても心配です。

何年も放置してから心配するなら・・^^;

「根尖病巣」と言うと、まるでその丸いところに細菌が巣を作っているみたいですが、実際にはほとんどの場合で、細菌は(根管)の中だけにいます。

ですので細菌が身体の循環系に乗って回っていくまでには相当ハードルが高いですよ^^;
心配しなくて良いと思います。



>?その病巣は、根管治療すれば通常は完治するものなのでしょうか?やはり期間は相当かかるのでしょうか?

という事で"病巣"と言うよりも"病変"(免疫系が起こしている身体の変化)と言った方がイメージが近いかと思うのですが、治療の成功率については以下のページを。

参考⇒根管治療TOP
記載の通り、成功率は残念ながらそれほど高くはないですね。

通院回数については先生の考え方によって様々です。

私の場合だと根管治療だけで(ちょっと多目に見て)3回前後ぐらいとお話しすることが多いですね。

参考⇒根管治療の「成功」と「失敗」は、いつ分かる?

>?顎の骨を削るということに非常に強い恐怖心があるのですが、それは歯科の治療では珍しいことなのでしょうか?

私も割りによくやらせてもらいますけど、されない先生もいらっしゃいますし、一概には言いにくいですね。

参考⇒クラウンを被せる前に、フェルール確保の手術を勧められました

後悔先に立たずです。
よく調べて腹を決めて、やるべきことはやっておきましょう!

お大事にどうぞ。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-11-20 00:45:42
両先生の意見に賛成です。

現在の年齢から言ってまず問題ないと思います。




病巣で脱線させてもらいます。


そうなんですよ、

昔は、『病巣』と言う言い方が曖昧な共通語だったのですが、最近根に出来たものは『病変』と言い方が統一されつつありますね。

>"病巣"と言うよりも"病変"(免疫系が起こしている身体の変化)と言った方がイメージが近いかと思うのですが

こちら難しすぎなので^^;

私の解釈なのですが、根の中の細菌が原因で出来ている病気なので『巣』はの中というイメージで根の治療治療次第で病態が「変化」するので病変なのでしょうか。



私が大学の時は『病巣』と言っていたのでよ。
多分今大学では『病変』と教わっているのでしょうね。

まるで、
歯槽膿漏』⇒『歯周病』みたいな^^;


以上脱線終了。
 

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-11-20 06:23:11
香帆さまおはようございます。

>?その病巣は、根管治療すれば通常は完治するものなのでしょうか?
>やはり期間は相当かかるのでしょうか?

この点について私の臨床実感は、もちろんやって見なければわからないのがお答えにはなりますが、前歯についてはそれほど困難なことは無いと思います。

治療の回数も3回目で根管充填が出来るケースがほとんどです。

一部根管が開かずに苦労することもないわけではありませんが年齢から考えると可能性は少ないように思います。

もしも根管治療がうまく出来なかったとしても歯根端切除という方法もあります。

エクストルージョンもそれほど大変なことではありません。
私のところでは日常的にいつも行っている処置方法です。

渡辺先生も仰っているように腹を決めて治療を始められたほうがいいと思います。

がんばってみましょう。

参考はこちら

フィステルhttp://yamadashika.jugem.jp/?cid=87
 
歯根端切除:http://yamadashika.jugem.jp/?cid=150 
エクストルージョン:http://yamadashika.jugem.jp/?cid=106

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 香帆さん
返信日時:2008-11-20 22:40:38
<畑田先生へ>

早速のご回答、ありがとうございました。

>体の中に感染症があっても、免疫系の細胞(白血球)が働いて、体に害のないレベルまで細菌と戦ってくれます。

そうなんですか。
本当に人の身体というのはよくできているものなのですね。
分かりやすいご説明で、非常に安心できました。


また、歯科の治療で骨を削るということは日常的に行われているとのことで、骨を削るということは怖いですが、そう珍しいことでもないということが分かり、少しホッとしました。

頑張って治療に臨もうという気持ちになることができました。
本当にありがとうございました。



<渡辺先生へ>

早速のご回答、ありがとうございました。

>「根尖病巣」と言うと、まるでその丸いところに細菌が巣を作っているみたいですが、実際にはほとんどの場合で、細菌は(根管)の中だけにいます。

レントゲン写っていた丸い影のところに細菌がいるのだと思っていましたが、ほとんどは歯の中だけにいるのですね。
また1つ勉強になりました。


根管治療だけで3回前後というのが多いのですか。

先日初めて受診し、まだ治療が開始されていないので主治医に尋ねることができないのですが、頻繁に通院しなければならず、かなり長くかかると言われたので、相当かかるのかと思っていました(実際、私の場合は相当かかるのかもしれませんが・・・)。

今度、主治医に目安を聞いてみたいと思います。

本当に「後悔先に立たず」ですね。
勇気を出して、頑張って治療を受けようと思います。
本当にありがとうございました。




<井野先生へ>

早速のご回答、ありがとうございました。

根に出来たものは『病変』と言い方が統一されつつあるのですか。

>根の中の細菌が原因で出来ている病気なので『巣』は歯の中というイメージで根の治療治療次第で病態が「変化」するので病変なのでしょうか。

根の治療次第で病態が「変化」するので、病変ですか。

なるほど。私が何も分からないなりに調べたところでは、「病巣」という言葉が使われていることが多かったように思いますが、用語もいろいろと変わってきているのですね。
勉強になります。

また自分でもいろいろと調べてみたいと思います。
本当にありがとうございました。




<山田先生へ>

早速のご回答、ありがとうございました。

前歯についてはそれほど困難なことは無いと思います。
>治療の回数も3回目で根管充填が出来るケースがほとんどです

そうなんですか。

先日受診した時には、かなりの回数がかかると言われていたので、今度受診した時にはそこのところを主治医に尋ねてみようと思います。

前歯についてはそれほど困難なことは無いとのことで、実際に行なってみないと分からないとは言え、少し安心できました。

エクストルージョンもそれほど大変なことではなく、日常的に行なわれている処置ということで、その点についても非常に安心しました。

今まで何年も放置してしまい、またパニック障害などもあるので、治療は大変かもしれませんが、頑張って治療を受けようと思います。

本当にありがとうございました。



タイトル 長い間放置した根尖病巣の菌で命にかかわることがありますか?
質問者 香帆さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療期間
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
回答者




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