[写真あり] 最近のレジン充填では、エッチング処理をしないなのでしょうか?

相談者: ミカン山さん (42歳:女性)
投稿日時:2008-11-29 07:49:03
転勤族です。
初めてかかった歯科医院前歯レジン充填をしてもらいました。

その際、エッチング処理がなく、いきなりボンディングらしき液を塗って光照射。
あとはレジンを詰めて研磨してもらいました。


最近はそうなったのかなあ・・・と思ったのですが、研磨したにもかかわらず表面がざらざら。
今まで受けてきた治療と違うのが気になってしまって・・・


地元の国立大を出ている先生だとかで評判も良いのですが。
なかなか聞きづらい雰囲気です。


まだ、もう一本レジンの治療が残っているのですが、納得がいかないままでは不安なので、すいませんが教えていただけないでしょうか・・・


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-11-29 08:34:36
おはようございます

おそらく一液性の接着システムだと思います。
従来からの二液性の物もあります。

ざらつきは、研磨不足の可能性がありますから、次回来院の時に先生に相談してみてください。


基本的にエッチング(リン酸など)は、エナメル質の方が効果が高く、象牙質には向いていません。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-11-29 08:48:40
そうですね。

1液性のシステムですね(セルフエッチングシステム)。

2液性のもの(メガボンド)に比べるとやや接着力は劣ると言うデータがありますが、最近の1液性のシステムは臨床上、問題無いレベルになってきました。

むしろ、審美面ではメガボンドは被膜が厚いのであえて1液性のボンディングを使う先生もいらっしゃいます。

僕は1液性のものと2液性のものは、ケースによって使い分けています。



また、桜田先生のおっしゃられているようにリン酸エッチングはエナメル質に限局して行う必要があります。
象牙質にリン酸エッチングを行うと逆に接着力が落ちる、と言う報告もあります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 00:39:08
おっと・・こんにちは。


1液性、2液性と、1ステップ、2ステップはまた別の話ですね^^;

何液使うかと、面に塗布する回数は別ですからね。
つまり1ステップ(セルフエッチングプライマー&ボンディング)については1液、2液(混合して使う)タイプのどちらもあって、2ステップで1液はないですけど2液、3液ならある、と。



>初めてかかった歯科医院前歯レジン充填をしてもらいました。
>その際、エッチング処理がなくいきなりボンディングらしき液を塗って光照射。

・・とのことから、1液か2液かは分かりませんが、1ステップではあった。ということですね。



多くの先生方は1ステップに好意的で実際かなりよく売れてるらしいですね。
売れてるぐらいですから臨床的には十分とは言えるのかも知れませんが、自分の様な凝り性にとっては正直良いものではありませんね。

以下の回答も参照して頂けると(意見は分かれてますが)理解が深まるかと思いますよ。

参考⇒時間がなくて忙しいから、ワンステップのボンディング剤に変更になった!?




とりあえず今回ミカン山さんがされた処置については、

「普通」
「一般的」

ではあると思いますよ。

将来問題が出るかどうかについては術者の技量にもかなり左右されるので分かりませんが、この文面だけでどうのこうのとコメントするほどのことではないと思います。

それに前歯部ならそんなに接着力にシビアになる必要もありませんからね^^;

ご安心を・・??

少なくともこれだけの情報で、転院した方がいいとまでは思わないですよ。



とはいえ少し専門的に解説を加えますと、1ステップは、世間のイメージとは違って実はかえって難しいんです。

めいっぱい丁寧に操作(・・となるとラバーダムやらエナメルエッチングが必要になってかえって煩雑ですが)しても2ステップほどの接着力は出ないですし、条件や操作によってもかなり変動します。

安定感なら確実に2ステップなのですが、どこまでの接着力が必要なのかも微妙な話ですから、1ステップでも必要十分なのかも知れません。



2ステップも、多くの製品は【セルフエッチングプライマー+ボンディング】の2工程なのですが、その前にエナメルエッチング(リン酸エッチング)のひと手間を入れた方が確実に良く接着します。(必要かどうかは別として)(画像1)

セルフエッチングプライマーは酸が弱いので、軟らかい象牙質のエッチングには十分なのですが、硬いエナメル質に対しては不十分ですからね。

実際にはエナメル質と象牙質を完全に区別しての操作は困難なので象牙質にはオーバーエッチングになってしまいがちなのですが(画像2)、プライマーの浸透距離だけの問題ですので、2ステップの場合ならプライマー処理操作を長めに行うことで十分対処できます。



それと意外に盲点なのが、光照射ですね。

メーカーの出してるスペックは乾燥状態なのはもちろんのこと、照射面に対して90°、1mmの距離での照射条件です。

実際の臨床では唾液や呼気の湿気と闘いながら、照射角は斜め(=光エネルギーの損失が起きる)、1mmどころか下手すると10mm、20mmと言う距離を取っていることすらあると思います。
(※5mmにつき、100mW/c?の低下)

また光照射機のメインテナンスもまずほとんどの医院してないのが現状かと思います。

実はチップの汚れや管球の劣化などが多くて、光量がメーカー公表値の半分ぐらいまで低下している様なことさえあるそうです。

光量は400mW/c?以上あればレジンは硬化しますし、安い普及型のLED照射機ならカタログスペックで1000mW/c?前後のことが多いですから一見十分なのですが、よく考えると・・・。



それとボンディングの話とは少し離れるのですが、レジンの硬化も一度に大量にやろうとすると不十分な硬化しか出来ません。

光がレジンを通過していく場合、1mmで光強度は約半分、2mmではたったの10〜20%にまで減少してしまいます。

これも実際には、3mmや5mm程度を一度に盛り付けてしまわれる先生も多いですので、光量のことにはかなり気を使った方が良さそうな気もします。

そんな訳でボンディングシステムについても、実際には様々な理由でカタログスペックよりも低下しているという前提に立って、余裕のある物を選ばれた方が良いのかな、とは思いますよ。
(患者さんが指定出来る様なことではありませんけどね^^;)


こだわりだすと他にも色々色々と注意点があるのですが、どこまでが本当に必要なのかは別問題ですし、保険治療においては多少目をつむらないといけない部分もあるかと思います。



通院の継続については性格的に合うかとか、人柄や利便性のことなど総合的に考えて判断されるのが良いかと思いますよ^^

お大事にどうぞ。

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 09:03:28
結論から言うと、
特に気にすることではないと私個人は思います。

理想を言えばエナメル質だけエッチングした方が良いですが、今の考え方は煩雑な操作を出来るだけ簡易化する方向にあります。



忙しい治療の中で

*3ステップ
・エッチング 10秒
   ↓
・水洗
   ↓
・乾燥
   ↓
・プライミング 20秒
   ↓
・乾燥
   ↓
・ボンディング 20秒
   ↓
・乾燥
   ↓
・光照射

このような工程を行う訳ですが、複雑になればなるほどレジンのボンディング操作ではエラーが出やすいです。

**メーカーによって処理秒数はことなります。


で、
1液性のものは

・1ステップ  20秒
  ↓
・乾燥
  ↓
・光照射

こちらの方が操作は非常に簡易化されエラーは出にくいです。
1液性の場合メーカーのエッチングの指示はありません。


でもこのエッチングはレジンの大切な工程の中では、かなり小さな問題で気にしなくても良いですよ。
はっきり言えば、治療する術者(歯科医師衛生士)がどの程度理解してきっちり行うかの方が大きなウエイトをしめます。



1液性のボンディングの中には数年後の接着力が2液性と変わらないものもあります。
むしろ数年後に接着力が上がるという製品もあるとの報告もあるそうです。

これ目茶不思議です(??)


私は現在2つの製品(1液性の物と3ステップの物)を使い分けていますが、顕微鏡で見ると結構ボンディング材の厚み、飛び散りなどの方が気になりますね。

こちらも小さなことですが^^;
上から風かけるとポケットに結構入っています。

ボンディング材の塗り方、エアブローする方向(特に2級窩洞)などにも気を使った方がいいと思いますね。
超ミニマムなことですが^^;
   

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 09:37:47
>顕微鏡で見ると結構ボンディング材の厚み、飛び散りなどの方が気になりますね。

これは思いますね〜。
メガボンドは流動性が少ないから強圧エアーでも薄くならないですからね。
審美面に使うと‥。


また

>複雑になればなるほどレジンのボンディング操作ではエラーが出やすいです。

これも事実ですね。

以前「2液1ステップ」のものを使っていた時などは、テクニカルエラーが多いと感じました。
アシスタントの熟練度によっては良く混ざっておらず「マーブル状」のボンディング剤を出されてしまう事がありましたから‥。

そう考えるとシンプルな操作性と言うのも、予後を安定させるには必要なのだと思いますよ。



僕は趣味が自動車なので、ついつい車の話をしてしましますが「マニュアル車」と「オートマ車」のどっちがいいの?みたいな感じです。

ある程度のテクニックを持ったドライバーがタイムを出すためには「マニュアル車」の方が有利ですけど、どんなドライバーでも安心確実に走るのは「オートマ車」ですよね。

今やタクシーだってほとんどオートマの時代ですからね。
どっちがいいか?と言う議論は無いと思います。


そして、井野先生もお書きのように「もっと大切なこと」に集中した方が良い結果が得られるような気がします。
(小さいことの積み重ねが良い結果を生むと言う事と反しているかも知れませんが‥)(^_^;)

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 13:28:57
まあ、ほんと些細な話なんですけど^^;

1ステップの製品についてですが、1液性であれ2液性であれ、水と油を同時に使用することになります。

保管法や混ぜ方に、相当気を遣わないといけませんね。

1液性になっているとそのあたりがクリア出来ている様に見えますが、実際にはボトルの中での沈殿や化学反応、加水分解の問題(特にHEMAを使用している大部分の製品)が起きてきますので、使い始めはいいのに最後の方は劣化しているというケースも発生します。

ですから「(化学反応が進まない様に)冷蔵庫保管で、使用時には室温に・・」なんて話にもつながるのですが、温度を上げたり下げたりは結露の問題も。

ですので一番最近のワンステップだと、わざわざボトルを2層構造にして対応しているぐらいです。



塗布の仕方、時間、エアーの圧などの指定も特性上どうしても多くなりますね。

操作前の揮発を少しでも防ぐのにディッシュの形までこだわってるメーカーもあります。

時代はどんどん変わって行きますから来年にも話は変わるかも知れませんが、今のところの操作がシンプルな「オートマ車」は、実はツーステップだと思いますよ。

でワンステップは開発途上のCVT車でブレーキもなしみたいな?(分からない例えですね 笑)



1ステップも2ステップもセルフエッチングシステムなので、メーカーの指示としては特にエナメルエッチングの必要はないと書いてあります。(必要があるとしてしまえば、+1ステップの製品ということになって、今は売れないのかも知れませんね)

ですが酸がマイルド過ぎる(象牙質には向いている)ので、エナメル質は別途でされる方が接着力はより上がりますよ。

厳密に言うと、エナメル質と象牙質にはそれぞれに合った濃度でのエッチングが理想的なので、一番間違いないのは、古臭いですが

エナメルエッチング(・水洗・乾燥)

象牙質エッチング(・水洗・乾燥)

プライマー処理(・乾燥)

ボンディング(・光照射)

の4ステップかも知れません。
ただ最近は、プライマー処理だけを単独で行える良い製品がないですよね。



濡れのいいボンディング材であれば、エナメルエッチングとボンディングだけでも十分接着(正確には機械的勘合)をするんじゃないかと言うほど、強力な補助になります。

因みに1ステップの場合も酸性下の反応になりますので、使用前に確実に中性もしくは酸性条件下に持っていかないと接着力は低下すします。
(エナメルエッチング+水洗の工程でもクリアできると思います)

根管治療後などで次亜塩素酸を使用した後などは、アルカリ性になってるので良くないですね。

理想的な酸性度の設定もメーカーによってマチマチで、国内品は大体統一されているらしいのですが、海外ものとの組み合わせ(ボンディング材+レジン)はこれが合わないことがあるのでこれまた注意が必要です。



ただ、2ステップの接着力(20Mpa以上のもの)でも、最高の条件で接着させると重合収縮時に象牙質を引きちぎることすら稀にある様なので、あまりどこまでも神経質になる必要もなさそうな気はしますが・・。

ほんの10年前には象牙質には接着させられないと考えられていたぐらいですからね、この進歩は凄まじいと思いますよ。






それと前歯などの審美領域においては、確かに皮膜厚さのことも気になりますよね。

各メーカー把握している訳ではないので分かりませんが、1ステップの方が皮膜厚さは少なく、2ステップだと少し目立つ(と言っても拡大視野での話しですが)感はあります。

もちろん製品ごとに差はあるでしょうし、ほんの数十ミクロンの違いなのですが。

でも厚みがあればそこは硬さが違うために研磨の時に微妙なラインが出来やすいですし、将来の変色(褐線)の原因にもなりますからね。

接着力に関しては厚い方が向いているボンディングと薄い方が向いているボンディングと両方ありますので、指示書通りの使い分けが必要です。



先の回答で書き出すとややこしいと思って省いたのですが、ミカン山さんの様な

・接着力はそれほどシビアに求めない
・審美領域

と言う条件だと、実は私もワンステップ使用の可能性はありかな・・とは思いました。

でも研磨の方がはるかに大事なんですけどね^^;

研磨もまた奥が深くて、なかなか井野先生の様なツヤピカにまで出来ないですねー。



と、我ながらマニアな回答ですみませんm(_ _)m

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 16:10:50
ボンドを塗る道具でも差が出そうな気もしなくでもないですが^^;


すみません、久々に脱線させて頂きます^^;

個人的に会って話せばいいのですが。
研摩ですが、

>ツヤピカにまで出来ないですねー。

これ、試してみました渡辺先生の言っていた会社のレジン
同じことしてもあまり艶が出ないんですよ1つのレジンしか試していませんが^^;


研摩=形態修正の面もありますからね。
かかるときは時間かかりますね^^;

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 21:27:15
>これ、試してみました渡辺先生の言っていた会社のレジン
>同じことしてもあまり艶が出ないんですよ1つのレジンしか試していませんが^^;

↑やっぱりそうですか!?

フィラーの問題ですかねー。。

でもこれで安心(?)しました^^

再来週そのレジンで審美修復の本を出したネパールの先生の講演を聴きに行くのですが、その前に開発主任に報告しておきます(笑)



すみません、脱線しまくりで。。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミカン山さん
返信日時:2008-12-02 08:19:41
先生方、ありがとうございました。


ここまでお話が広がるとは正直、思ってなかったもので・・・


専門的なことはわかりませんが、とても興味深く拝見させていただきました。



タイトル [写真あり] 最近のレジン充填では、エッチング処理をしないなのでしょうか?
質問者 ミカン山さん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
補綴関連
材料・機材関連
その他(写真あり)
回答者




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