親から子への虫歯菌の感染力はどの程度ですか?
相談者:
Yizさん (41歳:女性)
投稿日時:2009-03-21 22:33:11
2歳の子供がおり、虫歯を作らないように注意をしています。
最近の育児誌などでは、虫歯菌を親から子にうつさないのが肝心ということになっていますが、この虫歯菌というのはどの程度の感染力があるのでしょうか?
たとえば、モノを噛んでから与えるのは論外ですが、食事中に、お箸など、うっかり間違えて子供に使ってしまった場合は感染してしまいますか?
食器洗い機で親のお箸と子どもの食器を一緒に洗った場合などはどうですか?
食器洗いのスポンジでもうつるほど強力ですか?
よく、食べものを冷ますのに息を吹きかけるだけでも注意しましょうと書いてあるのですが、そんなに感染しやすいものなのか、心配です。
我が家の場合は、夫も私も治療済みの虫歯があります。
教えていただきたく、どうぞ、よろしくお願いいたします。
最近の育児誌などでは、虫歯菌を親から子にうつさないのが肝心ということになっていますが、この虫歯菌というのはどの程度の感染力があるのでしょうか?
たとえば、モノを噛んでから与えるのは論外ですが、食事中に、お箸など、うっかり間違えて子供に使ってしまった場合は感染してしまいますか?
食器洗い機で親のお箸と子どもの食器を一緒に洗った場合などはどうですか?
食器洗いのスポンジでもうつるほど強力ですか?
よく、食べものを冷ますのに息を吹きかけるだけでも注意しましょうと書いてあるのですが、そんなに感染しやすいものなのか、心配です。
我が家の場合は、夫も私も治療済みの虫歯があります。
教えていただきたく、どうぞ、よろしくお願いいたします。
回答1
佐藤歯科医院(大阪市北区)の佐藤です。
回答日時:2009-03-21 23:02:57
人間生まれる際に、赤ちゃんが産道を通過する時点で、赤ちゃんは産道内の沢山の細菌に触れ生まれた瞬間には感染しています。
これらの細菌の中には酸を産生してくれて赤ちゃんに毒素の強い細菌たちが作用することを防いでくれています。
非常に有益で彼らの力がなければ、現実的には赤ちゃんは生きていけません。
多くの口腔内細菌は常在菌であり、コレラやチフスのような常在では無い外来のある単一の細菌ではなく、数百以上もの常在細菌の総称に過ぎません。
単一の外来の細菌であれば、薬品などで駆逐してしまうことも可能ですが、常在の細菌を駆逐することは、特殊な条件で無い限り不可能です。
結論から申し上げて、感染しているか否か?であれば日常生活を無菌室で行っているのであれば別ですが、通常の環境であればすでに感染しています。
ただ、現時点でも考えられるすべての細菌に感染しているとは想像できませんので、新たに取り込む必要はありません。
出来る限りで結構ですので、歯科医としては虫歯の発生に寄与する細菌の感染の機会を避けるのが無難な対応です。
歯科的では無い、他の医科的な考え方には、子供の免疫能の発達を促すには、多くの感染機会が有益であるとの意見もあり総合的な判断は未だに出てはおりません。
細菌学も免疫学もいまだ発展中であり総合的な結論を基にした、歯科的な結論はまだ当面先の話になるようです。
口腔や消化管を含む、体外表面の感染は出産時点で決定的ですし、多くの酸産性菌群は消化管内で大腸菌をはじめとする有害な毒素産生菌の繁殖阻止の為の大事なボディーガードなのです。
虫歯や歯周病の発生は、完全ではありませんが、口腔内の糖分の残留のコントロールさえできれば、細菌の駆逐をしなくても守れます。
ですので、感染に留意するのであれば、その意識を糖分の貯留・残留に注意される方がはるかに有益であるとアドバイスさせて頂きます。
これらの細菌の中には酸を産生してくれて赤ちゃんに毒素の強い細菌たちが作用することを防いでくれています。
非常に有益で彼らの力がなければ、現実的には赤ちゃんは生きていけません。
多くの口腔内細菌は常在菌であり、コレラやチフスのような常在では無い外来のある単一の細菌ではなく、数百以上もの常在細菌の総称に過ぎません。
単一の外来の細菌であれば、薬品などで駆逐してしまうことも可能ですが、常在の細菌を駆逐することは、特殊な条件で無い限り不可能です。
結論から申し上げて、感染しているか否か?であれば日常生活を無菌室で行っているのであれば別ですが、通常の環境であればすでに感染しています。
ただ、現時点でも考えられるすべての細菌に感染しているとは想像できませんので、新たに取り込む必要はありません。
出来る限りで結構ですので、歯科医としては虫歯の発生に寄与する細菌の感染の機会を避けるのが無難な対応です。
歯科的では無い、他の医科的な考え方には、子供の免疫能の発達を促すには、多くの感染機会が有益であるとの意見もあり総合的な判断は未だに出てはおりません。
細菌学も免疫学もいまだ発展中であり総合的な結論を基にした、歯科的な結論はまだ当面先の話になるようです。
口腔や消化管を含む、体外表面の感染は出産時点で決定的ですし、多くの酸産性菌群は消化管内で大腸菌をはじめとする有害な毒素産生菌の繁殖阻止の為の大事なボディーガードなのです。
虫歯や歯周病の発生は、完全ではありませんが、口腔内の糖分の残留のコントロールさえできれば、細菌の駆逐をしなくても守れます。
ですので、感染に留意するのであれば、その意識を糖分の貯留・残留に注意される方がはるかに有益であるとアドバイスさせて頂きます。
回答2
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2009-03-22 00:19:15
佐藤先生に同意ですが、別の視点から書かせていただきますと
>最近の育児誌などでは、虫歯菌を親から子にうつさないのが肝心
こういったことを言っておられる人は、体内への感染と体外への感染(定着)を同列に考えているのかと思いますが、まったく違います。
通常の感染症では、細菌はそう簡単には体内に侵入できませんし、体内に侵入できたとしても、ある程度まとまった数の細菌が存在しないと、増えることができず、感染は成立しません。
それに対して、口の中というのは体内ではありませんので、細菌は簡単に入れますし、通常の感染症と比べて圧倒的に小数の細菌でも定着する可能性があります。
たとえば、室内に花粉を大量に入れないようにすること(一般の感染症対策)は可能であり、行なう価値は十分あると思います。
しかし、屋外(たとえば庭)に空気清浄機を設置して花粉を検出不能なレベルにしようとするような行為(虫歯菌の感染を接触を回避することで予防しようとすること)は非現実的で行なう価値があるとは思えません。
>最近の育児誌などでは、虫歯菌を親から子にうつさないのが肝心
こういったことを言っておられる人は、体内への感染と体外への感染(定着)を同列に考えているのかと思いますが、まったく違います。
通常の感染症では、細菌はそう簡単には体内に侵入できませんし、体内に侵入できたとしても、ある程度まとまった数の細菌が存在しないと、増えることができず、感染は成立しません。
それに対して、口の中というのは体内ではありませんので、細菌は簡単に入れますし、通常の感染症と比べて圧倒的に小数の細菌でも定着する可能性があります。
たとえば、室内に花粉を大量に入れないようにすること(一般の感染症対策)は可能であり、行なう価値は十分あると思います。
しかし、屋外(たとえば庭)に空気清浄機を設置して花粉を検出不能なレベルにしようとするような行為(虫歯菌の感染を接触を回避することで予防しようとすること)は非現実的で行なう価値があるとは思えません。
回答3
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2009-03-22 07:31:05
森川先生が仰っているように無意味なことだと思います。
むし歯を作らずに育てたいと考えていらっしゃるので3歳までお菓子としての甘いものを与えないで育てることをお勧めいたします。
そのような育児をすれば確実にむし歯は出来ることはありません、歯磨きもその間は必要ありません。
甘いものを食べ始める3歳以降は歯磨きが必要になってきます。しかし3歳までお菓子を与えない育児をなさっていると甘党にはならないのでそれほどお菓子を要求しないと思います。
参考になさってください。
むし歯を作らない子育て http://yamadashika.jp/prevent.html#01
子育てと砂糖に関する考え方 http://yamadashika.jp/prevent10.html
幼児の歯磨き http://yamadashika.jp/prevent11.html
むし歯を作らずに育てたいと考えていらっしゃるので3歳までお菓子としての甘いものを与えないで育てることをお勧めいたします。
そのような育児をすれば確実にむし歯は出来ることはありません、歯磨きもその間は必要ありません。
甘いものを食べ始める3歳以降は歯磨きが必要になってきます。しかし3歳までお菓子を与えない育児をなさっていると甘党にはならないのでそれほどお菓子を要求しないと思います。
参考になさってください。
むし歯を作らない子育て http://yamadashika.jp/prevent.html#01
子育てと砂糖に関する考え方 http://yamadashika.jp/prevent10.html
幼児の歯磨き http://yamadashika.jp/prevent11.html
回答4
佐藤歯科医院(大阪市北区)の佐藤です。
回答日時:2009-03-22 08:32:04
育児紙の編集の方もそうですが、マスコミの人は理科系の基礎知識が乏しく中学高校と寝て過ごしたのでは??と不思議に思います。
人間の体表面には一平方センチにつき、数百万から一億程度の細菌が住んでいます。
これらは常在菌であり、彼らのおかげで悪質な細菌の侵入が防げるのですが、常在菌のほとんどが酸の産生能力を持つ菌です。
酸の産生は虫歯の原因ですが、彼らを死滅させたら、我々は生きていけません。
菌が悪なのではなく、不要な糖分摂取のシステムに問題の本質があり、糖分の口腔内からの排除を行えれば何ら恐れることはありませんよ。
人間の体表面には一平方センチにつき、数百万から一億程度の細菌が住んでいます。
これらは常在菌であり、彼らのおかげで悪質な細菌の侵入が防げるのですが、常在菌のほとんどが酸の産生能力を持つ菌です。
酸の産生は虫歯の原因ですが、彼らを死滅させたら、我々は生きていけません。
菌が悪なのではなく、不要な糖分摂取のシステムに問題の本質があり、糖分の口腔内からの排除を行えれば何ら恐れることはありませんよ。
回答5
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2009-03-23 11:05:53
諸先生方と同意見です。
感染に怯えるよりもコントロールの方が大切であり、現実的です。
一度、プロの衛生士さんから予防(シュガーコントロール、ブラッシングも含めて)に関する指導を受けられてはいかがでしょうか?
感染に怯えるよりもコントロールの方が大切であり、現実的です。
一度、プロの衛生士さんから予防(シュガーコントロール、ブラッシングも含めて)に関する指導を受けられてはいかがでしょうか?
タイトル | 親から子への虫歯菌の感染力はどの程度ですか? |
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質問者 | Yizさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 41歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 子供(子ども)の虫歯 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。