左下6番が歯根破折、なんとか歯を残す治療方法はないのでしょうか?

相談者: usaさん (31歳:男性)
投稿日時:2009-08-06 15:33:25
宜しくお願い致します。

参考:過去のご相談
レジンを詰めた神経が無い歯は、クラウンにするべきですか?
上顎と下顎のズレがどの程度だと上顎前突でしょうか?



左下奥から2番目の(6番)が、神経の治療済みでかぶせ物がしてあるのですが。

全体的なレントゲンで診て頂いたところ、歯が割れてしまっていて抜歯をしなければならなくなりました。
急に永久歯が抜歯と聞き落胆してしまいました。


なんとか歯を残す治療方法はないのでしょうか?

かぶせ物を外さないかぎり歯が割れていることはわからないのでしょうか?


特に今痛みも腫れもないのですが、そのまま置くとどうなるのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-08-06 16:01:45
頬側の根ならばその根だけを切断して除去し、他を残す方法が有ります。

舌側の丈夫な根が割れた場合には、上記の様な事をしても、残りが弱いために(力の加わる方向も悪く)、私の経験では無価値に等しくなります。

破折が舌側根の場合は全部をあきらめた方が得策かも知れません。


かぶせ物を外さなくても明らかに割れてるのがわかる場合も有りますし、わからないときも有ります。



>特に今痛みも腫れもないのですが、そのまま置くとどうなるのでしょうか?

周りの骨が溶けていきます。
インプラントをするにしてもマイナスですし、あるいはブリッジにしても隣在の骨植を弱めてしまいます。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 16:42:42
usaさまこんにちわ。

左下6番が歯根破折抜歯とのことで落胆なさっているようですね、拝見していないので断定は出来ませんが接着修復という方法があります。

私は昨年の秋から手がけるようになりましたが、十数例行いましたが全例成功しています。


また破切が著しい場合は一旦抜歯したあと接着して再植する方法もあります、この術式については現在3症例手がけました。

そして一症例については昨日冠を被せました、痛みはないものの咬むのには思い切って力が入らないと仰っていますが、炎症の兆候は今のところありません。


usaさまは現在痛みも腫れもないとのことなので出来る可能性は高いように思います、手がけているDrは多くはありませんが捜して見られてはいかがでしょうか。

抜歯はいつでもできるので、個人的にはインプラントをする前にトライしてみる価値はあると思っています。

参考になさってください。



歯根破折の接着修復
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=143
 
歯根破折歯の接着再植
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=161

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 19:37:31
こんにちは。

個人的には抜歯するのが無難だろうとは思うのですが、山田先生がされている様な方法にも多少の興味はあります。

ただ、一般的にはやはり早めの抜でしょうね。


放置することもお勧めしません。
状況が悪化するばかりです。

松山先生のご回答は上顎の6番のお話の様ですから、下顎の場合にはあてはまらないですね。



お大事にして下さい。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 19:41:07
割れている事が確定的なのでしたら、残念ですが、色々な事をしても時間経過の中でで駄目になる事が殆どです。

確定診断を付けるのに、歯科用CT等で精密に検査をして現状を把握して下さい。


現時点で諦めが付かない場合は、歯周病のメインテナンスを徹底して、炎症、病巣がこれ以上波及しないように努めて下さい。

それで経過観察をして行く事で、少しずつ病巣が広がっている事が自覚出来て来れば、諦めが付くのではと思います。


今は突発事項を受け止めるのに精神的にきついでしょうから、早急な判断をしないで、病巣の波及を喰い止めながら考える事をお勧めします。

割れているからと言って、すぐに使えないとか、駄目な訳ではないからです。



一番避けなければいけないのは、変な介入の仕方をして後の処置を難しくする事と、嫌な現実から眼を背けて何もしないで放置する事です。

変な介入の仕方をすると歯根が骨と癒着して、いざ取ろうとする時に大変に難しくなります。

放置すると病巣の拡大が進行して骨がなくなってしまいます。


とは言えすぐに抜歯もせつないとなれば、徹底的にプラーク除去、歯茎の下のプラークまで専門家、衛生士等に清掃して貰って、病巣が広がる事を喰い止めるのが良いと思います。

何時かは駄目に成るのかもしれませんが、それは今すぐではありません。

なら、どうすべきなのか時間を掛けて考える時間を作る事、が良いのではないでしょうか?


嘆き悲しんでも事実は変わりません。
なら、現状を正確に把握する事、その上でその時が来るまでに如何して置けば、自分の気が済む、満足出来、納得出来るのか、胸に手を当ててよくよく考えて下さい。



お大事に。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 22:32:16
こんばんわ。


>色々な事をしても時間経過の中でで駄目になる事が殆どです。

色々な事がどんな事なのか判りかねますが、接着修復をしない限り破折が拡大していずれだめになるのは自明の事実です。

接着修復をすれば私の経験ではでは、今のところ問題はありません。


>変な介入の仕方をすると歯根が骨と癒着して、いざ取ろうとする時に大変に難しくなります

変な介入とは何を指すか判りかねますが、長年歯科医をやっていて歯根破折骨性癒着をした症例は一度も経験したことはありません。

むしろ骨の吸収を起こすので、抜歯については容易に抜けるようになっています。


推測にはなりますが、おそらくそのような危険性はないと個人的には考えています。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 01:47:48
接着修復の経験は15年以上200症例以上経験がありますが、大臼歯の場合は非常に難しいです。

個人的経験ですが7年目を過ぎる辺りで、トラブルが多発します。


患者さん自身がメインテナンスにちゃんと来てくれる方でしたら、病巣が広がらないように歯周組織を守って過ごせれば、置換性歯根吸収を起こしながら経過しますが、如何せんスーパーボンドが邪魔している歯根が取り除くのが難しいです。

感染が波及すると、歯質は置換性吸収してくれません。

そうなると、骨髄の中で入り組んでしまった質を取り切るのがどれ位大変なのか、経験すれば分かると思います。


なので、今回のご相談に関しては、メインテナンスしながら炎症、病巣の拡大を防止し、考えるのが良いと思います。

割れている歯根でも、徹底したプロフェッショナルメインテナンスで、骨がかなり守れますから。


今現在痛くも何ともなく使えている、のでしたら、破折してて即駄目、と言う判断は早急である、と私は思います。

患者さんだけでなくDRも、生体の不思議を感じながら臨床を重ねる事も、良いのではないでしょうか?



話がずれますが、外傷に対しての治療でも、歯科医はすぐに駄目と診断して色々と過剰介入し過ぎる傾向がある、と私は思います。

応急処置を最低限して、生体の修復を見て適時対応する、これが患者さんにとって一番有り難い治療なのではないか、と私は考えます。

介入する事で、現状を改善出来る確信がない場合は、生体の治癒に任せて経過を見る。

私自身が座右の銘としている信念です。


このまま放置していてどうなるのか、急激に悪化しないように、ちゃんとプロフェッショナルクリーニングとかメインテナンスを受け続けながら、経過を見て心を固めていただければ、と私は思います。



余談ですが、ナイトガードもお勧めします。

歯根が割れる方は、就寝時の食い縛り、噛み締め、歯軋りも疑われますので。


お大事に。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 05:48:41
松元先生

抜歯せずに接着修復する方法についてはおそらく本邦では(おそらく世界でも)八ヶ岳歯科の天川先生が最初に始められたように思いますが、いかがでしょうか。

八ヶ岳科 
http://www.dentalsherlock.com/nagano/yatsugatake/yatsugatake.html

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 14:01:55
>個人的経験ですが7年目を過ぎる辺りで、トラブルが多発します。

今月末に破折の接着セミナーに参加しようと思っていたのですが・・・

やはりこれが現実ですかね。。。^^;


スーパーボンドではなくMTAでしている先生もおられますよね。
どちらかと言うと

・内側:スパーボンド
・外側:MTA

の方が生体にとって安定しそうですけど。。。
 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: usaさん
返信日時:2009-08-07 16:14:45
松山先生、山田先生、渡辺先生、松元先生、井野先生
回答して頂きありがとうございました。


こんなにも沢山の先生方から説明して頂き、現在のの状態がよく解りました。
ともに治療方法の選択肢が広がりました。


説明がしっかりしているのとしていないのでは、大分気持ちが違います。

歯チャンネルの先生方は患者の気持ちになって説明して頂けるので、とても有り難いです。
回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 19:31:46
歯根破折の接着技法については全く勉強不足なのですが・・・


Pubmedで、

vertical root fractureで検索 ⇒ 187件ヒット
root fracture で検索すると ⇒ 1922件ヒット
tooth fracture で検索すると ⇒ 6486件ヒット

けっこう多いですね〜
さすがにこれはちょっとやそっとじゃ読めません・・・
しかも、1940年代から報告があるようですね。


天川先生とは先日電話でいろいろとお話させて頂き、歯科評論の記事も読ませて頂き、非常に面白いと感じましたが、始められたのが2006年だということでしたので、もう数年経ってからでないと正しい評価はできないのではないかな?と思いました。

最近はインプラントが普及してきて、かなり簡単に抜歯を勧める医院も多くなったように感じますが、患者さんのほとんどは「できれば自分のを残したい!」と思っているはずで、歯根破折が接着で残せる可能性が高くなれば素晴らしい事だと思いますので、期待しています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: usaさん
返信日時:2009-08-09 14:53:40
歯科用CTで精密に検査をして現状を把握したいと思います。

近くの歯科医院では設備が無いようなのですが、あまり歯科医院では置いてないのでしょうか?
回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2009-08-09 22:13:55
>あまり歯科医院では置いてないのでしょうか?

歯科医院が全国で7万件弱で、歯科用CTは1000台前半ぐらいではないかと思います。

個人的には、今回の場合で必ずしも必要とまでは思いませんが・・抜歯してインプラントを検討されるのなら、一度撮影はした方がいいかも知れませんね。

医院にあればあったにこしたことはないでしょうが、設備だけに捉われすぎない方が良いと思いますよ。


一般的には、CTはインプラントを安全に行いたいがために導入するケースが多いので、そういう医院で破折の保存をチャレンジングに行うというのは、組み合わせ的に考えづらいかな????という気がします。

(因みに当院にも一応CTがあるのですが、インプラントよりも根管治療に役立てたいという目的ですから、こういうのは奇○変人だと思いますよ・・^^;)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: usaさん
返信日時:2009-08-10 17:28:09
渡辺先生回答頂きありがとうございました。

なるほど一般的にCTは、インプラント治療の目的で使われているのですね。
回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2009-08-10 20:36:49
ノア先生同様、奇○変人のタイヨウです。

>一般的にCTはインプラント治療の目的で使われているのですね。

ですね。

歯科治療機材で最も高価(2000万〜3500万)なCTを最も不採算部門(アメリカの1/20以下の治療費)である根管治療に使おうなどと考える歯科医師は少ないですよ。


それに、CTを撮ると(基本的には)そのの治療はそれ以降、健康保険の適応外になりますからね(混合診療の禁止)。

それまで健康保険で数百円だった(根管治療の)治療費が一気に10倍以上になります。

果たして、そんな現実を受け入れてくれる患者さんが多く存在するでしょうか。

ウチは保険医療機関を辞退しているので受診される患者さんは「そう言うものだ」と納得されていると思いますが、普通は違いますよね‥。


逆に、インプラントは最初から健康保険の適応外ですから、保険適応外のCTを撮っても、(法的にも金銭的にも)シンプルに理解されると思います。

なので、

 「CT=インプラント」

と言うような普及の仕方だと思いますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: usaさん
返信日時:2009-08-15 15:16:15
タイヨウ先生ご回答ありがとうございました。



>CTを撮ると(基本的には)そのの治療はそれ以降、健康保険の適応外になりますからね(混合診療の禁止)。

CTを撮ると健康保険の適応外になるのですね。
回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2009-08-15 16:29:13
>CTを撮ると健康保険の適応外になるのですね。

厳密に言うと‥ですね。

他の医療機関でCTを撮影された場合には全く問題無いと思います。

回答 回答13
  • 回答者
回答日時:2009-08-17 21:30:30
↑これちょうど厚生局に問い合わせていたのですが・・

一応、全く問題がないという訳ではない様です。
いわゆるグレーゾーンに近い様な。

まあ、CTとか出てくるよりもはるか昔の、昭和51年の文章を元に色々な方がそれぞれで解釈をしていますからね。
この辺りの話は本当に微妙で困ってしまいます。

原則的には、保険で治療を開始したら、終わるまで保険の範囲内のことで済ませるべきな様ですよ。
CTも利用して治療がしたいなら、そのについては、最初から全部自費で考えた方が間違いはなさそうです。

回答 回答14
  • 回答者
回答日時:2009-08-18 08:47:50
なるほど‥。

そうなんですよね。

自費保険か?
混合診療かどうか?

これは昭和51年通知から変わっていないわけで‥。

厚労省に「ハッキリさせろ!」と言いたいところですが、ハッキリさせちゃうと「すべてNo」になるのは目に見えてますからね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: usaさん
返信日時:2009-08-19 17:07:44
タイヨウ先生  渡辺先生
アドバイス頂きありがとうございました。


1.保険治療
2.自費治療
3.混合診療  
   
なのですね。

これを機に、は本当に大切なものだと思いました。



タイトル 左下6番が歯根破折、なんとか歯を残す治療方法はないのでしょうか?
質問者 usaさん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯が割れた・折れた・欠けた
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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