感染根管の第二乳臼歯、後続永久歯がない場合は抜歯ですか?(欧州)

相談者: 天然歯一番さん (46歳:男性)
投稿日時:2009-09-12 01:45:17
お世話になります。

欧州在住です。
13歳の子供についてご相談させていただきたく、よろしくお願いします。

1ヶ月前に乳歯75番の歯茎の膿(当時1cmくらいで、おそらくフィステル)を近所のA歯科で診てもらったところ、レントゲンでは永久歯35番が確認できず、抜歯以外の治療法はないというニュアンスの診断でした。

1週間前に(膿は5mmくらいとやや小さくなっていました)、別のB歯科で診てもらったところ、同様の診断でした。

他のへの悪影響も心配なので、自分の子供だったら直ちに抜歯をおこない、そのあとにブリッジインプラントを考えるとのことです。

歯に穴を開けて膿を出す方法(根管治療?)もあるが、あくまで次善策とのこと。

乳歯は75番以外すべて生え変わっており、また75番自体はグラグラしておらず、大きな痛みも今のところありません。

近々、C大学病院小児歯科にも行ってみようと考えていますが、取り急ぎ以下ご相談させていただきたく、よろしくお願いします。



1.今の時期にレントゲンで確認できない場合、やはり35番は生えてこない可能性が高いということでしょうか。

2.仮に35番が生えてくる可能性が少しでもあるとして、上記の根管治療でしばらく様子を見るということも可能でしょうか。

3.仮に35番が生えてこないとして、乳歯75番の温存は可能でしょうか。
親としてはやはり抜歯の診断はショックで、温存できればと願うのですが(私も未だに一本保有しています)。

4.仮に35番が生えてこないとして、抜歯した場合、その後の治療は何が適切でしょうか。
素人考えではブリッジもインプラントも子供の歯にとって負担が大きいように思えますし、保隙治療は35番が生えてくる前提でしょうし、心配が尽きません。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-09-12 03:15:38
天然一番さま、こんばんわ。

75番の歯が感染根管で、フィステルが出来ていると考えていらっしゃるのですね。

13歳で感染根管なら、通常抜歯することになるとは思うのですが、後継永久歯が欠損しているようなので判断は難しいと思います。

抜歯空隙が閉鎖しそうなら積極的に抜歯して、閉鎖するのを待てば一番いいと思いますが、そうならないようなら抜歯するかどうかについては、よく考えた上で治療プランを立てねばなりません。


>1.今の時期にレントゲンで確認できない場合、やはり35番は生えてこない可能性が高いということでしょうか。

レントゲンで確認できないのなら、先天性欠損と考えねばなりません。


>2.仮に35番が生えてくる可能性が少しでもあるとして、上記の根官治療でしばらく様子を見るということも可能でしょうか。

レントゲンで確認できない以上、生えてこないと思います。


>3.仮に35番が生えてこないとして、乳歯75番の温存は可能でしょうか。
>親としてはやはり抜歯の診断はショックで、温存できればと願うのですが(私も未だに一本保有しています)。

75番の状況によると思います、有髄歯なら温存は可能だと思いますが、感染根管なら長期間温存することは難しいように思います。


>4.仮に35番が生えてこないとして、抜歯した場合、その後の治療は何が適切でしょうか。

一概に何が一番いいとは申せませんが、個人的には矯正治療で空隙の閉鎖が可能なら矯正治療をお勧めいたします。

ブリッジインプラントも、仰るように子どもさんにとって負担が大きく侵襲も大きいので、出来れば避けたいと思います。

もしそのような方法を取ることになった場合は、成人してからになるでしょう。

参考になさってください。

乳歯のフィステル http://yamadashika.jugem.jp/?search=%C6%FD%BB%F5%A4%CE%A5%D5%A5%A3%A5%B9%A5%C6%A5%EB

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-09-12 11:21:25
こんにちは。(欧州時間だと、こんばんはでしょうか)

第二乳臼歯感染根管になっており、その上、永久歯第二小臼歯)が先天欠如しているという状況なんですね。

山田先生が書かれたように、乳歯抜歯して矯正を進めていくというのもひとつの手です。

のままでは長期保存が難しいので、将来起こりうる問題を前倒しで解決させることにもなるように思えます。

現在、不正歯列があるなら、一石二鳥かも知れません。

逆に歯列が整っているという状況なのでしたら、問題の乳歯の感染根管治療を行って、成人になるまで持たせていって、いよいよダメになったらインプラントという選択もありだと思います。
(現在の年齢では「なし」だと、私は思います)

ブリッジは周辺歯牙に刃を入れることになるので、避けたいですね。


・・・ということで、私なら「抜歯〜矯正」、もしくは「感染根管治療〜将来インプラント」を勧めるでしょう。

参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-13 07:36:24
山田先生、吉岡先生、早速のご助言ありがとうございます。

おかげさまでだいぶ理解・整理が深まり、今後の治療について適切な(=自分なりに納得のいく)判断ができるのでは、ととてもうれしく思います。

追加で、以下質問させていただけると幸いです。


山田先生

矯正治療による空隙の閉鎖」とは、74番の跡地を左右から34番と36番を移動させて埋めるというイメージでしょうか。

ご紹介いただいた山田先生のブログのレントゲン写真にある、「Dの歯根の著しい炎症性吸収」に子供の75番も(素人目には)似ているように見えます。

このような状態でも根管治療は可能でしょうか。

あるいは、写真のお子さんは7歳ということで、同様の治療による効果は13歳の子供にはあまり期待できないでしょうか。



吉岡先生

上は八重があるのですが、下は歯列が整っています。

したがって、まずは「感染根管治療〜将来インプラント」(成人するころには更なる技術革新があることも期待して)、万が一うまくいかないときは「抜歯矯正」に切り替えるということは、可能でしょうか。

あるいは、矯正は13歳スタートでもすでに遅い?でしょうから、この方法は無理がありますでしょうか。

上記の山田先生への質問とも重なりますが、13歳・乳歯・根管治療の難易度が高そうというイメージから、万が一のことも考え、質問させていただきました。

お忙しいところ大変恐縮ですが、以上よろしくお願い致します。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-09-13 23:05:09
後続永久歯がある場合とない場合では、乳歯根管治療の予後(治療経過)はかなり異なります。

永久歯がある場合は、何をしてもある時期がくれば必ず乳歯は残せなくなりますが、永久歯がない場合は、たとえ神経を取っていてしかも根が吸収されながらも、結構持つことも少なくありません。

数年持たせられれば、天然一番さんのお子さんも大人になってますので、乳歯を残そうと考えることは十分価値はあると思います。

ただ、基本的に、根の治療をしている乳歯は抜歯してしまうという考え方が一般的ですので、乳歯をできるだけ残そうとする歯科医師はごく少数だと思います。

また、残そうとしても必ず長期間残せる保証があるわけでもありませんので、担当医が乳歯を残すという提案をしないのであれば、抜歯は避けられないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-18 23:19:25
森川先生
ご助言ありがとうございます。

子供は後続永久歯がない場合ですので、少し望みが出てきました。
乳歯を残そうといってくださる先生を探したいと思います。

先生方

親身なご助言ありがとうございます。

こちらの掲示板を拝見するまでは、学知識ゼロ、言葉の壁あり、と散々でしたが、お蔭様で今はこれらの障壁もなんとかなりそうという気持ちです。

今後の状況で、またご相談させていただくこともあろうかと思いますが、引き続きよろしくお願い致します。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-23 00:11:48
本日、大学病院に行ってきました。

小児歯科矯正歯科でみていただきましたが、レントゲンなし(1ヶ月ほど前のレントゲンはみせました)の目視による診断は、以下のようなものでした。


?炎症の状態やまわりのへの悪影響も考えると、根管治療の余地はない。
そもそも根管治療の対象として根が短すぎる。
抜歯すべき。


?抜いたあとの隙間は、矯正保隙治療で埋めることになる。
矯正は1.5年から2年くらいかかる。
保隙治療は、子供がインプラント治療可能な19歳になる5年後までに骨が下がっていき、インプラント治療不可になるリスクがある。
よって矯正をすすめる。

素人目には、きれいに見える歯並びに対して矯正をするより、保隙治療、あるいは抜歯後ほっとく方が、インパクトが少なそうで好ましく思えるのですが、「5年後までに骨が下がっていき、インプラント治療不可になるリスクがある」ものでしょうか。

先生方のご助言をいただきたく、よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-09-23 12:37:38
>5年後までに骨が下がっていき、インプラント治療不可になるリスクがある」ものでしょうか。

私の経験では個人差があるとはいえ、それほど低下しないことが多いものです。

を削らなくて済む接着ブリッジ(はずれやすいですが)で、スペースを確保しておいて、20才になったらインプラントをするのが良いと思います。

矯正はその側の奥歯咬合高径が低くなりがちで、顎関節症的症状を誘発しがちなので、私は避けています。

日本歯科先端技術研究会というのがあり、本年3月号刊行雑誌に”バイコンデンタルインプラントを用いた晩期残存乳歯戦略的抜歯後の即時埋入”という記事が載りました。

お見せできないのが残念ですが、スペースメインテナンスを続けながら、20才になってインプラントを施行したものです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-23 20:06:26
松山先生

早速のご助言ありがとうございます。

また、おそらく一般人は普段、目にすることのないであろう専門誌の記事の引用までしていただき、恐縮の限りです。

抜歯保隙治療をしてくださる先生をさがそうと思います。
ありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-09-23 22:59:57
そうですか、感染根管治療の余地なしでしたか。

「ダメモト」の治療に結構挑戦する日本人歯科医とは、また基準も違うんでしょうね。

下顎の歯並びは悪くない・・・ということでしたら、松山先生が書かれたように接着性ブリッジなりで保隙しておいて、いずれはインプラントという方向でしょうかね。

キレイな並びの方を矯正するのって、難しいので私はしたくないです。
専門医なら、上手にやってのけてくれるのかも知れませんが。

抜歯⇒保隙治療」という方針を望まれるのであれば、「いずれはインプラントを考えている」旨を伝えた上で、保隙の方法を検討してもらう必要があると思います。

接着性ブリッジを望んでもやってくれるかどうかは、分かりません。
(取れやすいから、やりたくない!! という先生に当たるかも知れませんので)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-23 23:34:05
吉岡先生

ご助言ありがとうございます。

どうも感染が根管だけでなく、そのまわりの組織に及んでいるようにも見え(レントゲンでは根のまわりが黒く見えます)、どちらの先生もそれを問題視されているようです。

回答1で山田先生よりご紹介いただいた、レントゲン写真にある「Dの歯根の著しい炎症性吸収」に子供の75番も(素人目には)似ているように見えます。

いずれにしても、「ダメモト」レベルでも感染根管治療の余地なしかについて、聞いてみたいと思います。

また、将来のインプラント装着についても言及するようにします。

ありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 天然歯一番さん
返信日時:2009-09-28 15:46:18
先生方

ご報告があります。

日本の大学で口腔外科を学ばれたという先生(日本語もほぼ完璧です)がいらっしゃることがわかり、診ていただいたところ、むこうから「根管治療〜将来インプラント」をすすめていただきました。

もちろん、乳歯がいつまでもつかという確証はありませんが、早速治療をはじめていただいています。

こちらで先生方から数々のご助言を頂戴したおかげで、自分なりに治療に対するイメージが出来上がっていたのですが、その先生はやはり日本の大学で学ばれたからか、そのイメージどおりのことをおっしゃるので、非常に安心感がありました。

こちらで相談して本当によかったと思います。
ありがとうございました。

何かありましたら、またご相談させていただきたく、よろしくお願いします。



タイトル 感染根管の第二乳臼歯、後続永久歯がない場合は抜歯ですか?(欧州)
質問者 天然歯一番さん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
小児矯正(子供の矯正)
小児歯科治療
歯の生えかわり(生え変わり)
海外その他
抜歯:乳歯(子供の歯)
乳歯(子供の歯)が抜けた・抜歯予定
歯の数が足りない(先天欠損)
乳歯の抜髄、根管治療
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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