抜歯後の骨吸収を予防する為の手段はありませんか?
相談者:
ガーデンさん (54歳:男性)
投稿日時:2010-01-17 19:32:35
参考:他のご相談
・歯根尖端切除を提案されました
加齢と、何本かの抜歯もあり、歯茎のラインが有る時期からどんどん下がってきていて、歯槽骨の絶対量に不安があります。
近い将来抜歯になると思わる歯(7番上と1番上)が2本あるのですが、抜歯に伴う顎堤または抜歯部の骨吸収を予防する為の手段はないものかと考えております。
抜歯後、インプラントにするにしても、ブリッジにするしても、装着後に補綴物と歯肉の間に徐々に隙間があいてくるとが、懸念されます。
また、現在より歯茎のラインが下がると思うと、ぞっとします。
それを防ぐ為に、抜歯と同時に非吸収性メンブレン(ゴアテックス)を入れて、抜歯後に伴う骨吸収を防ぐという考えは無理があるのでしょうか?
アドバイスをいただければ幸いです。
・歯根尖端切除を提案されました
加齢と、何本かの抜歯もあり、歯茎のラインが有る時期からどんどん下がってきていて、歯槽骨の絶対量に不安があります。
近い将来抜歯になると思わる歯(7番上と1番上)が2本あるのですが、抜歯に伴う顎堤または抜歯部の骨吸収を予防する為の手段はないものかと考えております。
抜歯後、インプラントにするにしても、ブリッジにするしても、装着後に補綴物と歯肉の間に徐々に隙間があいてくるとが、懸念されます。
また、現在より歯茎のラインが下がると思うと、ぞっとします。
それを防ぐ為に、抜歯と同時に非吸収性メンブレン(ゴアテックス)を入れて、抜歯後に伴う骨吸収を防ぐという考えは無理があるのでしょうか?
アドバイスをいただければ幸いです。
[過去のご相談]
回答1
横浜相鉄ビル歯科医院(横浜市西区)の田中です。
回答日時:2010-01-17 22:48:22
こんばんは。
ごく一般論ですが、何となくお話の感触からすると、たしかに骨の吸収は想像よりはある程度大きく起こるような感じがします。
ただお調べになったようにメンブレンを用いてのGTR法や、骨補填材等によって補う事は、特別な基礎疾患があったり特殊なケースであったりという事がなければ、今の技術では可能である事も多いと思います。
ただこれは術者の得意な方法であったり、その技量にも差が出る事であります。
最終的に補綴物(ブリッジであろうとインプラントであろうと)が完了した時の結果と、その予後の見通しが良ければという事につきます。
まず抜歯と同時期に骨が吸収するのを防ぐ方が良いのか、あるいは吸収が起こった後に補填するのかはその担当する者の判断に由るところです。
はじめから「これ!」と決め付けずに、まずは歯科医師にご相談からお始めになった方がよろしいでしょう。
ごく一般論ですが、何となくお話の感触からすると、たしかに骨の吸収は想像よりはある程度大きく起こるような感じがします。
ただお調べになったようにメンブレンを用いてのGTR法や、骨補填材等によって補う事は、特別な基礎疾患があったり特殊なケースであったりという事がなければ、今の技術では可能である事も多いと思います。
ただこれは術者の得意な方法であったり、その技量にも差が出る事であります。
最終的に補綴物(ブリッジであろうとインプラントであろうと)が完了した時の結果と、その予後の見通しが良ければという事につきます。
まず抜歯と同時期に骨が吸収するのを防ぐ方が良いのか、あるいは吸収が起こった後に補填するのかはその担当する者の判断に由るところです。
はじめから「これ!」と決め付けずに、まずは歯科医師にご相談からお始めになった方がよろしいでしょう。
回答2
回答日時:2010-01-18 02:17:36
こんばんは。
よく調べられていますね。
希望されているのは、「ソケットプリザベーション」と言う方法になるかと思います。
個人的にはあまり関心がないのでよく知りませんが、FDBA(ヒトの凍結乾燥骨)とコラーゲンメンブレンの組み合わせで、前歯抜歯後短期(6ヵ月後)で、厚みが+1.6mm、高さが+2.2mmの違い(普通に抜歯だけした場合と較べて)が出たと言う報告なら聞いたことがあります。
論文⇒Ridge preservation with freeze-dried bone allograft and a collagen membrane compared to extraction alone for implant site development: a clinical and histologic study in humans.
Iasella JM, Greenwell H, Miller RL, Hill M, Drisko C, Bohra AA, Scheetz JP.
J Periodontol. 2003 Jul;74(7):990-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12931761?itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum&ordinalpos=10
これなら結構いい数字なのですが、それでも個人的になぜ関心がわかないかと言うと、まずヒトの凍結乾燥骨などを使いたくないという点(※米国ではよく使われるそうですが、日本人は文化的にあまり・・)。
それと、これは他の材料もあるとしても最近では、長期的に見れば結局何をしても一緒、という見解(Lindheらのイヌを用いた一連の研究)が主流となっている様に感じるからです。
※因みにガーデンさんの提案の通り、非吸収性メンブレン単独の使用だと、これよりは確実に数値は悪くなると思われます。
何かしないよりはしてみても良いかもと思えるケースは、抜歯予定の歯の周囲骨が、歯根破折などでイレギュラーな骨吸収をしている様な場合(他の歯の周囲骨と較べて部分的にかなり極端に骨が少ない様なケース)ぐらいかなと思います。
その場合だったら、コストが許容できるなら長期的に考えても多少のメリットがあるかも?と、個人的には考えています。
(※この辺りのことについては、まだまだ色々な意見があるかと思います)
あくまで個人的な意見で想像の世界なのですが、前歯部ならインプラントよりは出来るだけブリッジにしておいて、ダミー直下の歯肉ラインの変化が気になれば、CTG(結合組織移植 ※自分の口蓋の歯肉の移植)で、骨ではなくお肉の厚みでごまかす方が楽で安心の様な気がしますよ。
そのお肉もいずれは吸収するかも知れませんが、それならそれでまた手術をするという手が残ります。
骨を無理矢理増やしておいて、それを頼りにインプラントを埋入してしまうと、長期的にはどうなるのかが、少し不安ですね。
インプラントでトラブルが起きるとリカバリーがとても難しいですからね。
でも田中先生のおっしゃる通りで、色々な考えの先生がいらっしゃいますから、ひとつの意見として参考までとされて下さいね。
お大事にどうぞ。
よく調べられていますね。
希望されているのは、「ソケットプリザベーション」と言う方法になるかと思います。
個人的にはあまり関心がないのでよく知りませんが、FDBA(ヒトの凍結乾燥骨)とコラーゲンメンブレンの組み合わせで、前歯抜歯後短期(6ヵ月後)で、厚みが+1.6mm、高さが+2.2mmの違い(普通に抜歯だけした場合と較べて)が出たと言う報告なら聞いたことがあります。
論文⇒Ridge preservation with freeze-dried bone allograft and a collagen membrane compared to extraction alone for implant site development: a clinical and histologic study in humans.
Iasella JM, Greenwell H, Miller RL, Hill M, Drisko C, Bohra AA, Scheetz JP.
J Periodontol. 2003 Jul;74(7):990-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12931761?itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum&ordinalpos=10
これなら結構いい数字なのですが、それでも個人的になぜ関心がわかないかと言うと、まずヒトの凍結乾燥骨などを使いたくないという点(※米国ではよく使われるそうですが、日本人は文化的にあまり・・)。
それと、これは他の材料もあるとしても最近では、長期的に見れば結局何をしても一緒、という見解(Lindheらのイヌを用いた一連の研究)が主流となっている様に感じるからです。
※因みにガーデンさんの提案の通り、非吸収性メンブレン単独の使用だと、これよりは確実に数値は悪くなると思われます。
何かしないよりはしてみても良いかもと思えるケースは、抜歯予定の歯の周囲骨が、歯根破折などでイレギュラーな骨吸収をしている様な場合(他の歯の周囲骨と較べて部分的にかなり極端に骨が少ない様なケース)ぐらいかなと思います。
その場合だったら、コストが許容できるなら長期的に考えても多少のメリットがあるかも?と、個人的には考えています。
(※この辺りのことについては、まだまだ色々な意見があるかと思います)
あくまで個人的な意見で想像の世界なのですが、前歯部ならインプラントよりは出来るだけブリッジにしておいて、ダミー直下の歯肉ラインの変化が気になれば、CTG(結合組織移植 ※自分の口蓋の歯肉の移植)で、骨ではなくお肉の厚みでごまかす方が楽で安心の様な気がしますよ。
そのお肉もいずれは吸収するかも知れませんが、それならそれでまた手術をするという手が残ります。
骨を無理矢理増やしておいて、それを頼りにインプラントを埋入してしまうと、長期的にはどうなるのかが、少し不安ですね。
インプラントでトラブルが起きるとリカバリーがとても難しいですからね。
でも田中先生のおっしゃる通りで、色々な考えの先生がいらっしゃいますから、ひとつの意見として参考までとされて下さいね。
お大事にどうぞ。
相談者からの返信
相談者:
ガーデンさん
返信日時:2010-01-19 03:44:15
田中先生、渡辺先生、ご回答ありがとうございます。
田中先生のご意見が一般論なのであれば悩まないのですが・・・
渡辺先生のご意見は、
>何かしないよりはしてみても良いかもと思えるケースは、抜歯予定の歯の周囲骨が、歯根破折などでイレギュラーな骨吸収をしている様な場合(他の歯の周囲骨と較べて部分的にかなり極端に骨が少ない様なケース)ぐらいかなと思います。
こういう場合なら試してみる価値はあるだろうと、いうことですね。
すると、サイナスリフトにしてもソケットリフトにしても、、インプラントの没入時には有効であっても、「入れた人工骨」はいずれ、必ず吸収されるものであって、歯槽骨の絶対量の維持には役に立たず、結局のところ抜歯時における骨吸収はまぬがれないということなのですね?
田中先生のご意見が一般論なのであれば悩まないのですが・・・
渡辺先生のご意見は、
>何かしないよりはしてみても良いかもと思えるケースは、抜歯予定の歯の周囲骨が、歯根破折などでイレギュラーな骨吸収をしている様な場合(他の歯の周囲骨と較べて部分的にかなり極端に骨が少ない様なケース)ぐらいかなと思います。
こういう場合なら試してみる価値はあるだろうと、いうことですね。
すると、サイナスリフトにしてもソケットリフトにしても、、インプラントの没入時には有効であっても、「入れた人工骨」はいずれ、必ず吸収されるものであって、歯槽骨の絶対量の維持には役に立たず、結局のところ抜歯時における骨吸収はまぬがれないということなのですね?
回答3
回答日時:2010-01-20 17:58:20
>すると、サイナスリフトにしてもソケットリフトにしても、、インプラントの没入時には有効であっても、「入れた人工骨」はいずれ、必ず吸収されるものであって、歯槽骨の絶対量の維持には役に立たず、結局のところ抜歯時における骨吸収はまぬがれないということなのですね?
個人的にはそう考えていますし、そう考えて治療計画を立てた方が安全だと思っています。
ですがこの辺りの見解はまだまだ、意見の分かれるところだと思いますよ。
あくまで一意見です・・^^;
個人的にはそう考えていますし、そう考えて治療計画を立てた方が安全だと思っています。
ですがこの辺りの見解はまだまだ、意見の分かれるところだと思いますよ。
あくまで一意見です・・^^;
相談者からの返信
相談者:
ガーデンさん
返信日時:2010-01-21 01:45:45
渡辺先生、ご回答ありがとうございます。
ちょっとショックな感じですが、渡辺先生のご意見は有用であると感じています。
確かに、抜歯後の骨吸収対策に人工骨等の没入が有効であれば、既にそれなりに、多少のポピュラリティーを持っていてもいいはずですね。
耳にするのは、インプラントと一体になった話ばかりです。
インプラント治療をされる先生の多くは、サイナスリフトやソケットリフトを有効なものとされているようですから、その立場でアドバイスされる先生をちょっと待ってみたいという気持ちはあります。
他にご意見が頂けないとなると、そんなものかな〜(つまり渡辺先生のご意見が正しい)という「印象」を持たざるを得ないです。
ちょっとショックな感じですが、渡辺先生のご意見は有用であると感じています。
確かに、抜歯後の骨吸収対策に人工骨等の没入が有効であれば、既にそれなりに、多少のポピュラリティーを持っていてもいいはずですね。
耳にするのは、インプラントと一体になった話ばかりです。
インプラント治療をされる先生の多くは、サイナスリフトやソケットリフトを有効なものとされているようですから、その立場でアドバイスされる先生をちょっと待ってみたいという気持ちはあります。
他にご意見が頂けないとなると、そんなものかな〜(つまり渡辺先生のご意見が正しい)という「印象」を持たざるを得ないです。
回答4
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2010-01-21 13:22:41
骨造成に関しては、タカタ先生のウンチクを待ちましょうか。
ただ、
>歯後の骨吸収対策に人工骨等の没入が有効であれば、既にそれなりに、多少のポピュラリティーを持っていてもいいはずですね。
これは保険診療との兼ね合いもあると思いますよ。
インプラントを前提として骨造成を行う
=抜歯自体が保険適応外になる
=術者、患者ともに二の足を踏む
=ケースが増えない
=報告が少ない
のではないかと考えますが…。
そして、どうせ「自費での抜歯」と言う事になると(当サイトの回答者で言えば松元先生のように)、「抜歯即時骨造成+インプラント埋入」と言う方向になるのではないでしょうか。
ただ、
>歯後の骨吸収対策に人工骨等の没入が有効であれば、既にそれなりに、多少のポピュラリティーを持っていてもいいはずですね。
これは保険診療との兼ね合いもあると思いますよ。
インプラントを前提として骨造成を行う
=抜歯自体が保険適応外になる
=術者、患者ともに二の足を踏む
=ケースが増えない
=報告が少ない
のではないかと考えますが…。
そして、どうせ「自費での抜歯」と言う事になると(当サイトの回答者で言えば松元先生のように)、「抜歯即時骨造成+インプラント埋入」と言う方向になるのではないでしょうか。
相談者からの返信
相談者:
ガーデンさん
返信日時:2010-01-21 18:01:48
タイヨウ先生。
ご回答ありがとうございます。
なるほど、たしかに保険診療との兼ね合いが生じますね。
それと、抜歯に伴う骨吸収に危機感を持つ方が少ないということもあるかもしれません。
個人的には抜歯後に大きな骨吸収?を経験していますから、個人差や年齢の違いもあると思いますが、抜歯窩が新しい骨で満たされて、フラットになるとは到底思えません。
残った骨全体が均て窩はフラットになり、その結果歯肉のラインは全体的に、ぐぐっと下がっていくということだろうと考えています。
(もちろん歯槽骨の再生は、ある程度はあるのでしょう。)
歯肉のラインが大きく下がること(歯槽骨の絶対量が減る)は、多くのやっかいな問題を生じさせることになると思います。
ブリッジのダミー部の隙間や、補綴物のマージンの露出、歯列不良ぎみの人の歯の移動の顕著化等、その他不具合はいっぱいあると思います。
積極的に人工骨・骨造成の治療をされている先生の、ご意見・アドバイスをいただければ幸いです。
ご回答ありがとうございます。
なるほど、たしかに保険診療との兼ね合いが生じますね。
それと、抜歯に伴う骨吸収に危機感を持つ方が少ないということもあるかもしれません。
個人的には抜歯後に大きな骨吸収?を経験していますから、個人差や年齢の違いもあると思いますが、抜歯窩が新しい骨で満たされて、フラットになるとは到底思えません。
残った骨全体が均て窩はフラットになり、その結果歯肉のラインは全体的に、ぐぐっと下がっていくということだろうと考えています。
(もちろん歯槽骨の再生は、ある程度はあるのでしょう。)
歯肉のラインが大きく下がること(歯槽骨の絶対量が減る)は、多くのやっかいな問題を生じさせることになると思います。
ブリッジのダミー部の隙間や、補綴物のマージンの露出、歯列不良ぎみの人の歯の移動の顕著化等、その他不具合はいっぱいあると思います。
積極的に人工骨・骨造成の治療をされている先生の、ご意見・アドバイスをいただければ幸いです。
回答5
高田歯科 (神戸 三ノ宮・須磨)のタカタです。
回答日時:2010-01-26 19:28:42
抜歯の際にどんな処置を行おうとも、抜歯によって骨の中の血流に変化が出る以上、また咬合圧が加わらない以上、骨芽細胞の活性化が起こりにくくなるため骨は、ある一定量の吸収を起こします。
これは、ゴアテックスメンブレンや骨補填材を用いたとしても、吸収を遅らせるだけで、いずれ吸収してしまいます。
これは、ゴアテックスメンブレンや骨補填材を用いたとしても、吸収を遅らせるだけで、いずれ吸収してしまいます。
相談者からの返信
相談者:
ガーデンさん
返信日時:2010-01-27 12:38:50
タイトル | 抜歯後の骨吸収を予防する為の手段はありませんか? |
---|---|
質問者 | ガーデンさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 54歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
インプラント治療法 専門的な質問その他 歯茎が下がった(歯肉退縮) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。