虫歯は全て取り除く or きっちり封鎖すれば取り残しても大丈夫?
相談者:
山崎さん (28歳:男性)
投稿日時:2010-06-18 00:19:10
回答1
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-06-18 05:12:41
山崎さまおはようございます。
感染した象牙質は残さず取り除くのがいいと考えています、問題は歯髄に近接した場合どのような判断で感染象牙質と判定するかだと思います。
これは歯科医側の手技の問題なのですが、参考までに。
感染した象牙質は残さず取り除くのがいいと考えています、問題は歯髄に近接した場合どのような判断で感染象牙質と判定するかだと思います。
これは歯科医側の手技の問題なのですが、参考までに。
回答2
越久村歯科医院(京都市右京区)の越久村です。
回答日時:2010-06-18 08:50:43
どんなに、感染した部分(中心付近)をきれいにとっても周囲をきっちり封鎖できなければダメですし、多少感染部を残しても封鎖がうまくいけば問題なしと考えてます。
取り残すより削りすぎのほうがリスクは大きいでしょう。
取り残すより削りすぎのほうがリスクは大きいでしょう。
回答3
回答日時:2010-06-18 10:41:40
はじめまして、こんにちは。
「キッチリ取って、ピッタリ封鎖」が良いかと・・・ (←ズルい?)
山田先生が書かれたように「歯髄に近接した場合」は慎重にやります。
あと「ひとつの目安」として、私はウ蝕検知液も利用しています。
これは「大きな取り残し」をなくすため、視覚的に確認するためです。
ダダダッ!! と勢い良く削ると神経を刺激してしまいそうなので、チマチマと感染歯質を取り除くようにしています。
詰める材料とシッカリ接着させたいので、変性した感染象牙質は取っておきたいです。
ただ、確実性を求めて120%削ってしまうと越久村先生が言われるように「やり過ぎ」でしょうから、難しいところです。
100%を目指して感染象牙質は取り除こうとしていますが、それでも心配なので(封鎖して兵糧攻めするために)接着力を高めようと、最近は歯面処理を色々やったりもしてます。
(どれだけ、臨床的に差が出るかは分かりませんが)
こんなことを考えて治療し始めると、やたらと時間と手間がかかってきます (^^;)
(ただ単に遅いだけなのかも知れませんけど・・・)
自分が治療されるのであれば「どっちが良い」とかの議論よりも「良いとこ取りしてよ!!」と思うので、そうしています。
参考までに。
「キッチリ取って、ピッタリ封鎖」が良いかと・・・ (←ズルい?)
山田先生が書かれたように「歯髄に近接した場合」は慎重にやります。
あと「ひとつの目安」として、私はウ蝕検知液も利用しています。
これは「大きな取り残し」をなくすため、視覚的に確認するためです。
ダダダッ!! と勢い良く削ると神経を刺激してしまいそうなので、チマチマと感染歯質を取り除くようにしています。
詰める材料とシッカリ接着させたいので、変性した感染象牙質は取っておきたいです。
ただ、確実性を求めて120%削ってしまうと越久村先生が言われるように「やり過ぎ」でしょうから、難しいところです。
100%を目指して感染象牙質は取り除こうとしていますが、それでも心配なので(封鎖して兵糧攻めするために)接着力を高めようと、最近は歯面処理を色々やったりもしてます。
(どれだけ、臨床的に差が出るかは分かりませんが)
こんなことを考えて治療し始めると、やたらと時間と手間がかかってきます (^^;)
(ただ単に遅いだけなのかも知れませんけど・・・)
自分が治療されるのであれば「どっちが良い」とかの議論よりも「良いとこ取りしてよ!!」と思うので、そうしています。
参考までに。
回答4
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2010-06-18 11:07:04
回答5
高田歯科 (神戸 三ノ宮・須磨)のタカタです。
回答日時:2010-06-18 13:33:19
倫理的な観点で言うと、あまり削りすぎないのは良いように思いますが。
歯科医院経営の観点で言うと、特にその歯に自費の何十万もする補綴物を装着すると考えると、”取り残して再発してあとからクレームがつく”ことを考えると取れるだけ取ってしまう。
となるかもしれません。
ただ、難しいのは、その患者が術者の身内や友達の場合。。。”情”が介入してくるために適切な判断が下しにくくなることがあるでしょう。
昔から、外科医は身内の治療を失敗するって医科の世界ではよく言われていますが、医師も人間なので、エビデンスどおりにはならないのが臨床の難しいところでしょう。
歯科医院経営の観点で言うと、特にその歯に自費の何十万もする補綴物を装着すると考えると、”取り残して再発してあとからクレームがつく”ことを考えると取れるだけ取ってしまう。
となるかもしれません。
ただ、難しいのは、その患者が術者の身内や友達の場合。。。”情”が介入してくるために適切な判断が下しにくくなることがあるでしょう。
昔から、外科医は身内の治療を失敗するって医科の世界ではよく言われていますが、医師も人間なので、エビデンスどおりにはならないのが臨床の難しいところでしょう。
相談者からの返信
相談者:
山崎さん
返信日時:2010-06-18 21:23:09
山田先生、越久村先生、吉岡先生、藤森先生、タカタ先生、回答いただきありがとうございます。
先生によって削る量に大きな差があるように感じました。
こちらで様々な先生の書き込みを拝見しておりますと、自信を持って補綴される先生ばかりで、治療後、最も大きな差が出るのは削る量という感じがするのですが、どのくらいまで削ると、再発リスクがどの程度減るなど、どこまで科学的根拠などありますか?
また、少しでも取り残した場合、マトリックスを餌にしていずれは繁殖すると今の先生からは説明を受けたのですが、これについてはどのようなものでしょうか?
単純に考えますと、菌が窒息死や餓死すれば再発はしない、生きていればいずれ再発する。
この二択だと思うのですが、実際は再発する場合としない場合があるのでしょうか?
先生によって削る量に大きな差があるように感じました。
こちらで様々な先生の書き込みを拝見しておりますと、自信を持って補綴される先生ばかりで、治療後、最も大きな差が出るのは削る量という感じがするのですが、どのくらいまで削ると、再発リスクがどの程度減るなど、どこまで科学的根拠などありますか?
また、少しでも取り残した場合、マトリックスを餌にしていずれは繁殖すると今の先生からは説明を受けたのですが、これについてはどのようなものでしょうか?
単純に考えますと、菌が窒息死や餓死すれば再発はしない、生きていればいずれ再発する。
この二択だと思うのですが、実際は再発する場合としない場合があるのでしょうか?
回答6
回答日時:2010-06-18 23:17:47
難しいご質問ですね。。。
突き詰めて話すと無菌化は無理なので、「程度問題」だと思います。
あと菌種も様々ですので、酸素が必要な菌、酸素があってもなくても良い金、酸素があってはダメな菌、単独で元気な菌、他のある特定の菌がいれば元気になれる菌、持続的に消毒され続けても10日間ぐらいは死んだフリしていられる菌、有害な菌、無害な菌、判明してない菌など、訳のわからないワンダーランドになっているという話です。
>単純に考えますと、菌が窒息死や餓死すれば再発はしない、生きていればいずれ再発する。
>この二択だと思うのですが、実際は再発する場合としない場合があるのでしょうか?
仮死状態というのもある様で、環境が変わった拍子に元気になる、と言うのもあるとかないとか・・。
(これは歯根破折の時の根管内細菌での話なのですが、むし歯でも似た様なことはあり得るのかも知れません。)
もちろん、再発しない場合もたくさんありますよ。
アマルガムなどの修復物と歯質との、0.4mmや0.25mm程度の隙間はむし歯の原因にならない、などと、むし歯学の教科書には載っていたりもして仰天してしまいます。
参考⇒〔写真あり〕初期虫歯以外の虫歯でも、経過観察したほうがいい場合もある?
でも、勉強が足りないのかなんとなく実態が分からないので、削るところから辺縁封鎖や接着操作など、出来るだけ細かくは配慮した処置を心がけたいと自分は思います。
突き詰めて話すと無菌化は無理なので、「程度問題」だと思います。
あと菌種も様々ですので、酸素が必要な菌、酸素があってもなくても良い金、酸素があってはダメな菌、単独で元気な菌、他のある特定の菌がいれば元気になれる菌、持続的に消毒され続けても10日間ぐらいは死んだフリしていられる菌、有害な菌、無害な菌、判明してない菌など、訳のわからないワンダーランドになっているという話です。
>単純に考えますと、菌が窒息死や餓死すれば再発はしない、生きていればいずれ再発する。
>この二択だと思うのですが、実際は再発する場合としない場合があるのでしょうか?
仮死状態というのもある様で、環境が変わった拍子に元気になる、と言うのもあるとかないとか・・。
(これは歯根破折の時の根管内細菌での話なのですが、むし歯でも似た様なことはあり得るのかも知れません。)
もちろん、再発しない場合もたくさんありますよ。
アマルガムなどの修復物と歯質との、0.4mmや0.25mm程度の隙間はむし歯の原因にならない、などと、むし歯学の教科書には載っていたりもして仰天してしまいます。
参考⇒〔写真あり〕初期虫歯以外の虫歯でも、経過観察したほうがいい場合もある?
でも、勉強が足りないのかなんとなく実態が分からないので、削るところから辺縁封鎖や接着操作など、出来るだけ細かくは配慮した処置を心がけたいと自分は思います。
回答7
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2010-06-18 23:21:48
どんなに感染歯質を一生懸命に除去しても、口腔内を滅菌状態にすることは不可能ですから、かならず充填物の下に細菌は存在します。
その状況で細菌がすべて死滅することもないと思います。
(酸素がなくても生きていける細菌もいますから)
一見いなくなったように見えても、活動を停止しているか、増殖のスピードが極端に遅くなるといった状況かと思います。
細菌がまた活発に活動し始める前に、人間の寿命がきた場合は「再発しなかった」ということになるかと思います。
結局のところ、細菌の完全な除去など不可能ですから、相対的なものでしかないと思います。
その状況で細菌がすべて死滅することもないと思います。
(酸素がなくても生きていける細菌もいますから)
一見いなくなったように見えても、活動を停止しているか、増殖のスピードが極端に遅くなるといった状況かと思います。
細菌がまた活発に活動し始める前に、人間の寿命がきた場合は「再発しなかった」ということになるかと思います。
結局のところ、細菌の完全な除去など不可能ですから、相対的なものでしかないと思います。
回答8
回答9
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2010-06-19 01:45:10
2つに分けて考える必要があると思います。
1)歯髄から明らかに距離があるケース
2)歯髄の近くまでむし歯が進んでいるケース
1)の場合
多少は削りすぎてもそのことによるリスクは少ないでしょう。
むしろ、取り残してむし歯が進行することで歯髄炎を起こすリスこのほうが歯牙の生命予後にとっては大きなマイナスになります。
そこで、歯髄から距離があるなら、多少削りすぎても感染象牙質はちゃんと取り除くべきでしょう。
しかし、取り除いたつもりでも残っている可能性が有るので、封鎖をしっかりして再発を防止したほうが良いでしょう。
言い換えれば、封鎖をしっかりすれば取り残しても良いのではなく、確実に取り除いたつもりでも取り残しの可能性があるので封鎖をしっかりしましょうとなります。
2)の場合
いろいろな意見があります。
a)封鎖を確実にすることで、意図的に取り残しをして、抜髄を避けるという考え方。
b)取り残したままいったん封鎖して、修復象牙質ができるのを待って、再度確実に除去する考え方。
c)確実に取り除いて、歯髄まで到達しなければ、1)の場合と同じような考え方で充填して終わり。到達すれば、さらに2つの考え方に分けます。
?直接覆髄をして、歯髄の保護に努め、うまくいけばそのまま充填、だめなら抜髄。
?歯髄まで到達すれば、症状はなくても歯髄は慢性炎症を起こしていると考えられるので、すぐに抜髄。
(無理をして残すことで、根尖に感染させてしまい、結果的に予後が悪くなることのリスクを減らすため)
それぞれ、技術的な問題や患者さんの価値観によってもどの考え方が良いのかは変わってくるでしょう。
1)歯髄から明らかに距離があるケース
2)歯髄の近くまでむし歯が進んでいるケース
1)の場合
多少は削りすぎてもそのことによるリスクは少ないでしょう。
むしろ、取り残してむし歯が進行することで歯髄炎を起こすリスこのほうが歯牙の生命予後にとっては大きなマイナスになります。
そこで、歯髄から距離があるなら、多少削りすぎても感染象牙質はちゃんと取り除くべきでしょう。
しかし、取り除いたつもりでも残っている可能性が有るので、封鎖をしっかりして再発を防止したほうが良いでしょう。
言い換えれば、封鎖をしっかりすれば取り残しても良いのではなく、確実に取り除いたつもりでも取り残しの可能性があるので封鎖をしっかりしましょうとなります。
2)の場合
いろいろな意見があります。
a)封鎖を確実にすることで、意図的に取り残しをして、抜髄を避けるという考え方。
b)取り残したままいったん封鎖して、修復象牙質ができるのを待って、再度確実に除去する考え方。
c)確実に取り除いて、歯髄まで到達しなければ、1)の場合と同じような考え方で充填して終わり。到達すれば、さらに2つの考え方に分けます。
?直接覆髄をして、歯髄の保護に努め、うまくいけばそのまま充填、だめなら抜髄。
?歯髄まで到達すれば、症状はなくても歯髄は慢性炎症を起こしていると考えられるので、すぐに抜髄。
(無理をして残すことで、根尖に感染させてしまい、結果的に予後が悪くなることのリスクを減らすため)
それぞれ、技術的な問題や患者さんの価値観によってもどの考え方が良いのかは変わってくるでしょう。
回答10
回答11
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2010-06-19 09:25:36
追加で、MIについて。
日本にはMIについて正しく情報が伝わっていません。
日本では、MIとは小さく削って詰めることのように言われていますが、本来は診査診断を行い、指導管理を徹底することで、歯質の削除を回避しようという考え方で、どうしても削除が必要ならできるだけ最小限にしましょうということです。
最も重要なことは前半の部分で、日本では前半が抜け落ち後半だけが強調されすぎています。
その理由は私なりに分析すれば、日本の歯科においては診断学が軽視される(ほとんど教わることがない)傾向があります。
さらにMIの情報主に伝えているのが、小さく削る器具や、小さく詰める材料を製造販売している業者であるため、削ってくれないと商品が売れないという事情にあるように思います。
MI 最小限の侵修
小さく削るより、削らないほうが小さいですよね。
日本にはMIについて正しく情報が伝わっていません。
日本では、MIとは小さく削って詰めることのように言われていますが、本来は診査診断を行い、指導管理を徹底することで、歯質の削除を回避しようという考え方で、どうしても削除が必要ならできるだけ最小限にしましょうということです。
最も重要なことは前半の部分で、日本では前半が抜け落ち後半だけが強調されすぎています。
その理由は私なりに分析すれば、日本の歯科においては診断学が軽視される(ほとんど教わることがない)傾向があります。
さらにMIの情報主に伝えているのが、小さく削る器具や、小さく詰める材料を製造販売している業者であるため、削ってくれないと商品が売れないという事情にあるように思います。
MI 最小限の侵修
小さく削るより、削らないほうが小さいですよね。
回答12
大野歯科医院(群馬県前橋市)の大野です。
回答日時:2010-06-19 11:29:26
小牧先生の書き込みに賛成です。
以下はプロ向けの蛇足です。
術者は「caries free」と「bacterial free」を分けて考えなくてはいけません。
総山系の先生方に怒られるかも知れませんが、基本的にもっとも細菌学的に信頼できる指標は、色でも検知薬でもなく、「硬さ」です(Kiddら)。
英語では"Reasonably hard"なんて言われます。
それでも森川先生のおっしゃるように、無菌化は出来ませんけど。
以下はプロ向けの蛇足です。
術者は「caries free」と「bacterial free」を分けて考えなくてはいけません。
総山系の先生方に怒られるかも知れませんが、基本的にもっとも細菌学的に信頼できる指標は、色でも検知薬でもなく、「硬さ」です(Kiddら)。
英語では"Reasonably hard"なんて言われます。
それでも森川先生のおっしゃるように、無菌化は出来ませんけど。
回答13
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2010-06-20 00:01:24
>総山系の先生方に怒られるかも知れませんが、基本的にもっとも細菌学的に信頼できる指標は、色でも検知薬でもなく、「硬さ」です(Kiddら)。
「おれは齲蝕検知液を使っている」と自慢する先生がいますが。
そんなことは、カリエスフリーでもバクテリアルフリーでもなくて、エビデンスフリーなことなんだってことをもっと自覚してほしいです。
患者さんはどうも視覚的な説得には弱いんで、なかなかエビデンスとか言ってもピンとこないんでしょうけど、何だかなぁ〜って感じです。
根拠に基づく治療っていうのは、結構地味なもんなんですよ。
これまた蛇足です。
「おれは齲蝕検知液を使っている」と自慢する先生がいますが。
そんなことは、カリエスフリーでもバクテリアルフリーでもなくて、エビデンスフリーなことなんだってことをもっと自覚してほしいです。
患者さんはどうも視覚的な説得には弱いんで、なかなかエビデンスとか言ってもピンとこないんでしょうけど、何だかなぁ〜って感じです。
根拠に基づく治療っていうのは、結構地味なもんなんですよ。
これまた蛇足です。
回答14
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2010-06-20 12:09:01
>「おれは齲蝕検知液を使っている」と自慢する先生がいますが、
そんなことは、カリエスフリーでもバクテリアルフリーでもなくて、エビデンスフリーなことなんだってことをもっと自覚してほしいです。
>患者さんはどうも視覚的な説得には弱いんで、なかなかエビデンスとか言ってもピンとこないんでしょうけど、何だかなぁ〜って感じです。
>根拠に基づく治療っていうのは、結構地味なもんなんですよ。
大筋では同意しますが、根拠に基づく治療について少し違った考え方を。
EBM(根拠に基づく治療)を行う上でそれぞれの治療法や検査方法は、エビデンスレベルと推奨の強さの2つによって評価されます。
齲蝕検知液については、エビデンスフリーではなく、十分なエビデンスがありますが、現在のエビデンスからは硬さで判断するほうが齲蝕検知液よりも強く推奨されるということだと思います。
もうひとつ、目的(アウトカム)の考え方にも疑問を感じます。
本来歯科における真のアウトカムは歯牙の生命予後やQOLであるはずだと思いますが、実際の研究では仮のアウトカムとして、カリエスフリーやバクテリアフリーを求めます。
しかし、仮のアウトカムが達成できても真のアウトカムが達成できるとは限りません。
仮のアウトカムに固執すると「おれは齲蝕検知液を使っている」「硬さで見るほうが正しい」という論争になってしまいます。
真のアウトカムを達成するには、大野先生の言われるように硬さを最も信頼できる指標として、齲蝕検知液を必要に応じて使用すれば良いように思います。
今の日本の歯科では、ルーティーンに何かを行う、**は必ず行わなければいけないなど、かたちにはめようとする傾向が強いように思います。
それぞれの治療法や検査法の特性を熟知した上で、目の前の患者さんに何が最も適切なのかを判断して、それぞれの状況に合わせた方法を選択すべきでしょう。
そんなことは、カリエスフリーでもバクテリアルフリーでもなくて、エビデンスフリーなことなんだってことをもっと自覚してほしいです。
>患者さんはどうも視覚的な説得には弱いんで、なかなかエビデンスとか言ってもピンとこないんでしょうけど、何だかなぁ〜って感じです。
>根拠に基づく治療っていうのは、結構地味なもんなんですよ。
大筋では同意しますが、根拠に基づく治療について少し違った考え方を。
EBM(根拠に基づく治療)を行う上でそれぞれの治療法や検査方法は、エビデンスレベルと推奨の強さの2つによって評価されます。
齲蝕検知液については、エビデンスフリーではなく、十分なエビデンスがありますが、現在のエビデンスからは硬さで判断するほうが齲蝕検知液よりも強く推奨されるということだと思います。
もうひとつ、目的(アウトカム)の考え方にも疑問を感じます。
本来歯科における真のアウトカムは歯牙の生命予後やQOLであるはずだと思いますが、実際の研究では仮のアウトカムとして、カリエスフリーやバクテリアフリーを求めます。
しかし、仮のアウトカムが達成できても真のアウトカムが達成できるとは限りません。
仮のアウトカムに固執すると「おれは齲蝕検知液を使っている」「硬さで見るほうが正しい」という論争になってしまいます。
真のアウトカムを達成するには、大野先生の言われるように硬さを最も信頼できる指標として、齲蝕検知液を必要に応じて使用すれば良いように思います。
今の日本の歯科では、ルーティーンに何かを行う、**は必ず行わなければいけないなど、かたちにはめようとする傾向が強いように思います。
それぞれの治療法や検査法の特性を熟知した上で、目の前の患者さんに何が最も適切なのかを判断して、それぞれの状況に合わせた方法を選択すべきでしょう。
回答15
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2010-06-20 21:01:09
>齲蝕検知液については、エビデンスフリーではなく、十分なエビデンスがありますが、現在のエビデンスからは硬さで判断するほうが齲蝕検知液よりも強く推奨されるということだと思います。
>仮のアウトカムに固執すると「おれは齲蝕検知液を使っている」「硬さで見るほうが正しい」という論争になってしまいます。
>真のアウトカムを達成するには、大野先生の言われるように硬さを最も信頼できる指標として、齲蝕検知液を必要に応じて使用すれば良いように思います。
確かにその通りですね。
齲蝕検知液の有効性が根拠無しと、とれるような書き方をしてしまいましたが、そうではありませんので、小牧先生の書かれていることが適切な捕らえ方だと思います。
>仮のアウトカムに固執すると「おれは齲蝕検知液を使っている」「硬さで見るほうが正しい」という論争になってしまいます。
>真のアウトカムを達成するには、大野先生の言われるように硬さを最も信頼できる指標として、齲蝕検知液を必要に応じて使用すれば良いように思います。
確かにその通りですね。
齲蝕検知液の有効性が根拠無しと、とれるような書き方をしてしまいましたが、そうではありませんので、小牧先生の書かれていることが適切な捕らえ方だと思います。
タイトル | 虫歯は全て取り除く or きっちり封鎖すれば取り残しても大丈夫? |
---|---|
質問者 | 山崎さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 28歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
虫歯治療 う蝕関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。