咬合性外傷が原因の歯周病治療における、犬歯誘導の効果は?
相談者:
たこやきさん (35歳:男性)
投稿日時:2010-10-17 23:03:55
参考:過去のご相談
・歯周病治療で、骨移植・再生治療の効果は?
先日は、質問のご回答ありがとうございました。
右下1番が7ミリ、左下7番が11ミリ、その他歯が3〜5ミリの歯周ポケットがあります。
また右下1番の裏側は歯根が見えるほど歯茎が下がっています。
咬合性外傷による歯槽骨の吸収、また歯周病の併発によりポケットが深くなっている。と診断されました。
ポケットの深いところは、骨移植と言われています。
・根本的に私の咬合力が強く、犬歯もすり減っているため犬歯誘導もされず奥歯に負担がかかっている。
・犬歯のレジンビルドアップによる犬歯誘導を行い、奥歯の負担を減少させる。
(可能であれば矯正した方がよい)
と診断されました。
?歯周病治療での犬歯誘導はよくある治療なのでしょうか?
健康な犬歯を削ったりするのは、若干抵抗があります。
?咬合性外傷による歯周病だと歯磨き・フロス・歯間ブラシでは、ポケットは改善されないのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願い致します。
・歯周病治療で、骨移植・再生治療の効果は?
先日は、質問のご回答ありがとうございました。
右下1番が7ミリ、左下7番が11ミリ、その他歯が3〜5ミリの歯周ポケットがあります。
また右下1番の裏側は歯根が見えるほど歯茎が下がっています。
咬合性外傷による歯槽骨の吸収、また歯周病の併発によりポケットが深くなっている。と診断されました。
ポケットの深いところは、骨移植と言われています。
・根本的に私の咬合力が強く、犬歯もすり減っているため犬歯誘導もされず奥歯に負担がかかっている。
・犬歯のレジンビルドアップによる犬歯誘導を行い、奥歯の負担を減少させる。
(可能であれば矯正した方がよい)
と診断されました。
?歯周病治療での犬歯誘導はよくある治療なのでしょうか?
健康な犬歯を削ったりするのは、若干抵抗があります。
?咬合性外傷による歯周病だと歯磨き・フロス・歯間ブラシでは、ポケットは改善されないのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願い致します。
[過去のご相談]
回答1
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2010-10-18 00:03:13
?犬歯誘導に関してはレジンを追加すると考えていただいた方がいいかと思います。
自分なら歯牙を削らずに接着力だけでレジンを足していきます。
よくあるかと聞かれれば自分の口の中にはありますと答えます。
?歯周病の原因はいろいろですというか、いろいろな原因が複雑に絡み合っているので簡単には説明できません(私の能力不足?)。
基本的な除石やSRPと歯科医院で受けて自宅で患者さんが歯磨き・フロス・歯間ブラシ等でプラークを除去する、あるいは再付着を防止する必要があります。
犬歯誘導にしただけでポケット11ミリが2ミリになることを見聞きしたことはありません。
自分なら歯牙を削らずに接着力だけでレジンを足していきます。
よくあるかと聞かれれば自分の口の中にはありますと答えます。
?歯周病の原因はいろいろですというか、いろいろな原因が複雑に絡み合っているので簡単には説明できません(私の能力不足?)。
基本的な除石やSRPと歯科医院で受けて自宅で患者さんが歯磨き・フロス・歯間ブラシ等でプラークを除去する、あるいは再付着を防止する必要があります。
犬歯誘導にしただけでポケット11ミリが2ミリになることを見聞きしたことはありません。
回答2
回答日時:2010-10-18 02:02:33
前回に引き続きこんばんは。
>?について
柴田先生のおっしゃる通りおそらくは犬歯を削る訳でもなさそうに思いますので、ご確認されてはどうでしょうか?
やってみて、悪いことではないと思いますので、コスト等含めてリスクが少ないことならチャレンジしてみても良いかと思います。
咬合を構築する上では、確かに犬歯は要になると一般的に考えられています。
>?について
柴田先生の回答を否定する訳ではないのですが、歯周病の原因は、唯一「プラーク」です。
歯周病は、咬合性外傷がない場合よりもある場合の方がより悪化(増悪)しやすい、”可能性”までが学術的に言われていますが、単独で”原因”にはなり得ません。
(※なると主張する先生は多いですが、真実かどうかは別として、こちらはあくまで学術的な話です)
増悪因子、リスクファクターとしては、咬合性外傷の他にも喫煙や糖尿病などが言われていますが、「原因」はプラークです。
ですので基本的には、咬合を変えることは歯周病治療の補助になる可能性が少しだけあっても、メインには全くなりませんね。
平均の数字で言うと、0.3mm〜0.4mmの話です。
参考⇒歯肉から排膿がおこるってことは?
ちなみにこれは担当の先生のご説明も否定する訳ではなくて、
>咬合性外傷による歯槽骨の吸収
は、少しは確かに起きるのですが、これだけではポケットは形成されず、プラークの存在が必須、と解釈して下さい。
でつまり、ポケットの中のプラーク(通常ポケットの中の歯石についているものが大半なので、歯石という言い方でも近いです)を除去することが第一の目標になりますので、歯磨き・フロス・歯間ブラシでは役不足で、ポケットの中への直接的なアプローチ、SRPや歯周外科が有効です。
・・なのですが、まずこのポケットの原因が特殊(残根とか、根面に傷がついている、歯根破折等)だったらそちらへのアプローチが先決ですし、どちらにしても通常11mmものポケットは誰が何をしても完治(?)は非常に難しいですね。
そういう意味で、一応咬合も害のない範囲でちょこっとアプローチしてみる、というのも、あるいは再生療法も、「ワラでも掴みたい状況」な訳ですから、あながちなしではないかなぁ・・と思いますよ。
ただ原因にもよりますので、咬合性外傷単独犯人説(というおつもりではないと思いますが)では、疑問を感じます。
お大事にどうぞ。
>?について
柴田先生のおっしゃる通りおそらくは犬歯を削る訳でもなさそうに思いますので、ご確認されてはどうでしょうか?
やってみて、悪いことではないと思いますので、コスト等含めてリスクが少ないことならチャレンジしてみても良いかと思います。
咬合を構築する上では、確かに犬歯は要になると一般的に考えられています。
>?について
柴田先生の回答を否定する訳ではないのですが、歯周病の原因は、唯一「プラーク」です。
歯周病は、咬合性外傷がない場合よりもある場合の方がより悪化(増悪)しやすい、”可能性”までが学術的に言われていますが、単独で”原因”にはなり得ません。
(※なると主張する先生は多いですが、真実かどうかは別として、こちらはあくまで学術的な話です)
増悪因子、リスクファクターとしては、咬合性外傷の他にも喫煙や糖尿病などが言われていますが、「原因」はプラークです。
ですので基本的には、咬合を変えることは歯周病治療の補助になる可能性が少しだけあっても、メインには全くなりませんね。
平均の数字で言うと、0.3mm〜0.4mmの話です。
参考⇒歯肉から排膿がおこるってことは?
ちなみにこれは担当の先生のご説明も否定する訳ではなくて、
>咬合性外傷による歯槽骨の吸収
は、少しは確かに起きるのですが、これだけではポケットは形成されず、プラークの存在が必須、と解釈して下さい。
でつまり、ポケットの中のプラーク(通常ポケットの中の歯石についているものが大半なので、歯石という言い方でも近いです)を除去することが第一の目標になりますので、歯磨き・フロス・歯間ブラシでは役不足で、ポケットの中への直接的なアプローチ、SRPや歯周外科が有効です。
・・なのですが、まずこのポケットの原因が特殊(残根とか、根面に傷がついている、歯根破折等)だったらそちらへのアプローチが先決ですし、どちらにしても通常11mmものポケットは誰が何をしても完治(?)は非常に難しいですね。
そういう意味で、一応咬合も害のない範囲でちょこっとアプローチしてみる、というのも、あるいは再生療法も、「ワラでも掴みたい状況」な訳ですから、あながちなしではないかなぁ・・と思いますよ。
ただ原因にもよりますので、咬合性外傷単独犯人説(というおつもりではないと思いますが)では、疑問を感じます。
お大事にどうぞ。
回答3
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-10-18 06:07:28
たこやきさまおはようございます。
重症の歯周病でポケットが深くなっているようですね、歯周病の治療は基本的にプラークのコントロールと力のコントロールです。
したがってどちら原因か慎重に診査する必要があります、プラークが原因なら歯磨きの練習ということになります。
力が原因なら力のコントロールをすることになるでしょう、両方なら両方のコントロールをすることになります。
どの程度歯が残っているか文面からは判りませんが、年齢から推測すると欠損歯はそれほど多くないのかもしれません。
もしそのような状況なら力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。
ただ左下7番のポケット11mmというのは少々難しいかもしれません、歯周病治療に長けたDrに診ていただくのが一番いいように思います。
参考になれば幸いです。
歯周病を歯磨きで治す??
・http://yamadashika.jugem.jp/?cid=163
重症の歯周病でポケットが深くなっているようですね、歯周病の治療は基本的にプラークのコントロールと力のコントロールです。
したがってどちら原因か慎重に診査する必要があります、プラークが原因なら歯磨きの練習ということになります。
力が原因なら力のコントロールをすることになるでしょう、両方なら両方のコントロールをすることになります。
どの程度歯が残っているか文面からは判りませんが、年齢から推測すると欠損歯はそれほど多くないのかもしれません。
もしそのような状況なら力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。
ただ左下7番のポケット11mmというのは少々難しいかもしれません、歯周病治療に長けたDrに診ていただくのが一番いいように思います。
参考になれば幸いです。
歯周病を歯磨きで治す??
・http://yamadashika.jugem.jp/?cid=163
相談者からの返信
相談者:
たこやきさん
返信日時:2010-10-19 00:59:22
柴田先生 渡辺先生 山田先生 ご回答ありがとうございます。
■柴田先生
→犬歯誘導に関して、歯牙を削らずに接着力だけでレジンを足していくのか確認してみます。
>歯磨き・フロス・歯間ブラシ等でプラークを除去する必要があります。
>犬歯誘導にしただけでポケット11ミリが2ミリになることを見聞きしたことはありません。
→仰られるように、犬歯誘導のみに頼らず、私自身もしっかり歯磨き・フロス・歯間ブラシ頑張ります。
■渡辺先生
前回に続き、ご丁寧なご回答ありがとうございます。
>増悪因子、リスクファクターとしては、咬合性外傷の他にも喫煙や糖尿病などが言われていますが、「原因」はプラークです。
>基本的には、咬合を変えることは歯周病治療の補助になる可能性があっても、メインにはなりませんね。
>・・なのですが、まずこのポケットの原因が特殊(残根とか、根面に傷がついている、歯根破折等)だったらそちらへのアプローチが先決ですし、どちらにしても通常11mmものポケットは誰が何をしても完治(?)は非常に難しいですね。
>そういう意味で、一応咬合も害のない範囲でちょこっとアプローチしてみる、というのも、あるいは再生療法も、「ワラでも掴みたい状況」な訳ですから、あながちなしではないかなぁ・・と思いますよ。
→歯周病の原因が、咬合がメインではなく『プラーク』である事を再認識できました。
→完治は非常に難しい。
はっきり言って頂いてありがとうございます。
再生治療や犬歯誘導に関して、過大な期待をせず、冷静にアプローチの一つとして考えてみます。
→費用対効果もありますので、渡辺先生の説明で一歩引いて冷静になれました。
(現在の状況説明を受けた際、完治が前提として、矯正・再生治療など、あれもこれも必要なのだろう。と思っていました。)
→今の先生を信頼していますので、ポケットの原因が咬合性外傷以外も考えられるのか、再度しっかり話を聞いてみようと思います。
■山田先生
>年齢から推測すると欠損歯はそれほど多くないのかもしれません。
>力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。
→欠損歯は現在ありません。
左下8番の親知らずを抜歯しているだけです。
力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。との言葉は心強いです。
とはいえ、左下11ミリのポケットは難しいことを念頭に治療をすすめていきます。
柴田先生・渡辺先生・山田先生、深夜早朝にも関わらず、ご回答して頂きまして誠にありがとうございました。
今の先生にしっかり話を聞いて治療をすすめていきます。
■柴田先生
→犬歯誘導に関して、歯牙を削らずに接着力だけでレジンを足していくのか確認してみます。
>歯磨き・フロス・歯間ブラシ等でプラークを除去する必要があります。
>犬歯誘導にしただけでポケット11ミリが2ミリになることを見聞きしたことはありません。
→仰られるように、犬歯誘導のみに頼らず、私自身もしっかり歯磨き・フロス・歯間ブラシ頑張ります。
■渡辺先生
前回に続き、ご丁寧なご回答ありがとうございます。
>増悪因子、リスクファクターとしては、咬合性外傷の他にも喫煙や糖尿病などが言われていますが、「原因」はプラークです。
>基本的には、咬合を変えることは歯周病治療の補助になる可能性があっても、メインにはなりませんね。
>・・なのですが、まずこのポケットの原因が特殊(残根とか、根面に傷がついている、歯根破折等)だったらそちらへのアプローチが先決ですし、どちらにしても通常11mmものポケットは誰が何をしても完治(?)は非常に難しいですね。
>そういう意味で、一応咬合も害のない範囲でちょこっとアプローチしてみる、というのも、あるいは再生療法も、「ワラでも掴みたい状況」な訳ですから、あながちなしではないかなぁ・・と思いますよ。
→歯周病の原因が、咬合がメインではなく『プラーク』である事を再認識できました。
→完治は非常に難しい。
はっきり言って頂いてありがとうございます。
再生治療や犬歯誘導に関して、過大な期待をせず、冷静にアプローチの一つとして考えてみます。
→費用対効果もありますので、渡辺先生の説明で一歩引いて冷静になれました。
(現在の状況説明を受けた際、完治が前提として、矯正・再生治療など、あれもこれも必要なのだろう。と思っていました。)
→今の先生を信頼していますので、ポケットの原因が咬合性外傷以外も考えられるのか、再度しっかり話を聞いてみようと思います。
■山田先生
>年齢から推測すると欠損歯はそれほど多くないのかもしれません。
>力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。
→欠損歯は現在ありません。
左下8番の親知らずを抜歯しているだけです。
力のコントロールもそれほど困難ではないかもしれません。との言葉は心強いです。
とはいえ、左下11ミリのポケットは難しいことを念頭に治療をすすめていきます。
柴田先生・渡辺先生・山田先生、深夜早朝にも関わらず、ご回答して頂きまして誠にありがとうございました。
今の先生にしっかり話を聞いて治療をすすめていきます。
タイトル | 咬合性外傷が原因の歯周病治療における、犬歯誘導の効果は? |
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質問者 | たこやきさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 35歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯周病(歯槽膿漏)治療 噛み合わせ(咬合)治療 |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。