虫歯治療で詰める場合、被せる場合の削り方の違いについて

相談者: xyzさん (30歳:男性)
投稿日時:2010-12-02 15:35:38
参考:過去のご相談
〔写真あり〕正確な虫歯の診断法について



こんにちは。

むし歯の削り方について質問させて下さい。
詰める場合の削り方と、被せる場合の削り方の違いについてです。

担当医は以下の様に言っていました。

詰める場合は、詰め物が取れないように歯を深く削る必要がある。
被せる場合には、むし歯を取り切った後に、それに合わせて外周を薄く削れば良い。
従って、被せる方が歯を削る量は少なく、確実に神経を残せる。

これは正しいのでしょうか?


次に、私は人工的な治療は最小限に留めたいと考えています。

詰める場合と被せる場合では、後者の方がより人工的なな治療になると思うので、天然歯の自然なバランスを保つためにも、詰める方法の方がbetterだと個人的には考えています。

削る量を最小限にとどめ神経を確実に残し、天然歯の自然なバランスを保つためには、被せるべきか、詰めるべきかアドバイスを頂ければと思います。

よろしくお願い致します。


相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: xyzさん
返信日時:2010-12-02 15:41:30
ちなみに、むし歯の場所は上の4番と5番で、以前に金属を詰めたところが2次カリエスになっているそうです。

自覚症状は特にないので、神経まではいっていないと思います。

よろしくお願いします。
回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-12-02 15:52:48
私は歯を削る量が多いか少ないかでは無く、健全なエナメル質がどれだけ残せるかが重要だと思います。

ですから被せる処置より、詰める処置の方が断然優れています。

また大事なことは一度削られた歯はそこの部分は弱くなっているので虫歯にもなりやすく、きちんとした虫歯の知識を身に付けしっかりと予防していくことが大切ではないでしょうか。

出来るだけ歯科医師が介入する大きさが少ない方が、何度でもやり直しも出来ますし、一度大きく削ってしまったら決して元に戻ることはありません。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-12-02 16:22:58
>私は歯を削る量が多いか少ないかでは無く、健全なエナメル質がどれだけ残せるかが重要だと思います。

私も尾崎先生と同じ意見です。
詰め物が取れないようにするために深く削るという状況もありますが、一般的に言って詰めるほうがダメージが少ないと思います。

ただし・・・
治療による侵襲をより少なくするというのは、Mimimal Intervention (MI:最小の介入)という考え方ですが、中途半端なMIは「最大の介入」を招く原因になることがあります。

担当の先生がひょっとしたら、詰めた治療の後のトラブルのことを含めて考えているのでしたら、一理あると思います。

いずれにせよ、ネットでの相談は限界がありますので、是非納得のいくようにとことん、お話になってみてください。

お大事に。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-12-02 16:42:40
こんにちは、

尾崎先生の意見にもう1票です。

>私は歯を削る量が多いか少ないかでは無く、健全なエナメル質がどれだけ残せるかが重要だと思います。

フロアブルレジンが非常に役にたっています。



>Mimimal Intervention (MI:最小の介入)という考え方ですが、中途半端なMIは「最大の介入」を招く原因になることがあります。

は私も常々思っています。


健康な部分を残そうとするあまり、窩洞を小さくすれば必ず虫歯の取り残しが出たり、詰め物がうまく詰め切れず。

結果短期間で大きな虫歯処置に繋がる時があります。


予後安定させる為には、健康な歯質の削除も仕方がない部分は存在します。


私見ですが、保険の治療のシステムとMIの治療方針・考え方は相反する部分があります。
(保険治療では限界の部分でもあると思います^^;)

 


>天然歯の自然なバランスを保つためにも、詰める方法の方がbetterだと個人的には考えています。

詰めた方が良い場合、詰め物では対処しずらい場合があります。
この辺りは患者さんの口腔内、術者の経験・腕、医院の設備などあります。


もし心配であれば、もう一度担当の先生と話し合われた方がいいと思います。


おだいじに

 

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-12-02 17:39:40
私も尾崎先生の考え方と同じです。

基本は自分の歯質を守るという原則に従うのがベストでしょう。

詰め物かぶせものともに人工物です、永久的なものではないと考えるべきでしょう。
詰め物、かぶせものは接着という技術でつけています。
接着部分(セメント)は時間の経過とともに劣化しますし、咬みあわせの力がかかると、その応力でも破壊が起こります。

ですから治療は”やり直し”を行うという事を前提に考える必要があります。

自分の歯を守る=先々の治療の間隔をいかに先のばしにするかという事になります。
治療の間隔はセメントだけの問題ではなく、虫歯のコントロールが関係していますので、定期的なチェックとクリーニングが必要です。

現在では定期的なメインテナンスは、なくてはならないものとなっています。

まず私自身の処置と仮定すると、まず詰める処置を選択すると思います。やり直しは出来ますから。

参考になれば幸いです。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-12-02 19:21:45
ご相談ありがとうございます。

私も先生のご回答に賛成です。

基本的に、単純に削る段階だけの話であれば、かぶせ物よりも詰め物の方が健全な歯を有利に残すことができます。

外側にある薄いエナメル質がとても重要ですが、かぶせ物はそれをほぼ削り落としてしまいます。

詰め物を仮に深く削らなければならないこともあり得ますが、それでも神経への影響を避けられると判断した上で治療します。
そうでなければ詰め物が終わった後に、痛くなった単にかぶせ物にしたときよりも数倍も削らなければならなくなるからです。


ただ、一般的な場合と違い、大野先生がお話のような深い事情を考慮したご計画のあるかもしれません。


どの方法にしろ、理論的な理想も大事ですが、それを実現することはもっと重要で且つ難しいものです。
特殊な事情であれば、さらに複雑で高度な治療をしていただけるはずです。

一般論とは違うご提案をされたことについて、ご担当の先生に詳しく説明をお受けになることをおすすめいたします。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-12-03 10:45:53
諸先生方の意見に賛成です。

・・・が、少し違う意見も書いてみます。

詰物が大きくなり、残存歯質が少なかったり極端に薄くなる場合は、破折のリスクが高くなります。

特にメタルインレーの場合、インレーが楔となり破折するリスクがより高くなります。
さらに大きく複雑な形のインレーは保険では適合精度を求めるのが困難になります。
複雑で長いマージンラインは、2次カリエスを招く原因になります。

また噛合せの状態にもよりますし、ご自身のセルフケアの度合いも考慮します。


総合的に破折のリスクが高いと判断した場合は、できるだけエナメル質を残せるように、歯肉縁上マージンにするなどの工夫をした上で被せる治療を提案します。


個々の状況により「健全なエナメル質がどれだけ残せるかが重要」という原則に沿えない、あるいは沿わない方が結果的に歯を長く残せることもあります。



担当医とよく相談してください。


ご参考まで・・・

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: xyzさん
返信日時:2010-12-03 11:00:19
先生方

ご回答ありがとうございます。

>健全なエナメル質がどれだけ残せるかが重要
>外側にある薄いエナメル質がとても重要

なぜエナメル質がそれほどまでに重要なのでしょうか?


担当医は、神経を安全かつ確実に残すために、被せることを提案しているようです。

詰めるために深く削ってしまえば、後々、被せることになった場合、天然歯で土台を形成できなくなるということのようです。

ここでの論点は、神経を確実に守るために被せるのか、それとも、エナメル質をより多く残すために詰めるのか、ということのように思います。

健全なエナメル質を犠牲にしてでも神経を安全に残すことを重視するのか、それとも、神経に影響を及ぼすリスクを取ってでもエナメル質を多く残すことを重視するのか。

極論を言えば、歯をpermanentに残すためには、神経とエナメル質とどちらが歯にとって重要なのか。
(当然両方とも大切で残せればbestだが、不勉強と無知によりむし歯を作り、それを治療する際に、どちらか一方しか残せないとなれば、どちらをより重視するべきなのか)

以上の論点で、再度、アドバイスを頂ければと思います。

よろしくお願い致します。

いま詰めてある金属は、私の主観では、大きくもなく小さくもなくという感じに思います。
歯をサイコロに例えて5面あるとすれば、2面にわたって金属がL字型に詰めてある(引っ掛けられている)ような感じに思います。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-12-03 16:23:38
>ここでの論点は、神経を確実に守るために被せるのか、それとも、エナメル質をより多く残すために詰めるのか、ということのように思います。

私なら神経の保存を優先させますね。


治療法、虫歯に対するアプローチは先生毎に微妙に異なります。



また、さがら先生もおっしゃるように、

>理論的な理想も大事ですが、それを実現することはもっと重要で且つ難しいものです。

です。

頭で分っていても出来ないことはあります^^;



どれがベスト(理想)なのか色々調べるのもいいですが、
担当の先生が信頼できるのであれば、担当の先生と話し合われて治療方針を出すべきだと思いますよ。

(治療法を患者さんから言われても担当の先生が出来ない場合も多々あります)



おだいじに

 
 

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2010-12-03 16:48:40
>どちらか一方しか残せないとなれば、どちらをより重視するべきなのか

まあ、歯科医師にとっては究極の二択ですね…。


個人的な意見としては、基本的には両方残す努力をします。
そして、ケースバイケースです。

その上で「どうしても!」と言う事であれば、苦渋の選択で、ぼくはエナメル質を保存する努力をすると思います(正直、その場になってみなければ解りません)。



〜〜 xyzさんのケースに話を戻します 〜〜

xyzさんのケースでは、既にインレー形態で歯が削られているわけですよね。
しかも2面の形で。

この状態から生活歯のままクラウン形態に削って行く事は、稀なような気がします。
(ちなみに、僕は過去一度もそのような形成を行った事はありません)


詰め物が取れないように歯を深く削る必要がある

最近の接着システムを上手に用いれば、深く削る必要は無いように感じます。
ポーセレンインレーなどで強度を出すためには、深く削る必要はあるかもしれませんが)

インレーの下で2次カリエスがあるのであれば、インレーを除去し、齲蝕検知液などを用いて可能な限りの感染歯質を除去。
現時点で自覚症状が無い場合であれば、偶発的に神経が露出してしまったとしてもラバーダムをして、何らかの方法で直接歯髄覆罩を行います。

虫歯の大きさや深さによっても変わってくるとは思いますが、僕ならレジン充填ハイブリッドインレーにて治療を完了させると思います。

このあたりが回答3で井野先生が書かれている「保険の治療のシステムとMIの治療方針・考え方は相反する部分がある」に通じる所もあるかもしれません。


担当の先生のお考えもある事と思いますので、しっかり相談された上で治療を進められてください。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2010-12-03 18:29:07
井野先生とどう意見で、神経を残すほうを優先すべきと考えますが、実際に拝見していないので・・・・

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2010-12-04 00:57:43
ご相談ありがとうございます。

>被せる方が歯を削る量は少なく、確実に神経を残せる。
>これは正しいのでしょうか?

私は正しくないと思います。

まず被せる方が、詰めるよりも当然歯を削る量は多いはずです。

担当の先生がおっしゃっているようですが、いくら歯を薄く削ったとしても歯の外側を全周削る訳ですから、削る量は詰め物の場合よりも当然多くなります。

次に、被せる方が確実に神経を残せる、とありますが、むしろ逆で神経をなるべく残したいのであればなるべく歯を削らないことです。

歯頚部歯茎に近い部分)は特に神経までの距離が近い部分で、被せる方(クラウン)は歯頚部を削ることになりますから神経に与えるダメージは大きく、稀に歯髄炎になり神経を抜いてしまわなければならないこともあるほどです。

確実に神経を残すには、C2程度であれば虫歯の取り残しのないよう齲蝕検知液などで感染歯質を除去し、しっかり適合したインレーを装着し、その後ご自身で日々ブラッシング定期検診などを怠らないようにすれば良いと思いますよ。

お大事にして下さい。




タイトル 虫歯治療で詰める場合、被せる場合の削り方の違いについて
質問者 xyzさん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
虫歯その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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