外科矯正を行うと、気道が狭くなる可能性があると友人から聞きました
相談者:
むらぽんさん (28歳:男性)
投稿日時:2011-08-24 19:16:08
回答1
仙台東口矯正歯科(仙台市宮城野区)の堀内です。
回答日時:2011-08-24 20:21:13
むらぽんさん
こんにちは。
気道の閉塞というのは、一般的に有意識下(覚醒下)では定量データとして計測することが困難なため、睡眠時の閉塞性無呼吸・低呼吸について多くの研究が発表されてきました。
閉塞性の無呼吸・低呼吸の発生機序は多因子(多くの原因が複雑に関与するという意味)です。
例えば、もっとも重要なリスクファクターは肥満です。
多くの原因の中で、下顎骨の外科的後方移動は、リスクファクターであることが、過去の文献から明らかです。
しかし、下顎骨の後方移動を行っても、明らかな無呼吸・低呼吸が発生する場合もあれば、全く変化が検出されない場合もあります。
また、受け口(下顎前突)といっても患者さんによって、顎骨形態は様々であり、その形態的特徴によって、外科手術の顎骨移動パターンが変わります。
前後的な移動としては、
@下顎骨のみ後退させる
A上顎骨を前方移動と、下顎骨の後方移動を組み合わせる
B上顎骨のみを前方移動させる
というようなパターンがあります。
当然ながら、上顎骨の前方移動は、無呼吸・低呼吸を改善する傾向があります。
また、実際には、前後的な移動だけではなく、垂直的な移動や側方移動などが組み込まれた顎骨移動となります。
以上から明らかなように、受け口の外科的手術が、気道を狭くするという意見には、相対的な正しさが含まれていますが、総合的には間違っている場合もあります。
もし、外科的矯正治療を検討されるのであれば、口腔外科医や矯正歯科医に、精密検査・診断および治療計画立案を依頼することが望ましいと考えられます。
また、受け口の改善は発音機能の改善につながることが多いのですが、これまで受け口の状態で声楽に取り組まれてきた方が、手術後の新しい歯並びでの発声に慣れるまで、時間が必要となる可能性もあります。
ご参考になれば幸いです。
こんにちは。
気道の閉塞というのは、一般的に有意識下(覚醒下)では定量データとして計測することが困難なため、睡眠時の閉塞性無呼吸・低呼吸について多くの研究が発表されてきました。
閉塞性の無呼吸・低呼吸の発生機序は多因子(多くの原因が複雑に関与するという意味)です。
例えば、もっとも重要なリスクファクターは肥満です。
多くの原因の中で、下顎骨の外科的後方移動は、リスクファクターであることが、過去の文献から明らかです。
しかし、下顎骨の後方移動を行っても、明らかな無呼吸・低呼吸が発生する場合もあれば、全く変化が検出されない場合もあります。
また、受け口(下顎前突)といっても患者さんによって、顎骨形態は様々であり、その形態的特徴によって、外科手術の顎骨移動パターンが変わります。
前後的な移動としては、
@下顎骨のみ後退させる
A上顎骨を前方移動と、下顎骨の後方移動を組み合わせる
B上顎骨のみを前方移動させる
というようなパターンがあります。
当然ながら、上顎骨の前方移動は、無呼吸・低呼吸を改善する傾向があります。
また、実際には、前後的な移動だけではなく、垂直的な移動や側方移動などが組み込まれた顎骨移動となります。
以上から明らかなように、受け口の外科的手術が、気道を狭くするという意見には、相対的な正しさが含まれていますが、総合的には間違っている場合もあります。
もし、外科的矯正治療を検討されるのであれば、口腔外科医や矯正歯科医に、精密検査・診断および治療計画立案を依頼することが望ましいと考えられます。
また、受け口の改善は発音機能の改善につながることが多いのですが、これまで受け口の状態で声楽に取り組まれてきた方が、手術後の新しい歯並びでの発声に慣れるまで、時間が必要となる可能性もあります。
ご参考になれば幸いです。
回答2
回答日時:2011-08-25 08:11:48
手術で下顎骨を縮小させると、舌や舌骨も後退して気道を狭くする可能性があります。
特に睡眠時無呼吸症候群が話題になっている昨今、このような観点も注目されてきています。
ただ手術によって前後的だけではなく、垂直的変化や側方方向の変化も生じますので、側面からの観察だけでは判断できないことも多いと思われます。
それを少しでも避ける意味でも、堀内先生がお書きになっているように上顎の前方移動手術も考慮します。
以前に比べると、上下同時手術の患者さんは増加しています。
声楽をされているということですが、気道の問題よりもむしろ、矯正単独であろうが、手術併用であろうが、下顎前突を改善することによって発語方法が変わってきます。
慣れるのに少しだけ時間が掛かるかもしれません。
特に睡眠時無呼吸症候群が話題になっている昨今、このような観点も注目されてきています。
ただ手術によって前後的だけではなく、垂直的変化や側方方向の変化も生じますので、側面からの観察だけでは判断できないことも多いと思われます。
それを少しでも避ける意味でも、堀内先生がお書きになっているように上顎の前方移動手術も考慮します。
以前に比べると、上下同時手術の患者さんは増加しています。
声楽をされているということですが、気道の問題よりもむしろ、矯正単独であろうが、手術併用であろうが、下顎前突を改善することによって発語方法が変わってきます。
慣れるのに少しだけ時間が掛かるかもしれません。
回答3
JOY矯正歯科クリニック(横浜市港北区)の福山です。
回答日時:2011-08-25 08:27:54
気道が狭くなることに影響については、お二人の先生がお書きになっている通りだと思います。
声楽に対する影響ですが、普通の人では感じないレベルの変化でも、プロもしくはそれに近い感覚をもっている方の場合は、口の中の容積も変化するため、多少影響があるかもしれません。
しかしながら、外科矯正を行う必要のあるぐらいの下顎前突の方で、術後に発語が著しく悪くなった方は、それほど見たことがありませんので、そんなに心配されなくても大丈夫なように思えます。
声楽に対する影響ですが、普通の人では感じないレベルの変化でも、プロもしくはそれに近い感覚をもっている方の場合は、口の中の容積も変化するため、多少影響があるかもしれません。
しかしながら、外科矯正を行う必要のあるぐらいの下顎前突の方で、術後に発語が著しく悪くなった方は、それほど見たことがありませんので、そんなに心配されなくても大丈夫なように思えます。
回答4
桜田歯科(東京都北区田端)の桜田です。
回答日時:2011-08-25 09:30:51
気になるのは、このような外科処置を行うと口の中を切るわけですから、頬やその内面の感覚が鈍くなる部分ができます。
この、鈍くなった部分が発声や表情に、どのような変化を与えるか分かりません。
発声自体は、あまり影響がないように思いますが、表情から(口やその周囲の筋肉)作られる豊な表現もあると思います。
大学で学んでいらっしゃるようなので、先輩方や先生に意見を聞かれてはどうでしょう。
この分野での経験が豊富な歯科医がいればいいのですが、私には分かりません。
私の気にしすぎかもしれませんが。
この、鈍くなった部分が発声や表情に、どのような変化を与えるか分かりません。
発声自体は、あまり影響がないように思いますが、表情から(口やその周囲の筋肉)作られる豊な表現もあると思います。
大学で学んでいらっしゃるようなので、先輩方や先生に意見を聞かれてはどうでしょう。
この分野での経験が豊富な歯科医がいればいいのですが、私には分かりません。
私の気にしすぎかもしれませんが。
相談者からの返信
相談者:
むらぽんさん
返信日時:2011-08-29 11:20:23
先生方
非常に参考になりました。
ありがとうございます!
周りとも相談し、再度考えてみようと思います。
非常に参考になりました。
ありがとうございます!
周りとも相談し、再度考えてみようと思います。
タイトル | 外科矯正を行うと、気道が狭くなる可能性があると友人から聞きました |
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質問者 | むらぽんさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 28歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
外科矯正 下顎前突(受け口) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。