新人歯科医です。咬合平面を合わせるための治療についての疑問

相談者: そのさん (26歳:女性)
投稿日時:2011-09-15 22:11:22
参考:過去のご相談
新人歯科医です。くいしばりが強い患者さんの治療方法について


お久しぶりです、新人歯科医師のそのです。

前回の質問では先生方のアドバイスをもとに自分なりの治療を行い、今のところ患者さまにも特に問題が起こることなく過ごして頂いています。
ありがとうございました。

さて、今回こちらで再び投稿させていただくのは、咬合平面を合わすために症状のない歯を抜髄クラウンをかぶせるという治療は本当に必要なのか、という疑問について、です。

Krはもともと左下34567、右上34567欠損でデンチャーを入れておられ、そのデンチャーで問題なく食事をされておられます。

今回来られたのは、上顎両側の1の根尖が腫れているというのが主訴であり、残念ながらその歯は両方とも抜歯すれ違い咬合になってしまいました。他の歯も骨の水平的吸収があり、根面の露出、ポケットは平均5か6ぐらいです。
左上はすべて天然歯、右下は補綴が入っています。

疑問はここからなのですが、Krは高齢(82)のためもあるでしょうし、パノラマでも全体的にPの進行が見られるのもあり(もしかしたらデンチャーを入れずにいた期間が長かったのかも?)、左上の34567が後方に行くほど伸びてしまっていて、咬合平面はカーブを描いている状態でした。

また、左上の2番は突き上げの為動揺(2程度)しており、私としては3番に動揺がないため左上23を連冠にして(生PZで)補強し下顎は触らずにそのバイトで上顎のデンチャーを作ってもいいのではないかと思っていました。

しかし技工士にこのバイトでは咬合平面がおかしいから作れない、やるなら左上234567全部削って被せて咬合平面を合わせろ、と連冠の作製を断られてしまいました。(ちなみに院内ラボです)

仕方なく院長に相談しましたが、院長の決断は技工士さんの言うとおりにしよう、抜髄して被せよう、とのことでした。


確かに咬合平面はカーブですし、模型で見ればその方が理想的なのは解ります。

しかしPが進行しており、根の露出がある歯、しかも伸びてきている歯をすべて抜髄してまで咬合平面に合わせることがそれほど大事なのでしょうか?

教科書では咬合平面を設定しなさい、作ってあげなさいと書いてありますし理解はできるのですが、納得できないというか…このまま自分が納得できないのに患者さんに説明もできません。

使いなれた下顎のデンチャーを破棄し、天然歯を抜髄し被せてまで咬合平面をまっすぐに作ってあげることがそこまで大事なのか解りません。
そこをお教え頂けないでしょうか?


また、一般的な歯科医院でもここまで徹底して咬合平面を作る治療を行っているのでしょうか?

完全な状態をお伝えするのが難しいのですが、何かアドバイスありましたらお教え頂きたいと思います。

お願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-09-15 22:38:17
西山です

元は部分床義歯出身です

すれ違い咬合は非常に難しいですね。

残存歯をクラウンで連結して義歯を入れても数年で義歯の不適や歯の動揺が増加して来ます。

このような症例では、オーバーデンチャーにして咬合平面を揃え、歯列を一体化したほうが義歯も安定しますし、咬合も安定します。
また、長期的な管理もよういになります。

生活歯のバツズイは勇気がいります。
私も若い時は勿体無いと思い躊躇してきました。

しかし、結局は修理続きで安定した時期が少なくなることが多いということを経験してきました。
今では積極的にオーバーデンチャーを薦めることが多いです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-09-15 22:49:00
咬合平面を揃える理由は、パーシャルデンチャーが安定しないからでしょうね。


ただ、上顎1・1のダメになった理由は、口蓋歯頚部に下顎の前歯咬合するからなのではないのかと想像します。

そこから考えると左上2番を3番の補綴をしてまで、保存する事がが本当に適しているのかも疑問に感じます。


1・1が上記のようであるとするなら、相当に咬合高径が低くなってしまっているわけでしょうから、すれ違い咬合である事を利用して、まずは上下のデンチャーを作り直し咬合を挙上してみないことには、残存歯をどう着手したらよいのかが判断出来ないと思います。


まぁしかし、そんな事よりもまずはペリオの方に目を向けなければならないケースだと思います。
結果的に何故今のようなすれ違い咬合になってしまったのか?
元から咬合平面が傾いていたとは一般的には考え難いです。

そして今の残存歯のその状態で抜髄や補綴を行ったら、その後のその歯の行く末が全く想像できません。




というか・・・こちら↓↓
http://kensankai.com/index.php
に参加されませんか?(笑)

そんな堅っ苦しい会じゃありませんから、もっと突っ込んだ面白い話が聞けるかも知れませんよ。

ここは主に一般の方が質問する場ですからね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: そのさん
返信日時:2011-09-16 00:51:07
お二方、回答ありがとうございます。

田中先生

>上顎1・1のダメになった理由は、口蓋歯頚部に下顎の前歯咬合するからなのではないのかと想像します。

とのことですが、私もそうかなぁと思います。
2・2も動揺しているのでその可能性が高いかと思われますが、そうなると動揺歯を固定するよりも先に、バイトを上げた方が原因除去につながるということですね。
納得です。

すれ違いだからデンチャーだけでバイトを上げられるということですか…すごく初歩的な話ですが、突然バイトを例えば10mmあげる、とかはやっぱりすごい違和感なのでしょうか?


>ここは主に一般の方が質問する場ですからね。

あ、申し訳ありません。
確かに先生のおっしゃる通り、何かしらの会に入った方がいいのは解ります。
でも私みたいな、まだまだロクに歯科のこと掘り下げられていない人間は、門前払いじゃないですか??



西山先生

先生、オーバーデンチャーとは、いわゆる一般的なオーバーデンチャーですか?
ということは、ええと…全部ルートキャップ入れてフルデンチャーの方が安定するということ??

ちょっとまだ私では理解できない域のお話ですが、興味はあります。
つまりヘタに歯を残してあげるよりもダメなものはダメ、と潔く行った方が後々うまく行く、ということですかね?
勝手な解釈ですか??
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 06:25:46
西山です

歯周病が進行して、根が露出した歯を支台歯にするとやはり動揺は大きくなります。
以前はもうだめかな?となってから歯冠を落としていましたが、これだと歯の寿命はあまり伸びません。
まだしっかりしている状態で使用したほうが長持ちします。

オーバーデンチャー

これにはコーヌスクラウンも含まれます。

私が良く行うのは、ルートキャップにしていくつかにルートアタッチメントを使用するものです。
マグネットあるいはOPAアタッチメントです。
OPAアタッチメントは結構使い勝手良いので多用しています。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 06:56:50
>でも私みたいな、まだまだロクに歯科のこと掘り下げられていない人間は門前払いじゃないですか??

いいえ。

おかしな間違った持論が成立しちゃったりするより前に、きちんとした環境できちんとした知識・技術を身につけるべきですよ。
今はいろんな所(例えばインターネット)でいろんな情報があふれている状態です。

そういった情報と、実際のEBMがちゃんとリンクして、尚且つ自分の臨床に反映できなくてはただの耳年増ですからね。


>すごく初歩的な話ですが、突然バイトを例えば10mmあげる、とかはやっぱりすごい違和感なのでしょうか?

10mmは極端ですが、咬合高径は急に上がると違和感は当然ありますが、急に下がる場合よりは比較的人間は慣れ易いようです。

上げ過ぎはダメですよ。

かなり下がっちゃったものを、仮想設定した高径に戻した場合の話です。


>一般的なオーバーデンチャーですか?

仮のものとして、咬合面レストという手もあるかも知れませんね。
ただ、各歯牙への咬合負担する方向を考えるとアタッチメントの方が理想かも知れませんが、いずれにせよ患者様によっては予算的な問題も出てくるでしょうね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 10:34:39
そうですね…。

僕も西山先生と同意見で、OPアンカーは好きで、パーシャルの方には結構、使います。

ただ、大切なのは、患者さんの希望をしっかり聞く事だと思います。


その先生は患者さんに

 技工士さん、院長先生の言われているように「理想的な形」
 西山先生も書かれているように「不適合義歯になりやすい」
 従って、新義歯を作成したはいいが、調整や修理が多くなっても良いか?

という話をされたでしょうか?


患者さんが、それでも「削らないでほしい」と言う希望であれば、院長先生、技工士さんにその先生のお考えをしっかり伝え、治療を進めていけばよろしいのではないかと思います。

しかし、患者さん自身が「しっかり咬める入れ歯を作ってほしい」と希望された場合には上記の事を患者さんに伝え、抜髄し、連結冠にするなり、オーバーデンチャーにするなり、しっかりとした設計の義歯を作るべきだと思います。



>でも私みたいな、まだまだロクに歯科のこと掘り下げられていない人間は、門前払いじゃないですか??

田中先生の書かれている通りですね。

歯科臨床研鑽会は、ディスカッションメインのスタディーグループです。

「本に書いてあったがホントの事が解らない」「セミナーを受講したがイマイチ…」と言う事も、みんなで考えていきます。
(むしろ、若手の先生の素朴な疑問からネタが始まる事も少なくありません)


いつでも歓迎いたします。

http://kensankai.com/index.php

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 10:48:43
この辺りの話は議論が大きく分かれるところですし、正解がわからない部分でもあるので・・・


書きたいことは山のようにあるのですが・・・


櫻井先生の書いている・・・

歯科臨床研鑽会は、ディスカッションメインのスタディーグループです。

>「本に書いてあったがホントの事が解らない」「セミナーを受講>したがイマイチ…」と言う事もみんなで考えていきます。
>(むしろ、若手の先生の素朴な疑問からネタが始まる事も少なく>ありません)


>いつでも歓迎いたします。

http://kensankai.com/index.php

コレが正解!!

回答 回答7
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-09-16 10:54:15
この患者さんへの治療ゴールを考えてみましょう。
どうしてあげたいですか?或いは、仮に自分自身がこの状態だとしたら、どうして欲しいですか?

そのゴールにたどり着くために、必要最低限の抜髄が必要なら行うべきだし、場合によっては、戦略的に抜歯を行うべきときもあると思いますよ。

ところで、この患者さんは初診でしたか?
何故、今の状況に至ったのでしょうか?

この方に限らず、もし過去のパノラマ写真・石膏模型等があったら、その崩壊の過程をしっかりと勉強させていただきましょう。

そして、次からの患者さんには、崩壊のその一歩前(二歩前・・)で止めてあげられるように頑張ってくださいね。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 10:57:03
欠損補綴には色々な選択肢があります。

・その先生案
技工士さん案
・西山先生案
・田中先生案

それぞれにメリット・デメリットがあります。それを整理した上で患者さんに説明し、「大切なのは、患者さんの希望をしっかり聞く事だと思います」です。


歯科医学的な理想もありますが、患者さんの生活背景・経済状態なども重要なファクターです。

歯医者の仕事は、歯科医学的理想・患者さんの希望・患者さんの事情の調製役だと思います。


ご参考まで・・・

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2011-09-16 11:14:18
いろいろな考え方があると思います。
患者さんの状況や希望がわかりませんので、はっきり言えませんが。
患者さんの年齢を考え、今の状況で満足してみえるのなら、私なら、抜髄してまでん咬合平面をあわせることはしません。

また、2・3番の連結もなぜするのでしょうか。

2番の動揺が問題でそれを解決したいのなら、まず原因を除去すべきだと思います。
対症療法で連結することが良いことだとは思いません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: そのさん
返信日時:2011-09-17 01:42:07
たくさんのアドバイス有難うございました。

歯科臨床研鑽会…先生方が皆さん参加されておられるようで…すよね?

今までそういった勉強会に参加するということ自体に、抵抗があったのですが、今回すごく興味がわきました。
こそっと参加していたりしたら、もっと深いところまでアドバイス頂けますようお願いします。

このKrについては、院長ともう一度話してみようと思います。

患者さんの気持ちを優先…
そう習ってきたし解っていたつもりなのですが、卒業して研修を終え、開業医で働き出してからそういったことに重きを置く先生に、いまだ出会えていません。

でも自分の患者さんには、できるだけその姿勢で接しているつもりですし、これからもその姿勢を続けていこうと思います。

最後に一つだけ…
小牧先生、たとえば田中先生がおっしゃったように、バイトを上げて原因を除去した後でも、連結はナンセンスでしょうか?

デンチャーの鉤歯が動揺していると、デンチャーの安定が悪くなる気がするのですが…
回答 回答10
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2011-09-17 03:53:40
まず、あなたの歯科医院の患者層がわからないし、一人にかけられる時間もわかりません。
さすがにネットじゃ無理ですよ。

すでに、患者さんの希望をしっかり聞く事とか、患者さんの年齢を考え、今の状況で満足してみえるのならとかは、指摘されていますので、それ以外を書いています。

気になったのは、右上2番は、どこにいったのか、まだ存在するのかです。

そして、重要なポイント、

上顎両側の1、、、、残念ながらその歯は両方とも抜歯すれ違い咬合になってしまいました。

とあります。

抜歯前の計画は?です。
もっとも、これ以上は、下手に混乱するし、ここで議論するのは良くないと思いますので、上の2番についてと同様に、返事はいりませんのでね。

以上、毎日、数名の80歳以上の方を治療している者の感想でした。

回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2011-09-17 11:23:06
>最後に一つだけ…
>小牧先生、たとえば田中先生がおっしゃったように、バイトを上げて原因を除去した後でも、連結はナンセンスでしょうか?
デンチャーの鉤歯が動揺していると、デンチャーの安定が悪くなる気がするのですが…

その2番が、実際にどんな程度の骨植状態なのかが判らないので、その前後状況から推測するにかなりHopelessに思えるんですよ。。。

であったら、その隣の3番を傷つけてまで温存するメリットが見えません。

多分ボクならクラスプもその2番には設定しません。

「じゃぁドコに?」というのは、湯浅先生と同じでココでは書けませんね・・・




>こそっと参加していたりしたら

堂々と、いまのこの勢いで参加していただいた方が、ボクらは盛り上がりますがね(笑)

その方が中に入ってき易いでしょうし。

そんなところで目立ちたく無いと思うかも知れませんが、もっと目立つ人(※ボクの事ではありません)が沢山いるのでご心配にはおよびません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: そのさん
返信日時:2011-09-18 00:21:54
返答ありがとうございます。

そうか…クラスプは、必ずしも欠損歯の隣でないといけないというわけではないですもんね。
レストだけおいて3にクラスプをかけるとか、そういう方向に広げて行けば23を削る必要はなしでも…

歯科治療、特にデンチャー系は本当に難しいですね。
でも今回皆様にお相手頂いて、ちょっとですが幅が広がった気がします。
これをもとに、もう少し本などで勉強してみます。
ありがとうございました。


最後に田中先生。

お誘いありがとうございます。
本気で検討してみます。

今のままではただの「どちて坊や」(分かります?これって方言なのかしら??)としてしか参加できそうにないのが不安ですが…



タイトル 新人歯科医です。咬合平面を合わせるための治療についての疑問
質問者 そのさん
地域 非公開
年齢 26歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 専門的な質問その他
その他(歯科治療関連)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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