[写真あり] 下顎6番に分岐部病変。抜歯しかない?(スウェーデン)

相談者: もちやさん (36歳:男性)
投稿日時:2011-12-05 02:08:21
こんにちは。
現在スウェーデン在住の者です。

以前神経を抜き被せ物をしてある右下6番が突然痛くなり、こちらの救急の歯科医へ行き診てもらいました。

歯科医より、今回は抗生物質と痛み止めを処方するが、近い将来抜歯するべきだと言われました。

処方された抗生物質を5日間飲んだところ、痛みは完全に無くなりました。

その後、セカンドオピニオンで他の歯科医に診てもらったところ、添付のレントゲン写真を見て、根の分岐部分に空間ができており、細菌が溜まっていると説明がありました。

また、根の先が炎症を起こしているが、根を治療しても分岐部分にできた空間に細菌が溜まっているため骨が減ってきており、やはりすぐに抜歯する以外に無いと言われました。

抜歯した場合の他の歯への影響を聞いたところ、右下6番は重要な歯ではなく、抜歯後空けておいても、上の歯が出てくるが右下7番が手前に倒れてくるため問題無いと言われました。

また、抜歯後に炎症が治まってからインプラントしても良いと聞きました。

右下6番は重要な歯では無いというのが信じ難く、また、現在は痛みが無く歯の揺れもないため、抜歯すべきか悩んでおります。
こちらの歯科医が言うとおり、本当に治療の術は無く抜歯するしか無いのでしょうか?

日本に一時帰国し日本の歯科医に診てもらうことも検討しています。
その場合、どのような歯科医に相談すればベストでしょうか?

ご教示の程、宜しくお願いいたします。

画像1画像1


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 05:25:36
こんばんは。

レントゲンからのおよその想像に過ぎませんが、根の分岐部の病変の原因が問題となるように思えます。

2本に見える根の後ろ側7番寄りの根の分岐している側にやや影が見られ、この部分に亀裂が入っているかあるいは穴が開いてしまっているように受け取れます。

咬み合わせによってもこうなる事もありますが、前後の歯の周囲の骨の具合から察するに、それもやや違って見えます。

抜歯も当然方法に挙がってくる状況であるようにも感じます。

分岐部の根の状態によっては、前後の根を分割して2つの小さめの歯として治療する場合もありますが、今回の件がこれに当てはまるかは直接診ない事には判断がつきません。


今は急性症状は無いようなので、帰国のご予定があるのでしたら、もう一度日本国内で診ていただくというのもひとつの手段でしょう。


私見ですが、やはり方法としては抜歯となった際に、そのまま放置は私としてはおすすめいたしません。

6番のクラウン咬合面の平坦さや7番の擦り減り方を見ると、6番抜歯で放置した場合には7番が咬合の力でかなり危険に晒されるように感じます。


ご参考になさって下さい。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 06:57:59
もちやおはようございます。

このレントゲン抜歯と診断されたようですね。
実際の状況を見たわけではないので断定はいたしかねますが、個人的には保存を考えると思います。

問題の歯根分岐部の影ですが、私ならまず原因を探ってみます。
またこの影は感染を起こしている可能性があるのですが、感染の原因が特定できてそれを取り除くことができれば、残すことは十分可能だと考えます。


>本当に治療の術は無く抜歯するしか無いのでしょうか?

このレントゲンだけで判断すればまず保存を考えます。


>どのような歯科医に相談すればベストでしょうか?

親切で根管治療が上手なDrがいいと思います。

感染根管治療 http://yamadashika.jp/infection.html

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 07:29:05
スウェーデンの複数の歯科医院で、保存不可能だと診断されたとのこと。

実際に診ていないのと、この歯科相談掲示板に、審査・診断をしてはいけないというルールがありますので、細かくは書きませんし、言い切ることは出来ませんが、私には抜歯に分があるような気がします。

もちろん、保存が可能なのであれば、それに越したことはありませんし
>日本に一時帰国し日本の歯科医に診てもらうことも検討
していらっしゃるのなら、是非、そうなさってくださいね。

その際には、山田先生も仰っている
>親切で根管治療が上手なDr
にお掛かりくださいね。

もし、抜歯に至ってしまった場合、抜歯後の扱いについては、田中先生と同意見です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もちやさん
返信日時:2011-12-05 22:41:37
田中先生、山田先生、小林先生

ご回答ありがとうございます。

根分岐部の影ですが、こちらの歯科医によるセカンドオピニオンで、歯根分岐部を露出し外部よりブラシが届くようにすることも一つの選択肢だけれども、やはり抜歯すべきだろうと言われました。

ちなみにどちらの歯科医も詰め物を外して中を直接診ておらず、添付のレントゲン写真を診ただけで言っています。
歯を残そうという考えが最初から無いように感じます。

歯根分岐部をブラッシングすれば治るのであれば、歯の底に穴を開け(もう空いているかも知れませんが)外部より歯根分岐部を洗浄することで、歯根分岐部の病変が回復し、減ってしまった骨が元に戻る可能性はあるのでしょうか?

回復の見込みが全く無く、治療しても悪化の進行を遅らせるだけであれば、こちらの歯科医に従い、土台の骨が無くなる前に抜歯して、インプラント治療を受けようかと思います。

実際に診ていないので何とも言えないとは思いますが、添付写真を見た範囲内でアドバイスを頂ければと思います。

宜しくお願い致します。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 23:06:37
もちやさん
こんばんは

スウェーデン在住中ですか。
いいですね。
懐かしいです。

さて、当該歯に関してですが、通常は抜歯になりそうです。
問題は、皆さんが既にご指摘になられていらっしゃるように、根の股の部分にレントゲンによる透過像が見られることです。

原因が、歯周病であるか、歯の削りすぎで穴があいているかですが、どちらも予後が悪いです。

もしも保存する場合は、2つの根がバラバラになりそうです。
根管が感染しているようですので、根管治療も必要となりますし難易度は高いです。

さらに土台を作るのが大変そうです。
細い根を残すわけですので、その後に歯根破折を起こす可能性が高くなります。

スウェーデンでは、治療の費用効果性、予後を考えて治療方針の決定を致しますので、この歯を保存する先生はまず見つからないと考えます。
私達のクリニックもかなり難しい歯を保存する事はありますが、この歯は、保存をお勧めしないと思います。
将来ブラッシングも難しくなりますので、無理をされない方が良いように思います。

ご参考までに。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 23:15:16
レントゲンを載せられるとコメントしづらいのですが(診断行為になりかねないので)・・

そちらの先生方のコメントは、個人的には妥当な様に感じます。

また

>右下6番は重要な歯ではなく、抜歯後空けておいても、上の歯が出てくるが右下7番が手前に倒れてくるため問題無いと言われました。

という診断も日本の歯科医には信じ難いほどの発想なのですが、スカンジナビアの方ではよく研究されている話の様ですから、あまり違和感は感じません。



たぶん・・たぶんですが、問題点は2つあって、ひとつは根管の問題。
もう一つは分岐部の対応になると思います。

たぶん・・根管治療に関しては、日本で平均的な治療を受けるよりもそちらのスペシャリストクリニックの方が安心できると思います。

問題は分岐部の方で、根管治療のスペシャリストというよりも歯周治療のスペシャリストの領域に入ってくるかも知れません。
これについては精査する必要があるのでなんとも言えませんが、、歯周の領域であれば骨の回復は期待せずに現状維持が目標となるでしょうし、もしも歯内(根管)の領域であったら回復もあるかも知れませんがないかも知れません。

この辺りは診察された先生方は把握していてのコメントの可能性も高いです。



どちらにしても費用や時間がかかる割に成功率の問題(例えば再根管治療が専門医でも60%ちょっとぐらい)や管理の問題(むし歯歯根破折が起きやすい)、費用対効果の問題(あと一息でインプラント1本分ぐらいかかることも・・)等ありますので、とりあえず抜歯、というのも十分合理的な判断だと思いますよ。



・・と、もたもた書いている間にスウェーデンで上記両分野の勉強をされた宮下先生から完璧な回答がついていました^^;

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-12-05 23:23:59
>歯の底に穴を開け(もう空いているかも知れませんが)外部より歯根分岐部を洗浄
とは、トンネリングのことを仰っているのでしょうか。

私見ですが、トンネリングは、炎症が分岐部にまで及んだ際の、歯の延命治療に用いることがありますが、"治る"のとは違い、抜歯までの時間を延ばすというイメージを持つ方が正しいような気がします。
もちろん、何年も延ばすことが出来る場合もあります。

洗浄=プラークコントロールだけで、分岐部の
>減ってしまった骨が元に戻る
ことは、難しいかと思います。


ちなみに、「質問」の際に2軒、さらに、「返信1」の際に1軒、計3軒の歯科医院が登場するように思えます。
3軒とも保存不適と言われたのであれば・・・

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もちやさん
返信日時:2011-12-06 01:49:31
宮下先生、渡辺先生

ご回答ありがとうございます。
根管治療及び歯周治療をこちらに勉強しにいらっしゃったということは、上記分野に関してはスウェーデンの方が日本より進んでいるということですね。
こちらに歯科関係の研究員が多い理由が良く分かりました。

となると、こちらの先生方の仰る言葉に説得力があるように少し思えてきました。



小林先生

ご回答ありがとうございます。
根分岐部を洗浄というのは私のただの素人的な思い付きです。
トンネリングという手法は治すためには使用されず延命治療に過ぎないのですね。

また、サードオピニオンは頂いておらず、こちらで診て頂いた歯科医院は下記2軒です。
説明不足で申し訳有りません。

1.救急歯科医院(質問で言及)
2.個人歯科医院(質問及び返信1で言及)
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2011-12-06 09:56:38
>上記分野に関してはスウェーデンの方が日本より進んでいるということですね。

そりゃもう・・
歯科の世界ではスウェーデンはほとんど「聖地」なんですよ^^;
6番についての特徴的な説明でも分かる様に、「地味」なので好みは分かれますが。。

一般開業医の情報までは入ってこないので存じ上げませんが、専門医ともなれば個人的には、その肩書きだけでも尊敬の的ですし、一般開業医もレベルの高い教育は受けている可能性が高いと思います。

日本人には自国の歯科医療はレベルが高いと思われることがありますが、確かに手先も器用で真面目ですが、歯学教育や行政の点で極めて不利な環境だとも思っています。

私個人も、歯科医になって以来宮下先生や大野先生(こちらのサイトで回答者をされています)、他にも数名のスウェーデンの教育を受けた優秀な先生方から貴重な知識を与えて頂いていますし、2ヶ月前にもイエテボリ大教授の来日講演に行ったところだったりします。

だからと言ってもちやさんの担当の先生が優秀で、もちやさんに合う先生なのかどうかは分かりませんが、決して歯科治療を受けるのに不便な国にいる訳ではないということだけは知っておかれると良いと思いますよ。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-12-06 11:01:19
>そりゃもう・・
歯科の世界ではスウェーデンはほとんど「聖地」なんですよ^^;

確かに・・・聖地に一票w

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もちやさん
返信日時:2011-12-07 23:43:25
渡辺先生、田中先生

聖地ですか。。。
歯科医療を受けるのにそのような恵まれた環境にいるとは知りませんでした。
診て頂いた個人医院は現地の信頼できる方に紹介して頂いたため、ある程度信頼できると思います。

皆様の助言により、延命措置により該当の歯を残せる可能性はあっても、今より良くなる望みは無い事が分かりました。
今すぐに日本へ帰任する事は無いので、日本の歯科医院に長期間頻繁に通う事は不可能で、こちらの歯科医に従う事が良い選択なのかもしれません。

半年後にスウェーデンを離れ次の任地へ赴くまでに、抜歯した箇所はインプラント治療を受けられる状態まで回復しないだろうと、セカンドオピニオンで言われています。

したがって、今回は日本で延命措置を行い、数年後日本へ帰任してから抜歯しインプラント治療を受けようかと思います。
それとも今すぐに抜歯し数年後日本でインプラント治療を受けるべきでしょうか?

また、抜歯後インプラント治療以外の選択肢として矯正により右下7番と親知らずを移動し空いた隙間を埋める事は可能でしょうか?
回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2011-12-08 00:51:26
多少不安が解消された様で何よりです^^

拝見していないですから、どうやっても治癒しない状況なのかはやっぱり分からないです。

もしかしたら「駄目もとで、お金がかかってもなんとか出来るだけのことはしてもらえないでしょうか?」と聞いてみれば何か裏オプションが出てくるとか、そういう可能性もゼロではないと思います。

治療方針というのは、患者さんの理解度や費用対効果、価値観なども考慮されますので、話し合いの中で方針が変わってくることは多々あると思います。



で仮に抜歯して、インプラントすることを前提とした場合ですが、

骨の状況などにもよりますが、抜歯後インプラントの埋入までの期間は3カ月〜6カ月ぐらいが一般的に受け入れられやすいと思います。
ですので例えば半年後に帰国出来る、と決まればその時点で抜歯してもいいと思いますよ。
ただそれまでの延命が可能か、今すぐ抜歯した場合との比較や、どちらが長期的に考えて得か損かの判断はここでは難しいですね。
色々な要素が絡んできます。

それと埋入手術後人工歯の完成までは3カ月程度見ておいた方がいいですし、もっと言うなら術前の徹底した歯周病治療、術後の定期検診も手術と同等に重要ですから、その辺りも考慮して決められるといいでしょうね。



>抜歯後インプラント治療以外の選択肢として矯正により右下7番と親知らずを移動し空いた隙間を埋める事は可能でしょうか?

中間欠損も個人的にはありなのですが、親知らずの状態や全体の歯列によっては、矯正で隙間を埋める方法や、あるいは8番を6番抜歯部に移植するなどの方法も出来る場合はありますよ。

この辺りは特に、ネットではなくてリアルで直球で相談してみて下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もちやさん
返信日時:2011-12-08 01:46:41
渡辺先生

ご回答ありがとうございます。

>中間欠損も個人的にはありなのですが、親知らずの状態や全体の歯列によっては、矯正で隙間を埋める方法や、あるいは8番を6番抜歯部に移植するなどの方法も出来る場合はありますよ。

そういう方法もあるのですね。
直接相談してみます。

半年後に他の国へ赴任する事になっており、その後日本へ帰任できるのは数年後です。
ここでは仮に3年として、抜歯後3年半経過後にインプラントまたは矯正を行なうのに不都合は考えられますか?
抜歯直後の方が歯が動き易い又は、6ヶ月以内の方がインプラントが安定し易いといった事はありますか?
回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2011-12-08 09:57:59
抜歯後3年半経過後にインプラントまたは矯正を行なうのに不都合は考えられますか?
>抜歯直後の方が歯が動き易い又は、6ヶ月以内の方がインプラントが安定し易いといった事はありますか?

そうですね…。

3年半はやや長いと思います。

個人的には抜歯後2〜3カ月が治癒能力のピークとなり、6カ月程度でほぼ安定、1年から2年は平衡状態で、それ以降はやや痩せ始める…と感じています。

なので、理想から言えば抜歯後2年以内が良い状態で年々、不利になっていくと考えます。
(そうでない事もありますが…)


ただ、そうは言ってもお仕事の都合上、仕方の無い事でしょうから、インプラント治療の期間に関してはあまりシビアに悩まない方がよろしいかと思います。

気休めかもしれませんが、下顎の6番は比較的骨の吸収は緩やかな事が多いように感じます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もちやさん
返信日時:2011-12-11 02:52:58
皆様

貴重なアドバイスありがとうございました。
大変参考になりました。

その後、こちらに来ている研究員の方々に相談し、最低でも日本へ本帰国するまでの数年間は抜歯せずに、何とか延命させる道を探る事にしました。



タイトル [写真あり] 下顎6番に分岐部病変。抜歯しかない?(スウェーデン)
質問者 もちやさん
地域 海外
年齢 36歳
性別 男性
職業 会社員(技術系)
カテゴリ 虫歯、根の病気で抜けた・抜く予定
抜歯:6番(第一大臼歯)
根管治療の治療法
その他(写真あり)
根分岐部病変
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
スウェーデン
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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