抜歯と認知症の進行について・・・
相談者:
petitさん (52歳:女性)
投稿日時:2012-02-19 19:15:46
参考:過去のご相談(ご自身の相談)
*左下奥歯の痛み、歯が特定できず原因も分かりません・・・
こんにちは、現在81歳の母のこのについてのご相談したく、よろしくお願いいたします。
病院嫌いの母でしたが、倒れたことをきっかけに先天性の心房中核欠損症が見つかり、昨年7月にカテーテル手術で穴を塞ぐ手術をしました。
それからでしょうか。
トイレが間に合わず失禁したり、最近では認知症も進み現在治療を受けています。
経食道超音波検査の時に、弱くなっていた歯が1本脱落しました。
その後、残りの歯も診ていただいたところ、
「歯周病でどれも歯がぐらぐらで全て抜歯した方がいい」
ということになりました。
(殆どが義歯で、残りの歯は、上顎部分の右3本、左3本のみ。)
心臓の術後の経過を鑑み、1月31日、左上顎の3本の抜歯手術をしました。
近々、右上顎3本の抜歯手術の予約が入っています。
そこで、お尋ねいたします。
歯を抜いてから、一層、認知症が進んでしまったように感じています。
まだ、認知症の薬を目標のレベルまで飲み続けられていないので、そちらの可能性も否めないのですが、ネットで調べてみたところ、「アルツハイマー型認知症」と「歯の残存本数」との関連性の記事が目に留まりました。
抜歯するまえから、多少なりとも気にはなっていたことでしたが、改めて記事を目にすると、唯一の残りの3本も抜いてしまってもよいものかどうか思案しています。
歯周病の専門医に、診ていただいてからでも遅くはないのではないのかと考えています。
認知症の進行と、歯周病のケアの問題(残存可能となった場合)と、どちらを優先するのがベストなのか・・・家族としても、日に日に認知症が進んでしまうのを見ているのは、とても切ないです。
どうか、ご教示いただきたくよろしくお願いいたします。
*左下奥歯の痛み、歯が特定できず原因も分かりません・・・
こんにちは、現在81歳の母のこのについてのご相談したく、よろしくお願いいたします。
病院嫌いの母でしたが、倒れたことをきっかけに先天性の心房中核欠損症が見つかり、昨年7月にカテーテル手術で穴を塞ぐ手術をしました。
それからでしょうか。
トイレが間に合わず失禁したり、最近では認知症も進み現在治療を受けています。
経食道超音波検査の時に、弱くなっていた歯が1本脱落しました。
その後、残りの歯も診ていただいたところ、
「歯周病でどれも歯がぐらぐらで全て抜歯した方がいい」
ということになりました。
(殆どが義歯で、残りの歯は、上顎部分の右3本、左3本のみ。)
心臓の術後の経過を鑑み、1月31日、左上顎の3本の抜歯手術をしました。
近々、右上顎3本の抜歯手術の予約が入っています。
そこで、お尋ねいたします。
歯を抜いてから、一層、認知症が進んでしまったように感じています。
まだ、認知症の薬を目標のレベルまで飲み続けられていないので、そちらの可能性も否めないのですが、ネットで調べてみたところ、「アルツハイマー型認知症」と「歯の残存本数」との関連性の記事が目に留まりました。
抜歯するまえから、多少なりとも気にはなっていたことでしたが、改めて記事を目にすると、唯一の残りの3本も抜いてしまってもよいものかどうか思案しています。
歯周病の専門医に、診ていただいてからでも遅くはないのではないのかと考えています。
認知症の進行と、歯周病のケアの問題(残存可能となった場合)と、どちらを優先するのがベストなのか・・・家族としても、日に日に認知症が進んでしまうのを見ているのは、とても切ないです。
どうか、ご教示いただきたくよろしくお願いいたします。
回答1
川崎歯科クリニック(中野区大和町)の川崎です。
回答日時:2012-02-19 21:40:56
私は、介護保険認定審査委員をしています。
内科の先生と、よく、お話をするのですが、『口から物を(しっかりと)食べる』ことは、とても大切です。
咀嚼・嚥下・栄養摂取・胃腸の活発な運動は、消化器系だけでなく、神経系・循環器系を、使用しますので、認知症も進行しにくいそうです。
また、歯の神経は、脳に直接つながる(脳神経:三叉神経)です。
咬む刺激が、脳に伝わりますので、脳が刺激され、認知症に、なりにくいそうです。
よって、なるべく、ご自身の歯は、(ひどい痛み・腫れ・化膿しているなどを除き)根だけでも残した方がいいと思います。
内科と歯科が、タイアップして、認知症の治療と歯周病のケアを、同時進行で、行うのが好ましいと考えます。
内科の先生と、よく、お話をするのですが、『口から物を(しっかりと)食べる』ことは、とても大切です。
咀嚼・嚥下・栄養摂取・胃腸の活発な運動は、消化器系だけでなく、神経系・循環器系を、使用しますので、認知症も進行しにくいそうです。
また、歯の神経は、脳に直接つながる(脳神経:三叉神経)です。
咬む刺激が、脳に伝わりますので、脳が刺激され、認知症に、なりにくいそうです。
よって、なるべく、ご自身の歯は、(ひどい痛み・腫れ・化膿しているなどを除き)根だけでも残した方がいいと思います。
内科と歯科が、タイアップして、認知症の治療と歯周病のケアを、同時進行で、行うのが好ましいと考えます。
回答2
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2012-02-19 22:03:56
petit さん、こんばんは。
>歯周病でどれも歯がぐらぐらで全て抜歯した方がいい
何とか保存できないのか、もう一度、ご担当の歯科の先生にお尋ねしてみてはいかがでしょう。
明らかに、保存できない場合、ぐらぐらで、歯磨きもし難い状態なのであれば、逆に、誤嚥性肺炎の元となりかねませんので、潔く抜歯を受け入れることもご考慮ください。
>歯周病でどれも歯がぐらぐらで全て抜歯した方がいい
何とか保存できないのか、もう一度、ご担当の歯科の先生にお尋ねしてみてはいかがでしょう。
明らかに、保存できない場合、ぐらぐらで、歯磨きもし難い状態なのであれば、逆に、誤嚥性肺炎の元となりかねませんので、潔く抜歯を受け入れることもご考慮ください。
相談者からの返信
相談者:
petitさん
返信日時:2012-02-19 22:19:12
川崎先生 早速のご回答ありがとうございました。
私も、情報等でなんとなく知っていたつもりでしたが、ネットで調べて改めて咀嚼することの重要性を痛感いたしました。
まだ、抜いたところの義歯の補充もないからなのでしょうが、噛みづらく話しづらくなっている母の状態を見ていて、このまま、残りの3本も抜いてしまっていいのだろうかと疑問に思ってしまった次第です。
心臓でかかっている総合病院で、歯科(口腔外科)、認知症も診てもらっているのですが、しつこく食い下がって質問しましたが、「抜く」か、歯周病菌のリスクを受けながらも、そのまま「経過観察」するかのどちらかだとのご指摘を受けました。
義歯でも、しっかり噛めることができれば脳への刺激は期待できるのでしょうか?
認知症も、まだまだ手探り状態での治療が始まったばかりです。
少しでも進行を遅らせたく、歯を残す治療をしてくれる歯科を探したほうがいいのか(セカンドオピニオン)、どうなのでしょうか?
私も、情報等でなんとなく知っていたつもりでしたが、ネットで調べて改めて咀嚼することの重要性を痛感いたしました。
まだ、抜いたところの義歯の補充もないからなのでしょうが、噛みづらく話しづらくなっている母の状態を見ていて、このまま、残りの3本も抜いてしまっていいのだろうかと疑問に思ってしまった次第です。
心臓でかかっている総合病院で、歯科(口腔外科)、認知症も診てもらっているのですが、しつこく食い下がって質問しましたが、「抜く」か、歯周病菌のリスクを受けながらも、そのまま「経過観察」するかのどちらかだとのご指摘を受けました。
義歯でも、しっかり噛めることができれば脳への刺激は期待できるのでしょうか?
認知症も、まだまだ手探り状態での治療が始まったばかりです。
少しでも進行を遅らせたく、歯を残す治療をしてくれる歯科を探したほうがいいのか(セカンドオピニオン)、どうなのでしょうか?
回答3
川崎歯科クリニック(中野区大和町)の川崎です。
回答日時:2012-02-19 22:42:41
医科−歯科連携を、実践で、行っている歯科医師は、少ないです。
総合病院の歯科(口腔外科)の先生は、口腔外科や歯科単独のことは、よく理解しているでしょう。
しかし、『認知症ー咬めるー全身の関係』は、医科の先生、歯科の先生でも、よく理解している人は少ないです。
私が、回答した内容について、担当の先生に、『どのようにお考えで、どのようにしますか?』と、逆に質問してみてはいかがでしょうか?
ただ、小林先生が、言われる通り、無理に残すのは、逆によくないです。
≫≫ 義歯でも、しっかり噛めることができれば脳への刺激は期待できるのでしょうか?
※ いいと思います。
≫≫ 歯を残す治療をしてくれる歯科を探したほうがいいのか(セカンドオピニオン)、どうなのでしょうか?
※ 『咀嚼・嚥下・栄養摂取・胃腸の活発な運動は、消化器系だけでなく、神経系・循環器系を、使用しますので、認知症も進行しにくい』という、認識を強く持っていて、医科の先生とも、タイアップできる、歯科医師の方が、いいと思います。
総合病院の歯科(口腔外科)の先生は、口腔外科や歯科単独のことは、よく理解しているでしょう。
しかし、『認知症ー咬めるー全身の関係』は、医科の先生、歯科の先生でも、よく理解している人は少ないです。
私が、回答した内容について、担当の先生に、『どのようにお考えで、どのようにしますか?』と、逆に質問してみてはいかがでしょうか?
ただ、小林先生が、言われる通り、無理に残すのは、逆によくないです。
≫≫ 義歯でも、しっかり噛めることができれば脳への刺激は期待できるのでしょうか?
※ いいと思います。
≫≫ 歯を残す治療をしてくれる歯科を探したほうがいいのか(セカンドオピニオン)、どうなのでしょうか?
※ 『咀嚼・嚥下・栄養摂取・胃腸の活発な運動は、消化器系だけでなく、神経系・循環器系を、使用しますので、認知症も進行しにくい』という、認識を強く持っていて、医科の先生とも、タイアップできる、歯科医師の方が、いいと思います。
相談者からの返信
相談者:
petitさん
返信日時:2012-02-20 00:31:48
小林先生 早速のご回答ありがとうございました。
>何とか保存できないのか、もう一度、ご担当の歯科の先生にお尋 ねしてみてはいかがでしょう
歯科の先生には、何度も聞いてみたのですが、お返事は「残すのは難しい」とのことでした。
認知症との関係も、一応その時聞いてみましたが
「その点も含め、心配なら抜歯は止めてもいいですよ。
あとは患者さん側の判断になります。」
という趣旨のお返事でした。
結局、抜歯と認知症との兼ね合いと、歯周病のリスクとの天秤で迷いました。
3本抜歯した後に、急に認知症が進行しまったような気がしたので、ご相談した次第ですが、先生のおっしゃるように、残存不可能な場合は抜歯をすることを考えていきたいと思います。
川崎先生 引き続きのご回答ありがとうございました。
>総合病院の歯科(口腔外科)の先生は、口腔外科や歯科単独のことは、よく理解しているでしょう。
>しかし、『認知症ー咬めるー全身の関係』は、医科の先生、歯科の先生でも、よく理解している人は少ないです。
本当に、そう感じます。
そこの総合病院でも、他の若手の先生と抜歯について話をしていた時、「歯科の分野は、技術の進歩が百年くらい止まっている」という趣旨の話をされていました。
それだけ、関係性や問題意識をもって勉強や研究されている先生が、少ないんだなと痛感しました。
義歯でも、しっかり噛めれば脳への刺激も期待できるとのことで少し安心しました!
>医科の先生とも、タイアップできる、歯科医師の方が、いいと思います
無理なら、抜歯も検討の上、進めていきたいと思いますが、セカンドオピニオンを考えているなら総合病院の方がいいということでしょうか?
>何とか保存できないのか、もう一度、ご担当の歯科の先生にお尋 ねしてみてはいかがでしょう
歯科の先生には、何度も聞いてみたのですが、お返事は「残すのは難しい」とのことでした。
認知症との関係も、一応その時聞いてみましたが
「その点も含め、心配なら抜歯は止めてもいいですよ。
あとは患者さん側の判断になります。」
という趣旨のお返事でした。
結局、抜歯と認知症との兼ね合いと、歯周病のリスクとの天秤で迷いました。
3本抜歯した後に、急に認知症が進行しまったような気がしたので、ご相談した次第ですが、先生のおっしゃるように、残存不可能な場合は抜歯をすることを考えていきたいと思います。
川崎先生 引き続きのご回答ありがとうございました。
>総合病院の歯科(口腔外科)の先生は、口腔外科や歯科単独のことは、よく理解しているでしょう。
>しかし、『認知症ー咬めるー全身の関係』は、医科の先生、歯科の先生でも、よく理解している人は少ないです。
本当に、そう感じます。
そこの総合病院でも、他の若手の先生と抜歯について話をしていた時、「歯科の分野は、技術の進歩が百年くらい止まっている」という趣旨の話をされていました。
それだけ、関係性や問題意識をもって勉強や研究されている先生が、少ないんだなと痛感しました。
義歯でも、しっかり噛めれば脳への刺激も期待できるとのことで少し安心しました!
>医科の先生とも、タイアップできる、歯科医師の方が、いいと思います
無理なら、抜歯も検討の上、進めていきたいと思いますが、セカンドオピニオンを考えているなら総合病院の方がいいということでしょうか?
回答4
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2012-02-20 11:01:51
高齢者の抜歯、非抜歯に関しては歯科医自身も判断に悩む場合があります。
特にご高齢の方の場合、年々ご自身で歯を上手く磨くことが困難になられるケースが非常に多く、その方の周辺のサポートスタッフが永続して上手に歯を磨いてくれる環境におられるかどうかが大きな問題になってきます。
お母様の歯は、残しておいて誰がどのように磨いていくのでしょうか?
このあたりが決まっていますか?
定期的に炎症の度合いを診断してもらい、指導を受けて、それを実践することが可能ですか?
認知症と残存歯数の関連が明らかになり、いろいろ話題になっていますが、これから、学ぶべきことは以下だと思います。
●健康で機能する歯を大切にするために、痛くなったり症状が出て(病気になるということ)はじめて歯を大事に考えるのではなく、症状がない健康な時こそ、歯のありがたみを理解し、十分に予防に努めることが大切。
つまり、決して、悪くなった歯をリスクが高いのに無理して残すことを推奨するものではないと思います。
その歯があること自体がかえって、不潔域を作りだし、炎症反応を励起しているのでしたら、全身管理の上でも抜歯した方がいいということになります。
つまり歯周病になっているということは、その部位に細菌が巣を作っていて毒素を出したり、起炎物質を出していて、弱ってきている免疫系の細胞を常にその部位で消耗しているということを意味します。
その歯を残す意味はありそうですか?
もちろん、心の整理がつかないのでしたら、しばらく残して痛みや出血、腫れなどの炎症がひどくなってから随時投薬消炎後、抜歯という方法を選択されてもかまいません。
が、残すことを選択されたのでしたら、必ず歯磨きや、定期的な歯科治療(指導)を受けるような環境にしてあげて下さい。
総入れ歯でも脳へ刺激を与えたり、脳の血流を増加することは十分可能です。
お口から食事がちゃんと出来るように、できれば早目に入れ歯を作ってもらって下さい。
特にご高齢の方の場合、年々ご自身で歯を上手く磨くことが困難になられるケースが非常に多く、その方の周辺のサポートスタッフが永続して上手に歯を磨いてくれる環境におられるかどうかが大きな問題になってきます。
お母様の歯は、残しておいて誰がどのように磨いていくのでしょうか?
このあたりが決まっていますか?
定期的に炎症の度合いを診断してもらい、指導を受けて、それを実践することが可能ですか?
認知症と残存歯数の関連が明らかになり、いろいろ話題になっていますが、これから、学ぶべきことは以下だと思います。
●健康で機能する歯を大切にするために、痛くなったり症状が出て(病気になるということ)はじめて歯を大事に考えるのではなく、症状がない健康な時こそ、歯のありがたみを理解し、十分に予防に努めることが大切。
つまり、決して、悪くなった歯をリスクが高いのに無理して残すことを推奨するものではないと思います。
その歯があること自体がかえって、不潔域を作りだし、炎症反応を励起しているのでしたら、全身管理の上でも抜歯した方がいいということになります。
つまり歯周病になっているということは、その部位に細菌が巣を作っていて毒素を出したり、起炎物質を出していて、弱ってきている免疫系の細胞を常にその部位で消耗しているということを意味します。
その歯を残す意味はありそうですか?
もちろん、心の整理がつかないのでしたら、しばらく残して痛みや出血、腫れなどの炎症がひどくなってから随時投薬消炎後、抜歯という方法を選択されてもかまいません。
が、残すことを選択されたのでしたら、必ず歯磨きや、定期的な歯科治療(指導)を受けるような環境にしてあげて下さい。
総入れ歯でも脳へ刺激を与えたり、脳の血流を増加することは十分可能です。
お口から食事がちゃんと出来るように、できれば早目に入れ歯を作ってもらって下さい。
回答5
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2012-02-20 13:50:34
ご相談ありがとうございます。
お口の健康と脳の働きに関連が発見されてきています。
脳はいわゆる頭の働き以外に、身体のコントロールもしています。
実際に報告されている例では、入院日数と自分で食事が取れているかどうかとの関連でははっきり違いが出ているようです。
また入院して病院の職員から、入れ歯を外すように指導されてしまうと、さらに認知症などが見られるようですが、しっかり噛めるようになればみるみる回復した報告も少なくありません。
抜歯それ自体も脳の細胞と脳神経の萎縮を起こすと言われていますが、噛む働きはとても重要です。
それは入れ歯でも効果があります。
一番は、一生ご自分の歯で噛める計画であり、自然に勝る方法はありません。
したがって、全部抜歯が必要であっても、段階的にいくつも仮の入れ歯を作りながら、並行して抜歯すると、ダメージが減ります。
もちろん歯を残せればさらに健康的な場合もあります。
その場合は、残り少ない歯が健康に役立つかの診断が欠かせません。
つまり今の日本の歯科医療では望むべきもありませんが、歯が無いから入れ歯製作とか、グラグラだから歯周病とか、部分的でバラバラな歯科治療ではなく、心身の健康という大きなゴールを設定した上での芯の通った総合的な、統一された個々の歯科治療を計画する必要があります。
もし痛くないからというだけで歯周病を治さないのであれば、全く健康上意味がありません。
歯周病とは自覚症状がほとんど無く悪化しますから、とくに歯周病が重症であったり、長期間続いていると心筋梗塞のリスクが高まることや、心臓手術後の再感染リスクが高いことも、誤嚥性肺炎の死亡率が高くなることも、さらにがんの原因となることも知られています。
歯周病を治さないのであれば、心臓のためには早く抜歯するべきです。
お体が弱っているときの総入れ歯治療はとても大変です。
いきなり良い入れ歯は作れません。
お口の中のリハビリのために、またお口の中や会話や身体の回復に合わせて、段階的に治療用の入れ歯を何セットか作り直してから最終の入れ歯を作ることになります。
非常に回数も、期間もかかります。
また恐らく保険では認められない可能性があります。
総合病院の歯科ではどちらかと言えば緊急避難的な治療に追われますから、そこまで手を尽くしていただきたいとはかなり高望みとなり、探すことは非常に大変だと思います。
それよりも入れ歯の専門家に一度相談してみると良いかもしれません。
お口の健康と脳の働きに関連が発見されてきています。
脳はいわゆる頭の働き以外に、身体のコントロールもしています。
実際に報告されている例では、入院日数と自分で食事が取れているかどうかとの関連でははっきり違いが出ているようです。
また入院して病院の職員から、入れ歯を外すように指導されてしまうと、さらに認知症などが見られるようですが、しっかり噛めるようになればみるみる回復した報告も少なくありません。
抜歯それ自体も脳の細胞と脳神経の萎縮を起こすと言われていますが、噛む働きはとても重要です。
それは入れ歯でも効果があります。
一番は、一生ご自分の歯で噛める計画であり、自然に勝る方法はありません。
したがって、全部抜歯が必要であっても、段階的にいくつも仮の入れ歯を作りながら、並行して抜歯すると、ダメージが減ります。
もちろん歯を残せればさらに健康的な場合もあります。
その場合は、残り少ない歯が健康に役立つかの診断が欠かせません。
つまり今の日本の歯科医療では望むべきもありませんが、歯が無いから入れ歯製作とか、グラグラだから歯周病とか、部分的でバラバラな歯科治療ではなく、心身の健康という大きなゴールを設定した上での芯の通った総合的な、統一された個々の歯科治療を計画する必要があります。
もし痛くないからというだけで歯周病を治さないのであれば、全く健康上意味がありません。
歯周病とは自覚症状がほとんど無く悪化しますから、とくに歯周病が重症であったり、長期間続いていると心筋梗塞のリスクが高まることや、心臓手術後の再感染リスクが高いことも、誤嚥性肺炎の死亡率が高くなることも、さらにがんの原因となることも知られています。
歯周病を治さないのであれば、心臓のためには早く抜歯するべきです。
お体が弱っているときの総入れ歯治療はとても大変です。
いきなり良い入れ歯は作れません。
お口の中のリハビリのために、またお口の中や会話や身体の回復に合わせて、段階的に治療用の入れ歯を何セットか作り直してから最終の入れ歯を作ることになります。
非常に回数も、期間もかかります。
また恐らく保険では認められない可能性があります。
総合病院の歯科ではどちらかと言えば緊急避難的な治療に追われますから、そこまで手を尽くしていただきたいとはかなり高望みとなり、探すことは非常に大変だと思います。
それよりも入れ歯の専門家に一度相談してみると良いかもしれません。
相談者からの返信
相談者:
petitさん
返信日時:2012-02-23 23:25:47
船橋先生 ありがとうございました。
さがら先生 ありがとうございました。
ご回答いただいていたのに、御礼が遅れました。
お忙しい中、大変わかりやすく納得のいくご丁寧な説明をいただけましたこと、とても有難く感謝しています。
船橋先生のご指摘通り・・・
>お母様の歯は、残しておいて誰がどのように磨いていくのでしょうか?
>このあたりが決まっていますか?
>定期的に炎症の度合いを診断してもらい、指導を受けて、それを実践することが可能ですか?
上記2点に関して、私も非常に懸念していました。
結局、ひとたび残したとしても(今もきちんと管理できていないので)いずれは磨けなくなり、抜歯の時間を遅らせるだけかも知れないと判断。
また、寝たきりという訳でもないので、他人に歯を磨かれるということも快諾しないと判断しました。
そして、本人の了承のもと、左3本の抜歯をしたのですが・・・。
その後、失禁の回数が増えたり、ボーっとする時間が増えたり、気のせいなのか認知症状が進んでしまったような気がしていましたので、ネットで検索したところ、アルツハイマー型認知症と歯の残存数との関係の興味深い記事が目に留まった次第です。
認知症の治療も、まだ手探り状態ですので、100%抜歯が原因かもわからないのですが、家族としては日に日に出来なくなることが増えていく母を見過ごすことは心苦しく、症状を遅らせることができるなら(それが抜歯であるなら)できるだけ様々な手を打っていきたいと考えました。
さがら先生がおっしゃっているように・・・
>心身の健康という大きなゴールを設定した上での芯の通った総合的な、統一された個々の歯科治療を計画する必要があります。
総合的に判断しながら、最適な方法を探って行きたいと思います。
そして、すべての先生からお話いただきましたことを念頭に入れ、抜歯、義歯も視野に入れながら治療を進めていきたいと思います。
ありがとうございました。
さがら先生 ありがとうございました。
ご回答いただいていたのに、御礼が遅れました。
お忙しい中、大変わかりやすく納得のいくご丁寧な説明をいただけましたこと、とても有難く感謝しています。
船橋先生のご指摘通り・・・
>お母様の歯は、残しておいて誰がどのように磨いていくのでしょうか?
>このあたりが決まっていますか?
>定期的に炎症の度合いを診断してもらい、指導を受けて、それを実践することが可能ですか?
上記2点に関して、私も非常に懸念していました。
結局、ひとたび残したとしても(今もきちんと管理できていないので)いずれは磨けなくなり、抜歯の時間を遅らせるだけかも知れないと判断。
また、寝たきりという訳でもないので、他人に歯を磨かれるということも快諾しないと判断しました。
そして、本人の了承のもと、左3本の抜歯をしたのですが・・・。
その後、失禁の回数が増えたり、ボーっとする時間が増えたり、気のせいなのか認知症状が進んでしまったような気がしていましたので、ネットで検索したところ、アルツハイマー型認知症と歯の残存数との関係の興味深い記事が目に留まった次第です。
認知症の治療も、まだ手探り状態ですので、100%抜歯が原因かもわからないのですが、家族としては日に日に出来なくなることが増えていく母を見過ごすことは心苦しく、症状を遅らせることができるなら(それが抜歯であるなら)できるだけ様々な手を打っていきたいと考えました。
さがら先生がおっしゃっているように・・・
>心身の健康という大きなゴールを設定した上での芯の通った総合的な、統一された個々の歯科治療を計画する必要があります。
総合的に判断しながら、最適な方法を探って行きたいと思います。
そして、すべての先生からお話いただきましたことを念頭に入れ、抜歯、義歯も視野に入れながら治療を進めていきたいと思います。
ありがとうございました。
タイトル | 抜歯と認知症の進行について・・・ |
---|---|
質問者 | petitさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 52歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯周病で抜けた・抜く予定 抜歯:複数の歯(臼歯部) その他(その他) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。