7歳、歯列矯正を始めるタイミングと矯正医選びについて

相談者: ひーぞうさん (36歳:女性)
投稿日時:2012-04-07 11:04:02
参考:過去のご相談
7歳、乳歯の後ろに永久歯。経過観察でいいのでしょうか?



区の保健所でかみ合わせの無料相談があり7歳の娘を診てもらいました。

下の永久歯が2本縦に並んでいて心配で診てもらったのですが、歯を噛みあわせた時に、上の歯が下の歯をおおってしまって全く下の歯が見えていないこと、下顎がちいさいので、永久歯1本分のスペースが歯茎になくて、後ろから生えてしまっていることを言われました。

今が成長期なので、顎をひろげる矯正をするなら今がいいタイミングだと聞きました。



質問1 抜歯をせずに、顎を広げて歯を並べることをできると聞きましたが、まだすべての永久歯が生え揃っていない段階で、矯正をして治ったとしても、歯が生えそろった時に、また矯正を続けないといけないということはおこらないのでしょうか。


質問2 今の娘の歯の状況から言えば、生えそろうのを待たずに矯正をしたほうが、ベストなのでしょうか。


質問3 東京都在住ですが、夫の仕事の異動で、地方に1−2年住むことがあります。
転勤が突然決まることと、47都道府県どこにいくかその時にならないとわかりません。

東京で矯正を始めた場合、 治療途中で引っ越すことになって通院ができなくなると、引越し先で治療を続けるということができるのでしょうか。
その場合、最初の病院で治療代を払うと思いますが、転院先でも、同じぐらい高額の治療費を支払うことになるのでしょうか。


御回答よろしくおねがいします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-04-07 13:11:33
矯正治療の目的は、20歳ぐらいの時期までに全ての永久歯を、機能的にも審美的にも良好な状態に配列することです。
また、良好な状態を、生涯にわたって維持することも重要です。



ご相談のように、小学生などの幼少期に矯正歯科に来院された場合には、どのような時期に矯正治療を開始するかを、長期的な視点から判断することが大切になります。


幼少期には、全く治療を行わないで、高校生以上の時期(顎骨成長が終了後)に治療開始した場合でも、1年〜2年間の治療期間で、良好な治療結果を得ること可能な場合も少なくありません。

ただし、幼少期には、成長を利用した矯正治療も可能であり、お子さんの有する問題点によっては、幼少期の小児矯正(1期治療)が最終的な2期治療終了後の治療の質を向上させたり、仕上げの矯正治療(2期治療)を簡単にする場合もあります。



以上のことから、実際に診て、精密分析をしないネット相談で、お子さんにとって、「小児矯正が有効であるか」、「有効である場合でも、どの時点で、開始すべきか」を判断することが難しいことを納得いただけると思います。


質問1→ 2期治療が必要となる可能性はあります。

また、例え1期治療で拡大配列をおこなったとしても、機能的・審美的、歯の長期寿命的観点から、2期治療開始時点において、抜歯が必要であると判断される可能性もあります。



質問2→ 精密分析を行わなければ、患者さんにとって小児矯正が必要かを判断できません。

また小児矯正を行うとしても、どのような時期に開始することが理想的であるかは、患者さんそれぞれの問題点や、1期治療の治療目標によっても異なります。



質問3→ 1期治療の途中での引越の可能性があるのであれば、少なくとも2年以上は在住されることが確実な地域での治療開始をお薦めします。
1期治療は、通常、半年〜1.5年間で終了することが多いからです。

治療途中での転院は、金銭的なトラブルを発生する可能性がありますのでお勧めできません。
また、各矯正医によって、治療方針が異なりますので、転院によって、治療面でのトラブルが発生する可能性もあります。


理想的には、1期治療と2期治療を同一の矯正歯科医院で受けられることが望ましいですが、引越が多いということであれば、矯正担当医とじっくり相談してから、矯正治療を開始されてください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひーぞうさん
返信日時:2012-04-07 23:52:51
堀内先生

一つ一つ分かりやすく御回答してくださってありがとうございました。
とてもわかりやすかったです。


娘の場合は、小児矯正(1期治療)になり、通常、半年〜1.5年間で治療期間が終了することが多いのですね。
夫の異動が最近あり、1年以上はまだ東京にいることがはっきりしましたので、すぐにでも、矯正歯科医院を受診したいと思います。



質問1 自由診療なので、医院によっても同じような治療をしても治療代は変わってくるのでしょうか。



質問2 いくつか受診して、治療方針(治療期間、治療代など)を聞きたいのですが、細かい治療方針を聞くにはレントゲンが必要だと聞きました。
保険が適応されないので値段が高額になると思いますが、治療方針を聞くだけでも、料金は高額になるのでしょうか。



質問3 矯正歯科医院はたくさんあり、どのようにして選べばいいのかよくわかりません。
選ぶときに気をつける点はありますか。


御回答よろしくお願いします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-04-08 12:38:57
質問1 自由診療なので、医院によっても同じような治療をしても治療代は変わってくるのでしょうか。

自費診療は、医院ごとに診療費設定は自由なので、変わってくると思います。



質問2 いくつか受診して、治療方針(治療期間、治療代など)を聞きたいのですが、細かい治療方針を聞くにはレントゲンが必要だと聞きました。
保険が適応されないので値段が高額になると思いますが、治療方針を聞くだけでも、料金は高額になるのでしょうか。

→ 精密検査を受けて、正確な診断を聞く場合には、かなり高額になります。
ただし、初診相談は無料〜数千円の場合が多いですから、2、3件の矯正歯科で初診相談を受けてみてはいかがでしょうか?



質問3 矯正歯科医院はたくさんあり、どのようにして選べばいいのかよくわかりません。
選ぶときに気をつける点はありますか。

→ 矯正治療は、各先生により、治療目標も治療テクニックも大きく異なります。
科学的に、評価の定まった治療システムは確立していません。

小児矯正を検討される場合に、もっとも重要な視点は、長期的な視点で口腔管理をおこなってくれるかということです。


最終的に、20歳ぐらいの時点で、虫歯歯周病もなく、生涯良好なかみ合わせを維持できるような口腔内環境を獲得できるように、時間効率に優れた治療計画を立案していただけるような矯正歯科を選ばれてください。


一つの目安は、動的治療期間が

 1期治療 半年〜1.5年 
 2期治療 1.0年〜2.0年

ぐらいの治療期間だと感じます。
(1期治療と2期治療の間は、経過観察期間といって、半年〜1年間に一回ぐらいの通院頻度で、歯ブラシ指導や食事指導などを行います)


もし、治療開始前に、「現在7歳で、すぐに治療開始。20歳まで月に一回の動的矯正を続ける」というような長期治療計画を呈示された場合には、素晴らしい治療結果が得られるとしても、長期通院を続ける気力が続かないかもしれません。

まさに、絵に描いた餅です。


しかし、ここまで極端ではなくても、「時間効率に劣る矯正治療」を好む矯正歯科医院は、多数存在します。

矯正治療開始を検討する際には、

お子さんがもっている個別の問題点について説明を受け、その問題点を踏まえた長期的な矯正治療計画

いつ
どのぐらいの期間で
どのような装置を使用して
どのような治療結果を
どのぐらいの診療費で


治療する予定なのか等、くわしい説明を受けた上で、治療を開始するか検討されることが重要だと思います。

ご参考にしてください。

 
 
 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひーぞうさん
返信日時:2012-04-08 21:19:21
堀内先生

丁寧な御回答、本当にありがとうございました。

とても分かりやすく説明していただいたので、よくわかりました。
(もし私と娘が仙台に住んでいたら、先生にお世話になりたいほどです。)


初診相談が無料や数千円の矯正医院が近くにいくつかありましたので、先生のおっしゃる通り、さっそく行ってみるつもりです。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひーぞうさん
返信日時:2012-04-13 22:05:35
堀内先生

今週、3つの矯正歯科医院に相談に行ってきました。
堀内先生にアドバイスしていただいたことを念頭に置きながら質問できたので、有意義な相談になりました。


2人の先生は、治療を決めたらレントゲンを撮ったり歯型を取って、治療方針を決め、すぐにでも第1期の治療を開始するということでした。

下の歯が2列に並んでいること、上の前歯2本の横の歯2本も生え始めてきていて、その2本がでこぼこに生え始めているとのことでした。
下の顎を広げるためにも上の顎を広げないといけないことをおっしゃっていました。


この二人のうちの1人の先生は、前から見るとわからないけれど、前歯が咬み合っていないので、前歯で噛もうとすると歯を前に出そうとして、関節に負担がかかり、このままにしておくと前歯を使わなくなる可能性があることもおっしゃっていました。



ところが、3人目の先生は娘が小学校2年生にしては小柄なこともあり、検査をしてから、分析次第では、しばらく様子をみてから治療をはじめる場合もあるということでした。

この先生によると、あまり早くから治療をし始めても、その子供の持つ成長するスピードがあるので、一番成長するときに合わせて矯正をしたほうが、子供の負担も親の負担も少ないとおっしゃっていました。


質問1 最初の二人の先生の話を聞いたときは、治療はまだ遅過ぎないけれど、すぐにでも治療をしたほうがいいという説明でした。

しかし、3人目の先生のお話を聞くと、場合によっては半年から、4年生ぐらいに大きく成長するのを待つ場合もあるとのことでした。
とりあえず、まず2万円の検査を受けて、分析してから治療をするか決めてくださいということでした。


親として一番いい方法をとってあげたい気持ちです。個人個人違うとは思いますが、歯の生え変わりが今のところ、ゆっくりめで、小柄な女の子の場合は、矯正治療は、7歳で始めるのは早いのでしょうか。



質問2 最初の2人の先生は、取り外しの装置を、学校にもつけていき、できるだけ装着するようにする方針とのことです。

3人目の先生は、学校ではなくしたり壊したりすることもあるので、家でだけ装着するとのことでした。
食べている時以外は、装置をつけている方が、よりいいような気がするのですが、装置の装着時間によって、矯正期間が短くなったりするのでしょうか。


御回答よろしくお願いします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-04-14 09:25:22
ひーぞうさんへ


以前も回答しましたが、一般論としては、小児矯正では長期的な視点が大切なポイントになります。

最終的な治療のゴール(顎骨成長が終了し、親知らずの処置が可能な20歳ぐらいの時点で、機能的にも審美的にも、良好な歯並びを生涯維持できる環境を得ること)を無理なく確実に、獲得できるように、長期的な治療計画を立案するという視点です。

長期的な治療計画では、精密検査で、歯列や顎骨などの総合的問題点を明らかにした上で、初診来院時点で治療介入することにメリットが大きい場合には、すぐ治療開始することをお薦めしますし、効率的な治療時期ではないと判断されば場合には、適切な時期までお待ちいただくことになります。



小学校2年生で、早期介入することが望ましい状態の場合もあるでしょうし、小学校3〜高校1年生までお待ちいただく場合もあります。
(高校1年生まで待つというのは、1期治療は行わず、2期治療のみで対応するというケースです)

ただし、矯正治療を、初診来院時点で開始しない場合でも、経過観察期間として、歯ブラシ指導などの口腔衛生指導を行い、矯正治療を開始するまでに、虫歯歯肉炎が発生しないように管理することになります。


取り外し式の装置は、医学的には、長時間使用した方が良い場合もありますが、短時間の使用でも充分な効果が見込める場合もあります。

また、長時間の使用が理想的な場合でも、紛失した場合の再製作費用や、学校での使用に対するお子さんのモチベーションを考慮して、自宅での使用に限定する場合もあり、ケースバイケースです。


矯正専門医であれば、初診相談の時点でおおよその問題点が推測できるため、おおまかな治療計画をお伝えすると思います。

しかし、おおまかな治療計画をお伝えした上で、精密検査の結果をご説明する際に、確定的な治療計画をお伝えすることになりますので、最終的な診断説明時点では、初診相談でご説明した治療計画とは異なった治療方針を呈示する可能性もあります。
 

そのような観点からは、3人目の先生がもっとも慎重な姿勢で説明していると感じます。



いずれにしても、ネット相談では、実際に診ていませんから、具体的な診断等は行うことができませし、一般論しかお答えできません。

もっとも信頼できそうだと感じた矯正歯科医院で精密診断を受け、その診断説明を受けてから治療開始するか検討してはいかがでしょうか?

 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひーぞうさん
返信日時:2012-04-14 14:46:21
堀内先生

早速の御回答、どうもありがとうございました。
毎回、とてもわかりやすくご説明してくださるので、感謝の気持でいっぱいです。

ネット相談とはいえ、とてもわかりやすくアドバイスしてくださるので、一般論であっても、納得がいきました。



先生のおっしゃる通り、3人目の先生が一番慎重に説明していたような気がします。
やはり、長いお付き合いになりそうなので、慎重な先生よりも、一番信頼できそうに感じた先生が、親としても安心してお任せできる気がしますし、カウンセリングの中で一番納得のいく説明をして下さった先生にした方ががいいのではないかと、夫と話しました。

的確なアドバイス、本当にありがとうございました。
これで、娘の矯正治療を、自信を持って始められそうです。



タイトル 7歳、歯列矯正を始めるタイミングと矯正医選びについて
質問者 ひーぞうさん
地域 非公開
年齢 36歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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