無呼吸症候群用マウスピース装着の歯根破折、歯にかかる力について

相談者: Chobiさん (55歳:女性)
投稿日時:2013-01-14 15:20:17
昨年暮れに、母の代理で無呼吸症候群治療用のスリープスプリントに関して投稿させていただいたものです。

現在、歯に関する知識を得ようと色々と勉強しておりますが、インターネット上で“歯は垂直方向の力(即ち噛む力)には強いが、横の力には弱い”という記述を見つけました。

そう言われれば、そうかな?とも思いますが、素人には確信が持てません。
これは常識でしょうか? 

先生方のご意見をお聞かせいただきたく、また、これを裏付ける資料(文献等)をご存知でしたら、是非お教えいただきたく、宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2013-01-14 15:36:04
歯は、垂直方向の力には強いが、横の力には弱いというのは、常識です。

それは、歯を支える歯根膜繊維の走行方向のためです。

持続的な横方向の力がかかり続けると、歯根膜に局所的な血流障害がおこり、破骨細胞が集まり骨を溶かします。
それを上手に利用した治療法が歯科矯正です(反対側に造骨細胞が増えて骨が添加することで歯が抜けることなく動きます)。

また、大きな力を受け止めるための歯槽骨の厚みが縦方向と横方向では大きく異なります。

文献に関してはどういったものが必要なのかわかりませんから、お答えできません。
歯の構造や組織を学べば理解できる話です。

回答 回答2
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2013-01-14 15:36:21
>これは常識でしょうか? 

一般的には、歯は垂直的な力には強く側方力には弱いです。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-01-14 15:47:06
こんにちは。カワサキです。

>これは常識でしょうか? 

歯科界では、常識です。

歯を支える骨の厚みが、上下(垂直)方向には厚いですが、左右(横の力)には、薄いです。

ご参考までに。

回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2013-01-14 16:31:07
この場合の’強い’’弱い’を、どうイメージされてるのでしょうかね。
通常、歯軸方向と横方向との合力が働いていると思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-01-14 18:21:18
Chobiさん、こんにちは。
私自身は、より簡単に考えるようにしています。

例えば、地面と垂直にたてられた杭を上からたたく場合と、地面と斜めにたてられた杭を上からたたくのでは、明らかに斜めのほうが、踏ん張りがきかず倒れてしまいやすいですよね。

物理学で考えても証明できます。
私は物理が好きなので、こんなことを結構よく考えています。

答えになっているかわかりませんが、ご参考までに。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2013-01-14 18:39:33
単純に考えると、

ちょっと大げさですが、縦方向に100sの力に対して、歯は耐える事ができます。

横から100sの力が歯に加わると、歯は抜けてしまいます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chobiさん
返信日時:2013-01-15 12:32:32
船橋先生、細見先生、川崎先生、藤森先生、黒岩先生、中埜先生

早速のご回答ありがとうございました。
先生方のご意見、とても勉強になりました。

追加で質問させていただきたいのですが、スリープスプリントを装着した場合、日常の食事等で歯にかかる縦方向とは違う、不自然な横からの力が加わっている、と私は考えたのですが、違いますでしょうか?

歯を噛み合わせた場合、通常であれば上の歯が前に出ているものを、スリープスプリント(上下固定式の硬い材質のもの)は下の歯を前に出すという、不自然な状態で固定します。

その時点で、すでに“横の力”が加わると思いますし、顎が元の状態に戻そうとすることで、前歯(母の場合は、前歯のロングスパンのブリッジにも)に負荷がかかっっていたと思うのです。

ましてや、就寝時の仰臥状態であれば、重力も加わると考えます。(黒岩先生、物理学的にいかがでしょう?)

私の考えは間違っておりますでしょうか?

担当歯科医が、“スリープスプリントがブリッジに異常ををきたすことはない”と断言したのですが、私には理解も納得もできません。

ちなみに、イギリスのスリープスプリントのメーカーのweb siteでは、“スリープスプリントがブリッジに過度のストレスを与え、支障をきたすかもしれない”ため、使用を控えるように注意勧告しています。

ご多忙中恐れ入りますが、先生方のご意見をお聞かせ願いたく、宜しくお願いいたします。
回答 回答7
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2013-01-15 12:45:42
スリープスプリントの設計次第だと思いますけど。

上顎の歯列全体を覆うタイプならば、負荷が分散されるのでそれほど問題にならないと思います。
ブリッジに負荷がかかりすぎるようならば、内面を調整してもらえば負荷を少なくすることも可能です。

お母様の代理投稿ということのようですから、お母様に不具合がないかどうかお確かめください。

また、何もしないほうが、お母様のお身体全身の健康にとってよいのであれば、不要でしょうが、必要だからしていらしゃるのであれば、デメリットもあるでしょうが、メリットのほうが大きいと考え、継続することもだいじです(すいません、以前の投稿は読んでませんけど)。

不明な点は、担当医に直接御相談いただいたほうがいいのではないでしょうか?

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2013-01-15 14:00:23
Chobiさん、こんにちは。

スリープスプリント、確かに力はかかっていると思います。
以前こちらのサイトでも、スリープスプリントを使って、前歯ブリッジが壊れたという投稿をみました。

健全な歯に対しては、力が分散されますし、それほど大きな影響はないと思いますが、やはり状態が良くない歯に力をかけることは注意が必要だと思います。

スリープスプリントのメリット、デメリットはあるので、それらを考慮して、納得した上で治療をすすめた方が良いと思います。

ご参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chobiさん
返信日時:2013-01-16 10:43:01
船橋先生

再度のご返信ありがとうございました。

残念ながら、母の場合はスプリントの調整を行う以前に、装着開始たった一週間で、ブリッジの支台の中心となる歯が歯根破折してしまい、結局部分入れ歯を作る羽目となってしまいました。

無呼吸症候群は、横に寝ることで症状が改善されていますので、スリープスプリント治療が全く無駄であったばかりではなく、身体的・精神的にも苦痛を味わう悲惨な結果となってしまいました。

母の場合、上前歯4本の欠損歯を4本の支台で支えるロングスパンのブリッジを使用していましたので、そもそもスプリント使用には向いていなかったと信じております。
担当医の説明にも納得がいかず、現在色々と勉強・調査している状況です。

ご意見、重ねてありがとうございました。
参考にさせていただきます。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chobiさん
返信日時:2013-01-16 10:52:38
黒岩先生

再度のご回答、ありがとうございました。

私と同じ考えをお持ちの先生がいらっしゃること、とても心強く思います。
“物理学的”に言って、いえ、単に小学校の理科の授業で習った内容から考えても、歯に力がかかることは事実ですよね。

仰るとおり、“健康な歯”であれば何も問題はなかったでしょう。
が、77歳という高齢の母の、しかもロングスパンのブリッジを使用している患者に適した治療方法ではなかったと、私は信じております。

ちなみに、治療前にこの担当医からデメリット(副作用)や使用に関しての注意事項の説明は全くなかったとのこと。 
母とすれば無呼吸症候群を治したい一心で、多少の痛みを我慢して装着していたとのことです。

ご意見、とても参考になりました。
重ねて御礼申し上げます。

追伸: 先生のご覧になった投稿は、恐らく私のものと思います。
回答 回答9
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2013-01-16 11:52:19
Chobi さん。

残念な結果になってしまわれたのですね。

黒岩先生はあなたの以前のご質問を見て、参考にされたようです。

>母とすれば無呼吸症候群を治したい一心で、多少の痛みを我慢して装着していたとのことです。


無呼吸症候群を治すためには、歯科保険で作製できる(医科での診断が必要)ものは、スリープスプリントになります。

自費治療ならば幾らか他に方法があります。

主治医の元で今までどのような治療を受けられてきたのでしょう?
そしてどのようなやり取りがあったのでしょう?
ご本人と担当医以外にわかる人がおられますか?
言った言わないの水掛け論になりませんか?


>装着開始たった一週間で、ブリッジの支台の中心となる歯が歯根破折してしまい、


使用開始後、1週間でブリッジ破折ということですから、因果関係があると思われるのは当然です。

担当医の総合的な診断や指導が甘かった可能性があるかもしれませんが(経緯が不明なので単なる想像です)、痛みがあった段階で使用を中断し、すぐにご相談や指導を受ければ破折まで至らずに済んだ可能性はないですか?

スリープスプリントは、固定式のものではないので、ご使用者が不調を感じると外しておくことで危険を回避できる最大の利点があります。

大変失礼な言い方になりますが、お母様がご高齢で判断能力が鈍くなっていたり、性格的に自己判断ができにくく、痛みや不快症状があった場合、いったん使用を中断し、担当医に相談したり指示を仰ぐといったことが出来なかった可能性はないのでしょうか?

おそばにおられる方がそういうことをホローできる体制を整えられておくことが、今後より必要になるかと想像します。

私個人は、無呼吸症候群にスリープスプリントは積極的にお勧めしていません。
行っていることは、独自の体操等で身体機能を高めるなどですが、保険治療行為からは完全に逸脱します。

いろいろ勉強されることはとてもよいことです。
思わぬところにお探しになっている答えがあるかもしれません。
しっかり勉強して今後お母様を支えてあげてください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chobiさん
返信日時:2013-01-17 09:30:53
船橋先生

重ねてのご回答ありがとうございます。

母のかかりつけの歯科医がスリープスプリント治療を行っていないため、今回は私がインターネットで見つけた歯科医にかかりました。

まず、この歯科医はスリープスプリントに関して、「下顎を前に出し、気道を確保することで無呼吸の症状を緩和するためのもの」程度の説明以外、実物あるいは写真等を見せてくれるわけでもなく、また、副作用(顎や歯の痛みの可能性等)を全く説明することもなく、いきなり治療に入ったそうです。

さらには、ブリッジに関し懸念を持っていたにも拘わらず、やはり適切な説明をすることなく、治療を続行したとのことです。
治療中にも、「壊れる」と言っていたとのこと。有り得ない行為です。

お言葉ですが、母は年齢相応の物忘れ以外、大変しっかりしており、今回も自らの判断で一人で受診致しました。(かかりつけの医者にもいつも車で通っています。)

ただ、古い人間ですので、「壊れる」という言葉に不安を抱いたものの、先生を信じてお任せしたそうです。

船橋先生のような先生にお目にかかれていれば、母は全く痛い思いをすることもなかった。。かと思うととても残念です。

この結果に納得がいかず(本人も辛い思いをしておりますし、私も部分入れ歯を外した母の顔を見るたびに胸が痛みます)、現在法的手段を含め、準備をしております。
重ねて、貴重なご意見ありがとうございました。



タイトル 無呼吸症候群用マウスピース装着の歯根破折、歯にかかる力について
質問者 Chobiさん
地域 非公開
年齢 55歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ
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