13歳、レジン系シーラント充填による歯のダメージと今後のメンテナンス

相談者: ドリトレさん (45歳:女性)
投稿日時:2014-01-23 12:52:25
13歳の息子の歯についてご相談させていただきます。

上下4本のEが残存する混合歯列の息子ですが、昨日検診のため初めて行った小児歯科で、4番のシーラントを勧められ充填しました。

5年程前に6番にはシーラント充填済ですが、今回はそんなに磨き辛くない位置にある半年以上前に生えた4番に、果たしてシーラントが必要だったのか気にかかり、帰宅後色々調べたところ、シーラントについては専門家の間でも賛否両論あることを知りました。


@一番気になるのは、シーラントが脱落した場合、段差ができそこから虫歯発生のリスクが高いといわれていることです。

それでは予防予防と言って健全歯にシーラントを行ったばかりに、今後一生脱落する度にシーラントのメンテナンスをし続けなければならないのでしょうか?(現に6番の1本の既設シーラントが一部脱落しており、次回撤去して再充填と言われております。)

A今回充填したのはレジン系シーラントですが、一部だけが欠け落ちることが問題なのでしょうか?(残存シーラントとの間に段差ができるため。)

それなら仮に全部脱落するか、または撤去してしまえば、そのままシーラントをしなくても問題ないでしょうか?

Bレジン系シーラントの充填前にエッチング、プライマー処理を行っており、歯の表面を傷つけてしまいました。
そのダメージとはどの程度のものでしょうか?

今後フッ素MIペーストで努力しても、再石灰化は期待できないでしょうか?


親の知識不足で、息子の大切な歯に不用意にシーラントを充填させてしまい非常に後悔しております。
今後のメンテナンスのためにも是非ご意見、アドバイスをよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-01-23 13:20:09
歯科治療は、”歯医者の行った治療の再治療”が大半を占めています。
なので、歯医者が触らないほうが良いともいえます。

また、歯医者が触ったから予後がよかったのかも知れません。
特に予防的な処置ほど貴方のように悩む率は上がるでしょう。

今回の話で言うと、シーランは悪かもしれないし、善かもしれません。  
どっちになるかは、時間が経過して過去を振り返らないと分かりません。

論文的な考察をいくら振りかざしてみても、目の前の患者を診る上ではあくまで参考でしかありません。


自分の主治医を信じるか信じないか、検診を受けるか受けないか、そういったことかなと思います。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-01-23 13:25:55
こんにちは、

>今後一生脱落する度にシーラントのメンテナンスをし続けなければならないのでしょうか?

私の場合、成人になってシーラントが外れても何もしませんし、それによって問題を起こしている歯というのはあまり経験がありません。


>一部だけが欠け落ちることが問題なのでしょうか?

歯ブラシがきちんと出来ていれば、あまり問題にはならないと個人的には思います。


>それなら仮に全部脱落するか、または撤去してしまえば、そのままシーラントをしなくても問題ないでしょうか?

削って外す方が歯にダメージあると思いますが・・・


>Bレジン系シーラントの充填前にエッチング、プライマー処理を行っており、歯の表面を傷つけてしまいました。そのダメージとはどの程度のものでしょうか?

直ぐに再石灰化してしまう範囲内のものなので、心配しなくていいですよ。


個人的な経験で言えば、適当そうに行ったシーラントで起きたかもしれない虫歯も見ますし、シーラントのおかげか咬合面に虫歯のない方も見ます。

ですので、シーラントが悪いとは思いませんが、もし自分の子供の歯にシーラントをするのであれば、かなり徹底的に歯を洗い、ラバーダム防湿下で拡大鏡、顕微鏡を用いて行うと思います。

専門知識のない歯科助手が作業として行うような、シーラントであればしない方がいいと思います。
 
医療行為ですから、何らかのリスクはありますが、シーラントのリスクで死ぬようなことはありませんので、あまり考え込みすぎない方がいいですよ^^


おだいじに

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2014-01-23 16:34:56
ドリトレさん、今日が

シーラントのついては賛否両論あるようですが、シーラントとしてひとくくりにしてしまうとそのような現症がおきます。


リスクが高いのか低いのか、誰がどのような手順で行ったのかによって、善し悪しが変わってきます。


リスクが高い人に、熟練した術者が、正しい方法で行えば、臨床研究からは良い結果が出ています。

日本では臨床研究の結果だけを読む先生が多く、どのような人に、誰が、どのような手順で行ったかを読みません。

そのため、適応でもないのに、熟練していない術者が(時には無資格者が)、正しい手順に下がわず行われることがあります。

リスクを判定して、適応症を選び、熟練した術者が、正しく行えば、臨床研究に近い結果が得られるはずです。

しかし、残念なことに、そのようなことを実行すれば、保険診療では赤字になります。


観点を変えて、リスクの低い人に行った場合、あるいは、未熟な術者が行った場合、正しい手順をへずに行った場合等の結果については、そのような研究がないので、良いのか悪いのかか、わかりません。

リスクの低い人の関しては、私の感覚として、他の2点が守られていれば、問題ないと思います。
でも、しなくていいのですが。

ちなみに、私の2人の子供には、リスクが低いのでしませんでした。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ドリトレさん
返信日時:2014-01-23 17:56:08
タカタ先生
井野先生
小牧先生

早速のご回答ありがとうございました。

一番不安であった、今後一生に渡りシーラントをし続けなければならないのか?については、井野先生のご回答のように、成人になって脱落した場合は、もう何もしなくても大丈夫なんですね!
ひとまず安心いたしました。

それは、成人になれば虫歯にかかるリスクが減るからという見解でよろしいでしょうか?

とすれば今は13歳ですが、実際何歳ごろまでシーラントのメンテナンスが必要とお考えですか?

仮に、一部が脱離した場合は、全て外して(残りは簡単に外れるのか?削って取り除く必要があるのか?よくわかりませんが…。)やり直すことが必要でしょうか?


実際息子は歯磨きが適当で溝まで磨けていない、且つ溝も深いとの診断でシーラントを行いました。
このような場合、萌え出直後の6番臼歯だけでなく、萌え出後1年経過した4番もシーラントの適応でしょうか?

また酸エッチングによるエナメル質のダメージについては、直ぐに再石灰化してしまう範囲内のものなので心配しなくていいですよ。とのご回答ありがとうございました。

例えば成人になってシーラントが自然に脱離したのなら、そのままにしておけば再石灰化が起こり元に戻ると考えてよいのでしょうか?


お手数ですがご回答いただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2014-01-23 18:40:57
>それは、成人になれば虫歯にかかるリスクが減るからという見解でよろしいでしょうか?

そうですね、歯が完全に生えて数年もすれば歯の表面も強くなり、虫歯に対して抵抗力もでてきますからね。


>とすれば今は13歳ですが、実際何歳ごろまでシーラントのメンテナンスが必要とお考えですか?

基本的に私小児の治療していないので、シーラントのメンテナンスなどしたことありませんが、
歯磨きがしっかりできており、口腔内が綺麗であればそんなに心配することではないと思いますよ。

咬合面は自浄作用も働くところですから。

定期的に先生にチェックしてもらって、担当の先生に判断してもらえばいいと思います。


>実際息子は歯磨きが適当で溝まで磨けていない、且つ溝も深いとの診断でシーラントを行いました。

であればシーラントの議論の前に、歯磨きがしっかり出来るようになることの方が大切だと思いますが?

口腔内が清潔の人と、歯磨きが出来ない人ではリスクが異なりますからね。


>例えば成人になってシーラントが自然に脱離したのなら、そのままにしておけば再石灰化が起こり元に戻ると考えてよいのでしょうか?

何と言うか、ミニマムな所を気にし過ぎのような気もしますが!?
エッチングによる脱灰というのは、放っておいても数日で回復する単位のものです。

ただ、歯磨きができなければここで色々知識を入れた所で、全て机上の空論ですから、ドリトレさんがまずすべきことはお子さんの口の中が清潔な状態でいられるようにすることの方が大切だと思いますよ。

まぁ、私が13歳の頃は歯磨きなんて「めんどくせえ!」と思っていましたけどね、親がうるさく言ってくれ、定期的に口の中をチェックしてくれたおかげで、今の所、私の口の中は小さな虫歯2本ですんでいます^^

まずはお子さんのモチベーションを上げることからですね。


おだいじに

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2014-01-23 19:07:09
>一番不安であった、今後一生に渡りシーラントをし続けなければならないのか?については井野先生のご回答のように、成人になって脱落した場合はもう何もしなくても大丈夫なんですね!
>ひとまず安心いたしました。

リスクが相当高ければ、20代でもまだ心配かもしれませんね。


>それは成人になれば虫歯にかかるリスクが減るからという見解でよろしいでしょうか?

必ずしもそうではないかもしれません。

実際の臨床感覚としては、成人で噛み合わせの溝に虫歯ができて、詰めることはほとんどありませんが、それは、噛み合わせの溝が虫歯になりやすい人は10代か遅くとも20代でで詰めてしまっているため、その年代で詰める必要がなかった、噛み合わせの溝の虫歯のリスクが低い人だからだとも解釈できます。

(全体的な虫歯のリスクと、噛み合わせの虫歯のリスクは必ずしも一致しませんので、リスクを考える場合に、わけて考える必要があります。)


>とすれば今は13歳ですが、実際何歳ごろまでシーラントのメンテナンスが必要とお考えですか?

メインテナンスは、お口の中全体として考えるべきだと思います。
その場合は、一生必要です。

シーラントだけ考えるなら、シーラントのメインテンスは必要ありません。
定期検診で一部破損していないかを確認する必要はあります。

期間は、年齢に関係なく、リスクが高ければ、リスクが低くなるまで。


>仮に、一部が脱離した場合は、全て外して(残りは簡単に外れるのか?削って取り除く必要があるのか?よくわかりませんが…。)やり直すことが必要でしょうか?

多くの場合は、部分的にしなおせば良いと思います。
ただし、残った部分も、簡単に外れてくるようなら、外してからの方が良いですね。


>実際息子は歯磨きが適当で溝まで磨けていない、且つ溝も深いとの診断でシーラントを行いました。

噛み合わせの溝の幅より、歯ブラシの毛先の方が太いので、溝の浅い人でも、溝の中は磨けません。
溝の中を歯磨きできる人は誰もいないのに、正しい虫歯予防をしていれば、多くの人は虫歯になりません。


>このような場合、萌え出直後の6番臼歯だけでなく、萌え出後1年経過した4番もシーラントの適応でしょうか?

4番の溝がシーラントをしなければ予防できない深いのはよほど、稀な状況ですね。

私は、小臼歯の溝が虫歯を(他院で治療した歯の二次虫歯は除く)治療したことは、最近20年間で数本しかありません。


>例えば成人になってシーラントが自然に脱離したのなら、そのままにしておけば再石灰化が起こり元に戻ると考えてよいのでしょうか?

リスクが低ければ、十分考えられます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ドリトレさん
返信日時:2014-01-29 08:47:25
井野先生
小牧先生

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ご回答ありがとうございました。

シーラントのメインテナンス=破損の確認+破損時の再充填という意味で書いておりました。

小牧先生は、シーラントについて期間は年齢に関係なく、リスクが高ければ、リスクが低くなるまで、定期検診で一部破損していないかを確認する必要がある、そして破損時は再充填が必要とお考えなんですね?

そう考えるとやはり安易にシーラントをしてしまったことにより、破損時の虫歯発生のリスクを一生背負う形になってしまったということですね…。

ただ救われたのは、井野先生から、リン酸エッチングによる歯の脱灰は放っておいても数日で回復する単位のものだと伺ったことです。

リン酸エッチングはかなり歯にダメージを与えると書いてあるのを読んだので、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔していました。

今できること、虫歯のリスクが低くなるよう歯磨きをがんばらせたいと思います。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2014-01-29 09:46:47
>リン酸エッチングはかなり歯にダメージを与えると書いてあるのを読んだので、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔していました。

何と言うかネットで仕入れた情報に溺れるぐらいなら、先生を信じた方がいいようにも思えますが。

非科学的なことを推し進める先生もおられるのは事実ですが、そういった先生はかなり少ないですし、大多数の先生は今のスタンダードな考えの元治療はしていますよ。

歯チャンネルやっていて思うのは、ネットで悪い情報ばかり拾って不幸になる人の多さです。
(歯チャンネルも正しい情報ばかり載っている訳ではありませんのでね^^;)

ネットが無かった時代とネットがある時代、どちらが不幸な人の数が多かったのか知りたくもなります。


>リン酸エッチングはかなり歯にダメージを与えると

専門的なことを言えば、昔は削った面全てにリン酸処理をすることが通法でしたが、今のレジンの考え方ではエナメル質だけに限局するエッチングが推奨されています。

象牙質に酸が触れると象牙質のコラーゲンが破壊され、レジンの接着に不利になります。

ただし、先にも書いたように私が学生時代は削った部分全てにエッチングするように教育されました。

医学ですから日進月歩で考え方は変わっていきます。

ネットの情報は出典先やその情報の時期など分かりません。
嘘もホントも一緒くたです。

ですから個人的には、ある程度信用できる先生をこのサイトの情報を頼りに見つけてもらい、そういった先生が見つかったらその先生の方針に従われた方がいいと思います。

実際歯チャンネルやネットの情報で頭がガチガチの方は、こちらも治療がしにくいですし、私の場合は、ネットを止めない限り治療しないと交換条件を出したこともあります。

一々ネットで拾った情報を訂正していくのがメンドクサイです。


>破損時の虫歯発生のリスクを一生背負う形になってしまったということですね…。

シーラントの破損による虫歯のリスクはかなり低いと個人的には思いますし、咬合面に限局するものなので、早期に虫歯の発見は可能で処置も小さなもので済むと思います。
(定期的に先生にチェックをしてもらっての条件ですが)
ですので、ここまで考え込まなくていいですよ。


>今できること、虫歯のリスクが低くなるよう歯磨きをがんばらせたいと思います。

今回のシーラントのリスクとしてはそんなに大きなものではないとおもうので、それでいいと思いますよ^^

おだいじに

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2014-01-29 17:19:21
シーラントについて期間は年齢に関係なく、リスクが高ければ、リスクが低くなるまで、定期検診で一部破損していないかを確認する必要がある、そして破損時は再充填が必要とお考えなんですね?

リスクが高い人はそんなに多くはありません。
ただ、正しくリスクが判定できる先生が少ないかもしれません。

そうすると、短絡的に「シーラントしましょう」「破損したからやり直しましょう」になってしまいます。

「しなくても良いこと」は「しない」という姿勢が必要なのですが。


>そう考えるとやはり安易にシーラントをしてしまったことにより、破損時の虫歯発生のリスクを一生背負う形になってしまったということですね…。

「リスクが高ければ」です。
破損のリスクを一生恐れるよりも、全体のリスクを低く保つことを考えた方が良いと思います。


>今できること、虫歯のリスクが低くなるよう歯磨きをがんばらせたいと思います。

歯磨きを頑張っただけではリスクは低くなりません。
正しい予防の知識を持たれた先生の、指導が必要でしょう。

その前に、現在、本当にリスクが高いのかも疑問ですが。

1人の専門家がこの回答を支持しています  



タイトル 13歳、レジン系シーラント充填による歯のダメージと今後のメンテナンス
質問者 ドリトレさん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯予防
シーラント
子供の虫歯予防
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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