骨粗鬆症のインプラントへの影響について

相談者: めるめるさん (46歳:女性)
投稿日時:2014-04-25 11:52:04
今年1月に右下2番を抜歯してインプラントを検討中です。

この掲示板の過去の投稿も見ましたが最近の物が見つからず、改めて質問させて下さい。



インプラントと骨粗鬆症との関連について。

現時点では骨粗鬆症ではありません。
(1年前の骨密度検査で問題なし、骨粗鬆症の薬の服薬歴もなし)
インプラント手術をする際に大きな問題はないと思います。


しかし今46歳ですが、多分半年位前にもう閉経したので、人より早く骨粗鬆症になるかも知れません。

そこで、不安なのは、もしインプラント治療をした場合の5年後、10年後、20年後、更にその先、、、
不具合が起きたら、手術やり直し等、何らかの処置が必要ですよね?


1)その時点に骨粗鬆症になっていると、処置がやりにくくなったり、トラブルが起こるリスクは高くなりますか?
服薬中の場合は副作用のリスク?


2)逆に骨粗鬆症や薬の影響でインプラントの不具合が起き、処置が必要になるリスクはありますか?


3)インプラントには一度もせず、ブリッジ入れ歯のみにした場合は、上記リスクが軽減しますか?
骨粗鬆症の薬が抜歯に影響すると言うのは以前少し読みました。


以上、宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-04-25 15:16:25
咬合力の掛かっている、機能的に力が加わっている部位では骨粗鬆症は心配ない、と言われています。

又、インプラントが生着して、チャンとメインテナンスされているならば、90過ぎているお婆ちゃんでもチャンと何ともなく使えています。


インプラントと骨粗鬆症の関連を心配される前に、お体の方、足とか腰骨とかへの影響の骨折の方が先に来るでしょう。

なので、お体全体の方の健康をチャンと心掛け、お口のメインテナンスをしっかりするならば、特段問題が生じることはないと思います。


勿論、真面目にプラークコントロールと定期的メインテナンスを欠かさない、と言うことは言うまでもありませんが。

高齢者になると、歯頸部虫歯になり易くなります。

そうなると、ブリッジとか入歯とかでは天然歯がより侵されやすい状態になり、トラブルの原因となると考えられます。


この問題の方も、インプラントの特段の問題ではなく、お口全体の問題と考えていただけるなら、まず先に駄目に成るのは天然歯でしょう。

それが守れる環境を維持されるなら、インプラントも相対的に無事であろう、と予測出来ます。


インプラントは絶対に虫歯になれません。
その点が最大の利点です。

歯周病はインプラントも天然歯もほぼ同じです。

インプラント周囲炎も今話題になっているので、もう少ししたらほぼ克服する方法が確立し出すでしょう。
癌のような難しい病気も、かなり治せる時代に成っているんですから。

どのような難しい病気でも、小さいうちに見付けて、きちんと対応して行くなら、現代は相当にチャンと治せる時代です。
問題はほぼ早期発見、早期治療を出来なかった、と言うことから起きているものです。

つまり、ご心配になっているような事象は、全てチャンとしたメインテナンスに患者さんご自身が主体となって取り組んでいただけるなら、相当に効果を発揮するでしょう、と言うことなんです。



頭脳だけで考えて、それに捉われることで心配になられるのかと思いますが、広く他のこと、お体全体とか残る天然歯とか比較しながらお考え下さい。

骨粗鬆症もまずは食生活、適度な運動の習慣で克服出来る筈ですよ。


個人的な考えですが、薬に頼るのは如何なものか、と思います。

それよりも日常生活習慣をチャンとして改善することでそうならないようにするのが良いと思います。


失礼しました。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-04-25 18:02:54
ご相談ありがとうございます。


インプラント骨粗鬆症との関連について。


とても大切なテーマですね。
世界一の長寿社会を迎えた日本では益々重要になると思います。



>そこで、不安なのは、もしインプラント治療をした場合の5年後、10年後、20年後、更にその先、、、
>不具合が起きたら、手術やり直し等、何らかの処置が必要ですよね?


そういった長期的な展望を目指したインプラント治療計画が必要です。

現実的には歯周病対策、アフターケア計画を含めて基本を正しく守っていれば長く問題は起こらないと思います。

廃用萎縮と言い、体は使わないと衰えますが、インプラントでしっかり噛んでいると骨は活発に新陳代謝されるようです。

むしろご高齢でも骨が太くなった症例も見ています。



>更にその先、

もし介護を受けるようになった場合、受け身でも歯磨きをしてもらいやすい計画も必要です。

またどうしようもなくなった場合には、インプラントとかぶせ物をつないでいるネジを緩めて、上の部分を取り外し、口の中に何も突き出ないようにする最後の手段もとれる設計は便利です。

何よりも介護状態にならず、自立できる生活が重要ですが、それにはインプラントでしっかり奥歯が噛める状態が健康に役立ち、もし脳も身体も守ってもらえれば、最後のギリギリまで自分で歩けて、自立できることが理想です。

つまり、インプラント治療の価値は、骨の中に値が取り戻せると言うことです。
それが放置、ブリッジ入れ歯、とは根本的に違う点です。



>1)その時点に骨粗鬆症になっていると、処置がやりにくくなったり、トラブルが起こるリスクは高くなりますか?


まとまった報告はありませんが、じっさい、今までのところ当院の治療例では術後25年経ってご高齢になっても骨は逆にしっかりしている方がおられます。



>服薬中の場合は副作用のリスク?


骨粗鬆症薬のビスフォスフォネートを使いながらインプラント治療をすることはリスクがあり避けたいところです。

もし命に関わるほどの場合は、その薬を優先してインプラント治療は諦めた方が安全かもしれません。

しかし、骨粗鬆症の予防のために薬を使うのであれば、インプラント治療を優先して転ばないような身体にした方が安心かもしれません。



>2)逆に骨粗鬆症や薬の影響でインプラントの不具合が起き、処置が必要になるリスクはありますか?


インプラントが安定したあとであれば、ケアが正しければあまり心配ないかもしれません。



>3)インプラントには一度もせず、ブリッジや入れ歯のみにした場合は、上記リスクが軽減しますか?


軽減しますがゼロにはなりません。
入れ歯や歯ブラシなどでお口の中に傷をつけた場合は同じ障害が起きる可能性があるとも言われています。



>骨粗鬆症の薬が抜歯に影響すると言うのは以前少し読みました。


抜歯に限らず、インプラント等の手術や骨への外傷なども影響があると言われています。


ちなみに、当院には踵を超音波で測る骨密度測定器があります。
ご心配な場合は、放射線被曝の危険がゼロで測定できます。

また必要な骨密度は、身体全体ではなくインプラントを植えるまさにその場所です。
そこを測定する、最新型歯科用のCTスキャンもあります。

さらに骨粗鬆症や糖尿病ではインプラントに悪条件となりますが、光機能化という、チタンと骨との接触を3倍強くすると言われている対策もあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めるめるさん
返信日時:2014-04-25 22:50:22
松元先生、さがら先生、

お忙しい所、早速の丁寧で分かりやすいご回答をありがとうございました。



>松元先生、
私の拙い質問文に対して、的確なアドバイスをありがとうございました。

知識の無さ故に頭の中で堂々巡りして、視野が狭くなっていました。

どの内容も非常に勉強になり、知らない事、あやふやだった部分がクリアになって来ました。


まずは全身の健康維持が大前提ですね。日常生活の積み重ねですね。
これを機に、主治医の先生や歯科衛生士さんの指導も、もっとチャンと実践するよう頑張ります。




>さがら先生、
私の疑問を一つ一つ解決して頂き、ありがとうございました。

自分が介護される状況についての説明が特に印象的でした。
老後の心配をしてる割には、そこまで想像しておらずとハッとしました。

骨密度測定器の具体的な情報もとても助かります。
歯科用CTの意味も今やっと理解できた感じです。
その他インプラントの基本的な知識もありがとうございました。

長期的な展望を目指した治療計画ができるよう、しっかり主治医の先生と相談して進めたいと思います。



タイトル 骨粗鬆症のインプラントへの影響について
質問者 めるめるさん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
骨粗鬆症
回答者




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  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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