根の短い1番を保存して歯列矯正か、抜歯して変則的な歯列にするか
相談者:
オリーブ0915さん (40歳:女性)
投稿日時:2014-05-14 22:03:43
【長文すみません:左上1番・6番の神経がありません】
以前こちらで、歯列矯正にともなう1番歯抜歯、その後1番の場所に2番を、本来の2番の場所に3番犬歯をもってきて歯の形状を整形するという変則的な矯正について。
という相談させていただきました。
そのせつはアドバイスをいただき、ありがとうございます。
さて、その後、頭では理解しているつもりでも、この変則的な歯列が将来、顔のゆがみや、噛みあわせに不都合になるのではないか?
との心配がぬぐえず、別の医院へサードオピニオンへ行ってきました。
本日診ていただいたのは、矯正専門医では無く「保存歯科?」の専門医で、矯正も施術なされている先生です。
矯正学会?みたいなところへは加盟されておられません。
■保存歯科(?)の先生は、
・1番は神経も無いし、根っこも短いが、抜く必要なし。
・1番を抜かなくても矯正はには耐えうる。
・予後についてもそんなに急激に悪くなることは無いと思われる。(ただし、遠い将来、1番は義歯になる可能性もある)
・左だけ、2番に1番の代わりをさせて、3番犬歯を2番の形に整形するなんて、噛みあわせがグチャグチャになって後々大変なことになる場合もある。
・左は神経の無い1番と6番を両方残して4番(健康)か5番(インレー)を抜いて矯正にかかった方が良い。
・1番を抜くなどありえない。
・顔がゆがむ。
・たとえ将来インプラントになったとしても、左右対称の歯並びでいられるため、噛みあわせも合う。
との診断でした。
■一方、以前から診てもらってる矯正専門医(認定医、指導医)は
・1番は神経も無ければ根も短いし“歯槽骨”が無いので矯正には耐えられない。
・耐えられないのであれば抜いてしまって、そこに2番を〜。
・変則的であっても噛みあわせもあわせることができる(ホンマか?具体的にどうするかは説明なし)。
・1番だけを抜いて4番5番は残す、なるべく健康な歯を残したい。
・正中は合わない場合もある。それは仕方ないあきらめて。
・1番を抜いて2番を代わりにすることで将来インプラントや刺し歯になるリスクを少なくしたい。
・6番も神経は無いが矯正の施術で使うので残す。
・必ず、ココの医院で矯正してよかったと思われるような結果にしてあげる。(ほんまか?)
との診断です。
矯正専門医には、この2カ月、あれこれと質問しすぎて、これ以上質問するのもはばかられます。
(きっと質問ばかりなのでご迷惑をおかけしています)
一旦は、こちらでのアドバイスで前向きになり
矯正専門医の提案どおり、変則的な歯列でも・・・・
と思いました。
でも、保存専門の先生の話を聞いて、どちらが将来的にいいのかわからなくなってきました。
1番が残せるものなら残したい。
でも残せても近い将来インプラントになるようでは、そこも心配。
歯槽骨の無い状態(3Dで見たらほんとに全く無い)
神経を抜いた失活歯。
ぐらつきがある歯。
@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
もういろいろ聞きすぎて、怖くなってきました。
私はただ、できるだけ自分の歯を多く残せそうな方に託し、おばあちゃんになっても入れ歯になることなく、健康に、できるだけ自分の歯と長く暮らしていきたのです。
再度アドバイスをいただけると大変心強いです。
どうかよろしくお願い致します。
以前こちらで、歯列矯正にともなう1番歯抜歯、その後1番の場所に2番を、本来の2番の場所に3番犬歯をもってきて歯の形状を整形するという変則的な矯正について。
という相談させていただきました。
そのせつはアドバイスをいただき、ありがとうございます。
さて、その後、頭では理解しているつもりでも、この変則的な歯列が将来、顔のゆがみや、噛みあわせに不都合になるのではないか?
との心配がぬぐえず、別の医院へサードオピニオンへ行ってきました。
本日診ていただいたのは、矯正専門医では無く「保存歯科?」の専門医で、矯正も施術なされている先生です。
矯正学会?みたいなところへは加盟されておられません。
■保存歯科(?)の先生は、
・1番は神経も無いし、根っこも短いが、抜く必要なし。
・1番を抜かなくても矯正はには耐えうる。
・予後についてもそんなに急激に悪くなることは無いと思われる。(ただし、遠い将来、1番は義歯になる可能性もある)
・左だけ、2番に1番の代わりをさせて、3番犬歯を2番の形に整形するなんて、噛みあわせがグチャグチャになって後々大変なことになる場合もある。
・左は神経の無い1番と6番を両方残して4番(健康)か5番(インレー)を抜いて矯正にかかった方が良い。
・1番を抜くなどありえない。
・顔がゆがむ。
・たとえ将来インプラントになったとしても、左右対称の歯並びでいられるため、噛みあわせも合う。
との診断でした。
■一方、以前から診てもらってる矯正専門医(認定医、指導医)は
・1番は神経も無ければ根も短いし“歯槽骨”が無いので矯正には耐えられない。
・耐えられないのであれば抜いてしまって、そこに2番を〜。
・変則的であっても噛みあわせもあわせることができる(ホンマか?具体的にどうするかは説明なし)。
・1番だけを抜いて4番5番は残す、なるべく健康な歯を残したい。
・正中は合わない場合もある。それは仕方ないあきらめて。
・1番を抜いて2番を代わりにすることで将来インプラントや刺し歯になるリスクを少なくしたい。
・6番も神経は無いが矯正の施術で使うので残す。
・必ず、ココの医院で矯正してよかったと思われるような結果にしてあげる。(ほんまか?)
との診断です。
矯正専門医には、この2カ月、あれこれと質問しすぎて、これ以上質問するのもはばかられます。
(きっと質問ばかりなのでご迷惑をおかけしています)
一旦は、こちらでのアドバイスで前向きになり
矯正専門医の提案どおり、変則的な歯列でも・・・・
と思いました。
でも、保存専門の先生の話を聞いて、どちらが将来的にいいのかわからなくなってきました。
1番が残せるものなら残したい。
でも残せても近い将来インプラントになるようでは、そこも心配。
歯槽骨の無い状態(3Dで見たらほんとに全く無い)
神経を抜いた失活歯。
ぐらつきがある歯。
@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
もういろいろ聞きすぎて、怖くなってきました。
私はただ、できるだけ自分の歯を多く残せそうな方に託し、おばあちゃんになっても入れ歯になることなく、健康に、できるだけ自分の歯と長く暮らしていきたのです。
再度アドバイスをいただけると大変心強いです。
どうかよろしくお願い致します。
回答1
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2014-05-15 02:06:01
こんばんわ。
要するに矯正治療をするに当たって歯根が短い無髄歯の左上1番を抜歯するか残すかという問題だと思います。
不正咬合自体どのようなものかよくわかりませんが個人的には左右非対称というのは避けられたら避けたいところですが歯根の長さをどう評価するにかかっていると思います。
これはしばしば経験することで抜歯を避けたいと仰って来院なさる方がいます、たいていの場合保存してきました。
しかし患者さんにその状況を十分理解していただいた上でのことです、個人的には歯根が短ければ抜歯を選択なさるDrが多いような印象を受けています。
オリーブ0915さまの場合は矯正治療が絡んでいるので慎重な判断が必要でしょう。
>・1番は神経も無いし、根っこも短いが、抜く必要なし。
>・1番を抜かなくても矯正はには耐えうる。
>・予後についてもそんなに急激に悪くなることは無いと思われる。
>(ただし、遠い将来、1番は義歯になる可能性もある)
診察したわけではないのでなんともいえません。
>・左だけ、2番に1番の代わりをさせて、3番犬歯を2番の形に整形するなんて、噛みあわせがグチャグチャになって後々大変なことになる場合もある。
ぐちゃぐちゃにはならないと思います。
>・左は神経の無い1番と6番を両方残して4番(健康)か5番(インレー)を抜いて矯正にかかった方が良い。
いいかもしれませんしよくないかもしれません、つまりこの文面からだけではなんともいえないということです。
>・1番を抜くなどありえない。
診察すればその可否について評価はできると思いますが。
>・顔がゆがむ。
そんなに簡単に顔がゆがむとは考えにくいように思います。
>・たとえ将来インプラントになったとしても、左右対称の歯並びでいられるため、噛みあわせも合う。
左右対称であれば咬み合わせが合うと単純には言えないと思います。
>・1番は神経も無ければ根も短いし“歯槽骨”が無いので矯正には耐えられない。
・耐えられないのであれば抜いてしまって、そこに2番を〜。
耐えられなければ抜歯も致し方ないとは思いますが・・・。
>・変則的であっても噛みあわせもあわせることができる(ホンマか?具体的にどうするかは説明なし)。
矯正治療後2番に1番の形態に似せた補綴をすればそれなりには仕上げることは可能かもしれませんがある程度の形態の不自然さは避けられないと思います。
>・1番だけを抜いて4番5番は残す、なるべく健康な歯を残したい。
ごもっともなことだと思います。
>・6番も神経は無いが矯正の施術で使うので残す。
6番は矯正治療をするに当たってアンカーとして重要な歯ですから通常は抜歯いたしませんが無髄歯ということなので根管治療ができているかどうかが気になります。
>・必ず、ココの医院で矯正してよかったと思われるような結果にしてあげる。(ほんまか?)
結果がでれば判りますが結果がでるまでなんともいえないでしょう。
>これ以上質問するのもはばかられます。
個人的には納得できるまで質問なさったほうがいいとは思いますがDrもうんざりしているのかもしれません。
>どちらが将来的にいいのかわからなくなってきました。
Dr側も難しい判断が必要のような気がいたします。
>でも残せても近い将来インプラントになるようでは、そこも心配。
仮に抜歯になってしまえばブリッジのほうがいいと思います。
>@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
確かにそれなりのリスクは伴うとは思いますがそのリスクについて対処できるかどうかでしょう、対処できれば保存は可能ですしできなければ抜歯に至ると思います。
>Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
顔がゆがむことはないと思いますが3番を2番に作り変えるというのは少々無理があると思います、個人的には見栄えの問題だと思います。
>おばあちゃんになっても入れ歯になることなく、健康に、できるだけ自分の歯と長く暮らしていきたのです。
歯科医はそれに全力を尽くすべきだと思います。
歯根が短い症例、ただし矯正治療はしていません http://yamadashika.jugem.jp/?search=%C3%BB%A4%A4%BB%F5%BA%AC
その2 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1546
その3 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=2758
要するに矯正治療をするに当たって歯根が短い無髄歯の左上1番を抜歯するか残すかという問題だと思います。
不正咬合自体どのようなものかよくわかりませんが個人的には左右非対称というのは避けられたら避けたいところですが歯根の長さをどう評価するにかかっていると思います。
これはしばしば経験することで抜歯を避けたいと仰って来院なさる方がいます、たいていの場合保存してきました。
しかし患者さんにその状況を十分理解していただいた上でのことです、個人的には歯根が短ければ抜歯を選択なさるDrが多いような印象を受けています。
オリーブ0915さまの場合は矯正治療が絡んでいるので慎重な判断が必要でしょう。
>・1番は神経も無いし、根っこも短いが、抜く必要なし。
>・1番を抜かなくても矯正はには耐えうる。
>・予後についてもそんなに急激に悪くなることは無いと思われる。
>(ただし、遠い将来、1番は義歯になる可能性もある)
診察したわけではないのでなんともいえません。
>・左だけ、2番に1番の代わりをさせて、3番犬歯を2番の形に整形するなんて、噛みあわせがグチャグチャになって後々大変なことになる場合もある。
ぐちゃぐちゃにはならないと思います。
>・左は神経の無い1番と6番を両方残して4番(健康)か5番(インレー)を抜いて矯正にかかった方が良い。
いいかもしれませんしよくないかもしれません、つまりこの文面からだけではなんともいえないということです。
>・1番を抜くなどありえない。
診察すればその可否について評価はできると思いますが。
>・顔がゆがむ。
そんなに簡単に顔がゆがむとは考えにくいように思います。
>・たとえ将来インプラントになったとしても、左右対称の歯並びでいられるため、噛みあわせも合う。
左右対称であれば咬み合わせが合うと単純には言えないと思います。
>・1番は神経も無ければ根も短いし“歯槽骨”が無いので矯正には耐えられない。
・耐えられないのであれば抜いてしまって、そこに2番を〜。
耐えられなければ抜歯も致し方ないとは思いますが・・・。
>・変則的であっても噛みあわせもあわせることができる(ホンマか?具体的にどうするかは説明なし)。
矯正治療後2番に1番の形態に似せた補綴をすればそれなりには仕上げることは可能かもしれませんがある程度の形態の不自然さは避けられないと思います。
>・1番だけを抜いて4番5番は残す、なるべく健康な歯を残したい。
ごもっともなことだと思います。
>・6番も神経は無いが矯正の施術で使うので残す。
6番は矯正治療をするに当たってアンカーとして重要な歯ですから通常は抜歯いたしませんが無髄歯ということなので根管治療ができているかどうかが気になります。
>・必ず、ココの医院で矯正してよかったと思われるような結果にしてあげる。(ほんまか?)
結果がでれば判りますが結果がでるまでなんともいえないでしょう。
>これ以上質問するのもはばかられます。
個人的には納得できるまで質問なさったほうがいいとは思いますがDrもうんざりしているのかもしれません。
>どちらが将来的にいいのかわからなくなってきました。
Dr側も難しい判断が必要のような気がいたします。
>でも残せても近い将来インプラントになるようでは、そこも心配。
仮に抜歯になってしまえばブリッジのほうがいいと思います。
>@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
確かにそれなりのリスクは伴うとは思いますがそのリスクについて対処できるかどうかでしょう、対処できれば保存は可能ですしできなければ抜歯に至ると思います。
>Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
顔がゆがむことはないと思いますが3番を2番に作り変えるというのは少々無理があると思います、個人的には見栄えの問題だと思います。
>おばあちゃんになっても入れ歯になることなく、健康に、できるだけ自分の歯と長く暮らしていきたのです。
歯科医はそれに全力を尽くすべきだと思います。
歯根が短い症例、ただし矯正治療はしていません http://yamadashika.jugem.jp/?search=%C3%BB%A4%A4%BB%F5%BA%AC
その2 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1546
その3 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=2758
回答2
仙台東口矯正歯科(仙台市宮城野区)の堀内です。
回答日時:2014-05-15 12:48:51
以前のご相談と今回のご相談、どちらも拝読しました。
複数の歯科医師から、異なった意見を説明されて、現在は、迷われているという状況ですね。
一般論においても、このような状況での歯科治療では、複数の治療選択肢に利点・欠点が存在し、さらに上顎左側1番の長期予後の予測が難しいため、単純な正解は存在しない状態であると推測されます。
また、ネット相談では、実際の状況はわからないため、実際の状況に即したアドバイスができません。以下はあくまで一般論になります。
私自身が治療計画を立てる場合には、ある程度の上顎左側1番の長期予後が期待できるのであれば、1番を保存することを前提に、矯正治療を開始できれば、助かるなと感じることが多いです。
以前のご相談の際に、「2番を1番の位置に配列して、補綴的な形態修正を行う」という治療選択肢について、「治療後、患者さんが審美的満足を得ることが可能であったケースを経験されたことがある」という回答もありましたが、実際には、2番の大きさ、特に歯頸部の太さが細い場合には、かなり治療難易度が高いことが予測されます。
私自身は、矯正医であるため、補綴治療は担当しません。
しかし、包括的な歯科治療計画において、矯正治療後の補綴治療が必要な場合には、矯正治療開始前に、補綴治療を担当する歯科医師と事前検討を行います。
その際に、上顎前歯部は、もっとも目立つ部位であるため、審美的な面で、特に慎重な事前検討を行います。
上顎2番を上顎1番の位置に矯正移動後に、補綴的カモフラージュ行う場合には、2番の大きさが小さく、歯頸部が細い場合には、2番歯頸部の細さに対して、補綴的対応で1番と同じような形態にカモフラージュすることは、補綴担当医や技工士のテクニックが、いかに優れていても、技術的にとても困難であり、審美的な満足が得ることが難しいです。
ただし、2番の大きさが、1番とあまり変わらない場合には、大きな問題とは、ならない場合もあります。
また、3番を2番にカモフラージュする場合、左右側で対称に3番を2番の位置に配列する場合でも、審美的満足を得られないと感じる患者さんもいます。
更に、今回のように、「左側では、3番を2番の位置に配列、右側は2番の位置に2番を配列」する場合では、患者さんの審美的な満足を得るような仕上がりを補綴的カモフラージュで、達成することは、両側の3番を2番部に配列した場合と比較すると、かなり難易度が高いことが、予測されます。
もちろん、審美面だけではなく、後方歯を含め、機能的なかみあわせ(咬合)を付与する難易度も高くなることが予測されます。
可能であれば、有料であったとしても、矯正治療を開始する前に、予測模型(セットアップモデル)を矯正歯科医と補綴担当医、補綴担当技工士の共同で、製作していただき、さらに、事前に、同じような条件をもった、担当医が過去に治療した、歯科治療ケースの最終的な仕上がりについて、口腔内写真や顔面写真(スマイル写真など)をみせていただいてから、最終的な治療選択をされることが望ましいと思います。
なお、1番の神経がなくても、根管治療がしっかりと行われている場合には、歯内療法的な観点からは、長期予後に、問題が発生しない場合も多いと思います。
しかし、歯周病が重度で、1番の周辺歯槽骨がほとんど存在しない状態であることが、3DCTで確認されているということであれば、歯周病的な観点からは、1番の長期予後は、期待できないかもしれません。
そのような具体的な診断については、実際の状況を把握されている、複数の担当歯科医師の意見を、冷静に聞いて、それでも、不安が残る場合には、更にべつの歯科医師の意見を聞かれた方が、後々どのような結果となったとしても後悔しないのではないかと思います。
たとえ、矯正治療中や、治療後早期に、1番の抜歯が避けられない状態となった場合でも、1番を1番の位置、2番を2番の位置、3番を3番の位置に配列するような、定型的な矯正治療計画で、理想的な歯並び・かみ合わせ(咬合)が確立されている場合には、ブリッジなどの補綴的対応で、1番欠損部を、審美的にも機能的にも良好な状態に回復することは、難易度が低い場合が多いと思います。
相談者さんが、できれば抜歯をしたくないという希望を持たれていることには、とても共感できるのですが、1番の抜歯を避けることを無理に優先することによって、将来的に、審美面や機能面で、大きな問題が発生する可能性はないのか、実際受診されている複数の歯科医師に充分に説明を求め、理解・納得のうえで、治療を受けられることをお勧めします。
もし、現在受診されている、複数の歯科医師の説明を求めても、不安が解消されない場合には、更に別の矯正歯科医院で、実際の状態を検査した上での意見を、ご相談者さん自身が納得できるまで、粘り強く求めた方が無難かと思います。
文末の質問にも回答しますね。
@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
→実際の状態を診ていない、ネット相談では、残念ながら判断ができないと思います。
Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
→ かみあわせに不都合が発生するかは、ネット相談では予測できませんが、定型的な配列を選択する場合よりは、難易度の高い矯正治とならざるを得ないことが、予測されます。
また、骨格に変化はないことが予測されますが、口元の審美性に満足が得られない可能性があります。
複数の歯科医師から、異なった意見を説明されて、現在は、迷われているという状況ですね。
一般論においても、このような状況での歯科治療では、複数の治療選択肢に利点・欠点が存在し、さらに上顎左側1番の長期予後の予測が難しいため、単純な正解は存在しない状態であると推測されます。
また、ネット相談では、実際の状況はわからないため、実際の状況に即したアドバイスができません。以下はあくまで一般論になります。
私自身が治療計画を立てる場合には、ある程度の上顎左側1番の長期予後が期待できるのであれば、1番を保存することを前提に、矯正治療を開始できれば、助かるなと感じることが多いです。
以前のご相談の際に、「2番を1番の位置に配列して、補綴的な形態修正を行う」という治療選択肢について、「治療後、患者さんが審美的満足を得ることが可能であったケースを経験されたことがある」という回答もありましたが、実際には、2番の大きさ、特に歯頸部の太さが細い場合には、かなり治療難易度が高いことが予測されます。
私自身は、矯正医であるため、補綴治療は担当しません。
しかし、包括的な歯科治療計画において、矯正治療後の補綴治療が必要な場合には、矯正治療開始前に、補綴治療を担当する歯科医師と事前検討を行います。
その際に、上顎前歯部は、もっとも目立つ部位であるため、審美的な面で、特に慎重な事前検討を行います。
上顎2番を上顎1番の位置に矯正移動後に、補綴的カモフラージュ行う場合には、2番の大きさが小さく、歯頸部が細い場合には、2番歯頸部の細さに対して、補綴的対応で1番と同じような形態にカモフラージュすることは、補綴担当医や技工士のテクニックが、いかに優れていても、技術的にとても困難であり、審美的な満足が得ることが難しいです。
ただし、2番の大きさが、1番とあまり変わらない場合には、大きな問題とは、ならない場合もあります。
また、3番を2番にカモフラージュする場合、左右側で対称に3番を2番の位置に配列する場合でも、審美的満足を得られないと感じる患者さんもいます。
更に、今回のように、「左側では、3番を2番の位置に配列、右側は2番の位置に2番を配列」する場合では、患者さんの審美的な満足を得るような仕上がりを補綴的カモフラージュで、達成することは、両側の3番を2番部に配列した場合と比較すると、かなり難易度が高いことが、予測されます。
もちろん、審美面だけではなく、後方歯を含め、機能的なかみあわせ(咬合)を付与する難易度も高くなることが予測されます。
可能であれば、有料であったとしても、矯正治療を開始する前に、予測模型(セットアップモデル)を矯正歯科医と補綴担当医、補綴担当技工士の共同で、製作していただき、さらに、事前に、同じような条件をもった、担当医が過去に治療した、歯科治療ケースの最終的な仕上がりについて、口腔内写真や顔面写真(スマイル写真など)をみせていただいてから、最終的な治療選択をされることが望ましいと思います。
なお、1番の神経がなくても、根管治療がしっかりと行われている場合には、歯内療法的な観点からは、長期予後に、問題が発生しない場合も多いと思います。
しかし、歯周病が重度で、1番の周辺歯槽骨がほとんど存在しない状態であることが、3DCTで確認されているということであれば、歯周病的な観点からは、1番の長期予後は、期待できないかもしれません。
そのような具体的な診断については、実際の状況を把握されている、複数の担当歯科医師の意見を、冷静に聞いて、それでも、不安が残る場合には、更にべつの歯科医師の意見を聞かれた方が、後々どのような結果となったとしても後悔しないのではないかと思います。
たとえ、矯正治療中や、治療後早期に、1番の抜歯が避けられない状態となった場合でも、1番を1番の位置、2番を2番の位置、3番を3番の位置に配列するような、定型的な矯正治療計画で、理想的な歯並び・かみ合わせ(咬合)が確立されている場合には、ブリッジなどの補綴的対応で、1番欠損部を、審美的にも機能的にも良好な状態に回復することは、難易度が低い場合が多いと思います。
相談者さんが、できれば抜歯をしたくないという希望を持たれていることには、とても共感できるのですが、1番の抜歯を避けることを無理に優先することによって、将来的に、審美面や機能面で、大きな問題が発生する可能性はないのか、実際受診されている複数の歯科医師に充分に説明を求め、理解・納得のうえで、治療を受けられることをお勧めします。
もし、現在受診されている、複数の歯科医師の説明を求めても、不安が解消されない場合には、更に別の矯正歯科医院で、実際の状態を検査した上での意見を、ご相談者さん自身が納得できるまで、粘り強く求めた方が無難かと思います。
文末の質問にも回答しますね。
@このような歯、残しても将来希望が持てませんか?
→実際の状態を診ていない、ネット相談では、残念ながら判断ができないと思います。
Aそして、矯正医の言うとおり、3番を2番に作りかえてしまうことによって噛みあわせに不都合がでたり、顔がゆがんだりしますでしょうか?
→ かみあわせに不都合が発生するかは、ネット相談では予測できませんが、定型的な配列を選択する場合よりは、難易度の高い矯正治とならざるを得ないことが、予測されます。
また、骨格に変化はないことが予測されますが、口元の審美性に満足が得られない可能性があります。
相談者からの返信
相談者:
オリーブ0915さん
返信日時:2014-05-17 20:10:03
>山田先生、ご回答ありがとうございます。
やはり左右非対称は避けたいところなのですね・・・・。
私は、実は一番最初は「左1番を助けてください。」という内容で一般歯科医を受診したのです。
そこで、矯正専門医へ紹介され、今のような診断に至る。。。
という次第です。
1番は歯槽骨もないし、根っこも半分しかないし、神経もないから。
という、理屈はよくわかります。
歯槽骨が無いからこそ、将来、インプラントも難しいであろうという矯正医の考えで、2番を1番に〜。。。と考えてくれたこともよくわかります。
(矯正の先生はもともとインプラント反対の考えをお持ちです)
でも、形状整形によて3番犬歯までをも失ってしまうことにものすごく不安があったのです。。。
山田先生がおっしゃるように、3番犬歯を2番に形状整形してもそう簡単に顔がゆがむことはマレだということで少しは安心しました。
矯正の先生は噛みあわせについても「大丈夫大丈夫ちゃんとするから〜。」
とおっしゃるのですが、3番犬歯を失うことが心配すぎて夜も寝られなくなってしまいました。
山田先生のアドバイスどおり、一度、歯科保存の先生に、矯正中の左1番のケアと、対処を具体的に聞いてみます。
心への負担が大きすぎて、不安にあることもありますゆえ、また性懲りもなく質問させていただくことが多いと思います。
その際はまたアドバイスいただけると嬉しいです。
ご多忙中、親切な細かいアドバイス、ありがとうございます。
思考を整理するキッカケになりました。
ありがとうございました。
(山田先生のHP拝見しました。ものすごくためになる内容で、休み時間に会社の同僚と一緒にずーと見させていただいてます。)
やはり左右非対称は避けたいところなのですね・・・・。
私は、実は一番最初は「左1番を助けてください。」という内容で一般歯科医を受診したのです。
そこで、矯正専門医へ紹介され、今のような診断に至る。。。
という次第です。
1番は歯槽骨もないし、根っこも半分しかないし、神経もないから。
という、理屈はよくわかります。
歯槽骨が無いからこそ、将来、インプラントも難しいであろうという矯正医の考えで、2番を1番に〜。。。と考えてくれたこともよくわかります。
(矯正の先生はもともとインプラント反対の考えをお持ちです)
でも、形状整形によて3番犬歯までをも失ってしまうことにものすごく不安があったのです。。。
山田先生がおっしゃるように、3番犬歯を2番に形状整形してもそう簡単に顔がゆがむことはマレだということで少しは安心しました。
矯正の先生は噛みあわせについても「大丈夫大丈夫ちゃんとするから〜。」
とおっしゃるのですが、3番犬歯を失うことが心配すぎて夜も寝られなくなってしまいました。
山田先生のアドバイスどおり、一度、歯科保存の先生に、矯正中の左1番のケアと、対処を具体的に聞いてみます。
心への負担が大きすぎて、不安にあることもありますゆえ、また性懲りもなく質問させていただくことが多いと思います。
その際はまたアドバイスいただけると嬉しいです。
ご多忙中、親切な細かいアドバイス、ありがとうございます。
思考を整理するキッカケになりました。
ありがとうございました。
(山田先生のHP拝見しました。ものすごくためになる内容で、休み時間に会社の同僚と一緒にずーと見させていただいてます。)
相談者からの返信
相談者:
オリーブ0915さん
返信日時:2014-05-17 20:34:28
>堀内先生、ご回答ありがとうございます。
矯正の先生は、かなり腕の良い先生のようで、今までの施術例などを見せていただいた際も、それはそれはキレイに治してらっしゃいます。
他府県から遠方の患者さんも多くいらっしゃいます。
しかし。。。。
しかしなのです。。。。
それは私のように左1番を失って、2番〜3番を詰めて配列した患者さんたちではありません。
堀内先生のおっしゃるように、本当は模型を作っていただきたいのですが、怒られそうでなかなか言えずにいます。。。
(というかたぶん怒られる。。。。)
矯正中の歯根吸収も心配なので
「矯正中レントゲンなどを撮って確認などされますか?」
と聞いたところ
「うちではレントゲンなんか撮れへんで」
との返答で、そこも心配な種のひとつです。
堀内先生のお考えではやはり、審美面が気になるみたいなので、そのヘンも心配です。
そりゃそうですよね、、、、、3番犬歯を2番の平べったい歯に整形するんですものね。。。。。
審美面もさることながら、3番を失ってしまって、噛みあわせのキーになる歯を無くすことの恐怖もありますし。。。。
難易度が高いんですね。。。そういう施術って。。。
こちらで相談させていただいて、堀内先生をはじめいろいろな先生の御意見を聞くことで、自分が本当はどうしたいのか整理することができたような気がします。
将来、抜け落ちてしまうかもしれなくても、1番を抜かずに左右4番(無傷)を抜いてオーソドックスな矯正をした方が良いような気がしてきました。
あまり複雑な施術をしない方が、堀内先生のアドバイスにあったようにあとあと、なにかしらのリカバリー方法が多いような気がしますもの。。。
矯正の先生が
「なるべく自分の歯を多く残してあげたい。だから無傷の4番は残す」
とおっしゃってくれましたが、それもこれも前歯の審美性と不都合のない噛みあわせがあってのことですものね。
堀内先生、ありがとうございます。
ちょっと心がラクになりました。
これからまだ、矯正歯科の先生とお話合いが待ってますので心が折れてしまうことがあります。
その時はまたこちらで御相談させてください。
御丁寧で親身なアドバイスありがとうございました。
矯正の先生は、かなり腕の良い先生のようで、今までの施術例などを見せていただいた際も、それはそれはキレイに治してらっしゃいます。
他府県から遠方の患者さんも多くいらっしゃいます。
しかし。。。。
しかしなのです。。。。
それは私のように左1番を失って、2番〜3番を詰めて配列した患者さんたちではありません。
堀内先生のおっしゃるように、本当は模型を作っていただきたいのですが、怒られそうでなかなか言えずにいます。。。
(というかたぶん怒られる。。。。)
矯正中の歯根吸収も心配なので
「矯正中レントゲンなどを撮って確認などされますか?」
と聞いたところ
「うちではレントゲンなんか撮れへんで」
との返答で、そこも心配な種のひとつです。
堀内先生のお考えではやはり、審美面が気になるみたいなので、そのヘンも心配です。
そりゃそうですよね、、、、、3番犬歯を2番の平べったい歯に整形するんですものね。。。。。
審美面もさることながら、3番を失ってしまって、噛みあわせのキーになる歯を無くすことの恐怖もありますし。。。。
難易度が高いんですね。。。そういう施術って。。。
こちらで相談させていただいて、堀内先生をはじめいろいろな先生の御意見を聞くことで、自分が本当はどうしたいのか整理することができたような気がします。
将来、抜け落ちてしまうかもしれなくても、1番を抜かずに左右4番(無傷)を抜いてオーソドックスな矯正をした方が良いような気がしてきました。
あまり複雑な施術をしない方が、堀内先生のアドバイスにあったようにあとあと、なにかしらのリカバリー方法が多いような気がしますもの。。。
矯正の先生が
「なるべく自分の歯を多く残してあげたい。だから無傷の4番は残す」
とおっしゃってくれましたが、それもこれも前歯の審美性と不都合のない噛みあわせがあってのことですものね。
堀内先生、ありがとうございます。
ちょっと心がラクになりました。
これからまだ、矯正歯科の先生とお話合いが待ってますので心が折れてしまうことがあります。
その時はまたこちらで御相談させてください。
御丁寧で親身なアドバイスありがとうございました。
タイトル | 根の短い1番を保存して歯列矯正か、抜歯して変則的な歯列にするか |
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質問者 | オリーブ0915さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 40歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
矯正で抜いた・抜く予定 抜歯:1番(中切歯) 歯列矯正の治療法 |
回答者 |
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