[写真あり] 清掃性のよいインプラントの上部構造の歯の形

相談者: ココンドンコさん (45歳:男性)
投稿日時:2014-08-27 12:47:18
右下奥歯インプラントを考えています。

長持ちさせるには歯磨きが大事と聞き、インプラント上部構造の歯(IN歯)の形状と歯周病の関係について興味を持ちました。


IN歯と歯茎の間を磨きやすくするためには、逆三角形の歯が形状的にはもっとも良いのでしょうか?
(インプラントが奥歯で見えないため、機能面を重視し見栄えを無視する場合)

IN歯を本物の歯のように見せた場合、IN歯と歯茎に薄い隙間ができるように思うのですが、密着させることで食べ物は完全に入り込まなくすることは可能ですか?


隙間が狭いと汁物などが入り込むが歯磨きができないなどあるのかと思い質問させていただきました。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-08-27 15:46:49
ちょっと、趣旨が見えないのですが…^_^;


実はインプラントの種類により、上部構造の形態(特に粘膜貫通部)は異なります。

僕が使っているストローマンを例にすると「ボーンレベル」と「ティッシュレベル」で考え方が異なります。

「ティッシュレベル」の場合、粘膜貫通部はフィクスチャーの形態(まん丸)に依存しますので、隣在歯との隙間は大きくなりやすいです。
結果的には歯間ブラシなどは通りやすくなり清掃性は良いと思います(その分、見た目は悪くなります)。


逆に「ボーンレベル」の場合、粘膜貫通部は自由に設計できるので天然歯に近い形態にして隙間を少なく、フロスで清掃した方が良い形態にする事が多いです(もちろん、見た目も良いと思います)。




>密着させることで食べ物は完全に入り込まなくすることは可能ですか?

天然の歯でも完全に入り込まないと言う事は無く、常に滲出液が循環して最近を洗い流すような仕組みになっています。
インプラントの場合、滲出液が出続けるという事は無いので、天然歯以上に唾液による自浄作用を期待する事になります(それ以前にプラークをためない事が大前提ですが)。


ただ、臨床的には健康な歯肉は天然歯にもインプラント周囲にもタートルネックのセーターのように「引き締まった状態」で接しているので「固形の食べかす」が入り込むと言う事はほとんどありません。

炎症が起こるとこの「引き締まった状態」から「緩んだ状態」になりますので、食べかすが入りこんで重篤な歯周病インプラント周囲炎)に進行しやすくなりますので、注意が必要です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ココンドンコさん
返信日時:2014-08-27 18:39:21
櫻井先生

ためになりました。
ありがとうございました。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-08-28 15:52:00
解決後ですが、好きな話題なので少し・・

一般的には櫻井先生が書かれた「ボーンレベル」のことが多いですから、それを前提で回答します。


下顎大臼歯は元々約1cm四方の四角形に近い形ですが、埋入するインプラントは直径4mm程度の丸形であることが多いので、形状としてはインプラント自体が不向きと言っても良いぐらい無理があります。

ポイントは「粘膜貫通部」の「素材」と「形状」をどうするか?ですが、インプラント周囲歯肉炎症予防を最重要視した場合「素材」については可能ならジルコニアセラミック(ただし強度的に臼歯部では難ありかも?)が良いと言われており、次に一般的な強化チタン、一番注意が必要なのが合金となります。



セラミックの場合も、表面の研磨をどの程度行うか? で多少の差がある様です。
案外と研磨しすぎよりそのわずかに手前ぐらいがベストかも?という報告もあるそうです。


「形状」は特に重要で、「マージン」と呼ばれるクラウンと粘膜貫通部(大抵は強化チタン製のアバットメント)との連結部分の位置は問題視されやすいです。

連結部分はどうしても小さい隙間や段差が残りますので不潔になりやすいですし、アバットメントとはセメントで合着する場合とネジで固定する方法があるのですが、セメント合着の場合で、マージンが歯肉の下(つまり粘膜貫通部のエリア)に隠れる場合、セメントの取り残しが結構な確率で見られ、その場合は炎症に直結します。


ですから理想は連結部がない作り方(下リンク中に掲載してある写真を参考に)、次は縁上マージン(マージンが外から見える作り方 ※この回答文の下に画像添付)、一番慎重に行わなくてはいけないのが縁下マージン(マージンが歯肉の中に隠れている)という順番になるでしょうね。

参考→〔写真あり〕インプラントの冠の噛合せ部分に金属が露出している



あと悩ましいのがココンドンコさんも指摘されている様に、元の歯に形状を似せて、歯肉貫通部を1cm四方の四角形に近づける(※下添付画像)か、約4mmの丸形から移行的に拡げる(※リンク先画像)かですが、これについてはケースバイケースかなと思います。

隙間が広すぎても歯間ブラシがうまく当たらなくなるケースもありますので、可能ならフィクスチャー(インプラントの骨に埋入する部分)の直径を太めのものを選択しておくというのもおそらく有効だと思います。

個人的には緩やかな、移行的な形態(※リンク先画像)が好きですね。
仮歯の段階で、「歯ブラシが当てやすく、隙間は歯間ブラシが抵抗感を持って出し入れ出来るギリギリの大きめ」を探っていくことが当院では標準的です。



ただ散々書きましたけど、上記はおそらく担当される先生の方で判断されるのがほとんどだと思います。
患者さんに選択出来る可能性が比較的高いのは上部構造(クラウン)の素材だと思いますが、歯周病(=プラークの落としやすさ)という観点から順位をつけるなら、

理想はオールセラミック、次がメタルボンド及びメタルクラウン、一番注意が必要になるのはハイブリッドセラミックという順番だと思います。
(セルフケアやクラウンの精度の方がもっと重要なのは言うまでもないとして。。)



主治医の先生のお考えを聞いて、よく相談して下さいね。

画像1画像1







タイトル [写真あり] 清掃性のよいインプラントの上部構造の歯の形
質問者 ココンドンコさん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
その他(写真あり)
回答者




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