顎関節症患者へのインビザライン矯正について(米国)

相談者: Chiffon2さん (38歳:女性)
投稿日時:2014-09-17 12:43:03
顎関節症に起因する頭痛で、アメリカにて専門歯科受診、K7システムを用いてマウスピースを作成しました。

(以前、この治療についてご相談させていただきました。
結局藁にもすがる思いで、この治療を選択したものです。)

幸い、三ヶ月の装着で、常在的だった頭痛と耳の奥の痛みが取れ、満足のいく結果が得られました。
マウスピースを着けると、普段歪んでいる上下の歯の中心線が合う噛み合わせになります。


次の段階として、DRからインビザラインをすすめられました。
私も頭痛はとれたし、手軽に歯並びがキレイになるなら!と乗り気になっています。

が、一旦インビザラインに着手して歯並びが変ると、このせっかく作ったありがたーいマウスピースは二度と使えなくなる訳で、あの痛みがまた戻ったら、、、という心配があります。

更に、日本の歯科サイトで情報収集していると、インビザライン不適用症例として、「下顎が小さく、顎の位置が不安定な症例」マウスピースにより咬合面を覆って歯を動かすため、顎位が不安定な症例では、顎位の変化が大きく起こる可能性がありとありました。

まさに自分に当てはまり、明らかな適用外ではないか?とも思うのです。



DRに不安を投げかけたのですが、痛みが絶対戻らないとは言い切れないけど、と前置きしつつ、歯並びがキレイになれば噛み合わせもよくなる(マウスピースなしでも中心線が合う)わけだから、根治療法になるはずだよ、とやはり強くすすめます。

だったら、K7の前にインビザラインやれば良かったんじゃないのか?いや、「顎関節症だから歯科矯正、という論理はありえない」といろんな所に書いてあるし、、、と考えても混乱してなかなか結論が導き出せません。


先生方のご見解を賜わりたく、投稿させて頂きました。
何卒よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2014-09-17 17:10:09
>「顎関節症だから歯科矯正、という論理はありえない」といろんな所に書いてあるし、、、

顎関節症は多くの要因が重なって発症するとされていますが、わたくしは、不正咬合が大きな要因を占めていると確信できる時は、良くなることを証明しながら、いきなり矯正治療を始めます。

ADAもいきなりの矯正治療は薦めていませんが、能力次第と思っています。
顎関節症で見られる咬合問題は、私的には下顎の位置不正が問題で、多くは咬合高径の問題を抱えていると思います。


>上下の歯の中心線が合う噛み合わせになります

このことも、ずれている方向のかみ合わせが低いことを経験します。
この様な場合(正中線があった後は)ずれている側の上下の歯に隙間が見られることがあります。

矯正するにあたって、このようなことを意識して、せっかくマウスピースで得られた正しいと思われる顎位を変化させないような、矯正をしなければなりません。

矯正を勧める歯科医がそのようなことを意識して、技工指示書を出すかにかかっています。

そして本来インビサラインは歯牙圧下挺出には向いてていないのですが、歯にアタッチメントを取り付けて、対処するようになっているようです。


感じたままを書きましたが、参考程度にしてください。

正中線のズレは他に原因があることも多く、申し添えておきます。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-09-17 18:05:00
主治医の先生の様なご意見もあるかとは思いますが、個人的には顎関節の弱い方へのインビザラインは慎重に考えています。

元々顎に顎関節症症状のあった方が他院でインビザラインを開始したところ、症状が悪化して継続出来なくなって無駄になった、ということを経験したことがあります。

理屈的にもインビザラインのマウスピースアライナー)を装着することは顎には負担になり得るため、顎が弱くてかつ矯正治療の希望がある場合にはワイヤー矯正をお勧めしますし、インビザライン社のガイドラインでもそうなっていたと思います。

基本的にインビザラインで矯正が出来る症例ならワイヤー矯正でも同等の結果は出せるはずですので、そこでわざわざリスクを取る必要はない様に思いますが・・



ただこれは個人的な経験から来る考えでもありますし、主治医の先生も経験上大丈夫だろうとのご判断でしょうから、大丈夫なのかも知れませんね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chiffon2さん
返信日時:2014-09-19 03:00:17
松山先生

ご回答ありがとうございます。

先生のブログ拝見致しました。
疑問に思っていたことがスッキリした気持ちです。

私のケースは「歯列矯正により顎関節症が改善する」ケースだったのかもしれません。
初めに松山先生にお会いしたかった!

しかし、それはマウスピースで症状が改善した今だから解ることであって、頭痛に苦しんで受診し、米国で数年かかるかもしれない矯正をすすめられても、選択できなかったかも、とも思うのです。


DRに

「私の最重要問題は顎の位置、これをコントロールしながらインビザラインは可能か」

と尋ねたら、答えはNo、インビザラインは額位や噛み合せの調整と無関係とのことでした。

松山先生のご回答では、対処法もある、ということですよね?
主治医は私の不安に対し、

「とりあえず写真を送って、インビザラインの進行計画をつくり見てみよう。
最終的に正中線が合うだろう。
それでやるかどうか決めればいい。」

と。
自分の歯列が綺麗になっていく画像を見たら、きっと断わらないだろう、と思いつつ。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chiffon2さん
返信日時:2014-09-19 06:38:22
渡辺先生
ご回答ありがとうございます。

矯正は、顎関節症治療の流れで主治医に勧められたもので、私は軽度なのでインビザラインでいけるだろう、とのことでした。

ワイヤー治療に関しては話に上がったこともないのです。
顎位が不安定な場合、ワイヤー治療の方が低リスクということでしたら、選択肢として相談してみようと思います。
回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2014-09-19 15:24:39
顎関節治療において、一時的な回復感はよく認められるようです。

現在の比較的良好な状態が長く続くとよいのですが、万一再発することがあったら、そして、そのときに噛み合わせ状態が変化していたら、元の状態にすらリセット出来なくなります。

インビザライン、ワイヤーに関わらず、まだ三ヶ月程度の経過観察では歯列・噛み合わせを積極的には変化させない方が無難に思えます。(個人的意見です!)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chiffon2さん
返信日時:2014-09-20 08:47:57
藤森先生
ご回答ありがとうございます!

私の上下の歯列は、歪んだ位置での噛み合せが安定するので、マウスピースを外すとやはり顎関節及び周辺の筋肉に負担がかかる状態に流れます。

ですから、マウスピースを長期間付けずにいると、程度や時期は想像できませんが、頭痛は必ずまたやってくると思っています。
(現在症状はありませんが、睡眠時のみ装着しています。)

@このままマウスピースで補正しながら生きていくか。
A上手くいくかはまだ確信が持てませんが、正常位置で噛み合せできるような歯列に矯正するか。
の二択だと考えています。

先生のお考えでは、マウスピース装着期間が三ヶ月では不十分ということでしょうか。
それともAの選択は奨めない、ということでしょうか。

いろいろいなご意見を知りたいと思っています。
宜しくご教示ください。
回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2014-09-20 23:05:58
もし仮に、上下の正中が一致した位置が健常だとすると、何故、その状態から逸脱したのかの検証が必要だと思います。

例えば、右膝の痛みを原発として、そこを庇う様な歩行様式を身に着けたとします。
しかし、その歩行様式に耐えられずに、今度は負担の掛かっていた左足首に痛みが起こったとします。

一旦、左足首を治すことが出来たとしても、その歩行様式、更には右膝が改善しなければ、左足首の痛みは再発する可能性があります。

果たして、このような状況下にあるのかどうかは全く解りませんが、色々な可能性は考える方がよいと思います。(全くの個人的意見です)




タイトル 顎関節症患者へのインビザライン矯正について(米国)
質問者 Chiffon2さん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
顎関節症
アメリカ(米国)
回答者




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