インプラントのための骨充填で人骨を選んだ場合(アメリカ)
相談者:
歯科相談(アメリカ)さん (39歳:女性)
投稿日時:2015-06-08 21:15:55
以前にも一度ご相談させて頂き、その後、専門医の意見も聞いたのですが、まだ決断出来ずにおります。
右下6番が歯茎下で虫歯になっており、抜歯が不可避な状況です。
歯根自体は健康です。
将来インプラントを考えているのであれば、抜歯時の骨充填(インプラント用ソケットプリザベーション)が必要というのがアメリカの歯科医の多くの判断です。
骨充填は、
@人骨
A牛の骨
B人工の骨
と3つあり、親和性が一番高い@人骨を勧めると。心理的に抵抗があるなら、A牛の骨でも良い。
B人工の骨はあくまでも人工的なもので親和性は良くない。
自身でどの骨にするか、選択して良いと言われ、悩んでいます。
また、インプラント専門医では、骨充填の際に歯肉を切り開き、骨全体が上からも横からも見られる状態にして処置をすると言われました。
そこで2つ質問させてください。
1.骨充填の材料は@人骨を選んでも、人体への悪影響(未知の病原体等)のリスクは無いと考えて良いのでしょうか?
2.抜歯時骨充填の際は、歯肉を門開きのように四角く切り開くことが一般的なのでしょうか?
(そこまでしなくても充填できるように思うのですが。)
このまま放置しても良いことはないので、早く抜歯→取り外し式の入れ歯作成→インプラント埋入に進んでいきたいと思うのですが、抜歯時の処置を決めかねており、迷っています。
宜しくお願い致します。
右下6番が歯茎下で虫歯になっており、抜歯が不可避な状況です。
歯根自体は健康です。
将来インプラントを考えているのであれば、抜歯時の骨充填(インプラント用ソケットプリザベーション)が必要というのがアメリカの歯科医の多くの判断です。
骨充填は、
@人骨
A牛の骨
B人工の骨
と3つあり、親和性が一番高い@人骨を勧めると。心理的に抵抗があるなら、A牛の骨でも良い。
B人工の骨はあくまでも人工的なもので親和性は良くない。
自身でどの骨にするか、選択して良いと言われ、悩んでいます。
また、インプラント専門医では、骨充填の際に歯肉を切り開き、骨全体が上からも横からも見られる状態にして処置をすると言われました。
そこで2つ質問させてください。
1.骨充填の材料は@人骨を選んでも、人体への悪影響(未知の病原体等)のリスクは無いと考えて良いのでしょうか?
2.抜歯時骨充填の際は、歯肉を門開きのように四角く切り開くことが一般的なのでしょうか?
(そこまでしなくても充填できるように思うのですが。)
このまま放置しても良いことはないので、早く抜歯→取り外し式の入れ歯作成→インプラント埋入に進んでいきたいと思うのですが、抜歯時の処置を決めかねており、迷っています。
宜しくお願い致します。
回答1
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2015-06-08 22:24:17
歯科相談(アメリカ) さん、こんにちは。
1.現時点では全く問題がなかったとしても、将来的なことは分かりません。
2.何故「そこまでしなくても充填できるように思うのですが。」と思うのが理解できませんが、外科手術において、術野の明視は基本中の基本です。
1.現時点では全く問題がなかったとしても、将来的なことは分かりません。
2.何故「そこまでしなくても充填できるように思うのですが。」と思うのが理解できませんが、外科手術において、術野の明視は基本中の基本です。
回答2
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2015-06-09 08:11:28
ご相談ありがとうございます。
>1.骨充填の材料は@人骨を選んでも、人体への悪影響(未知の病原体等)のリスクは無いと考えて良いのでしょうか?
現代の科学はとても進んでいますから、大丈夫と言って広く行われています。
しかし、今の科学が解明できていない未知の部分の方が何十倍も大きいとも言われています。
ご自身の選択です。
また人骨の一つにご自身の骨を取って来て使う選択肢があり、成績が一番良いとも言われています。
>2.抜歯時骨充填の際は、歯肉を門開きのように四角く切り開くことが一般的なのでしょうか?
そうでないほうが一般的です。
>(そこまでしなくても充填できるように思うのですが。)
私もそう思いますが、状況により異なります。
>このまま放置しても良いことはないので、早く抜歯→取り外し式の入れ歯作成→インプラント埋入に進んでいきたいと思うのですが、抜歯時の処置を決めかねており、迷っています。
慌てないほうが良いと思います。
その処置が本当に必要なのかどうかも含めて後悔の無いようにしましょう。
>1.骨充填の材料は@人骨を選んでも、人体への悪影響(未知の病原体等)のリスクは無いと考えて良いのでしょうか?
現代の科学はとても進んでいますから、大丈夫と言って広く行われています。
しかし、今の科学が解明できていない未知の部分の方が何十倍も大きいとも言われています。
ご自身の選択です。
また人骨の一つにご自身の骨を取って来て使う選択肢があり、成績が一番良いとも言われています。
>2.抜歯時骨充填の際は、歯肉を門開きのように四角く切り開くことが一般的なのでしょうか?
そうでないほうが一般的です。
>(そこまでしなくても充填できるように思うのですが。)
私もそう思いますが、状況により異なります。
>このまま放置しても良いことはないので、早く抜歯→取り外し式の入れ歯作成→インプラント埋入に進んでいきたいと思うのですが、抜歯時の処置を決めかねており、迷っています。
慌てないほうが良いと思います。
その処置が本当に必要なのかどうかも含めて後悔の無いようにしましょう。
回答3
歯科医師の松山です。
回答日時:2015-06-09 09:29:20
socket preservation は消極的なものですから、(骨充填の際に歯肉を切り開き、骨全体が上からも横からも見られる状態にして処置をすると言われました。)は、ridge augmentation に近く感じ取れます。
socket preservation は私の場合はそこまでしていません。
骨造成剤はどれでも良いと思いますが、2種類を併用したりすることもあります。
牛の骨というのは、そのものではなく焼成したもので、HA(ハイドロキシアパタイト)、人骨は科学処理したDFDBA などと称するもの、人工骨はβTCPが多く使われます。
歯根自体は健康です ということからそれ程積極的に切り開く必要はないと思いますが、減張切開といい歯肉をお稲荷さんの皮のように包み込む目的にするのかもしれません。
socket preservation は私の場合はそこまでしていません。
骨造成剤はどれでも良いと思いますが、2種類を併用したりすることもあります。
牛の骨というのは、そのものではなく焼成したもので、HA(ハイドロキシアパタイト)、人骨は科学処理したDFDBA などと称するもの、人工骨はβTCPが多く使われます。
歯根自体は健康です ということからそれ程積極的に切り開く必要はないと思いますが、減張切開といい歯肉をお稲荷さんの皮のように包み込む目的にするのかもしれません。
回答4
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2015-06-09 11:22:50
歯科相談(アメリカ) さん、こんにちは。
@の人骨は歴史も古く、十分研究されているので大きな問題はないと思います。
しかし、リスクはゼロかと言われれば、「限りなくゼロに近いゼロ」という答えになります。
私の場合、抜歯時骨充填の際は、歯肉を開くこともあれば開かずに行うこともあります。
歯の状態や、骨の吸収の部位や大きさ、状態などにより決めます。
また、開く大きさや、切開線の入れ方も、状況によって大きく違ってきます。
歯科相談(アメリカ) さんの場合が一般的な状況かどうかはわかりませんが、四角く切り開くことが一般的かと言われれば、ソケットプリザベーション全般において四角く切り開くことは一般的ではないかもしれませんが、骨の吸収状況によって、四角く切り開くことが適切だと診断されるような場合は、一般的に行います。
@の人骨は歴史も古く、十分研究されているので大きな問題はないと思います。
しかし、リスクはゼロかと言われれば、「限りなくゼロに近いゼロ」という答えになります。
私の場合、抜歯時骨充填の際は、歯肉を開くこともあれば開かずに行うこともあります。
歯の状態や、骨の吸収の部位や大きさ、状態などにより決めます。
また、開く大きさや、切開線の入れ方も、状況によって大きく違ってきます。
歯科相談(アメリカ) さんの場合が一般的な状況かどうかはわかりませんが、四角く切り開くことが一般的かと言われれば、ソケットプリザベーション全般において四角く切り開くことは一般的ではないかもしれませんが、骨の吸収状況によって、四角く切り開くことが適切だと診断されるような場合は、一般的に行います。
回答5
回答日時:2015-06-09 11:44:25
難しいですね。。
複数の先生方がコメントを入れて下さりその通りだと思いますが、歯科相談(アメリカ) さんがどうしても決めかねる様でしたら、抜歯後骨充填自体をせずに半年程度放置して、その時の骨の状況でやっぱりインプラントにするかブリッジにするかを判断しても良いのではないでしょうか。
当院では基本的にはそのようにして進めることが多いですよ。
複数の先生方がコメントを入れて下さりその通りだと思いますが、歯科相談(アメリカ) さんがどうしても決めかねる様でしたら、抜歯後骨充填自体をせずに半年程度放置して、その時の骨の状況でやっぱりインプラントにするかブリッジにするかを判断しても良いのではないでしょうか。
当院では基本的にはそのようにして進めることが多いですよ。
相談者からの返信
相談者:
歯科相談(アメリカ)さん
返信日時:2015-06-09 20:50:53
先生方、アドバイス頂き有難うございます。
追加で質問させて頂きたいのですが、骨充填をした場合、充填後にインプラント埋入のベストタイミングがあり、その時期を逸すると、充填した骨が必要以上に固くなってしまい、インプラント埋入には逆効果になると、診察を受けた当地の歯科医が言っていました。
(その先生は牛の骨を使うと仰っていました。)
これは、人骨を充填した場合でも同様のことが言えるのでしょうか?
人工物であればそのようなことも起こることが想像されるのですが、一番親和性の高い人骨を充填した場合は、自身の骨と一体化し、必要以上に固くなることは無いように、素人ながら考えてしまうのですが、いかがでしょうか?
帰国のタイミング等との兼ね合いで、最後までアメリカで完成すれば良いのですが、途中で帰国となった場合に、時間があいてしまうことが考えられるので、心配しております。
アドバイス、宜しくお願い致します。
追加で質問させて頂きたいのですが、骨充填をした場合、充填後にインプラント埋入のベストタイミングがあり、その時期を逸すると、充填した骨が必要以上に固くなってしまい、インプラント埋入には逆効果になると、診察を受けた当地の歯科医が言っていました。
(その先生は牛の骨を使うと仰っていました。)
これは、人骨を充填した場合でも同様のことが言えるのでしょうか?
人工物であればそのようなことも起こることが想像されるのですが、一番親和性の高い人骨を充填した場合は、自身の骨と一体化し、必要以上に固くなることは無いように、素人ながら考えてしまうのですが、いかがでしょうか?
帰国のタイミング等との兼ね合いで、最後までアメリカで完成すれば良いのですが、途中で帰国となった場合に、時間があいてしまうことが考えられるので、心配しております。
アドバイス、宜しくお願い致します。
回答6
歯科医師の松山です。
回答日時:2015-06-09 21:29:51
>充填した骨が必要以上に固くなってしまい、インプラント埋入には逆効果になると、診察を受けた当地の歯科医が言っていました。
>(その先生は牛の骨を使うと仰っていました。)
HAでそのような論文は目にしたことがないです。
基本的にこれは生体内では溶けにくく、自身の骨と一体化していくことで、恒常性を保っています。
そのような意味では固くなるという表現になるかもしれませんが、初期ではまだブツブツの顆粒が残っているものです。
DFDBA βTCP は基本的には3ヵ月くらいで溶けて吸収されて行き、その間(時間的、空間的)に自己の骨が出来てくるのを期待するものです。
>(その先生は牛の骨を使うと仰っていました。)
HAでそのような論文は目にしたことがないです。
基本的にこれは生体内では溶けにくく、自身の骨と一体化していくことで、恒常性を保っています。
そのような意味では固くなるという表現になるかもしれませんが、初期ではまだブツブツの顆粒が残っているものです。
DFDBA βTCP は基本的には3ヵ月くらいで溶けて吸収されて行き、その間(時間的、空間的)に自己の骨が出来てくるのを期待するものです。
回答7
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2015-06-10 10:41:00
牛の骨についてだけお答えします。
私の場合、すぐにインプラントにしなくても将来インプラントを予定しているなら、ひとまずソケットプリザベーションを勧めます。
骨が一旦吸収してしまうと、再び骨増生をするのは大変です。
吸収してから骨増生をするよりも、吸収しないようにソケットプリザベーションをする方が、手術自体も簡単で、患者さんへの侵襲も少なく、治療も短くすみ、費用も安くなります。
また、ソケットプリザベーションをして、それでも足りなければ、その後に骨増生をすることもでき、さらに良い結果を得ることもあります。
今までに、そのような状況で、一旦ソケットプリザベーションを行い、数年後にインプラントを埋入したことがありますが、骨もしっかりできており、硬さも問題ありませんでした。
人によって差もあるかもしれませんが、半年程度ですと、まだしっかり骨ができていないで、手術しにくいこともあります。
近々帰国予定なら、治療後のメインテナンスのことを考えると、ひとまずソケットプリザベーションだけを現地で受けて、その後のインプラントは日本で受けられるのも良い選択肢かもしれません。
私の場合、すぐにインプラントにしなくても将来インプラントを予定しているなら、ひとまずソケットプリザベーションを勧めます。
骨が一旦吸収してしまうと、再び骨増生をするのは大変です。
吸収してから骨増生をするよりも、吸収しないようにソケットプリザベーションをする方が、手術自体も簡単で、患者さんへの侵襲も少なく、治療も短くすみ、費用も安くなります。
また、ソケットプリザベーションをして、それでも足りなければ、その後に骨増生をすることもでき、さらに良い結果を得ることもあります。
今までに、そのような状況で、一旦ソケットプリザベーションを行い、数年後にインプラントを埋入したことがありますが、骨もしっかりできており、硬さも問題ありませんでした。
人によって差もあるかもしれませんが、半年程度ですと、まだしっかり骨ができていないで、手術しにくいこともあります。
近々帰国予定なら、治療後のメインテナンスのことを考えると、ひとまずソケットプリザベーションだけを現地で受けて、その後のインプラントは日本で受けられるのも良い選択肢かもしれません。
タイトル | インプラントのための骨充填で人骨を選んだ場合(アメリカ) |
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質問者 | 歯科相談(アメリカ)さん |
地域 | 海外 |
年齢 | 39歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 会社員(事務系) |
カテゴリ |
抜歯:6番(第一大臼歯) インプラント治療法 アメリカ(米国) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。