何故ほとんどの歯科は「マイクロスコープ」診療を行わない?

相談者: たっすさん (42歳:男性)
投稿日時:2015-11-12 22:35:24
こちらのサイトをよく拝見させてもらってます。

早速ですが、先生方の回答によく「マイクロスコープ」が出てきますが私自身、歯科治療に使用することをこちらのサイトで初めて知り、使用することで診断や治療に、おおいに役立つことを知り「マイクロスコープ」診療を受けてみたく探していました。

しかし、私の住む地域は歯科激戦区で、徒歩圏内に10数件ありここ数年でも、新たに何件か開業されていますが「マイクロスコープ」を使用されている歯科は、皆無です。

また「マイクロスコープ」を使用している歯科は、あるにはあるが遠く通院するには不便な場所にあり、行くことが出来ません。


私自身、あくまで自己責任ですが虫歯が多々あり、ここ最近、根の膿の再発が続いていることもあり治療済みの歯もいづれ再発するのではと、憂鬱な日々を過ごしており、自費診療でも成功率の高い「マイクロスコープ」での治療を受けておけばと後悔しております。


そこで質問です。

何故ほとんどの歯科は「マイクロスコープ」を使用しないのでしょうか?
使わなくても同等の診断・治療をする自信がある?
それとも初期投資や診療時間増加を嫌い使用しない?

「マイクロスコープ」を使われていない先生の率直な意見を伺わせて下さい。
また使われている先生も意見があればよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-11-13 08:22:19
ご相談ありがとうございます。

私は日常的に使っている例です。
使うまでには迷いましたから、使っていない方の参考になるかもしれません。


>何故ほとんどの歯科は「マイクロスコープ」を使用しないのでしょうか?

以前は使わなくても良い結果が出せていましたから、特に要らないと思っていました。
使ってみて、良い結果を出すにはもう使わないわけにはいかないほど、違いを実感しています。


>使わなくても同等の診断・治療をする自信がある?

以前はそう思っていますが、使ってみてからは、完全に覆されました。


>それとも初期投資や診療時間増加を嫌い使用しない?

たしかに、相当費用は負担になります。
診療時間は、確実な仕事が確信を持って進められるので、慣れればかえって時間を減らすことができると感じています。

導入に当たって迷うのはそれだけではありません。
機種も増えてきており、性能や費用は雲泥の差があり、設置方法や使用条件など複雑で簡単に決められないこともあるからです。

しかし、正確な診断と精密な治療には大きな効果があり、今では私に取って欠くべからざる道具の一つです。
でも単なる道具ですから、診療にかかわる理論、知識、技術、運営力は全く別であり、道具よりもそれらのほうが治療結果には大きな影響があります。

4人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-11-13 09:25:31
>何故ほとんどの歯科は「マイクロスコープ」を使用しないので
しょうか?

●高いから。一台数百万円から1千万円くらいします

●マイクロスコープの特徴は”物が大きく見える”ことにあります。マイクロスコープを使わなくても 大きく拡大してみえるルーペを持っている人なら必要性を感じません

●習熟に時間がかかる

●一回の治療時間が長くなるため保険診療では採算割れになる 
赤字になってまで使う必要はないので使わない。


といったところでしょうか。
使う人はこれらすべてを克服できる人です

5人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2015-11-13 09:32:37
歯科医院も1企業ですから、それぞれ経営判断はあります。

顕微鏡1台200〜800万です。
だいたい私の周りでは500〜600万ぐらいの顕微鏡を使っている先生が多いのです。

ただし500〜600万設備投資してもCBCTなどとは違い顕微鏡自体が収入を増やしてくれる訳ではありません。

企業の投資は利益を増やす為に行う目的がありますが、顕微鏡だけでは利益は生まれません。


歯科医師の年収が800万ぐらいとすれば過剰投資のような気もします。
歯科医師の年収:本当に歯科医師さんの給与は低いんですか?

保険治療はどんなに手間をかけても決められた治療費が設定されています。


顕微鏡を使用した治療で1本1000円の治療費では、100万のクロマグロでダシを取ったラーメンを国の指定した1杯600円で提供するようなものですからね。
(ダシの取り方次第でうまい・マズイは決まりますけどね^^;)

医療とは上を見れば限りがありませんが、頂ける費用が決まっている以上赤字にならない範囲・利益が確保できる範囲で治療を行います。


こんな事情があるにもかかわらず、日本はこれでも顕微鏡の普及率は世界でもトップレベルです。

またCBCTも世界でトップレベルの設備率です。

ただし治療費は先進国の中では群を抜いて激安です、世界的には、一本の歯の治療は普通は万単位になります。


一般の企業の設備投資とは異なり歯科の場合は多くの先生がいい治療がしたいとの思いで過剰投資をしている一面があります。


経営面からすれば顕微鏡は失敗に近い投資になっている部分もあると思います。
(顕微鏡を使用した治療をしようとすると、治療時間は2〜5倍ぐらい長くなり、当然診れる患者さん数も減るので減収になります)


ですので、日本が極端に設備の面で遅れている訳ではありません。
(むしろかなりいい方)

歯科医院も経済活動の中の一部です、収入が大きく増えない限り大きな投資もしにくい現状もあると思います。


逆に言えば、事情をしらない患者さん側のニーズを支えられない部分は多々あります。
 

4人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-11-13 10:23:34
歯科医院は来院される患者さんの要望にお応えする形で絶えず進化して行きます。

10数件もの歯科医院の内で、どこにも導入されていないとしたら、それを必要とするレベルの治療を患者さんの誰もが求めておられなかったかのではないかと推測します。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2015-11-13 13:30:33
一応日常的に使っています。

>使わなくても同等の診断・治療をする自信がある?

車にたとえると顕微鏡はやはり高級車になりますね。
普段普通車とか自転車しか乗ったことがない人にベンツSクラスやフェラーリの本当の良さはわかりにくいと思います。

乗ってみると良さがわかってくると思います。
ただ価格が高いので値段に見合うだけの満足感があるかどうかは乗った人にしかわからないかもしれませんね。



>それとも初期投資や診療時間増加を嫌い使用しない?

当然それもあると思います。
先般の保険改正でCTを自院で撮影して歯科医が顕微鏡下で歯根端切除術をすると加算点数が認められました。
それまでは全く加算点数はありませんでした。

その結果保険で顕微鏡を使うと実質数千円引き(=顕微鏡の価格÷使用回数)の治療ともいうことができると思います。


それと機動性で比較すれば拡大鏡の方がたぶん上だと思います。
ただ治療内容を録画したりプレゼンしたりする点では顕微鏡のほうが勝っています。




タイトル 何故ほとんどの歯科は「マイクロスコープ」診療を行わない?
質問者 たっすさん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 材料・機材関連
その他(歯科治療関連)
マイクロスコープ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい

Total total   今日 今日   昨日 昨日  
現在 人が閲覧中