対合歯が挺出する原理

相談者: あのまんま南さん (60歳:男性)
投稿日時:2016-02-28 16:50:59
歯なしのままだと対合歯が伸びてくるとの事ですが、歯があれば伸びないのは噛むときに刺激を受けるからですか?
歯先に距離センサーがあるわけでもないので、向かいの歯の存在は刺激でしか感じようがないと思うのですが。

なら、毎食、噛むときだけ入れ歯してれば伸びないですか?
残存歯の移動や傾斜は別として。

あと、傾斜や移動は近心だけでしょうか?

よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-03-01 12:25:50
>歯なしのままだと対合歯が伸びてくるとの事ですが、歯があれば伸びないのは噛むときに刺激を受けるからですか?

学生時代に聞いた時の話なので、記憶が曖昧ですが…


基本的に歯は自然と「伸びる(抜ける)方向」「近心に傾く方向」に移動しようとする力が加わっているようです(非常に弱い力のようですが)。

臨在歯があると「満員電車のような状態」になり近遠心的に「一定の位置に収まっている」と。


また、垂直的な位置関係に関しては、歯が伸びようとする力は本来は非常に弱いため、対合歯と当たることで「モグラたたき」のような状態で物理的に伸びることが抑えられ、「一定の位置に収まっている」と。

これらは口腔周囲の筋肉によりバランスが均衡が保たれている…と。


このような感じでご理解いただけますでしょうか?


>あと、傾斜や移動は近心だけでしょうか?

上述したように基本的には近心方向へ弱い力が加わっているのですが、対合歯と不適切な角度で接触することで遠心に傾斜することもあります。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-03-01 16:45:59
ご存じないかもしれませんが骨は破骨細胞が壊し、骨芽細胞さが作るというのを繰り返しています。

骨は押されると破骨細胞が優位になり、引っ張られると骨芽細胞が優位になると思われます。
矯正治療はこれを利用して歯を動かしていると考えられます。
また義歯も部分的に強い力が加わると骨が吸収されます。

しかしインプラントはいくら力を加えても吸収は起こりますが動きません。

これは歯根膜が骨芽細胞を誘導(引っ張られるのと同じ働きを)しているからではないかと推測します。
つまり咬む力と歯根膜の誘導作用が拮抗すると歯はとどまり、咬む力がなくなると歯根膜の骨芽細胞誘導作用が優位となり、結果的に歯が移動するのいだろうと思われます。

顎の中の歯が萌出してくるのも、歯が近心傾斜してくるのも、その力の向きと歯根膜の働きのせいではないでしょうか。(個人的な推論です)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: あのまんま南さん
返信日時:2016-03-02 00:52:40
櫻井先生、森川先生、ありがとうございます。

森川先生のお話でわかるように、まだ詳細原理は推定なのですね。

お二人のお話の共通点として押す力、噛む力があります。

つまり、遠心傾斜の事を考えなければ、奥の歯が全くないケースの場合は噛む時だけ入れ歯との使い方で行ける場合も有りますか?



タイトル 対合歯が挺出する原理
質問者 あのまんま南さん
地域 非公開
年齢 60歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ その他(その他)
回答者




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