歯列矯正、急速拡大装置を使用した際の噛み合わせと容貌について
相談者:
くやまんさん (24歳:女性)
投稿日時:2016-04-02 16:28:25
こんにちは。
現在、歯列矯正を考えて何件か矯正医で相談させてもらっています。
その内の一件で急速拡大装置をつける治療計画を立ててくれている矯正歯科があるのですが、説明内容にピンとこない部分があり、ここで質問させていただきました。
説明させた治療内容↓
@急速拡大装置で上顎の大きさを広げる
Aリンガルアーチで引っ込んでいる上左右2番を前に出す
Bブラケットをつけて調整
※抜歯は不要(親知らずは抜歯)
そこで質問なのですが、上顎に急速拡大装置をつけて拡大した時、下顎との噛み合わせはどうなるのでしょうか?
時間の経過とともに、噛み合っていくのでしょうか?
それとも下顎にも拡大装置のようなものをつけ、同じように拡大していくのでしょうか?
また、自分で拡大装置について調べていると、拡大装置を使用すると口元がもっこりし、ゴリラ顏になるという文面を見たことがあるのですが、やはり多少はそういった傾向があるのでしょうか?
ご回答お願いいたします。
長文失礼いたしました。
現在、歯列矯正を考えて何件か矯正医で相談させてもらっています。
その内の一件で急速拡大装置をつける治療計画を立ててくれている矯正歯科があるのですが、説明内容にピンとこない部分があり、ここで質問させていただきました。
説明させた治療内容↓
@急速拡大装置で上顎の大きさを広げる
Aリンガルアーチで引っ込んでいる上左右2番を前に出す
Bブラケットをつけて調整
※抜歯は不要(親知らずは抜歯)
そこで質問なのですが、上顎に急速拡大装置をつけて拡大した時、下顎との噛み合わせはどうなるのでしょうか?
時間の経過とともに、噛み合っていくのでしょうか?
それとも下顎にも拡大装置のようなものをつけ、同じように拡大していくのでしょうか?
また、自分で拡大装置について調べていると、拡大装置を使用すると口元がもっこりし、ゴリラ顏になるという文面を見たことがあるのですが、やはり多少はそういった傾向があるのでしょうか?
ご回答お願いいたします。
長文失礼いたしました。
回答1
回答日時:2016-04-02 17:54:51
くやまんさん、こんにちわ。
「拡大装置を使用すると口元がモッコリする」のではなく、「非抜歯で治療を行うと口元がモッコリする(可能性が高い)」という方が正しいと思います。
凸凹の解消にはスペースが必要になります。
そのスペース獲得方法は、抜歯・アーチの拡大・歯の縮小化(ストリッピング・スライス)のいずれかの方法になります。
非抜歯で治療を行おうとすると、スペース獲得を拡大か、歯の縮小化ですることとなり、側方だけでなく唇側への拡大も避けられません。
そのため、口元の突出につながると思います。
もちろん、非抜歯で治療するすべての患者さんに当てはまるわけではありません。
拡大装置を使用したときの状況については、ワイヤーで拡大をするのか、他の装置を使用するのかは、担当の矯正歯科医の判断によると思います。
「拡大装置を使用すると口元がモッコリする」のではなく、「非抜歯で治療を行うと口元がモッコリする(可能性が高い)」という方が正しいと思います。
凸凹の解消にはスペースが必要になります。
そのスペース獲得方法は、抜歯・アーチの拡大・歯の縮小化(ストリッピング・スライス)のいずれかの方法になります。
非抜歯で治療を行おうとすると、スペース獲得を拡大か、歯の縮小化ですることとなり、側方だけでなく唇側への拡大も避けられません。
そのため、口元の突出につながると思います。
もちろん、非抜歯で治療するすべての患者さんに当てはまるわけではありません。
拡大装置を使用したときの状況については、ワイヤーで拡大をするのか、他の装置を使用するのかは、担当の矯正歯科医の判断によると思います。
回答2
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2016-04-03 01:49:22
回答3
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-04-03 11:24:51
こんにちは。
>@急速拡大装置で上顎の大きさを広げる
上顎の正中縫合を拡大することが多いでしょうね。
>Aリンガルアーチで引っ込んでいる上左右2番を前に出す
正中縫合を拡大したらスキッパの状態になるでしょうから、そこからできたスペースに口蓋側に引っ込んでいる歯を歯列に引き入れるのでしょう。
>Bブラケットをつけて調整
@Aで当然ほとんど噛めなくなってしまいますから、上下ブラケットをつけて対向関係を再構築するのでしょう。
顎間にゴム掛けしてしっかり安定した咬合を作ることに協力する必要があるでしょう。
下顎の舌側傾斜は上顎を拡大しておけば拡大しやすいので、わざわざ拡大装置を下につけなくても対向関係を獲得することが可能なのかもしれません。
まだお若いので出来る方法だと思います。
歳をとれば出来にくくなるので、術中のイメージがわきにくいならば治療経過をよく似た症例を見せてもらうことでイメージされた上で選択されてはいかがでしょう?
口元がもっこりするかどうかは、シュミレーションや事前説明をしっかり受けておく必要があるでしょう。
成人後の矯正治療は顎の成長が見込めませんから、色々妥協したり工夫が必要で高度になります。
安易な契約はされず、十分理解された上で開始されたほうがよいと思います。
>@急速拡大装置で上顎の大きさを広げる
上顎の正中縫合を拡大することが多いでしょうね。
>Aリンガルアーチで引っ込んでいる上左右2番を前に出す
正中縫合を拡大したらスキッパの状態になるでしょうから、そこからできたスペースに口蓋側に引っ込んでいる歯を歯列に引き入れるのでしょう。
>Bブラケットをつけて調整
@Aで当然ほとんど噛めなくなってしまいますから、上下ブラケットをつけて対向関係を再構築するのでしょう。
顎間にゴム掛けしてしっかり安定した咬合を作ることに協力する必要があるでしょう。
下顎の舌側傾斜は上顎を拡大しておけば拡大しやすいので、わざわざ拡大装置を下につけなくても対向関係を獲得することが可能なのかもしれません。
まだお若いので出来る方法だと思います。
歳をとれば出来にくくなるので、術中のイメージがわきにくいならば治療経過をよく似た症例を見せてもらうことでイメージされた上で選択されてはいかがでしょう?
口元がもっこりするかどうかは、シュミレーションや事前説明をしっかり受けておく必要があるでしょう。
成人後の矯正治療は顎の成長が見込めませんから、色々妥協したり工夫が必要で高度になります。
安易な契約はされず、十分理解された上で開始されたほうがよいと思います。
回答4
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-04-03 11:30:08
あなたの年齢での急速拡大は難しいかもしれませんよ。
本来急速拡大は骨口蓋の未縫合正中部を拡大するもので、縫合は閉じているかもしれないからです。
はっきりした年齢は判らないのですが、10代後半にはかなりしっかり閉じるのではないでしょうか。
緩徐な歯槽性の拡大はできるかもしれませんが、急速、緩徐両者ともかなりの後戻りを覚悟しなければなりません。
相当期間のリテイナーをしてもです。
口元のもっこり感は、ある程度日本人の特徴であると割り切らないといけない部分もあります。
臼歯の後方移動でスペースを確保する方法もあります。
本来急速拡大は骨口蓋の未縫合正中部を拡大するもので、縫合は閉じているかもしれないからです。
はっきりした年齢は判らないのですが、10代後半にはかなりしっかり閉じるのではないでしょうか。
緩徐な歯槽性の拡大はできるかもしれませんが、急速、緩徐両者ともかなりの後戻りを覚悟しなければなりません。
相当期間のリテイナーをしてもです。
口元のもっこり感は、ある程度日本人の特徴であると割り切らないといけない部分もあります。
臼歯の後方移動でスペースを確保する方法もあります。
相談者からの返信
相談者:
くやまんさん
返信日時:2016-04-04 18:37:54
伊藤先生
藤森先生
船場先生
松山先生
ご回答ありがとうございます。
やはり個々人でどういった治療計画になるかは変わってくるのですね。
この治療計画を提案してくださった先生に矯正をお願いする際は、シュミレーションなども含め、よく相談したいと思います。
容貌の変化についても、よくよく聞いておきたいと思います。
また、松山先生へもう一つ質問をさせていただきたいのですが、急速拡大装置を用いて拡大する際、正中口蓋縫合を広げ、拡大した部分の骨が安定するように一時そのままで固定すると聞いています。
拡大した部分に骨ができる、という訳ではなく、その部分は何もない空間となるから、後戻りをしやすいのでしょうか?
それとも、もうしっかり閉じてしまっている正中口蓋縫合を無理やり拡げようとすると、元の形に戻ろうとするから後戻りしやすいのでしょうか?
拡大した部分に骨ができるということは、後戻りは少ないのかと思っておりましたので…。
不勉強で申し訳ありませんが、ご回答お願いします。
藤森先生
船場先生
松山先生
ご回答ありがとうございます。
やはり個々人でどういった治療計画になるかは変わってくるのですね。
この治療計画を提案してくださった先生に矯正をお願いする際は、シュミレーションなども含め、よく相談したいと思います。
容貌の変化についても、よくよく聞いておきたいと思います。
また、松山先生へもう一つ質問をさせていただきたいのですが、急速拡大装置を用いて拡大する際、正中口蓋縫合を広げ、拡大した部分の骨が安定するように一時そのままで固定すると聞いています。
拡大した部分に骨ができる、という訳ではなく、その部分は何もない空間となるから、後戻りをしやすいのでしょうか?
それとも、もうしっかり閉じてしまっている正中口蓋縫合を無理やり拡げようとすると、元の形に戻ろうとするから後戻りしやすいのでしょうか?
拡大した部分に骨ができるということは、後戻りは少ないのかと思っておりましたので…。
不勉強で申し訳ありませんが、ご回答お願いします。
回答5
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-04-05 09:41:37
拡大後は骨のスペースにある程度骨はできてくるはずですが、その程度については良く知りません。
自分の経験と教本的なものでは後戻りが見られます。
閉じてしまっている正中口蓋縫合を無理やり拡げようとしてもは、あなたの年齢では多分無理でしょう。
自分の経験と教本的なものでは後戻りが見られます。
閉じてしまっている正中口蓋縫合を無理やり拡げようとしてもは、あなたの年齢では多分無理でしょう。
回答6
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2016-04-05 12:01:18
くやまんさん、こんにちは
休息拡大装置は、正中口蓋縫合を引き剥がして広げ、その広がった隙間に新しい骨ができることで上顎の骨を横に広げる方法です。
松山先生が言われるように、年齢的に考えると、正中口蓋縫合がしっかりと骨化しており、引き剥がすこと自体が無理かもしれません。
もし広げられることができれば、年齢に関係なく、新たな骨はできてくると思います。
もし、正中口蓋縫合を引き剥がすことができなければ、歯根吸収を起こしたり、歯根が骨から飛び出してしまったり、あるいは、歯が傾斜して移動したりすることが考えられます。
私見ですが年齢的に考えて急速拡大装置の適応症ではないように思います。
ただ、個人差もありますので、くやまんさんの場合に適用になるかどうか、副作用も含めて、よく説明を受けてください。
休息拡大装置は、正中口蓋縫合を引き剥がして広げ、その広がった隙間に新しい骨ができることで上顎の骨を横に広げる方法です。
松山先生が言われるように、年齢的に考えると、正中口蓋縫合がしっかりと骨化しており、引き剥がすこと自体が無理かもしれません。
もし広げられることができれば、年齢に関係なく、新たな骨はできてくると思います。
もし、正中口蓋縫合を引き剥がすことができなければ、歯根吸収を起こしたり、歯根が骨から飛び出してしまったり、あるいは、歯が傾斜して移動したりすることが考えられます。
私見ですが年齢的に考えて急速拡大装置の適応症ではないように思います。
ただ、個人差もありますので、くやまんさんの場合に適用になるかどうか、副作用も含めて、よく説明を受けてください。
相談者からの返信
相談者:
くやまんさん
返信日時:2016-04-06 00:06:42
松山先生
小牧先生
ご回答ありがとうございます。
拡大は顎の骨の発育が完了してしまった年齢では厳しいのですね。
拡大装置を使用するとしても、後戻りを考えておかないといけないということが分かりました。
お世話になる矯正の先生には、そういった点を考慮し、相談していきたいと思います。
貴重なご意見、誠にありがとうございました。
小牧先生
ご回答ありがとうございます。
拡大は顎の骨の発育が完了してしまった年齢では厳しいのですね。
拡大装置を使用するとしても、後戻りを考えておかないといけないということが分かりました。
お世話になる矯正の先生には、そういった点を考慮し、相談していきたいと思います。
貴重なご意見、誠にありがとうございました。
タイトル | 歯列矯正、急速拡大装置を使用した際の噛み合わせと容貌について |
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質問者 | くやまんさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 24歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 歯列矯正の治療法 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。