[写真あり] 歯は水晶くらいの硬さなのになぜ歯磨きで摩耗するのか
相談者:
もんたったさん (24歳:女性)
投稿日時:2016-04-05 23:11:16
回答1
回答2
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2016-04-06 08:00:08
>なぜ、歯磨きで歯が削れてしまうのですか?
例えば、「雨垂れ石を穿つ」ということをイメージしているのでしょうか。
楔状欠損に関してですが、かつては、オーバーブラッシングが原因だという説を唱える者もいたようですが、昨今では、全くもって否定されていますよ。
>歯磨きで歯が削れて知覚過敏になる事もあるんですよね?
知覚過敏に対しては、ブラッシング圧の是正や、レジン充填などで対応すること等よりも、そもそもの原因となっている、力のコントロールが大事ですね。
⇒参考:TCH・歯列接触癖
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例えば、「雨垂れ石を穿つ」ということをイメージしているのでしょうか。
楔状欠損に関してですが、かつては、オーバーブラッシングが原因だという説を唱える者もいたようですが、昨今では、全くもって否定されていますよ。
>歯磨きで歯が削れて知覚過敏になる事もあるんですよね?
知覚過敏に対しては、ブラッシング圧の是正や、レジン充填などで対応すること等よりも、そもそもの原因となっている、力のコントロールが大事ですね。
⇒参考:TCH・歯列接触癖
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回答3
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2016-04-06 12:58:47
こんにちは。
楔状欠損のことだと思うのですが、これは歯磨剤の中に含まれている研磨剤の仕業です、歯磨剤を使わずに力の入れすぎがなければ決して楔状欠損にはなりません。
理屈は力の入れすぎがあれば先ず歯肉が退縮してやがて歯根が露出してきます、歯根は象牙質なのでエナメル質より柔らかいため研磨剤を含んだ歯磨剤を使っていると象牙質が磨り減ってきます。
そして磨り減り方は歯ブラシの使い方によってさまざまです、これを象牙質の楔状欠損といってエナメル質には起こりません。
このとき有髄歯ならしばしば知覚過敏を起こします。
楔状欠損 http://yamadashika.jugem.jp/?search=%DC%B8%BE%F5%B7%E7%C2%BB
画像1 64歳男性 有髄歯の著しい楔状欠損
画像2 58歳女性 無髄歯の楔状欠損
画像1 画像2
楔状欠損のことだと思うのですが、これは歯磨剤の中に含まれている研磨剤の仕業です、歯磨剤を使わずに力の入れすぎがなければ決して楔状欠損にはなりません。
理屈は力の入れすぎがあれば先ず歯肉が退縮してやがて歯根が露出してきます、歯根は象牙質なのでエナメル質より柔らかいため研磨剤を含んだ歯磨剤を使っていると象牙質が磨り減ってきます。
そして磨り減り方は歯ブラシの使い方によってさまざまです、これを象牙質の楔状欠損といってエナメル質には起こりません。
このとき有髄歯ならしばしば知覚過敏を起こします。
楔状欠損 http://yamadashika.jugem.jp/?search=%DC%B8%BE%F5%B7%E7%C2%BB
画像1 64歳男性 有髄歯の著しい楔状欠損
画像2 58歳女性 無髄歯の楔状欠損
画像1 画像2
回答4
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-04-07 13:27:20
こんにちは。
小林先生と山田先生がちょうどよいお写真を貼ってくださっていますね。
山田先生の画像1では咬合が理想的ではなく側方運動を行った時に(顎をギリギリ横に動かす)歯の咬頭と咬頭につながる歯の凸面が過剰に側方応力が加わってしまうかみ合わせが出来上がってしまっています。
また上の歯の歯軸も下の歯に覆いかぶさるように頬側が下がってきていますから(姿勢が悪い場合や睡眠態癖、頬部の圧力が強くなった=よくあるのは加齢で頬が下がって口角が上がりにくくなっているなど)ますます横にギリギリした場合、歯の側方応力がかかることになります。
小林先生の図のように歯のエナメル質は歯茎側に近づくにつれ非常に薄くなっています。
ですから応力がかかって少し細かいヒビ(エナメル質の構造上の問題でこれはエナメル小柱単位の小さなヒビなのでマイクロクラック=目には見えない構造上のヒビといわれています)が入るとエナメル質全体の強度が脆くなり歯ブラシや横方向の応力だけでエナメル質がどんどん削れていってしまうことになります。
いったんエナメル質が削れてしまうと歯は強度の弱い物性の象牙質が露出しますからそこをゴシゴシゴシゴシ硬めの歯ブラシや研磨剤で磨かれ続ければピカピカと艶は出ますが削れるということになります。
それが楔状欠損でアブフラクションです。
山田先生の図2は歯冠の部位は完全に人工物(保険の金パラと硬質レジン)で覆われていますが根の部分が露出してしまっていてその根の部分は象牙質ですから歯ブラシの力で削れるということになります。
最近は樹脂でも硬度の高いものがありますからこういう部位は硬度の高い樹脂を詰めて補強してあげるほうがよいのですが、象牙質の接着はエナメル質の接着よりも治療難易度が高いので詰めては外れるという治療しか受けられない場合もあります。
加齢とともにあるいは将来的にこういうリスクを負いたくなければ成長期によい歯並びと機能を獲得させておき加齢しても劣化しない体を作っておく必要があります。
そういう機会が得られなかった場合、将来的に治療を行っても外れやすいとか、問題が多い歯並びになってしまいます。
こういうことは一昔前の歯科では言われていなかったのですが最近ではこういう考え方が主流になってきています。
咬合力や睡眠時の力や周囲組織からの力のコントロールがとても大事になってきています。
小林先生と山田先生がちょうどよいお写真を貼ってくださっていますね。
山田先生の画像1では咬合が理想的ではなく側方運動を行った時に(顎をギリギリ横に動かす)歯の咬頭と咬頭につながる歯の凸面が過剰に側方応力が加わってしまうかみ合わせが出来上がってしまっています。
また上の歯の歯軸も下の歯に覆いかぶさるように頬側が下がってきていますから(姿勢が悪い場合や睡眠態癖、頬部の圧力が強くなった=よくあるのは加齢で頬が下がって口角が上がりにくくなっているなど)ますます横にギリギリした場合、歯の側方応力がかかることになります。
小林先生の図のように歯のエナメル質は歯茎側に近づくにつれ非常に薄くなっています。
ですから応力がかかって少し細かいヒビ(エナメル質の構造上の問題でこれはエナメル小柱単位の小さなヒビなのでマイクロクラック=目には見えない構造上のヒビといわれています)が入るとエナメル質全体の強度が脆くなり歯ブラシや横方向の応力だけでエナメル質がどんどん削れていってしまうことになります。
いったんエナメル質が削れてしまうと歯は強度の弱い物性の象牙質が露出しますからそこをゴシゴシゴシゴシ硬めの歯ブラシや研磨剤で磨かれ続ければピカピカと艶は出ますが削れるということになります。
それが楔状欠損でアブフラクションです。
山田先生の図2は歯冠の部位は完全に人工物(保険の金パラと硬質レジン)で覆われていますが根の部分が露出してしまっていてその根の部分は象牙質ですから歯ブラシの力で削れるということになります。
最近は樹脂でも硬度の高いものがありますからこういう部位は硬度の高い樹脂を詰めて補強してあげるほうがよいのですが、象牙質の接着はエナメル質の接着よりも治療難易度が高いので詰めては外れるという治療しか受けられない場合もあります。
加齢とともにあるいは将来的にこういうリスクを負いたくなければ成長期によい歯並びと機能を獲得させておき加齢しても劣化しない体を作っておく必要があります。
そういう機会が得られなかった場合、将来的に治療を行っても外れやすいとか、問題が多い歯並びになってしまいます。
こういうことは一昔前の歯科では言われていなかったのですが最近ではこういう考え方が主流になってきています。
咬合力や睡眠時の力や周囲組織からの力のコントロールがとても大事になってきています。
タイトル | [写真あり] 歯は水晶くらいの硬さなのになぜ歯磨きで摩耗するのか |
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質問者 | もんたったさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 24歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯の異常・トラブルその他 歯磨きに関する疑問 その他(写真あり) 楔状欠損(くさび状欠損) |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。