親知らず抜歯中断。今後の治療と顎の麻痺について
相談者:
さっかおさん (29歳:女性)
投稿日時:2016-05-18 13:13:36
いつもお世話になっております。
詳しくは過去の質問をご覧いただければ分かるかと思いますが、左下埋没の親知らず抜歯を抜歯したところ、途中で麻酔が効かなくなり中断致しました。
その際に神経に傷がついた?ようで、顎に麻痺がでて現在麻酔科にて治療中です。
以前より、体調を崩すと親知らず周辺が腫れていたので抜歯に至りました。
抜歯を行った先生は、レントゲンでは親知らずが神経に当たっているようには見えなかったこと、もし神経に当たっていた場合、親知らず周辺が腫れた時に顎に何かしらの影響が出るはずだが、特にそのような申告がなかったことから抜歯を行った、との事でした。
麻痺が出る可能性があることの説明がなぜ事前になかったのかを伺うと、麻痺が出る可能性はとても少ないし、麻痺が出る可能性があるように見えなかった為といった内容のことを仰ってました。
別の口腔外科にて診察していただいたところ、親知らずと神経が当たっているとの診断で、そのことを抜歯を行った歯科医院の先生に伝えたところ、神経が当たっていたのであれば、抜歯をした際に神経が引っ張られたことが原因で麻痺が出たのではないか、残っている歯は抜かずに残した方が良い、との事でした。
質問は以下になります。
1.神経が引っ張られたことによる麻痺との事ですが、傷をつけたのではなく引っ張られたことで、ここまでの麻痺が出るのでしょうか(SWテストで防御知覚脱失、フィラメントNo.5.07だったと思います)
2.親知らずと神経が当たっている場合、周囲が腫れた時に顎に麻痺や痺れなどの異常は出るものなのでしょうか。
3.残っている親知らずに関して、歯科医院で働いている友人に聞いたところ、上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でした。
根元のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか。
4.麻痺の可能性は、可能性が少なければ事前に説明がなくても良いものなのでしょうか。
以上です。
よろしくお願いします。
詳しくは過去の質問をご覧いただければ分かるかと思いますが、左下埋没の親知らず抜歯を抜歯したところ、途中で麻酔が効かなくなり中断致しました。
その際に神経に傷がついた?ようで、顎に麻痺がでて現在麻酔科にて治療中です。
以前より、体調を崩すと親知らず周辺が腫れていたので抜歯に至りました。
抜歯を行った先生は、レントゲンでは親知らずが神経に当たっているようには見えなかったこと、もし神経に当たっていた場合、親知らず周辺が腫れた時に顎に何かしらの影響が出るはずだが、特にそのような申告がなかったことから抜歯を行った、との事でした。
麻痺が出る可能性があることの説明がなぜ事前になかったのかを伺うと、麻痺が出る可能性はとても少ないし、麻痺が出る可能性があるように見えなかった為といった内容のことを仰ってました。
別の口腔外科にて診察していただいたところ、親知らずと神経が当たっているとの診断で、そのことを抜歯を行った歯科医院の先生に伝えたところ、神経が当たっていたのであれば、抜歯をした際に神経が引っ張られたことが原因で麻痺が出たのではないか、残っている歯は抜かずに残した方が良い、との事でした。
質問は以下になります。
1.神経が引っ張られたことによる麻痺との事ですが、傷をつけたのではなく引っ張られたことで、ここまでの麻痺が出るのでしょうか(SWテストで防御知覚脱失、フィラメントNo.5.07だったと思います)
2.親知らずと神経が当たっている場合、周囲が腫れた時に顎に麻痺や痺れなどの異常は出るものなのでしょうか。
3.残っている親知らずに関して、歯科医院で働いている友人に聞いたところ、上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でした。
根元のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか。
4.麻痺の可能性は、可能性が少なければ事前に説明がなくても良いものなのでしょうか。
以上です。
よろしくお願いします。
回答1
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2016-05-18 19:07:17
さっかおさん、こんにちは
>1.神経が引っ張られたことによる麻痺との事ですが、傷をつけたのではなく引っ張られたことで、ここまでの麻痺が出るのでしょうか(SWテストで防御知覚脱失、フィラメントNo.5.07だったと思います)
残念ながら抜歯中の状況は今となってはわかりません。
ただいずれにしても神経が損傷を受けていることは明らかだと思います。
>2.親知らずと神経が当たっている場合、周囲が腫れた時に顎に麻痺や痺れなどの異常は出るものなのでしょうか。
これも解剖がわからないので答えが難しいですが、私は周囲の腫れと麻痺はあまり関連がないように思います。
>3.残っている親知らずに関して、歯科医院で働いている友人に聞いたところ、上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でした。
>根元のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
>また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか。
親知らずの2回法抜歯と言うものですね。
良くは行っていませんが最近行っている先生が増えてきたようです。
ただ、歯冠のみを除去した場合、知覚過敏のような症状が長く続くことはあるようです。
私は必要性を感じたことがないので行ったことがありません。
>4.麻痺の可能性は、可能性が少なければ事前に説明がなくても良いものなのでしょうか。
私は親知らずを抜歯する場合、念のため下歯槽神経麻痺の説明は必ず行うようにしています。
親知らず自身が神経と接していなくても麻酔の注射によっても麻痺のリスクがあります。
このあたりの考えは抜歯を担当する口腔外科医によって若干異なるかもしれません。
参考になれば幸いです。
>1.神経が引っ張られたことによる麻痺との事ですが、傷をつけたのではなく引っ張られたことで、ここまでの麻痺が出るのでしょうか(SWテストで防御知覚脱失、フィラメントNo.5.07だったと思います)
残念ながら抜歯中の状況は今となってはわかりません。
ただいずれにしても神経が損傷を受けていることは明らかだと思います。
>2.親知らずと神経が当たっている場合、周囲が腫れた時に顎に麻痺や痺れなどの異常は出るものなのでしょうか。
これも解剖がわからないので答えが難しいですが、私は周囲の腫れと麻痺はあまり関連がないように思います。
>3.残っている親知らずに関して、歯科医院で働いている友人に聞いたところ、上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でした。
>根元のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
>また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか。
親知らずの2回法抜歯と言うものですね。
良くは行っていませんが最近行っている先生が増えてきたようです。
ただ、歯冠のみを除去した場合、知覚過敏のような症状が長く続くことはあるようです。
私は必要性を感じたことがないので行ったことがありません。
>4.麻痺の可能性は、可能性が少なければ事前に説明がなくても良いものなのでしょうか。
私は親知らずを抜歯する場合、念のため下歯槽神経麻痺の説明は必ず行うようにしています。
親知らず自身が神経と接していなくても麻酔の注射によっても麻痺のリスクがあります。
このあたりの考えは抜歯を担当する口腔外科医によって若干異なるかもしれません。
参考になれば幸いです。
相談者からの返信
相談者:
さっかおさん
返信日時:2016-05-18 21:38:22
畑田先生
以前よりお世話になっております。
いつもありがとうございます。
>周囲の腫れと麻痺はあまり関連がないと思います。
との事ですが、抜歯を行った先生は、もし親知らずと神経が当たっていたら顔の形が変わるほど腫れた時点で神経が圧迫される為、顎に何かしらの異常が出るはずと仰っていたのですが、必ずしもそうではないということでしょうか。
>歯冠のみを除去した場合、知覚過敏のような症状が長く続くことはあるようです。
との事ですが、私の親知らずはもともと埋没していた為歯茎を切開しています。
この歯茎を被さるように縫合した場合でも、知覚過敏のような症状が出る可能性はあるのでしょうか。
また、その知覚過敏のような症状は薬などで抑える?治療?するのでしょうか。
>このあたりの考えは抜歯を担当する口腔外科医によって若干異なるかもしれません。
との事ですが、個人の判断に任されており説明の義務や責任はないということでしょうか。
よろしくお願いします。
以前よりお世話になっております。
いつもありがとうございます。
>周囲の腫れと麻痺はあまり関連がないと思います。
との事ですが、抜歯を行った先生は、もし親知らずと神経が当たっていたら顔の形が変わるほど腫れた時点で神経が圧迫される為、顎に何かしらの異常が出るはずと仰っていたのですが、必ずしもそうではないということでしょうか。
>歯冠のみを除去した場合、知覚過敏のような症状が長く続くことはあるようです。
との事ですが、私の親知らずはもともと埋没していた為歯茎を切開しています。
この歯茎を被さるように縫合した場合でも、知覚過敏のような症状が出る可能性はあるのでしょうか。
また、その知覚過敏のような症状は薬などで抑える?治療?するのでしょうか。
>このあたりの考えは抜歯を担当する口腔外科医によって若干異なるかもしれません。
との事ですが、個人の判断に任されており説明の義務や責任はないということでしょうか。
よろしくお願いします。
回答2
東京医科歯科大学顎関節治療部(文京区湯島)の西山です。
回答日時:2016-05-18 21:49:23
西山です
>上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でしたが、根本のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
>また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか
「Coronectomy」といって、歯冠のみを除去して粘膜を閉じて完全に閉鎖してしまう術式はあるようです。この場合、神経症状はほとんど生じなかったという研究報告が一応あるようです。
参考
Renton et al. British Journal of Oral and Maxillofacial Surgery (2005) 43, 7—12
>上半分のみを抜歯すれば今後腫れることもほぼなく、神経を触ることもないのでいいのではないか?との事でしたが、根本のみ残し上半分を抜歯するという方法?はよくあるものなのでしょうか。
>また、この方法だと麻痺が酷くなる可能性は少ないでしょうか
「Coronectomy」といって、歯冠のみを除去して粘膜を閉じて完全に閉鎖してしまう術式はあるようです。この場合、神経症状はほとんど生じなかったという研究報告が一応あるようです。
参考
Renton et al. British Journal of Oral and Maxillofacial Surgery (2005) 43, 7—12
相談者からの返信
相談者:
さっかおさん
返信日時:2016-05-18 22:07:24
西山先生
ご教示いただきありがとうございます。
>神経症状はほとんど生じなかったという研究報告が一応あるようです。
との事ですが、神経症状以外に根本を残したことが原因で起こりうる症状やリスク等はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
ご教示いただきありがとうございます。
>神経症状はほとんど生じなかったという研究報告が一応あるようです。
との事ですが、神経症状以外に根本を残したことが原因で起こりうる症状やリスク等はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
回答3
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2016-05-19 09:17:02
>抜歯を行った先生は、もし親知らずと神経が当たっていたら顔の形が変わるほど腫れた時点で神経が圧迫される為、顎に何かしらの異常が出るはずと仰っていたのですが、必ずしもそうではないということでしょうか。
そのような状況があるのかもしれませんが、親知らずが完全に抜去されていない状況で、神経に対する圧迫というのは私は考えにくいと思います。
>知覚過敏のような症状が出る可能性はあるのでしょうか。
また、その知覚過敏のような症状は薬などで抑える?治療?するのでしょうか。
完全に縫合したとしても中には空洞がありますから、知覚過敏の症状は出ると思います。
もちろん、親知らずの歯冠の切断部位による違いはあると思いますし
親知らずの位置や形態による違いもあると思います。
2回法を行った全員の方に知覚過敏様症状が出ているわけではないと思いますが、その可能性があるということですね。
ちなみに2回法の2回目の抜歯をうちで行った患者さんは、2回法の1回目の歯冠除去を行った後はかなり痛かったとおっしゃっていました。
そのような状況があるのかもしれませんが、親知らずが完全に抜去されていない状況で、神経に対する圧迫というのは私は考えにくいと思います。
>知覚過敏のような症状が出る可能性はあるのでしょうか。
また、その知覚過敏のような症状は薬などで抑える?治療?するのでしょうか。
完全に縫合したとしても中には空洞がありますから、知覚過敏の症状は出ると思います。
もちろん、親知らずの歯冠の切断部位による違いはあると思いますし
親知らずの位置や形態による違いもあると思います。
2回法を行った全員の方に知覚過敏様症状が出ているわけではないと思いますが、その可能性があるということですね。
ちなみに2回法の2回目の抜歯をうちで行った患者さんは、2回法の1回目の歯冠除去を行った後はかなり痛かったとおっしゃっていました。
相談者からの返信
相談者:
さっかおさん
返信日時:2016-05-19 13:11:00
畑田先生
ご教示いただきありがとうございます。
>親知らずが完全に抜去されていない状況で、神経に対する圧迫というのは私は考えにくいと思います。
そうなんですね。状況にもよるとは思いますが、腫れた時に顎に何も異常が出ない=親知らずが神経と接触していない、という判断の仕方は基本はされないということですね。
>2回法の1回目の歯冠除去を行った後はかなり痛かったとおっしゃっていました。
せっかく麻痺が酷くならない抜歯方法を見つけたかも知れない、と思っておりましたが、そんなに痛い場合もあるのですね。
最初の抜歯で1人で歩いて帰宅するのもままならないくらいの痛みを味わっているので、抜歯自体に恐怖感もありそんなに痛いとなると少し考えてしまいます…。
もう少しよく考えてみようと思います。
追加で質問なのですが、上の親知らず両方は真っ直ぐ生えているのですが、どちらも虫歯になって欠けており、恐らく神経に達する手前?くらいだと思います。
今残っている親知らずと上の虫歯の親知らず、どちらを優先すれば良いでしょうか。
また、上の親知らずの抜歯でも上の前歯や上唇などに麻痺が出る可能性はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
ご教示いただきありがとうございます。
>親知らずが完全に抜去されていない状況で、神経に対する圧迫というのは私は考えにくいと思います。
そうなんですね。状況にもよるとは思いますが、腫れた時に顎に何も異常が出ない=親知らずが神経と接触していない、という判断の仕方は基本はされないということですね。
>2回法の1回目の歯冠除去を行った後はかなり痛かったとおっしゃっていました。
せっかく麻痺が酷くならない抜歯方法を見つけたかも知れない、と思っておりましたが、そんなに痛い場合もあるのですね。
最初の抜歯で1人で歩いて帰宅するのもままならないくらいの痛みを味わっているので、抜歯自体に恐怖感もありそんなに痛いとなると少し考えてしまいます…。
もう少しよく考えてみようと思います。
追加で質問なのですが、上の親知らず両方は真っ直ぐ生えているのですが、どちらも虫歯になって欠けており、恐らく神経に達する手前?くらいだと思います。
今残っている親知らずと上の虫歯の親知らず、どちらを優先すれば良いでしょうか。
また、上の親知らずの抜歯でも上の前歯や上唇などに麻痺が出る可能性はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
回答4
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2016-05-19 13:55:25
>上の親知らず両方は真っ直ぐ生えているのですが、どちらも虫歯になって欠けており、恐らく神経に達する手前?くらいだと思います。
上顎の親知らずの近くには注意すべき神経というのは聞いたことがありません。
上顎の親知らずの抜歯で問題となるのは上顎洞との関係です。
CTを撮影することで解剖学的な位置関係を把握することができると思います。
>今残っている親知らずと上の虫歯の親知らず、どちらを優先すれば良いでしょうか。
上の親知らずの虫歯の程度にもよると思います。
虫歯が進行しそうであれば上の親知らずの抜歯を優先しても良いように思います。
>また、上の親知らずの抜歯でも上の前歯や上唇などに麻痺が出る可能性はあるのでしょうか。
まず考えなくてよいと思います。
私もそのようなリスクの説明はしたことがありません。
上顎の親知らずの近くには注意すべき神経というのは聞いたことがありません。
上顎の親知らずの抜歯で問題となるのは上顎洞との関係です。
CTを撮影することで解剖学的な位置関係を把握することができると思います。
>今残っている親知らずと上の虫歯の親知らず、どちらを優先すれば良いでしょうか。
上の親知らずの虫歯の程度にもよると思います。
虫歯が進行しそうであれば上の親知らずの抜歯を優先しても良いように思います。
>また、上の親知らずの抜歯でも上の前歯や上唇などに麻痺が出る可能性はあるのでしょうか。
まず考えなくてよいと思います。
私もそのようなリスクの説明はしたことがありません。
相談者からの返信
相談者:
さっかおさん
返信日時:2016-05-19 15:42:40
タイトル | 親知らず抜歯中断。今後の治療と顎の麻痺について |
---|---|
質問者 | さっかおさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 29歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
親知らずの抜歯 親知らず抜歯後の後遺症・トラブル 親知らず抜歯後の腫れ・痛み(ドライソケット) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。