左奥歯の根管治療にマイクロスコープは必須ですか?
相談者:
dekachikuさん (39歳:男性)
投稿日時:2016-10-19 21:59:56
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-19 22:29:31
>CTでみてどのような状況であれば。
>やり直しが必要なのでしょうか?
前回撮影した画像と比較して黒い部分が大きくなっているようであれば、やり直した方が良いかもしれません。
>マイクロスコープがない場合、しっかりと治療できないのでしょうか?
そんな事はないと思いますが、特に奥歯の治療であれば、あった方が良いでしょうね。
(個人的にはマイクロスコープは必須ですが)
アメリカの根管治療専門医はマイクロスコープの使用が義務付けられていますからね。
>マイクロスコープを使用することを希望した場合、自由診療となり保険が効かなくなるのでしょうか?
自由診療だけの医院であれば、当然、保険はききません。
自由診療と保険診療の両方を行っている医院さんの場合、選択権は患者さんにあると思います。
>保険が効く場合、いくらしますか?
数千円じゃないでしょうか。
奥歯で4根管または樋状根だった場合、CT撮影とマイクロスコープ治療を併用した場合には、今年から保険で400点(1200円)が通常の治療費に加算されることになりました。
ただ、歯科医院選びの条件としては「マイクロスコープがある」と言うだけでなく「使いこなせている」と言う事が前提です。
>やり直しが必要なのでしょうか?
前回撮影した画像と比較して黒い部分が大きくなっているようであれば、やり直した方が良いかもしれません。
>マイクロスコープがない場合、しっかりと治療できないのでしょうか?
そんな事はないと思いますが、特に奥歯の治療であれば、あった方が良いでしょうね。
(個人的にはマイクロスコープは必須ですが)
アメリカの根管治療専門医はマイクロスコープの使用が義務付けられていますからね。
>マイクロスコープを使用することを希望した場合、自由診療となり保険が効かなくなるのでしょうか?
自由診療だけの医院であれば、当然、保険はききません。
自由診療と保険診療の両方を行っている医院さんの場合、選択権は患者さんにあると思います。
>保険が効く場合、いくらしますか?
数千円じゃないでしょうか。
奥歯で4根管または樋状根だった場合、CT撮影とマイクロスコープ治療を併用した場合には、今年から保険で400点(1200円)が通常の治療費に加算されることになりました。
ただ、歯科医院選びの条件としては「マイクロスコープがある」と言うだけでなく「使いこなせている」と言う事が前提です。
回答2
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2016-10-19 23:51:47
dekachikuさまこんばんは。
根管治療とマイクロスコープとの関係ですね。
>CTでみてどのような状況であれば。
>やり直しが必要なのでしょうか?
CTは持ち合わせていないので何とも言えませんが、通常のデンタルレントゲンと打診反応とかで診断はつくと思います。
CTとかマイクロスコープは最近普及してきた機器ですが、それ以前は感染根管の診断とか根管治療ができなかったかと言えば決してそんなことはありません、歯科医としての技量があれば十分可能です、できていなかったのはヤブだったのでしょう。
>なお根の治療にはマイクロスコープが有用とのことですが、
有用ではありますが必須ではないと思います、マイクロスコープが治療するわけではありません、あくまでも覗く手段です。
>マイクロスコープがない場合、しっかりと治療できないのでしょうか?
たとえマイクロスコープがあったとしてもへったぴなら治せませんよ。
感染根管治療 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=30
>保険が効く場合、いくらしますか?
3割負担で2000円前後のような気がします。
>またマイクロスコープがある病院に行って、マイクロスコープを使用することを希望した場合、自由診療となり保険が効かなくなるのでしょうか?
保険医なら基本的にはなりません、なるとしたら希望した場合だと思います。
根管治療とマイクロスコープとの関係ですね。
>CTでみてどのような状況であれば。
>やり直しが必要なのでしょうか?
CTは持ち合わせていないので何とも言えませんが、通常のデンタルレントゲンと打診反応とかで診断はつくと思います。
CTとかマイクロスコープは最近普及してきた機器ですが、それ以前は感染根管の診断とか根管治療ができなかったかと言えば決してそんなことはありません、歯科医としての技量があれば十分可能です、できていなかったのはヤブだったのでしょう。
>なお根の治療にはマイクロスコープが有用とのことですが、
有用ではありますが必須ではないと思います、マイクロスコープが治療するわけではありません、あくまでも覗く手段です。
>マイクロスコープがない場合、しっかりと治療できないのでしょうか?
たとえマイクロスコープがあったとしてもへったぴなら治せませんよ。
感染根管治療 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=30
>保険が効く場合、いくらしますか?
3割負担で2000円前後のような気がします。
>またマイクロスコープがある病院に行って、マイクロスコープを使用することを希望した場合、自由診療となり保険が効かなくなるのでしょうか?
保険医なら基本的にはなりません、なるとしたら希望した場合だと思います。
回答3
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-20 10:29:35
以下、長文で失礼します。
確かに山田先生の書かれているように
「たとえマイクロスコープがあったとしてもへったぴなら治せませんよ。」
は、その通りだと思います。
なので、「マイクロスコープのある歯科医院」「使いこなせている歯科医院」にもう一つ条件を加えるとすれば「治療動画を見せてくれる歯科医院」です。
通常、裸眼やルーペで治療される場合、患者さんは自分のお口の中が「どんな状態か?」「どんな治療を受けたか?」を口頭で説明を受けることはあっても目で確認することはできません。
眼科や耳鼻科もそうですが、歯科疾患は「患者さん自身が直接見ることができない病気」です。
特に暗く狭い口の中は、まさに「ブラックボックス」です。
「虫歯の状態はどうだったのか?」「どのような治療をしたのか?」「今、どのような状態になっているのか?」など、担当の歯科医にしか状況がわかりません。
しかし「マイクロスコープを使って治療動画を撮影する」ことで患者さん自身のみならず、アシスタントのスタッフや同僚の歯科医師にも状態を「見てもらう」ことができるようになります。
もちろん、患者さんはプロではありませんから、詳しい内容までは把握しきれないかも知れませんが「虫歯が浅い、深い」「神経まで達した達しない」「根管の数がいくつある」「歯肉の状態がどうなっている(腫れている?)(出血がある?)」など、大まかには把握することが可能です。
治療の結果に関しても「虫歯の取り残しがないかどうか?」「隙間なく詰め物ができているかどうか」などもはっきり見ることが可能です。
逆に施述する歯科医の立場から言えば、「常に見られている状態で治療に臨む」のです。
それは常に「手を抜かない」「嘘をつかない」ことが求められます。
我々歯科医師も人間ですからミスをしてしまうこともあるでしょう。
「自分でミスをリカバリーできるのか?」「自分ではリカバリーできないが、専門医の先生であればリカバリーできるのか?」など「このような状態になってしまったのでこうしましょう」と素直に言えるかどうかが重要です。
また、マイクロスコープを見ながら丁寧に治療することで「致命的なミス」になることは少なく「リカバリーのきくミス」で済む事がほとんどです。
僕は外科処置など「(患者さんが)見ていて気持ちの良いものではない」場合を除き、すべての患者さんにすべての過程を見せています。(もちろん、時間短縮のため、早送りやスキップはしますよ)
個人的には「マイクロスコープを使うと自費になる」のではなく「マイクロスコープを使った治療を患者さんに見せて説明する時間の確保のため」に「保険ではできない」と考えています。
マイクロスコープは「見える、見えない」と言う次元の話ではなく「お口の中の状況を患者さん自身が把握」し「歯科医師と情報共有する事」で「安心して治療を継続する事ができるようになる」という事に価値があると思っています。
「治療動画を見せてくれる歯科医」
には
「他人に見せる事ができるレベルの治療技術」
のみならず、
「隠し事をしない、誠実な人間性」
が、求められます。
ま、いつも書く事ですが、歯科医選びは最終的には「相性」だとは思いますが…。
確かに山田先生の書かれているように
「たとえマイクロスコープがあったとしてもへったぴなら治せませんよ。」
は、その通りだと思います。
なので、「マイクロスコープのある歯科医院」「使いこなせている歯科医院」にもう一つ条件を加えるとすれば「治療動画を見せてくれる歯科医院」です。
通常、裸眼やルーペで治療される場合、患者さんは自分のお口の中が「どんな状態か?」「どんな治療を受けたか?」を口頭で説明を受けることはあっても目で確認することはできません。
眼科や耳鼻科もそうですが、歯科疾患は「患者さん自身が直接見ることができない病気」です。
特に暗く狭い口の中は、まさに「ブラックボックス」です。
「虫歯の状態はどうだったのか?」「どのような治療をしたのか?」「今、どのような状態になっているのか?」など、担当の歯科医にしか状況がわかりません。
しかし「マイクロスコープを使って治療動画を撮影する」ことで患者さん自身のみならず、アシスタントのスタッフや同僚の歯科医師にも状態を「見てもらう」ことができるようになります。
もちろん、患者さんはプロではありませんから、詳しい内容までは把握しきれないかも知れませんが「虫歯が浅い、深い」「神経まで達した達しない」「根管の数がいくつある」「歯肉の状態がどうなっている(腫れている?)(出血がある?)」など、大まかには把握することが可能です。
治療の結果に関しても「虫歯の取り残しがないかどうか?」「隙間なく詰め物ができているかどうか」などもはっきり見ることが可能です。
逆に施述する歯科医の立場から言えば、「常に見られている状態で治療に臨む」のです。
それは常に「手を抜かない」「嘘をつかない」ことが求められます。
我々歯科医師も人間ですからミスをしてしまうこともあるでしょう。
「自分でミスをリカバリーできるのか?」「自分ではリカバリーできないが、専門医の先生であればリカバリーできるのか?」など「このような状態になってしまったのでこうしましょう」と素直に言えるかどうかが重要です。
また、マイクロスコープを見ながら丁寧に治療することで「致命的なミス」になることは少なく「リカバリーのきくミス」で済む事がほとんどです。
僕は外科処置など「(患者さんが)見ていて気持ちの良いものではない」場合を除き、すべての患者さんにすべての過程を見せています。(もちろん、時間短縮のため、早送りやスキップはしますよ)
個人的には「マイクロスコープを使うと自費になる」のではなく「マイクロスコープを使った治療を患者さんに見せて説明する時間の確保のため」に「保険ではできない」と考えています。
マイクロスコープは「見える、見えない」と言う次元の話ではなく「お口の中の状況を患者さん自身が把握」し「歯科医師と情報共有する事」で「安心して治療を継続する事ができるようになる」という事に価値があると思っています。
「治療動画を見せてくれる歯科医」
には
「他人に見せる事ができるレベルの治療技術」
のみならず、
「隠し事をしない、誠実な人間性」
が、求められます。
ま、いつも書く事ですが、歯科医選びは最終的には「相性」だとは思いますが…。
回答4
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2016-10-20 13:44:16
櫻井先生に続いて長文です。
>左奥歯を1年前に根管治療しました。
>本日CTを撮ったところ顎のホネと歯の間に隙間のようなものが見えるので、根管治療をやり直した方が良いと言われました。
>CTでみてどのような状況であれば。やり直しが必要なのでしょうか?
櫻井先生が書かれたように、1年前の根管治療時のレントゲンと比較した大きくなっているようなら再治療の対象だと思います。
レントゲンでの黒い影はレントゲン透過像と呼ぶと思います。
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%9A%E9%80%8F%E9%81%8E%E5%83%8F
これが歯根に隣接する部位にあれば、しっかりとした骨がない可能性が高いという意味だと思います。
このレントゲン透過像の説明としてよく使われる言葉に、「膿がたまっている」とか「歯根嚢胞がある」とかがありますが、これらは正確ではないと思います。
「膿がたまっている」かどうかは実際に排膿しないかぎりそうではないと思います。
「歯根嚢胞」は外科的に摘出したものを病理検査して初めてつけられる秒目だとおみます。
根尖病変も黒い影もできますし、治癒傾向にあっても治癒しきっていな場合にも黒い影は残りますし、瘢痕治癒でも黒い影は消えないと思います。
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E3838F/05072_12.php
黒い影の大きさの変化や臨床症状を加味して要治療かどうかを判断すべきだと思います。
山田先生が書かれた
>>なお根の治療にはマイクロスコープが有用とのことですが、
>有用ではありますが必須ではないと思います、マイクロスコープが治療するわけではありません、あくまでも覗く手段です。
の後半はその通りだと思います。
あくまで拡大するだけで治療できません。
群馬大学でへったぴいな外科医が、内視鏡手術で何人かの患者さんを死亡させた事件があったと思います。
これは内視鏡手術できるだけの能力がない医師が、引き起こした悲惨な事件だと思います。
車も移動手段としてはかなり有用なんですが、無免許運転であったり飲酒などの危険運転があれば事故につながると思います。
顕微鏡も同様だと思います。
櫻井先生が書かれた
>「治療動画を見せてくれる歯科医」には「他人に見せる事ができるレベルの治療技術」のみならず、「隠し事をしない、誠実な人間性」
が、求められます。
には賛成します。
今販売されているマイクロスコープの多くは簡単に動画を見られるようになっていると思います。
またHP等にも動画を載せている歯科医院があると思います。
マイクロスコープを使う上で動画の保存は大事な使命だと思います。
まあヘッドマウントディスプレーやチェアーサイドにテレビをつければ、リアルタイムで治療内容を確認できますが。
>左奥歯を1年前に根管治療しました。
>本日CTを撮ったところ顎のホネと歯の間に隙間のようなものが見えるので、根管治療をやり直した方が良いと言われました。
>CTでみてどのような状況であれば。やり直しが必要なのでしょうか?
櫻井先生が書かれたように、1年前の根管治療時のレントゲンと比較した大きくなっているようなら再治療の対象だと思います。
レントゲンでの黒い影はレントゲン透過像と呼ぶと思います。
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%9A%E9%80%8F%E9%81%8E%E5%83%8F
これが歯根に隣接する部位にあれば、しっかりとした骨がない可能性が高いという意味だと思います。
このレントゲン透過像の説明としてよく使われる言葉に、「膿がたまっている」とか「歯根嚢胞がある」とかがありますが、これらは正確ではないと思います。
「膿がたまっている」かどうかは実際に排膿しないかぎりそうではないと思います。
「歯根嚢胞」は外科的に摘出したものを病理検査して初めてつけられる秒目だとおみます。
根尖病変も黒い影もできますし、治癒傾向にあっても治癒しきっていな場合にも黒い影は残りますし、瘢痕治癒でも黒い影は消えないと思います。
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E3838F/05072_12.php
黒い影の大きさの変化や臨床症状を加味して要治療かどうかを判断すべきだと思います。
山田先生が書かれた
>>なお根の治療にはマイクロスコープが有用とのことですが、
>有用ではありますが必須ではないと思います、マイクロスコープが治療するわけではありません、あくまでも覗く手段です。
の後半はその通りだと思います。
あくまで拡大するだけで治療できません。
群馬大学でへったぴいな外科医が、内視鏡手術で何人かの患者さんを死亡させた事件があったと思います。
これは内視鏡手術できるだけの能力がない医師が、引き起こした悲惨な事件だと思います。
車も移動手段としてはかなり有用なんですが、無免許運転であったり飲酒などの危険運転があれば事故につながると思います。
顕微鏡も同様だと思います。
櫻井先生が書かれた
>「治療動画を見せてくれる歯科医」には「他人に見せる事ができるレベルの治療技術」のみならず、「隠し事をしない、誠実な人間性」
が、求められます。
には賛成します。
今販売されているマイクロスコープの多くは簡単に動画を見られるようになっていると思います。
またHP等にも動画を載せている歯科医院があると思います。
マイクロスコープを使う上で動画の保存は大事な使命だと思います。
まあヘッドマウントディスプレーやチェアーサイドにテレビをつければ、リアルタイムで治療内容を確認できますが。
相談者からの返信
相談者:
dekachikuさん
返信日時:2016-10-20 14:34:56
回答5
水川歯科医院(荒川区東日暮里)の水川です。
回答日時:2016-10-20 15:44:43
dekachiku こんにちは
>なぜ日本では義務付けられていないのでしょうか?
まず、日本には専門に制度なるものがありません。
各学会などで認定医いや指導医などの制度がありますが、アメリカのものとは異なります。
>拡大鏡
視野の明るさや拡大率など、細くて長くて暗い根管の中を見るのにはあまり適していません。
マイクロスコープの方が圧倒的に有利です。
>素人だとマイクロスコープを使いこなせているかどうか外からはなかなか判断できません。
櫻井先生もおっしゃっていますが、録画したものを見せていただけるかどうか、治療中ずっと使っているかなどである程度の判断はつくかと思います。
治療の始めと終わりだけしか見ない先生はあまり慣れていらっしゃらないと思います。
>マイクロスコープは一千万円するのであまり導入出来ていないのでしょうか?
もっと安価なものもありますよ。
導入できない、またはしないのは、いろいろな理由がありますが、まずは、ドクター自身の考え方で、導入する必要がない(保険診療で手間暇や時間をかけられない、使って治療しても売り上げには貢献しない)または、マイクロスコープの必要性や良いことを知らない、または知る気がない。
導入しても、すぐには使いこなせない(毎日使って普通に使えるようになるのに1年ぐらいかかります)、治療時間が延びてしまう(慣れないと時間がかかります、逆に慣れると早くなりますがそのレベルまでなるのに数年かかります)。
などなど、いろいろな理由がありますが、保険治療では時間をかけて丁寧な治療をしても評価されません。
1年目の先生が治療してもベテランの先生が治療しても治療費は同じです。
手間をかけて時間や材料を使えば使うほど経営を圧迫することになります。
これでは、一生懸命勉強をして設備投資をしてより良い治療を提供をしようという気にはなかなかなれないですよね。
一部の先生は、勉強して設備投資をして良い治療を提供しようとしていますが、そうなるとどうしても自由診療になってしまいます。
そうすると患者さんの中には儲け主義だと言って悪い印象を持たれる方も少なくないと思います。
このような理由が絡んでなかな普及しないんだと思います。
>なぜ日本では義務付けられていないのでしょうか?
まず、日本には専門に制度なるものがありません。
各学会などで認定医いや指導医などの制度がありますが、アメリカのものとは異なります。
>拡大鏡
視野の明るさや拡大率など、細くて長くて暗い根管の中を見るのにはあまり適していません。
マイクロスコープの方が圧倒的に有利です。
>素人だとマイクロスコープを使いこなせているかどうか外からはなかなか判断できません。
櫻井先生もおっしゃっていますが、録画したものを見せていただけるかどうか、治療中ずっと使っているかなどである程度の判断はつくかと思います。
治療の始めと終わりだけしか見ない先生はあまり慣れていらっしゃらないと思います。
>マイクロスコープは一千万円するのであまり導入出来ていないのでしょうか?
もっと安価なものもありますよ。
導入できない、またはしないのは、いろいろな理由がありますが、まずは、ドクター自身の考え方で、導入する必要がない(保険診療で手間暇や時間をかけられない、使って治療しても売り上げには貢献しない)または、マイクロスコープの必要性や良いことを知らない、または知る気がない。
導入しても、すぐには使いこなせない(毎日使って普通に使えるようになるのに1年ぐらいかかります)、治療時間が延びてしまう(慣れないと時間がかかります、逆に慣れると早くなりますがそのレベルまでなるのに数年かかります)。
などなど、いろいろな理由がありますが、保険治療では時間をかけて丁寧な治療をしても評価されません。
1年目の先生が治療してもベテランの先生が治療しても治療費は同じです。
手間をかけて時間や材料を使えば使うほど経営を圧迫することになります。
これでは、一生懸命勉強をして設備投資をしてより良い治療を提供をしようという気にはなかなかなれないですよね。
一部の先生は、勉強して設備投資をして良い治療を提供しようとしていますが、そうなるとどうしても自由診療になってしまいます。
そうすると患者さんの中には儲け主義だと言って悪い印象を持たれる方も少なくないと思います。
このような理由が絡んでなかな普及しないんだと思います。
回答6
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2016-10-20 17:04:08
なかなか難しいご質問ですね…
マイクロスコープ本体の導入コストの問題
トレーニングの問題
費用回収の問題
などなど、問題は山積みです。
ザックリ一言で言ってしまえば
「日本の歯科医の99%が保険診療を行っているから」
という事になってしまうと思います。
日本の健康保険制度は「虫歯の洪水時代」と言われた昭和30年代に作られた制度です。
歯科では「一人でも多くの患者、一本でも多くの虫歯を治せ」というのが国策でした。
つまり「1日に10人しか診れない歯医者より50人診れる歯医者がえらい(儲かる)」という考えです。
50年以上経った今でも根本的なシステムは変わっていません。
まあ、新人の頃は経験もなく、効率も悪いため多くの患者さんを診る事ができない(稼ぎが少ない)のですが、経験を積む事で効率良く、スピードアップが測れるようになるので多くの患者さんを診る事ができるようになる(収入が上がる)という、ある意味、理にかなったシステムとは言えます。
しかし、顕微鏡歯科治療はそれとは真逆のトレーニングが必要となります。
倍率が上がれば上がるほど、動かす手をゆっくり、丁寧に行わないと、とんでもないことになってしまいます。
動かす手がゆっくりになる→治療できる面積が小さくなる→同じ大きさの虫歯でも何倍も時間がかかるようになる→多くの患者を診ることができなくなる→保険のスタイルでは収入が減る
ということになるでしょうか。
(そうであってもトレーニングを重ねれば多少のスピードアップはできますけどね)
それに加え、回答3でも書いたように「動画による治療説明の時間」を確保しなければなりませんから、さらに収入は減るでしょうね。
また、歯科治療では「直接覗き込んで見る治療法(直視)」と「デンタルミラーに映った像を見ながら治療する方法(ミラーテクニック)」を使い分けますが、裸眼やルーペの場合、いろいろな方向から覗き込むことができるので、8〜9割直視で行うことになりますが、マイクロスコープの場合は覗き込むことができないので、ミラーテクニックが8割以上になります。
これもまた、普段とは違ったトレーニングが必要になります。
参考:ミラーテクニックの練習
https://www.youtube.com/watch?v=yOXlTzU5iZ0
この動画のように鏡を見ながら字が書けるようになる必要があります。
(ここまでくると、ある種、特殊技能ですね)
↓ ↓ こう言う事ですよ ↓ ↓
>人によっては、頭につける拡大鏡(双眼鏡みたいなやつ)をつけてやった方が作業効率がよいという方もいらっしゃいますがどうなのでしょうか?
しかも、独学でミラーテクニックを習得する事はなかなか難しく、1回十数万円する実習コースを受講したりする必要も出てきます。
また、他の先生も書かれているように
「マイクロと言っても、しょせん、見えるだけの道具」
「歯科の治療技術がなければ無駄」
です。
裸眼とは見える世界が違いすぎるため、歯科治療に関して、もう一度、一から勉強しなおす、またはより深く勉強していく必要が有ります。
確かに、歯科大学で習う事は正しい事ではあるのですが、顕微鏡を通して見直すと「本当にそうなの?」と思う事も多々あったりもします。
また、顕微鏡治療には顕微鏡でなければ行えない特殊な治療技術もありますので、そのためのトレーニングを受け、専用の器材を揃えなければなりません。
以前「昔は耳鼻科や眼科の保険点数には顕微鏡加算があった」と言う話を聞いた事があります。
その結果、爆発的に顕微鏡が普及し、今ではほとんどすべての処置が顕微鏡下で行われるようになったそうです。
知り合いの眼科医も「マイクロの無い診療は考えられない」と言っていました。
(あまりにも当たり前になったので顕微鏡加算は廃止になったようですが)
歯科と違い、眼科の手術はすべて直視ですから、ミラーテクニックのトレーニングの必要が無い分、普及も早かったのでは無いかと思います。
さて、どうでしょう。
これだけのトレーニング、勉強、努力を重ね、マイクロスコープ&周辺器材を揃えるという設備投資を行い、患者さんに良い医療を提供したい!と思っているにもかかわらず、保険のシステムでは収入が大幅に減ると言う現実…。
ここまで書いていて自分でも悲しくなるくらい「マイクロの導入はハードルが高いんだなぁ」と感じました(笑)。
マイクロスコープ本体の導入コストの問題
トレーニングの問題
費用回収の問題
などなど、問題は山積みです。
ザックリ一言で言ってしまえば
「日本の歯科医の99%が保険診療を行っているから」
という事になってしまうと思います。
日本の健康保険制度は「虫歯の洪水時代」と言われた昭和30年代に作られた制度です。
歯科では「一人でも多くの患者、一本でも多くの虫歯を治せ」というのが国策でした。
つまり「1日に10人しか診れない歯医者より50人診れる歯医者がえらい(儲かる)」という考えです。
50年以上経った今でも根本的なシステムは変わっていません。
まあ、新人の頃は経験もなく、効率も悪いため多くの患者さんを診る事ができない(稼ぎが少ない)のですが、経験を積む事で効率良く、スピードアップが測れるようになるので多くの患者さんを診る事ができるようになる(収入が上がる)という、ある意味、理にかなったシステムとは言えます。
しかし、顕微鏡歯科治療はそれとは真逆のトレーニングが必要となります。
倍率が上がれば上がるほど、動かす手をゆっくり、丁寧に行わないと、とんでもないことになってしまいます。
動かす手がゆっくりになる→治療できる面積が小さくなる→同じ大きさの虫歯でも何倍も時間がかかるようになる→多くの患者を診ることができなくなる→保険のスタイルでは収入が減る
ということになるでしょうか。
(そうであってもトレーニングを重ねれば多少のスピードアップはできますけどね)
それに加え、回答3でも書いたように「動画による治療説明の時間」を確保しなければなりませんから、さらに収入は減るでしょうね。
また、歯科治療では「直接覗き込んで見る治療法(直視)」と「デンタルミラーに映った像を見ながら治療する方法(ミラーテクニック)」を使い分けますが、裸眼やルーペの場合、いろいろな方向から覗き込むことができるので、8〜9割直視で行うことになりますが、マイクロスコープの場合は覗き込むことができないので、ミラーテクニックが8割以上になります。
これもまた、普段とは違ったトレーニングが必要になります。
参考:ミラーテクニックの練習
https://www.youtube.com/watch?v=yOXlTzU5iZ0
この動画のように鏡を見ながら字が書けるようになる必要があります。
(ここまでくると、ある種、特殊技能ですね)
↓ ↓ こう言う事ですよ ↓ ↓
>人によっては、頭につける拡大鏡(双眼鏡みたいなやつ)をつけてやった方が作業効率がよいという方もいらっしゃいますがどうなのでしょうか?
しかも、独学でミラーテクニックを習得する事はなかなか難しく、1回十数万円する実習コースを受講したりする必要も出てきます。
また、他の先生も書かれているように
「マイクロと言っても、しょせん、見えるだけの道具」
「歯科の治療技術がなければ無駄」
です。
裸眼とは見える世界が違いすぎるため、歯科治療に関して、もう一度、一から勉強しなおす、またはより深く勉強していく必要が有ります。
確かに、歯科大学で習う事は正しい事ではあるのですが、顕微鏡を通して見直すと「本当にそうなの?」と思う事も多々あったりもします。
また、顕微鏡治療には顕微鏡でなければ行えない特殊な治療技術もありますので、そのためのトレーニングを受け、専用の器材を揃えなければなりません。
以前「昔は耳鼻科や眼科の保険点数には顕微鏡加算があった」と言う話を聞いた事があります。
その結果、爆発的に顕微鏡が普及し、今ではほとんどすべての処置が顕微鏡下で行われるようになったそうです。
知り合いの眼科医も「マイクロの無い診療は考えられない」と言っていました。
(あまりにも当たり前になったので顕微鏡加算は廃止になったようですが)
歯科と違い、眼科の手術はすべて直視ですから、ミラーテクニックのトレーニングの必要が無い分、普及も早かったのでは無いかと思います。
さて、どうでしょう。
これだけのトレーニング、勉強、努力を重ね、マイクロスコープ&周辺器材を揃えるという設備投資を行い、患者さんに良い医療を提供したい!と思っているにもかかわらず、保険のシステムでは収入が大幅に減ると言う現実…。
ここまで書いていて自分でも悲しくなるくらい「マイクロの導入はハードルが高いんだなぁ」と感じました(笑)。
回答7
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2016-10-20 17:21:40
>櫻井先生のコメントでは、アメリカではマイクロスコープの使用が義務付けられているようですが、なぜ日本では義務付けられていないのでしょうか?
お国柄もあると思います。
アメリカは訴訟社会ですから決められたことをちゃんとしないと裁判で負けてしまい、多大な賠償金を支払うこともあるかと思います。
それにアメリカではかなり高額な医療費を払える人か、高い医療保険料を払える人たちというニーズがあるのではないかと思います。
>人によっては、頭につける拡大鏡(双眼鏡みたいなやつ)をつけてやった方が作業効率がよいという方もいらっしゃいますが、どうなのでしょうか?
光軸が視軸に近ければそれなりに使えそうですが、16倍クラスの拡大率の拡大鏡はあまり聞いたことがありません。
拡大鏡でも2倍から8倍ぐらいまありますので、倍率によっては老眼鏡程度になって島かもしれないと思います。
>素人だとマイクロスコープを使いこなせているかどうか外からはなかなか判断できません。
そうですよね。
症例ビデオを示せるかどうかとか、何倍で使っているかとかHPに動画を載せているかなどでしょうか。
>マイクロスコープは一千万円するのであまり導入出来ていないのでしょうか?
100万円ぐらいのものもありますが、今年の4月から顕微鏡加算の算定範囲が広がり算定用件もやさしくなったので、少しは普及するかもしれませんね。
お国柄もあると思います。
アメリカは訴訟社会ですから決められたことをちゃんとしないと裁判で負けてしまい、多大な賠償金を支払うこともあるかと思います。
それにアメリカではかなり高額な医療費を払える人か、高い医療保険料を払える人たちというニーズがあるのではないかと思います。
>人によっては、頭につける拡大鏡(双眼鏡みたいなやつ)をつけてやった方が作業効率がよいという方もいらっしゃいますが、どうなのでしょうか?
光軸が視軸に近ければそれなりに使えそうですが、16倍クラスの拡大率の拡大鏡はあまり聞いたことがありません。
拡大鏡でも2倍から8倍ぐらいまありますので、倍率によっては老眼鏡程度になって島かもしれないと思います。
>素人だとマイクロスコープを使いこなせているかどうか外からはなかなか判断できません。
そうですよね。
症例ビデオを示せるかどうかとか、何倍で使っているかとかHPに動画を載せているかなどでしょうか。
>マイクロスコープは一千万円するのであまり導入出来ていないのでしょうか?
100万円ぐらいのものもありますが、今年の4月から顕微鏡加算の算定範囲が広がり算定用件もやさしくなったので、少しは普及するかもしれませんね。
相談者からの返信
相談者:
dekachikuさん
返信日時:2016-10-20 18:55:02
回答8
回答日時:2016-10-21 02:15:10
ここまでの流れについては長文なのでしっかり読めてないですが、タイトルの、
>根管治療にマイクロスコープは必須か?
については個人的には必須ではありませんがあった方がいいと思いますし、同じような意味合いでラバーダムとか、マイクロの動画プレゼンシステムや、「時間」もあった方がいいと思います。
「技術」や「知識」「診断力の高さ」などはそれこそ必須と言えるかと思いますが、そういったことは他人に評価できることでもないというのが難しいところだと思います。
理想を求めるとトレードオフの関係でコストの問題が当然出てきますが、
>マイクロスコープ治療をお願いする場合、保険と自由診療のハイブリッドになるかと思いますが、保険のいくら増しを考えればよろしいでしょうか?
について、ご質問のように差額分だけ保険とは別に請求するということはルール上許されていません。
現在の制度では保険をしている医院で自費の根管治療を、というのはルール上、実質的にほぼ不可能なのです。
(例外的に、ルールを守っていないか、「その医院ではその患者が今後保険治療を一切受けない」という条件が満たせるなら可能だと思います)
ですので、自費の根管治療を希望される場合には、自費専門や自費専門でかつ根管治療専門の医院を受診するのが現実的で意味もあるかと思うのですが、多分奥歯の再治療ということでしたら10万以上は少なくともするのではないかと思いますよ。
ご希望に合いそうな医院が見つかるといいですね、お大事にどうぞ。
>根管治療にマイクロスコープは必須か?
については個人的には必須ではありませんがあった方がいいと思いますし、同じような意味合いでラバーダムとか、マイクロの動画プレゼンシステムや、「時間」もあった方がいいと思います。
「技術」や「知識」「診断力の高さ」などはそれこそ必須と言えるかと思いますが、そういったことは他人に評価できることでもないというのが難しいところだと思います。
理想を求めるとトレードオフの関係でコストの問題が当然出てきますが、
>マイクロスコープ治療をお願いする場合、保険と自由診療のハイブリッドになるかと思いますが、保険のいくら増しを考えればよろしいでしょうか?
について、ご質問のように差額分だけ保険とは別に請求するということはルール上許されていません。
現在の制度では保険をしている医院で自費の根管治療を、というのはルール上、実質的にほぼ不可能なのです。
(例外的に、ルールを守っていないか、「その医院ではその患者が今後保険治療を一切受けない」という条件が満たせるなら可能だと思います)
ですので、自費の根管治療を希望される場合には、自費専門や自費専門でかつ根管治療専門の医院を受診するのが現実的で意味もあるかと思うのですが、多分奥歯の再治療ということでしたら10万以上は少なくともするのではないかと思いますよ。
ご希望に合いそうな医院が見つかるといいですね、お大事にどうぞ。
タイトル | 左奥歯の根管治療にマイクロスコープは必須ですか? |
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質問者 | dekachikuさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 39歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療の治療法 マイクロスコープ |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。