彎曲根管で穿孔とヒビのある上7番、再根管治療か意図的再植か抜歯

相談者: イタリアさん (45歳:女性)
投稿日時:2016-11-07 13:44:47
何年も前に神経を抜いて根管治療をした右上7番の歯について、相談させて下さい。


2年半前にレントゲンを撮った際に骨が溶けてきていることがわかり、1件では抜歯、他3件では再根管治療を薦められました。
ただ、その3件とも

「今までの治療で歯が薄くなっているから、被せものを外す際に歯が割れるかもしれず、そうなったら抜歯」

というご意見でした。
その中の1人の先生は

「今は痛みもないのだから、被せものを取って歯を割ってしまい即抜歯になるよりも、このまま様子見でいたらどうか」

というご意見で、海外にいたこともあり、2年半そのままにしていました。


今回日本に帰ってきたので、自由診療ですが顕微鏡とラバーダム使用の先生に再根管治療をお願いすることにしました。

レントゲンとCTで見ていただいたところ、3本あるうち1本の根管は先が「し」の字に曲がっており、「し」のカーブ手前でおそらく前回別の先生にして頂いた根管治療の際に穴が空いてしまっていること、 曲がった先が掃除できていないこと、骨がかなり無くなっていることがわかりました。

パーフォレーションリペアと根管の再治療をするということで、被せものを2回の診療に分けて取って頂いたところ、歯にひびが入っている事が判明しました。

結構大きめのひびで、1〜100の割合でいくと50以上のひびだそうです。
先生は抜歯を薦めるとおっしゃいました。


2年半前に左上6番を抜歯し、インプラントを薦められたのですがどうにもイヤでそのままにする選択をしたので、そこには現在何もない状態ですが、特に問題はありません。


この右上7番も、抜歯の場合はインプラントなどはせずに放置する予定なので、自歯を失うのはどうにかして避けたいのですが、やはり抜歯が最適なのでしょうか。

それとも、このまま歯を残して再根管治療をする、もしくは意図的再植術を試みるメリットはあるでしょうか。
そうした際のデメリットについても教えて頂けたらと思います。 


どうかご意見をお聞かせ下さい。
宜しくお願い致します。    


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-11-07 16:02:53
>やはり抜歯が最適なのでしょうか。

教科書的には歯根破折の場合、適応は抜歯となります。

最近はいろいろな方法で破折歯を保存する試みがされていますが、どれも「トライ&エラー」で検証されているというのが現状だと思います。

なので「成功率はどうなのか?」と聞かれても明確な論文などは無く、「やってみなければわからない」ということになります。


つまり、ステラ5 さんが「どのくらいその歯に執着するか?」によって治療法は変わるように思います。

確実な方法を選択しようという事であれば、残念ながら抜歯をお勧めいたします。
(上顎7番であれば抜歯後経過観察でも良いようにも思います)

しかし「(人体実験でもなんでもかまわないので)残すチャレンジをしたい」と言う事であれば、残す努力をしてくれる歯科医を探し、治療を受けられてみてはいかがでしょうか?

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イタリアさん
返信日時:2016-11-08 01:38:12
櫻井先生、お忙しい中ご回答を頂き有難うございます。

先生も抜歯を勧められるのですね。

今日、別の歯科医の方とお話をする機会があり、「ひびの具合と根の形状によっては分割抜歯ができる可能性がある」とのことでした。ただ、その場合も「もって5〜10年でしょう」とも話されていました。


皆さんの質問を読んでいると分割抜歯後はブリッジにしたりするようですが、私はブリッジをする気はないので半分の歯がぽつんと残る形になります。

半分でもいいから残したいと思う反面、
@1本でもヒビの入った歯が半分になって噛む力に耐えられるのか
A5〜10年しかもたないであろう半分の歯を自費再根管治療までする意味はあるのか
B予後が悪くなって他の歯に悪影響を及ぼさないか

という不安もあります。


抜歯を勧められているのに更なる質問で恐縮ですが、ご回答いただけたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-11-08 09:39:51
あくまでも個人的な意見です。

分割抜歯をされるのであれば

1 隣の歯が健全歯ではない(すでにクラウンをかぶっている)事
2 ブリッジの形にする事
3 力のコントロール、プラークコントロールがしっかりできていること

が条件になります。

「1」は健全歯を削ってまでブリッジにするのはリスクが高いので、すでに神経取りなり、クラウンなりが入っている歯を利用するべきと考えます。

「2」は分割抜歯した細い根っこで咬合力には耐えられません。
したがって、ブリッジにして少しでも力の分散を図るべきかと思います。
なので「半分の歯がぽつんと残る形」はダメだと思います。

「3」破折の原因は何だったのか?を考え、さらに1本無くなった根の事を考えると、今まで以上に力のコントロールはシビアに考える必要があると思います。

なので、多くの場合、僕は分割抜歯にはせず、インプラントにすることのほうが様々なリスクを回避できるものと考えます。


ただ、ここまで書きましたが、僕は上顎7番の分割抜歯→ブリッジというケースは見たことがありません。

果たして「本当に分割抜歯が適切なのか?」を担当の先生とディスカッションされたほうが良いような気もします。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イタリアさん
返信日時:2016-11-12 11:50:38
櫻井先生、すぐに回答を頂いていたのに返事が遅くなり申し訳ありません。
そして、お忙しいのにとても丁寧でわかりやすいご意見をいただき、本当に有難うございます。

担当の先生と話したところ、ひびが歯の真ん中に入っており、分割抜歯をするなら根管1本しか残せずそれではやはり噛む力に耐えられないとのことで、櫻井先生もおっしゃるとおり抜歯をするのが賢明とのことでした。


抜歯の前に他の歯の様子も見てみましょうということで、CTで見ると根元の骨が1部溶けている、神経のない根管治療済みの左下7番の被せものを外してみたところ、この歯にもひびが入っていました。
ようやく右上7番の抜歯を覚悟したのに、この歯もかという感じです。

左上6番を2年半前に抜歯してインプラントも何もない状態なので、おそらく負担が掛かり過ぎて割れてしまったのだろうとのお話です。

この歯も抜かないといけないとなると、左下7・左上6と交互にないので左奥歯では物が噛めなくなります。

そして右上7も抜歯予定なので、右は6番しか機能しなくなります。

今までインプラントを避けてきたのですが、この状況では遅かれ早かれ設置の決断をしないといけないでしょうか。
左右の7番はそのままでもいいとして、左上6番だけでもインプラントをした方が良いでしょうか。

質問に次ぐ質問で申し訳ないですが、ご回答いただけましたら幸いです。
宜しくお願い致します。
回答 回答3
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-11-12 16:22:14
大臼歯歯根破折が多いようですが、このことは、あなたに噛みしめの癖があることを暗示しているように思います。
この癖を直していかないと、さらなる自己崩壊が進むと思われます。
このような方には私は治療と並行して徹底的な噛みしめ予防措置を施しながらすすめます。
当然のことですが、悪化していく原因にも対処するということです。

欠損歯の部分に関しては、私は、インプラントしかすすめていません。
噛みしめ癖は、インプラントの大敵ではありますが、あえて挑戦しなければ、自己崩壊がどうしても進むからです。
インプラントは直径の太い、長径も長いしっかりしたものでなければなりません。

今後のあなたの歯を守り続けるのは大変であることと思われます。
しっかり対処なさってください。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イタリアさん
返信日時:2016-11-13 14:12:12
松山先生、ご回答を頂き有難うございます。

確かに、左上6番が痛み出して原因がわからなかった時、何かを集中してやった後に特に歯が痛かったので、くいしばり過ぎが原因かと思ってマウスピースを作り、使用していました。

結局その歯は膿が溜まって骨も溶けている状態で、再根管治療をしても無理だろうという判断をされ抜歯をしたので、マウスピースはそれ以降使用していませんでしたが、やはり元々噛みしめの癖があるのかもしれませんね。
又使い始めたいと思います。

根管充填の際に加熱・加圧をしたり、金属の土台を立てると、それだけその後にひびが入る可能性が高くなると書いてある歯科医院のページを見たのですが、やはりそういうものなのでしょうか?

噛みしめ予防措置とはどういうことをするのでしょうか。

どうぞ宜しくお願い致します。
回答 回答4
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-11-13 14:42:39
・噛みしめ予防措置

来院される都度、注意を促すことです。
噛みしめのこわさ、その時の咬合力の大きさを説明したり、覚醒時は、歯を接触させないことを含めて勿論に噛みしめないこと、リマインダーとするスティック製の紙片を渡す、睡眠中のためにはマウスピースの作成など、を行います。
しつこいほど、いやになるほど注意を促すことを先行して話しておきます。
ただそれだけのことですが、なかなかに難しいものです。


根管充填の際に加熱・加圧をしたり、金属の土台を立てると、それだけその後にひびが入る可能性が高くなると書いてある歯科医院のページを見たのですが、やはりそういうものなのでしょうか?

そのような要因は否定できませんが、咬む力の要因のほうが多大でしょう。


・2年半前に左上6番を抜歯し、インプラントを薦められたのですがどうにもイヤでそのままにする選択をしたので、そこには現在何もない状態ですが、特に問題はありません。

このようなことをお書きになりながら、桜井先生が回答するところの7番に執着することには、失礼ながら違和感を覚えます。
なにが、とは言えないけれど、大事なことを見失っている気がします。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イタリアさん
返信日時:2016-11-15 23:00:10
松山先生、お忙しい中ご回答下さり、どうも有難うございます。

噛みしめ予防措置とは、何回も注意を喚起なされることなのですね。
私も常に忘れないようにし、噛みしめをしないように気を付けていきたいと思います。


今回の7番もそうですが、どうしても自歯を残したいという思いがあります。
6番を抜歯しなければいけないと宣告された時も、もう1人の街で評判の良い先生にすぐにセカンドオピニオンを聞きに行きましたが、そちらでも抜歯と言われ、仕方なく抜くこととなりました。

今回の7番もできるだけ残したいと思ったのですが、先生方のご意見を聞き、様々な要因から抜歯が適切だということを教えていただきました。
素人では「自歯を残したい」という思いだけが先に立ってしまうのですが、色々と詳しくご説明頂いて、本当に参考になりますし、納得のいく決断ができます。

松山先生には、噛みしめ癖について注意を促していただき、又、インプラントについても助言をいただき、本当に有り難く思っております。


明日、担当の先生に診ていただく予定です。
右上7番と左下7番のひびの状況を見、今後の治療について検討する事になると思います。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2016-11-16 10:15:55
>私も常に忘れないようにし、噛みしめをしないように気を付けていきたいと思います。

「噛み締め」ではなく「持続的な歯の接触」のほうが悪さをすると思います。

⇒参考:TCH・歯列接触癖

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イタリアさん
返信日時:2016-11-18 22:54:05
櫻井先生、再度のご回答、有難うございます。

TCHという言葉を初めて聞き、教えて頂いた参考サイトも見てみました。
特に「上下の歯は何もしていない時は接触しておらず離れており、接触しているのは1日20分程度が正常だと言われています。」という記述にはびっくりしました。
普段あまり意識したことがありませんでしたが、意識してみると、私の歯は接触していることが多い気がします。

サイトに書いてある改善法を実施してみたいと思います。

経過報告ですが、右上6番は抜歯をすることにし、現在左下7番を再根管治療中です。
ひびは接着することになっています。
担当の先生には成功率は低いと言われていますが、わずかでも望みがあるなら、とお願いすることにしました。

今回も知らないことを教えて頂き、大変感謝しております。
どうも有難うございました。



タイトル 彎曲根管で穿孔とヒビのある上7番、再根管治療か意図的再植か抜歯
質問者 イタリアさん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯が抜けた・抜く予定 その他
歯のヒビ(ひび割れ)
根管治療の失敗・再治療
根の穴・穿孔(パーフォレーション)
歯根破折
意図的再植
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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