歯周病治療で2つのクリニックで診断がバラバラ

相談者: 惺さん (32歳:女性)
投稿日時:2017-03-02 01:37:29
はじめまして。
元々矯正治療を希望して受信したクリニックで、歯周病が酷いのでそれを治さないと矯正治療は出来ないと言われました。

歯周ポケット測定と小さな何十枚ものレントゲン口腔写真の検査の結果、上下左右の奥歯の状態が酷く、一番深いところで7ミリの歯周ポケットがあり、4ヶ所について歯茎を切り開いて歯石を除去、1ヵ所は歯槽骨の再生治療が必要であろうとのことでした。


虫歯になりやすいため、今まで1年に1度は歯科に通っていましたが、歯周病と言われたことはなかったため驚き、また自費治療がメインの歯科だったため、費用がもう少し安くならないものかと、地元で歯周病専門医の資格をもつ歯科医師のいるクリニックにも診察をお願いしました。

唾液検査と歯周ポケットの測定とレントゲンと口腔写真の検査の結果、一番深い歯周ポケットは5ミリで、歯茎を切り開いて歯石を除去したり歯槽骨再生の治療は必要ないだろうとのことでした。


なぜこんなに診断が違うのでしょうか?
自分がセカンドオピニオンを求めておいて大変情けないことですが、どちらの診断を信じるべきか、分からなくなってしまいました。
ご助言いただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-03-02 08:27:17
はじめまして。

歯周病の検査は、とくにポケットの測定は専門家でも誤差が出ます。
ただし、その場合はどちらも歯周病で治療が必要という点では違いがありません。

問題は診断ではなく、治療計画が異なるという点ですので、こればかりは歯科医師の個性が出てきます。
したがってどちらが正しいのかを考えることはあまり意味はないと思います。

従って御自身が受けたい治療、納得のいく治療方法を提示してくれた医院でとりあえず治療を受けてみるのがいいのではないでしょうか。
理想を言えば、矯正の担当の歯科医師と連携が取れる医院、歯科医師が理想であると思います。


お大事にどうぞ。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-03-02 08:30:16
おはようございます。

矯正治療を希望して歯科医院を訪れたところ歯周病に罹患していることが判明し先に治さなければならないといわれたようですね、これは全くもって正しい治療方針です。


虫歯になりやすいため、今まで1年に1度は歯科に通っていましたが

むし歯になりやすいということなら検診に行ったところでむし歯予防にはなりません、せいぜい早い段階でむしを見つけるだけです。

むし歯ができるにはそれなりの理由があります、それを改めないことには根本的な解決にはなりません。

むし歯ができてしまったら http://www.yamadashika.jp/prevent.html#03

要するにお菓子の食べ過ぎです、もし心当たりがあるならお菓子をむし歯のできないレベルまで減らさなければなりません、具体的にはお菓子は一日一種類一個ということになります。

むし歯のできないおさとうの量 http://www.yamadashika.jp/prevent05.html


次は歯磨きです、磨こうと思えば磨ける技術を持っている必要がります。

毛先磨き http://www.yamadashika.jp/prevent08.html#kesaki

ポケットの深いところは歯間ブラシ縦入れで治します、この方法はできれば縦入れの方法がわかっているDrや歯科衛生士に教えてもらうのが無難です。

歯間ブラシ縦入れ http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1845
動画 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1845

お菓子が減って歯磨きが上達すればほとんどの歯周病は治ると思います。


>4ヶ所について歯茎を切り開いて歯石を除去、1ヵ所は歯槽骨の再生治療が必要であろうとのことでした。

私どものところは歯周病手術はしません、歯肉縁下の歯石もとりません手術をしたところで歯磨き技術が伴わっていなければ歯をきれいに磨けないのでいずれ再発します。

歯石については歯磨きで歯周病が治ってくれば腫れた歯肉が引き締まってきて歯石が歯肉縁上に出てきます、歯肉の上に出てきた歯石を取るのは至極簡単です、出血もしません、知覚過敏にもほとんどなりません。

保存が難しそうな歯でも歯磨きで治ることもあります、歯磨きが上達して磨けるようになると歯周病の原因であるプラークを落とせるようになるからです。

歯みがき技術が上達しなければ治りそうな歯周病でもダメになります、これは歯磨き練習をやってみないことにはわかりません。

したがって歯周病を治すにはご本人の努力ということになります、われわれ医療者側はそのサポートをすることになります。

歯周病 http://www.yamadashika.jp/perio.html


>なぜこんなに診断が違うのでしょうか?

診断能力と持ち合わせている治療技術の違いだと思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2017-03-02 08:49:02
難しいですね、たしかに日本歯周病学会の基準でいうと、6mm以上だと外科が推奨されてきます。

そしてたしかに2mmの測定誤差は(ないほうがいいのですが)ありうるかなと思います。


実際には、浅い歯石の除去スケーリング) → 深い歯石の除去(SRP) → 外科手術と進み、各ステージの間には再検査を挟みます。

この再検査で治っていない部分に関して、外科に行こう、ということですね。

ですから、私自身は

「検査数値が高いので外科でなければ治らない可能性が高いです。
ですが、患者さん自身の歯磨きと、私の非外科処置の両方が大成功すれば外科を避けることができるかもしれません。
3回目(外科前)の検査でいい結果になるよう、お互いがんばりましょう」

と、モチベーションづけます。



質問者さまが受けた検査は、どちらもしっかりとした妥当なもののように感じます。
(確かに専門治療が必要な場合は、レントゲン10枚法を行う場合があります)

ただし、外科処置に重きを置きすぎると、ブラッシング指導やSRPがおろそかになり、避けられたかもしれない外科手術を受けることになったり、ブラッシングが確立していないので簡単に再発します。

逆に必要性があれば外科は避けては通れませんので、安易に必要ないというのも、理解が不十分である可能性があります。

どちらの歯科医院の診断も利点欠点があると思うので、たいへん悩ましいところです。


解決策としては、以下を挙げられます。
1、歯科医師の人柄をみて、十分にコミュニケーションをとれて、最後まで責任をとってくれそうなほうを選ぶ。
2、ブラッシング指導が入念なほうを選ぶ。
3、日本歯周病学会のホームページから認定医(できれば専門医)を検索し、確実なサードオピニオンを得る)

認定医は1症例、専門医は10症例の提出が必要で、複数の指導医の審査を受けています。
歯周病学会専門医は日本に4つしかない歯科分野での国家公認資格です。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 惺さん
返信日時:2017-03-02 09:46:15
大野先生

お忙しい中、ご回答下さり、ありがとうございます。
なるほど、治療方針の違いということなのですね。
治療費用が高額であったため、家族に相談したところ、診断を信用できないと言われてしまい悩んでいましたが、アプローチの違いであるとのお話しに、大変納得出来ました。



山田先生

お忙しい中、ご回答下さり、ありがとうございます。
先生のブログを以前から何度も拝見しておりました。
LINKを貼っていただき、ありがとうございます。
食生活やブラッシングが大切であることが良く分かりました。
甘いものが好きであることを治さなければいけませんね。

また、私には1才の娘がおりますが、子供に私と同じ思いをさせないよう、2度とお菓子は買わないと決めました。
ブラッシングについて指導していただけるようお願いして、治療後も再発しないよう毎日の歯磨きを努力していきたいです。



中田先生

お忙しい中、ご回答下さり、ありがとうございます。
2つのクリニックでの方針について、ご説明くださり、ありがとうございます。
大変分かりやすく、安堵致しました。

外科手術への不安もありましたので、ブラッシング指導のお願いなども含めて、先生にもう一度お話しを伺ってみたいと思います。
歯周病専門医の資格が大変頼りになるものであるとのご説明も、とても有難いお話しでした。




先生方、ありがとうございます。
当初診察していただいたクリニックでは自費治療で150万と高額なことに動揺してしまいました。
また、セカンドオピニオンでかかったクリニックは、大変丁寧に時間を取っていただけたのですが、非常に混んでいるらしく、月に1度の予約をとることも難しいようでした。

はじめて歯周病と診断を受け、非常に不安が強いので、できれば早く治療を開始したいと焦りがありました。

ブラッシング技術を学び、毎日の食生活と歯磨きで少しでも良くなるよう努力しながら、しっかり治療していきたいです。
回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2017-03-02 10:14:48
こんにちは。

元々歯並びに問題をお感じで矯正治療をお考えだったということのようですから歯磨きもかなり難しいことが想像できます。
また力のコントロールも難しいのではないかと思います。

ですから出来るだけ早めに歯周治療に入って頂き最終的には歯並びを改善することを目指し力のバランスを再構成することを目指されたほうが長期的な予後がよいかもしれませんし、審美的にもよい結果になるかもしれません。

矯正専門医と連携を上手にとって総合的な治療計画を立ててもらうことが理想的だと思います。


ただ、歯周治療も自費、矯正治療も自費、必要な場合は歯冠修復や保存修復も自費になるということならばかなり高額な出費を覚悟されておく必要が生じるかもしれません。

幸いにも日本では保険治療で初歩的な歯周治療は可能ですからとりあえず病気状態である(歯周病があれば広範囲に炎症があるという状態ですから全身の健康にとってもマイナスです)歯周治療だけでもちゃんとしてもらい食生活や生活習慣を改め(歯周病は慢性疾患ですから小さなことの積み重ねが現状ということになります)歯磨きなどでお口の中を綺麗で健康な状態に保つ練習をコツコツとされ、必要があればそこに外科を併用してもらい長期的にコントロールしやすい状態にしてもらうという歯周治療を先行されるとよいと思います。


予約がとりにくいと指導にあまり時間を(保険では15分)かけてもらえない場合もあると思います。
歯科医院選びは大切だと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 惺さん
返信日時:2017-03-03 00:12:19
船橋先生

お忙しい中、ご助言を頂き、ありがとうございます。

仰るとおり、歯並びが悪く、発語にも不自由を感じております。
ブラッシングが下手で、強く磨きすぎて歯肉が下がってしまった箇所も多くあります。

また食生活に問題があるせいか、丁寧に磨いているつもりでも虫歯になります。
歯周病については、年齢からしても考えづらいような進行であると言われました。


矯正をしたくてお金を貯めてきましたが、想定していた金額は歯周病治療に消えてしまうと分かり、動揺しました。

子供が小さいため、なかなか自分のために歯科を探す時間をとるのも難しいのですが、先々の健康のためにも、保険治療をお願いしてみるか、改めて保険治療もしていただけて、もう少し予約をとりやすく通うことが出来る歯科を探したいと思います。


ご回答、心より御礼申し上げます。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2017-03-03 09:09:51
セラミックでの修復や矯正治療などの「高額であることへの一定のリターン」がある治療と比較して、歯周病治療自費で高額を支払っても、術式や使用材料で結果が大きく変わることはないため、自由診療での歯周病治療は「コスパが悪い」と思います。


歯周病治療が成功するかどうかは、歯科医師のウデと患者さんの歯磨き(ひいては患者さんのモチベーションを維持する歯科医師のコミュニケーション能力)にかかっていますので、ほとんどのケースを「クオリティの高い」保険治療で治すことができます。
ですので、予算をかける優先度としては低いと考えております。


もし矯正医のいう通り「年齢からしても考えづらい進行」であるならば、難病である急速進行性歯周炎の可能性もあるので、一定の治療後の反応を見て、必要であれば大学病院に紹介できる判断力をもった歯科医師でないと、いつまでもなおらず抱え込んでしまうこともあり得ます。

確かに、年齢を考えるとありえるとは思いますが、検査結果をみておりませんし、矯正医は歯周病については疎いことが多いため、必ずしも重く受け止める必要はないと思いますが…。

不安をあおるつもりはもちろんありませんし、私としても不安にさせすぎないように気をつけながら今書いているのですが、質問者さまの書き込みをみて念のためを思いまして…。「そういうこともありうる」程度にとどめていただきたいと思います。



残念ながら歯周病治療は日本で歯科医療が浸透したあとに確立した分野であるため、きちんとした治療方法が全ての歯科医師に認知されているとは言い難い状況です。

歯科医院選びのヒントはこれまでの他の回答者様や私の書き込みで既に挙げられていますので、どうぞご参考になさってください。




タイトル 歯周病治療で2つのクリニックで診断がバラバラ
質問者 惺さん
地域 埼玉
年齢 32歳
性別 女性
職業 会社員(事務系)
カテゴリ 歯周病(歯槽膿漏)治療
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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