歯科医師になりたいが偏頭痛もちでストレートネックの高2、研究志望
相談者:
いつこさん (53歳:女性)
投稿日時:2017-07-22 00:41:23
回答1
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2017-07-22 01:26:23
いつこさん、こんにちは。
>娘は歯科医師になりたいとの事ですが
>今の時点では、研究者になりたい様です。
という点が、少々?です。
歯科医師となりたいのであれば、歯学部進学の一択です。
研究をしたい、研究者になりたいというのであれば、理学部、工学部などへの進学の方が圧倒的に近道です。
もちろん、歯科医師のライセンスを持った研究者もいますが、歯学部卒の進路としては圧倒的少数派です。
また、現在の歯学部教育は、研究者を養成するようなカリキュラムとは全く異なるものになっています。
この点については、過去の私の回答もご参考ください。
「歯学部の大学受験、どの道に進めばいいか分からなくなりました」
次に、
>偏頭痛持ちで、ストレートネックです。
というのも、歯学部の実習、臨床実習では少々きつい状況となることが予想されます。
もちろん、それを承知の上で、それでも何としても「歯科医師になりたい!」という気持ちがあるならば別の話です。
そうではなく、なんとなく漠然としたイメージで、歯学部にいって歯科医師となって研究者になりたい、といった気持で歯学部に進学すると、後悔することにもなりかねません。
歯学部は学年が進むにつれて、歯を削ったり入れ歯を作ったりといった、下を向いて手を動かす実習と、歯科医師国家試験対策の勉強の比重が非常に多くなり、これらに意欲、興味、関心が持てなければ非常に辛い大学生活になります。
歯学部5、6年生は、臨床実習と国家試験に向けて勉強漬けの生活になります。その頃、理学部や工学部などに進んだ同年齢の学生は、既に大学院修士課程でバリバリの研究をしています。
もう一度、お子様と「歯科医師になりたいのか」「研究がしたいのか」ということを、しっかりと話し合われることをお勧めします。
私は歯学部生の教育に関わっている関係上、「特に歯科医師になって歯科治療をしたかったのではないのに、歯学部に進んで後悔した」という学生に多数遭遇しています。
繰り返しとなりますが、「研究をしたいので歯学部に進学する」という選択肢は、私個人的には全くおすすめできません。
>娘は歯科医師になりたいとの事ですが
>今の時点では、研究者になりたい様です。
という点が、少々?です。
歯科医師となりたいのであれば、歯学部進学の一択です。
研究をしたい、研究者になりたいというのであれば、理学部、工学部などへの進学の方が圧倒的に近道です。
もちろん、歯科医師のライセンスを持った研究者もいますが、歯学部卒の進路としては圧倒的少数派です。
また、現在の歯学部教育は、研究者を養成するようなカリキュラムとは全く異なるものになっています。
この点については、過去の私の回答もご参考ください。
「歯学部の大学受験、どの道に進めばいいか分からなくなりました」
次に、
>偏頭痛持ちで、ストレートネックです。
というのも、歯学部の実習、臨床実習では少々きつい状況となることが予想されます。
もちろん、それを承知の上で、それでも何としても「歯科医師になりたい!」という気持ちがあるならば別の話です。
そうではなく、なんとなく漠然としたイメージで、歯学部にいって歯科医師となって研究者になりたい、といった気持で歯学部に進学すると、後悔することにもなりかねません。
歯学部は学年が進むにつれて、歯を削ったり入れ歯を作ったりといった、下を向いて手を動かす実習と、歯科医師国家試験対策の勉強の比重が非常に多くなり、これらに意欲、興味、関心が持てなければ非常に辛い大学生活になります。
歯学部5、6年生は、臨床実習と国家試験に向けて勉強漬けの生活になります。その頃、理学部や工学部などに進んだ同年齢の学生は、既に大学院修士課程でバリバリの研究をしています。
もう一度、お子様と「歯科医師になりたいのか」「研究がしたいのか」ということを、しっかりと話し合われることをお勧めします。
私は歯学部生の教育に関わっている関係上、「特に歯科医師になって歯科治療をしたかったのではないのに、歯学部に進んで後悔した」という学生に多数遭遇しています。
繰り返しとなりますが、「研究をしたいので歯学部に進学する」という選択肢は、私個人的には全くおすすめできません。
相談者からの返信
相談者:
いつこさん
返信日時:2017-07-22 01:52:51
相談者からの返信
相談者:
いつこさん
返信日時:2017-07-22 02:31:05
回答2
東京医科歯科大学顎関節治療部(文京区湯島)の西山です。
回答日時:2017-07-22 07:17:02
片頭痛は発作期と寛解期がある場合があります。
生理時に生じやすいのであれば、他の時期は作業は可能ではないでしょうか。
ストレートネックについては、これが必ずしも歯科医業の妨げになるとは限りません。
おそらく、ストレートネックをもつ歯科医師は結構いるのではないでしょうか。
私は慢性腰痛持ちですが、普通に仕事をしています。
負担のかかりにくい姿勢で作業をする習慣を身につければよいのではないでしょうか。
ちなみに片頭痛持ちの歯科医師は知り合いにいますが、普通に仕事していました。
生理時に生じやすいのであれば、他の時期は作業は可能ではないでしょうか。
ストレートネックについては、これが必ずしも歯科医業の妨げになるとは限りません。
おそらく、ストレートネックをもつ歯科医師は結構いるのではないでしょうか。
私は慢性腰痛持ちですが、普通に仕事をしています。
負担のかかりにくい姿勢で作業をする習慣を身につければよいのではないでしょうか。
ちなみに片頭痛持ちの歯科医師は知り合いにいますが、普通に仕事していました。
回答3
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2017-07-22 10:23:52
ストレートネックについては、乳児期にハイハイする期間が少ない・ない(ずりばいから直立歩行になった)等を言う方もいますが、おそらく、多くの要因があったものと思われます。
また、ストレートネックの方で、社会で活躍されてらっしゃる方も少なくありません。
また、ストレートネックの方で、社会で活躍されてらっしゃる方も少なくありません。
相談者からの返信
相談者:
いつこさん
返信日時:2017-07-22 11:33:55
西山先生、藤森先生
アドバイス下さり有難うございました。
まわりにも同様の先生方がいらっしゃりお仕事されていることが
わかりとても心強く、安心致しました。
娘は頭痛が起こると一週間ほど学校を欠席することもあったのですが、偏頭痛に特化する薬を色々試している最中です。
上手くコントロールできるようになって欲しいと思っています。
更にストレートネックの事で、親として賛成して良いのか迷っておりましたが先生方のアドバイスを頂きあとは、本人の気持ちを大事に見守りたい思いました。
西山先生におかれましては腰痛で診察されていらっしゃり作業をする姿勢の習慣のアドバイスも大変参考になりました。
有難うございました。
アドバイス下さり有難うございました。
まわりにも同様の先生方がいらっしゃりお仕事されていることが
わかりとても心強く、安心致しました。
娘は頭痛が起こると一週間ほど学校を欠席することもあったのですが、偏頭痛に特化する薬を色々試している最中です。
上手くコントロールできるようになって欲しいと思っています。
更にストレートネックの事で、親として賛成して良いのか迷っておりましたが先生方のアドバイスを頂きあとは、本人の気持ちを大事に見守りたい思いました。
西山先生におかれましては腰痛で診察されていらっしゃり作業をする姿勢の習慣のアドバイスも大変参考になりました。
有難うございました。
回答4
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2017-07-22 13:09:38
いつこさん、あらためまして。
片頭痛、ストレートネックの件については、西山先生、藤森先生のご回答を参考にされてください。
私は、歯学部での学生生活、卒業、歯科医師国家試験の見地から、もう少し補足コメントします。
------------------------------------------------------
「歯科医師国家試験に合格するには、学力、体力(健康力)、精神力(メンタル)の3つが必須です。このうちどれが欠けても、国家試験合格は難しくなっています」
↑
これは、実際に私が歯学部、歯科大学に出向いて、学生・保護者・教員に伝えている内容です。
現在の歯科医師国家試験の合格率は60%代です(いつこさんのお子様が歯学部に進み国家試験を受験されるころには、さらに低下していることが予想されます)。
そして、国家試験に合格するためには、
・学力……歯科医師国家試験合格に必要な学力(いやいや勉強するような状態ではまず無理)
・体力……病気になったり体調を崩したりして勉強できなくなってしまうと、極めて厳しい
・精神力……歯学部の生活、国家試験のプレッシャーなどでメンタル面が不調となると、極めて厳しい
の3点が欠かせません。
本年度の歯科医師国家試験の合格率は65%、10人中3人強の受験生が不合格となっています。
国家試験に不合格となってしまった場合、とかく「学力」が足りなかった、という点のみがフォーカスされます。
しかし、私が国家試験教育に長年関わっている上で感じることは、「学力」のみならず「体力」「精神力」に問題があるケースが多々あるということです。
------------------------------------------------------
私が、いつこさんのお子様の件で、片頭痛やストレートネック等の既往や、
>娘は頭痛が起こると一週間ほど学校を欠席することもあったのですが、
という点を危惧するのは、上記の観点からです。
「なんとしても歯学部を卒業して、国家試験に合格して、歯科医師となりたい!」という気持ちがなければ、歯学部を卒業することも、国家試験に合格することも、極めて厳しくなります。
しかし、「なんとなく歯学部にきてしまった、歯科医師になるということがよく分からないまま歯学部にきてしまった」という一定数の歯学部生が存在し、彼ら彼女らは、非常に厳しい状況に追い込まれる可能性が多いように個人的に感じています。
これは、
「歯学部を卒業して歯科医師になると、ほぼ大多数が歯科医院で歯科診療に従事する」
という進路が、歯学部入学前の高校生・受験生にあまり周知されていないことにも起因すると思います。
回答1のコメントと重複しますが、歯学部に進学すること、歯科医師となること、歯科医師の現状などについて、より情報収集をしっかりとなされて、お子様とじっくりと話し合われることをお勧めします。
その上で、お子様の歯学部に進みたい!という気持ちが強いのであれば、一歯科医師として歯学部入学は大歓迎です。
ご参考になれば幸いです。
片頭痛、ストレートネックの件については、西山先生、藤森先生のご回答を参考にされてください。
私は、歯学部での学生生活、卒業、歯科医師国家試験の見地から、もう少し補足コメントします。
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「歯科医師国家試験に合格するには、学力、体力(健康力)、精神力(メンタル)の3つが必須です。このうちどれが欠けても、国家試験合格は難しくなっています」
↑
これは、実際に私が歯学部、歯科大学に出向いて、学生・保護者・教員に伝えている内容です。
現在の歯科医師国家試験の合格率は60%代です(いつこさんのお子様が歯学部に進み国家試験を受験されるころには、さらに低下していることが予想されます)。
そして、国家試験に合格するためには、
・学力……歯科医師国家試験合格に必要な学力(いやいや勉強するような状態ではまず無理)
・体力……病気になったり体調を崩したりして勉強できなくなってしまうと、極めて厳しい
・精神力……歯学部の生活、国家試験のプレッシャーなどでメンタル面が不調となると、極めて厳しい
の3点が欠かせません。
本年度の歯科医師国家試験の合格率は65%、10人中3人強の受験生が不合格となっています。
国家試験に不合格となってしまった場合、とかく「学力」が足りなかった、という点のみがフォーカスされます。
しかし、私が国家試験教育に長年関わっている上で感じることは、「学力」のみならず「体力」「精神力」に問題があるケースが多々あるということです。
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私が、いつこさんのお子様の件で、片頭痛やストレートネック等の既往や、
>娘は頭痛が起こると一週間ほど学校を欠席することもあったのですが、
という点を危惧するのは、上記の観点からです。
「なんとしても歯学部を卒業して、国家試験に合格して、歯科医師となりたい!」という気持ちがなければ、歯学部を卒業することも、国家試験に合格することも、極めて厳しくなります。
しかし、「なんとなく歯学部にきてしまった、歯科医師になるということがよく分からないまま歯学部にきてしまった」という一定数の歯学部生が存在し、彼ら彼女らは、非常に厳しい状況に追い込まれる可能性が多いように個人的に感じています。
これは、
「歯学部を卒業して歯科医師になると、ほぼ大多数が歯科医院で歯科診療に従事する」
という進路が、歯学部入学前の高校生・受験生にあまり周知されていないことにも起因すると思います。
回答1のコメントと重複しますが、歯学部に進学すること、歯科医師となること、歯科医師の現状などについて、より情報収集をしっかりとなされて、お子様とじっくりと話し合われることをお勧めします。
その上で、お子様の歯学部に進みたい!という気持ちが強いのであれば、一歯科医師として歯学部入学は大歓迎です。
ご参考になれば幸いです。
回答5
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2017-07-22 17:32:45
現在は私立の歯学部に入られると1/3は卒業できないかもしれません。
国家試験に合格するまでは試練の連続です。
生半可な気持ちで歯科の世界に入られないように、現状の歯科は国家試験合格まで非常に厳しく、数日欠席すると単位取得不足で進級できなくなってしまう大学もあります。
歯学部に残って研究を希望されても大学法人化により資格取得が前提になっていると思いますから、親御さんも各大学の説明会に足を運ばれしっかり現状認識されておくとよいと思います。
医科・歯科・薬学部は入学はできても卒業して資格取得までの道のりはかなり難関化していると思います。
それでも絶対に歯科医になって研究もしたいという強いお気持ちがあれば選択されチャレンジされるとよいと思います。
なお、歯学部の場合、国家資格が取れなければ他の資格はついてきません。
歯科衛生士にも歯科技工士にもなれません。
編入が可能な大学も限られるでしょうから進路を誤らないように事前に大学の説明会にいかれしっかりリサーチしてください。
国家試験に合格するまでは試練の連続です。
生半可な気持ちで歯科の世界に入られないように、現状の歯科は国家試験合格まで非常に厳しく、数日欠席すると単位取得不足で進級できなくなってしまう大学もあります。
歯学部に残って研究を希望されても大学法人化により資格取得が前提になっていると思いますから、親御さんも各大学の説明会に足を運ばれしっかり現状認識されておくとよいと思います。
医科・歯科・薬学部は入学はできても卒業して資格取得までの道のりはかなり難関化していると思います。
それでも絶対に歯科医になって研究もしたいという強いお気持ちがあれば選択されチャレンジされるとよいと思います。
なお、歯学部の場合、国家資格が取れなければ他の資格はついてきません。
歯科衛生士にも歯科技工士にもなれません。
編入が可能な大学も限られるでしょうから進路を誤らないように事前に大学の説明会にいかれしっかりリサーチしてください。
相談者からの返信
相談者:
いつこさん
返信日時:2017-07-22 20:49:36
中本先生、ふなちゃん先生
本当に娘のことを考えて下さり様々な厳しい現実をお知らせ下さりアドバイス下さり心よりお礼申し上げます。
中本先生のご指摘通り、体力面の心配はあります。
娘が強い気持ちを持ち国家試験まで辿り着き、さらにそこからの道を進む事が出来るのかどうか、頂いたアドバイスを本人にも読んで貰い、そして大学説明会に伺い、よく考え進路を決めたいと思います。
その上で今後やはり歯学部を受験したいと決めた時には、親として見守りたいと思います。
夏休み間に進路を決めなくてはならないため、親としてどうアドバイスすべきなのか悩んでおりましたので、先生方より的確なアドバイスを頂き整理できました。
本当に有難うございました。。
本当に娘のことを考えて下さり様々な厳しい現実をお知らせ下さりアドバイス下さり心よりお礼申し上げます。
中本先生のご指摘通り、体力面の心配はあります。
娘が強い気持ちを持ち国家試験まで辿り着き、さらにそこからの道を進む事が出来るのかどうか、頂いたアドバイスを本人にも読んで貰い、そして大学説明会に伺い、よく考え進路を決めたいと思います。
その上で今後やはり歯学部を受験したいと決めた時には、親として見守りたいと思います。
夏休み間に進路を決めなくてはならないため、親としてどうアドバイスすべきなのか悩んでおりましたので、先生方より的確なアドバイスを頂き整理できました。
本当に有難うございました。。
タイトル | 歯科医師になりたいが偏頭痛もちでストレートネックの高2、研究志望 |
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質問者 | いつこさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 53歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
その他(歯科医師関連) その他(その他) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。