左上6番の根尖病巣、そのまま使うか歯根端切除か?
相談者:
しらとりさん (50歳:男性)
投稿日時:2019-07-06 23:21:41
こんにちは。
初めて投稿させていただきます。
10年前、左上6番が歯髄炎になりました。
4根幹あって難しそうだったので、マイクロスコープを使う歯科医院で治療を受けました。
その後、特に症状なく経過していましたが、半年前から時々、左頬から目にかけて違和感を感じることや、軽い咬合痛を認めることがあり、先日、大学病院で歯科CTを撮影しました。
その結果、根が3つあるうち、頬側の根尖部に透亮像を認め、それと接する上顎洞の骨が一部溶けて見えました。
また、上顎洞の粘膜は少し肥厚していました。
普段は無症状であり、鼻詰まりなど副鼻腔炎の症状はありません。
(5年前に1度、左側だけの不自然な副鼻腔炎になったことがあります。
歯性上顎洞炎なら抜歯しないといけない様ですが、耳鼻科で抗生剤を投与され、保存的に治癒しました。)
大学の先生は、あまり症状がないなら放置で良いと言いますが、局所に感染巣を持ったままにするのは、感染性心内膜炎、掌蹠膿疱症など他の全身疾患を併発するのではないかと心配です。
そのCTを持って、歯内療法の高名な専門医へ受診したところ、
「根の先まできっちり充填できているので、やり直しても改善は見込めない」
と言われ、
「すでに初回治療で割れそうなほど歯質が薄くされてしまっており、再治療で割れるリスクが高い」
とのことでした。
しばらく様子を見て、歯根端切除を検討中ですが、
「歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね」
とも言われました。
かかりつけの先生に受診し、大学で放置で良いと言われ、歯内療法の専門医にはすでに割れている可能性を考え歯根端切除を躊躇されたことをお話したところ、
「一度、再根幹治療をしてみるのもアリなのではないか?
そうすれば割れているかどうかはっきりするし、割れていないのに再治療で治らなければ、その時に歯根端切除を考えればいいと思う。
歯質が薄いのは気を付けるようにする」
と言って下さいました。
歯内療法の専門家ではありませんが、よく勉強されているので、歯科治療の総合力としては一番の信頼をおいている先生です。
ちなみにCTとマイクロスコープは持っておられます。
長くなりましたが、自分としては放置は余病が心配ですし、再治療はすでに薄々になった歯質の破折の誘因になりそうで怖いです。
根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
歯質がしっかりあれば、かかりつけの先生の提案が一番妥当なのでしょうけれど・・・。
CT画像は手持ちになく添付できませんが、デンタル画像を添付します。アドバイスいただければ幸いです。
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初めて投稿させていただきます。
10年前、左上6番が歯髄炎になりました。
4根幹あって難しそうだったので、マイクロスコープを使う歯科医院で治療を受けました。
その後、特に症状なく経過していましたが、半年前から時々、左頬から目にかけて違和感を感じることや、軽い咬合痛を認めることがあり、先日、大学病院で歯科CTを撮影しました。
その結果、根が3つあるうち、頬側の根尖部に透亮像を認め、それと接する上顎洞の骨が一部溶けて見えました。
また、上顎洞の粘膜は少し肥厚していました。
普段は無症状であり、鼻詰まりなど副鼻腔炎の症状はありません。
(5年前に1度、左側だけの不自然な副鼻腔炎になったことがあります。
歯性上顎洞炎なら抜歯しないといけない様ですが、耳鼻科で抗生剤を投与され、保存的に治癒しました。)
大学の先生は、あまり症状がないなら放置で良いと言いますが、局所に感染巣を持ったままにするのは、感染性心内膜炎、掌蹠膿疱症など他の全身疾患を併発するのではないかと心配です。
そのCTを持って、歯内療法の高名な専門医へ受診したところ、
「根の先まできっちり充填できているので、やり直しても改善は見込めない」
と言われ、
「すでに初回治療で割れそうなほど歯質が薄くされてしまっており、再治療で割れるリスクが高い」
とのことでした。
しばらく様子を見て、歯根端切除を検討中ですが、
「歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね」
とも言われました。
かかりつけの先生に受診し、大学で放置で良いと言われ、歯内療法の専門医にはすでに割れている可能性を考え歯根端切除を躊躇されたことをお話したところ、
「一度、再根幹治療をしてみるのもアリなのではないか?
そうすれば割れているかどうかはっきりするし、割れていないのに再治療で治らなければ、その時に歯根端切除を考えればいいと思う。
歯質が薄いのは気を付けるようにする」
と言って下さいました。
歯内療法の専門家ではありませんが、よく勉強されているので、歯科治療の総合力としては一番の信頼をおいている先生です。
ちなみにCTとマイクロスコープは持っておられます。
長くなりましたが、自分としては放置は余病が心配ですし、再治療はすでに薄々になった歯質の破折の誘因になりそうで怖いです。
根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
歯質がしっかりあれば、かかりつけの先生の提案が一番妥当なのでしょうけれど・・・。
CT画像は手持ちになく添付できませんが、デンタル画像を添付します。アドバイスいただければ幸いです。
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回答1
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2019-07-07 09:22:20
ご相談ありがとうございます。
>根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
同じ対症療法のくりかえしでは改善が見込めません。
原因を突き止めること、その根拠に基づいて、これからの予測を立てることが大事です。
また治療目的は何のためか?それはなぜなのか?と考えることが重要です。
それには診察と検査による診断が不可欠であり、その根拠に基づいた治療計画と見通しによるインフォームドコンセントが必要です。
これは歯の治療に限らず、トラブルや事業計画を立てるときの目標設定とか、共同プロジェクトのコンセンサスを取ること、経過をPDCAサイクルで把握すること、が成功につながることと全く同じです。
>左頬から目にかけて違和感を感じることや、軽い咬合痛を認めることがあり
>左側だけの不自然な副鼻腔炎になったことがあります
感染が強く疑われます。
検査としては、根管組織、歯周組織、噛み合わせ(咬合)状態、の三点に絞られるかもしれません。
予測は検査・診断が出ないと立てられませんが、現状のお話だけによるもし予想であれば、あまり良いことは想像できません。
感染の上顎洞や全身への広がり、咬合痛による咀嚼障害や他の歯の負担の増加、歯根破折による抜歯、それらによるさらなる咀嚼障害と栄養障害による将来お全身のフレイルなどが考えられるからです。
>根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
同じ対症療法のくりかえしでは改善が見込めません。
原因を突き止めること、その根拠に基づいて、これからの予測を立てることが大事です。
また治療目的は何のためか?それはなぜなのか?と考えることが重要です。
それには診察と検査による診断が不可欠であり、その根拠に基づいた治療計画と見通しによるインフォームドコンセントが必要です。
これは歯の治療に限らず、トラブルや事業計画を立てるときの目標設定とか、共同プロジェクトのコンセンサスを取ること、経過をPDCAサイクルで把握すること、が成功につながることと全く同じです。
>左頬から目にかけて違和感を感じることや、軽い咬合痛を認めることがあり
>左側だけの不自然な副鼻腔炎になったことがあります
感染が強く疑われます。
検査としては、根管組織、歯周組織、噛み合わせ(咬合)状態、の三点に絞られるかもしれません。
予測は検査・診断が出ないと立てられませんが、現状のお話だけによるもし予想であれば、あまり良いことは想像できません。
感染の上顎洞や全身への広がり、咬合痛による咀嚼障害や他の歯の負担の増加、歯根破折による抜歯、それらによるさらなる咀嚼障害と栄養障害による将来お全身のフレイルなどが考えられるからです。
相談者からの返信
相談者:
しらとりさん
返信日時:2019-07-07 10:31:38
回答2
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2019-07-07 11:13:15
お住まいの県内の歯内療法専門医ですか?
その意見を支持します。
また、その症状が果たして、100%歯から来たものであるかどうかは検討する価値がありそうです。
勝算もなく、「一度、再根管治療をしてみるのもアリ」との意見はどうかと思いますよ。
その意見を支持します。
また、その症状が果たして、100%歯から来たものであるかどうかは検討する価値がありそうです。
勝算もなく、「一度、再根管治療をしてみるのもアリ」との意見はどうかと思いますよ。
回答3
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2019-07-07 12:18:06
ルートトランクが長いように思います。
あまりない形態の歯だと思います。
歯冠歯根比が悪く歯根端切除術するとその比率がさらに悪くなるため長期的には良いか悪いかは意見が分かれると思います。
>歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね
レントゲンでは近心側の歯質が薄く、かつそこの歯槽骨の吸収像があるように思います。
となると近心根の穿孔あるいは歯根破折があってもおかしくないと思います。
治療方針の決定は中々難しいですね。
特にネットでは。
あまりない形態の歯だと思います。
歯冠歯根比が悪く歯根端切除術するとその比率がさらに悪くなるため長期的には良いか悪いかは意見が分かれると思います。
>歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね
レントゲンでは近心側の歯質が薄く、かつそこの歯槽骨の吸収像があるように思います。
となると近心根の穿孔あるいは歯根破折があってもおかしくないと思います。
治療方針の決定は中々難しいですね。
特にネットでは。
回答4
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2019-07-07 13:52:12
こんにちは。
>根の先まできっちり充填できているので、やり直しても改善は見込めない
難しいところです。
>すでに初回治療で割れそうなほど歯質が薄くされてしまっており、再治療で割れるリスクが高い
すでにクラックがあれば別ですが。
>「一度、再根幹治療をしてみるのもアリなのではないか?そうすれば割れているかどうかはっきりするし、割れていないのに再治療で治らなければ、その時に歯根端切除を考えればいいと思う。
>歯質が薄いのは気を付けるようにする」
歯根端切除の是非は別にして再治療がいいと思います。
>「歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね」とも言われました。
割れているかどうか確認が必要です、それによって治療方針が変わってきます。
>根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
改善されるかどうかはやってみないことにはわかりませんが、再治療はトライしてもいいと思います。
どうしてもうまくいかなければ私は意図的再植を考えます。
意図的再植法 http://yamadashika.jugem.jp/?search=%B0%D5%BF%DE%C5%AA%BA%C6%BF%A2&x=0&y=0
>根の先まできっちり充填できているので、やり直しても改善は見込めない
難しいところです。
>すでに初回治療で割れそうなほど歯質が薄くされてしまっており、再治療で割れるリスクが高い
すでにクラックがあれば別ですが。
>「一度、再根幹治療をしてみるのもアリなのではないか?そうすれば割れているかどうかはっきりするし、割れていないのに再治療で治らなければ、その時に歯根端切除を考えればいいと思う。
>歯質が薄いのは気を付けるようにする」
歯根端切除の是非は別にして再治療がいいと思います。
>「歯質が薄いので、すでに割れているのかもしれませんね」とも言われました。
割れているかどうか確認が必要です、それによって治療方針が変わってきます。
>根の先まできちんと充填されている歯に根尖病巣ができた時、再度、同じことをやり直して改善は見込めるのでしょうか?
改善されるかどうかはやってみないことにはわかりませんが、再治療はトライしてもいいと思います。
どうしてもうまくいかなければ私は意図的再植を考えます。
意図的再植法 http://yamadashika.jugem.jp/?search=%B0%D5%BF%DE%C5%AA%BA%C6%BF%A2&x=0&y=0
相談者からの返信
相談者:
しらとりさん
返信日時:2019-07-07 17:49:29
タイトル | 左上6番の根尖病巣、そのまま使うか歯根端切除か? |
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質問者 | しらとりさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 50歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯根端切除術 根の病気(根尖病変・根尖病巣) 歯根破折 |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。