左下7番の歯髄壊死後の抜髄でのひどい痛み
相談者:
海花さん (43歳:女性)
投稿日時:2020-05-31 11:25:36
先生方、貴重なアドバイスをよろしくお願いします。
左下7番の歯髄壊死にまつわる治療に関するご相談です。
1 歯髄壊死後の抜髄、即日根充では痛みが酷く出るものか。
2 パーフォレーションゆえの痛みではないのか。
3 根管治療後の根尖炎はX線写真で観察できるのは治療後何日頃からか。
4 バイオセラミックスは全て、パーフォレーションに有効なのか、それともMTAでないと効果はないのか。
お忙しいところ恐縮ですが、状況把握のため、以下経過を述べさせていただきます。
3年前、う蝕治療で、生活歯にオールセラミッククラウンを装着。
治療後消えない冷痛に担当医からはフッ素うがい薬(多少は効果あり)を、セカンドオピニオンでは耐えられなければ抜髄を。
4週間程前、冷痛が長引き始め、温痛へ。2日後に激痛後、冷痛が消え、温痛のみに。
ここで、歯髄壊死を疑い通院へ。
X線診では、根尖炎の兆候はなし。
歯髄壊死の疑いが強いので麻酔なしで、根管治療開始しました。
近心根が2つあり、樋状根、2本とも石灰化と壊死が見られる。リーマーに膿状の黄色いものが付着しているのを見せられました。
遠心根は生活で、ここで歯髄に直接麻酔へ(激痛でした)。
ラバーダム装着後即日で根管充填へと進みます。
根管乾燥時に、遠心根から出血が見られ、ペーパー芯を3度ほど交換。出血を見て、
「あ、出血が…根管傷つけてないよね?」
とひとり言が聞こえます。
バイオセラミックスで充填時、物凄い痛みでしたが、充填剤が根尖から少しはみ出るくらいの方がいいとのこと。
(この痛みは数時間続きました)
治療後のX線は遠心根の根尖が写っていなくて、
「ここまで写そうとフィルムを入れると痛いんだよね、だから大丈夫、」
と言う発言に確信犯的なものを感じました。
近心の2根は充填剤が根尖先かなりまで充満しています。「バイオセラミックは吸収されるから大丈夫。」でも、石灰化にも関わらず抜髄根充処置は終えられたと満足そうです。
ひどい拍動痛が出たら、抗生物質を服用するよう処方されました。結局、拍動痛は長時間続かず服用なしでした。
処置後2時間ほどは外科のいわゆる切り傷の痛みが続きます。
その後2時間ほどは痛みが穏やかな状態が続き、そこからは顎内の圧力が高まるような、熱のこもるような痛み、部分的な拍動痛、(全身の拍動はなし)下顎の頬側、舌側が出て来ました。
夜は冷やした上、枕を高くしないと眠れず、顔半分、目の下の辺りから顎、唇まで痛みと唇左半分の痺れがありました。
翌日は、治療後の筋肉の痛みなのか、歯に食べ物が当たらないように注意しても顎を少し動かすだけで痛みが出ます。
就寝中痛みで何度も目ざめ、リンパ腺の痛みもあり、2日後の朝には顎下が腫れ始めました。発熱はこの日のみ、37.5度でした。
やはり普通ではないと、週末挟んでの4日後に通院し、仮封の咬合調整をしてもらい、痛み腫れ等は様子を見るようにとのこと。
歯髄壊死の菌が顎内に進入し免疫と戦っている腫れや痛みのはずで、もう少し時間がかかるであろう、との見解でした。
全体的には前日よりは気持ち軽くなっている、悪化はないので経過観察しましたが、咬合痛、顎内の鈍痛及び針で刺すような鋭痛、口唇の痺れ、歯茎部の腫れ、歯の動揺も多少あり、といった症状が右肩下がりであるものの、続きました。
このような経過で抜髄から17日経過した今現在の様子は以下の通りです。
-自発痛はほぼなし、時々下顎頬側や舌側にずきん、と鈍痛を感じることはあり。
-咬合痛に関しては、朝起床時は対合歯に接触がないため、なし。
仮封が磨耗で咬みあわせが下がっているためと思われる。
食事でかみ合わせの力をかけるとかなり痛い。
血行がよくなったり、午後、夜にかけて疲れてくると炎症組織が腫れてくるのか咬み合わせが高くなる感覚を感じ、対合歯に当たりやすくなり、接触するとすぐ痛みがあり。
-頬、顎下の腫れはなし。
リンパ腺の腫れは3つくらい触れられるが、痛みは軽減中。
-仮歯として残しているセラミッククラウンの頬側に咬合面から歯茎部に向けてひびがあり、ひびのある部分の歯茎が白く腫れている。(ここから歯根に向けてひびが続いていないことを願います。)
長くなりましたが、ここで上記の4つの質問があがり、お答えを聞かせていただきたいです。
1 このような長引く痛みの経過は歯髄壊死の治療の範囲では通常範囲なのでしょうか。
予後がよいものか不安になります。
特にこのままクラウン製作より、根管の再治療を検討した方がいいのでは、と思えてきます。
2 それとも、パーフォレーションゆえの痛みなのでは、と心配にもなりますが、パーフォレーションは必ずしも治療中に痛みがあるのでしょうか。
根管内の麻酔はかけましたが、下顎麻酔、浸潤麻酔はかけていませんでした。
仮歯として使用中のセラミッククラウンに見られるひびも気になります。
3 治療後に根尖炎などを併発した場合、根管充填後17日たった今、X線写真では炎症が見受けられるのでしょうか ?
もう少し日数経過しないと写らない物でしょうか 。
本当にこのままクラウン製作に向けて進めてもいいものか、不安でセカンドオピニオンも検討中です。
ただ、X線に写らないのであれば、もう少し待ったほうがいいのでしょうか。
4 バイオセラミックスセメントで根管充填しているとのこと、パーフォレーションの場合にも有効なのか、それともMTAでないと効果は期待できないのでしょうか 。
長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。
ご教授の程よろしくお願いいたします。
左下7番の歯髄壊死にまつわる治療に関するご相談です。
1 歯髄壊死後の抜髄、即日根充では痛みが酷く出るものか。
2 パーフォレーションゆえの痛みではないのか。
3 根管治療後の根尖炎はX線写真で観察できるのは治療後何日頃からか。
4 バイオセラミックスは全て、パーフォレーションに有効なのか、それともMTAでないと効果はないのか。
お忙しいところ恐縮ですが、状況把握のため、以下経過を述べさせていただきます。
3年前、う蝕治療で、生活歯にオールセラミッククラウンを装着。
治療後消えない冷痛に担当医からはフッ素うがい薬(多少は効果あり)を、セカンドオピニオンでは耐えられなければ抜髄を。
4週間程前、冷痛が長引き始め、温痛へ。2日後に激痛後、冷痛が消え、温痛のみに。
ここで、歯髄壊死を疑い通院へ。
X線診では、根尖炎の兆候はなし。
歯髄壊死の疑いが強いので麻酔なしで、根管治療開始しました。
近心根が2つあり、樋状根、2本とも石灰化と壊死が見られる。リーマーに膿状の黄色いものが付着しているのを見せられました。
遠心根は生活で、ここで歯髄に直接麻酔へ(激痛でした)。
ラバーダム装着後即日で根管充填へと進みます。
根管乾燥時に、遠心根から出血が見られ、ペーパー芯を3度ほど交換。出血を見て、
「あ、出血が…根管傷つけてないよね?」
とひとり言が聞こえます。
バイオセラミックスで充填時、物凄い痛みでしたが、充填剤が根尖から少しはみ出るくらいの方がいいとのこと。
(この痛みは数時間続きました)
治療後のX線は遠心根の根尖が写っていなくて、
「ここまで写そうとフィルムを入れると痛いんだよね、だから大丈夫、」
と言う発言に確信犯的なものを感じました。
近心の2根は充填剤が根尖先かなりまで充満しています。「バイオセラミックは吸収されるから大丈夫。」でも、石灰化にも関わらず抜髄根充処置は終えられたと満足そうです。
ひどい拍動痛が出たら、抗生物質を服用するよう処方されました。結局、拍動痛は長時間続かず服用なしでした。
処置後2時間ほどは外科のいわゆる切り傷の痛みが続きます。
その後2時間ほどは痛みが穏やかな状態が続き、そこからは顎内の圧力が高まるような、熱のこもるような痛み、部分的な拍動痛、(全身の拍動はなし)下顎の頬側、舌側が出て来ました。
夜は冷やした上、枕を高くしないと眠れず、顔半分、目の下の辺りから顎、唇まで痛みと唇左半分の痺れがありました。
翌日は、治療後の筋肉の痛みなのか、歯に食べ物が当たらないように注意しても顎を少し動かすだけで痛みが出ます。
就寝中痛みで何度も目ざめ、リンパ腺の痛みもあり、2日後の朝には顎下が腫れ始めました。発熱はこの日のみ、37.5度でした。
やはり普通ではないと、週末挟んでの4日後に通院し、仮封の咬合調整をしてもらい、痛み腫れ等は様子を見るようにとのこと。
歯髄壊死の菌が顎内に進入し免疫と戦っている腫れや痛みのはずで、もう少し時間がかかるであろう、との見解でした。
全体的には前日よりは気持ち軽くなっている、悪化はないので経過観察しましたが、咬合痛、顎内の鈍痛及び針で刺すような鋭痛、口唇の痺れ、歯茎部の腫れ、歯の動揺も多少あり、といった症状が右肩下がりであるものの、続きました。
このような経過で抜髄から17日経過した今現在の様子は以下の通りです。
-自発痛はほぼなし、時々下顎頬側や舌側にずきん、と鈍痛を感じることはあり。
-咬合痛に関しては、朝起床時は対合歯に接触がないため、なし。
仮封が磨耗で咬みあわせが下がっているためと思われる。
食事でかみ合わせの力をかけるとかなり痛い。
血行がよくなったり、午後、夜にかけて疲れてくると炎症組織が腫れてくるのか咬み合わせが高くなる感覚を感じ、対合歯に当たりやすくなり、接触するとすぐ痛みがあり。
-頬、顎下の腫れはなし。
リンパ腺の腫れは3つくらい触れられるが、痛みは軽減中。
-仮歯として残しているセラミッククラウンの頬側に咬合面から歯茎部に向けてひびがあり、ひびのある部分の歯茎が白く腫れている。(ここから歯根に向けてひびが続いていないことを願います。)
長くなりましたが、ここで上記の4つの質問があがり、お答えを聞かせていただきたいです。
1 このような長引く痛みの経過は歯髄壊死の治療の範囲では通常範囲なのでしょうか。
予後がよいものか不安になります。
特にこのままクラウン製作より、根管の再治療を検討した方がいいのでは、と思えてきます。
2 それとも、パーフォレーションゆえの痛みなのでは、と心配にもなりますが、パーフォレーションは必ずしも治療中に痛みがあるのでしょうか。
根管内の麻酔はかけましたが、下顎麻酔、浸潤麻酔はかけていませんでした。
仮歯として使用中のセラミッククラウンに見られるひびも気になります。
3 治療後に根尖炎などを併発した場合、根管充填後17日たった今、X線写真では炎症が見受けられるのでしょうか ?
もう少し日数経過しないと写らない物でしょうか 。
本当にこのままクラウン製作に向けて進めてもいいものか、不安でセカンドオピニオンも検討中です。
ただ、X線に写らないのであれば、もう少し待ったほうがいいのでしょうか。
4 バイオセラミックスセメントで根管充填しているとのこと、パーフォレーションの場合にも有効なのか、それともMTAでないと効果は期待できないのでしょうか 。
長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。
ご教授の程よろしくお願いいたします。
[過去のご相談]
回答1
松元教貢歯科医院(大田区山王)の松元です。
回答日時:2020-05-31 20:16:23
残念ながら、根管治療の予後は患者さんが期待されるほどスッキリ、すっかりと治るものではありません。
生体の治癒、特に歯根膜とか根を取り巻く組織は、時に長引いたりすることが良くあります。
感染を起こして、レントゲンで病変が認められるのも、かなり時間を要します。
根管充填をいつするのか、も世界的にも根管治療を1回で終わらせるのと、何回も掛けて終わらせるのとで成績に差がない、と証明されてます。
但し、ラバーダムをしっかりと掛け、根管からの排膿や出血がなく、洗浄がちゃんとされて終わり、綺麗に乾燥して、滅菌下で根管治療、充填された場合で、です。
そこら辺がどうであったのか?我々には知る術がありません。
バイオセラミックがMTAと差がないのかどうかも、私が勉強不足で分からないです。
でも、きちんと封鎖されさえすれば良いはずです。
昔はアマルガムが使われてましたし、スーパーボンドやレジンで成功される先生もおられますので。
生体の治癒、特に歯根膜とか根を取り巻く組織は、時に長引いたりすることが良くあります。
感染を起こして、レントゲンで病変が認められるのも、かなり時間を要します。
根管充填をいつするのか、も世界的にも根管治療を1回で終わらせるのと、何回も掛けて終わらせるのとで成績に差がない、と証明されてます。
但し、ラバーダムをしっかりと掛け、根管からの排膿や出血がなく、洗浄がちゃんとされて終わり、綺麗に乾燥して、滅菌下で根管治療、充填された場合で、です。
そこら辺がどうであったのか?我々には知る術がありません。
バイオセラミックがMTAと差がないのかどうかも、私が勉強不足で分からないです。
でも、きちんと封鎖されさえすれば良いはずです。
昔はアマルガムが使われてましたし、スーパーボンドやレジンで成功される先生もおられますので。
相談者からの返信
相談者:
海花さん
返信日時:2020-06-01 10:12:39
松元ドクター、お忙しい中ご回答ありがとうございました。
臨床に携わっておられる先生のお声を聞けるのはとても参考になります。
生身の体が相手ですから、機械やコンピューターを直すのとは違ってケースバイケースなんですね。
私自身の歯の質や免疫、抵抗力なども影響も多大でしょうね。
コロナ禍の外出自粛等でのストレスや不安なども自分の体調に影響を及ぼしたとも言えると思います。
こんな状況下でも治療をしていただいただけでも、ありがたいと思いたいと思います。
人一倍歯の健康や口腔内の衛生に気を遣ってきただけに、数週間前まで生活歯であったところが、人生初の抜歯になってしまったらどうしようと不安が大きくなってしまいました。
時間がかかっても、自分の歯をもう少しお口の中に残せるのであれば、今の痛みをしのぶ励みにもなります。
仰っていただいて、痛みはきついですけれど、次回の診察までもう少し経過観察してみようと思いました。
ありがとうございました。
臨床に携わっておられる先生のお声を聞けるのはとても参考になります。
生身の体が相手ですから、機械やコンピューターを直すのとは違ってケースバイケースなんですね。
私自身の歯の質や免疫、抵抗力なども影響も多大でしょうね。
コロナ禍の外出自粛等でのストレスや不安なども自分の体調に影響を及ぼしたとも言えると思います。
こんな状況下でも治療をしていただいただけでも、ありがたいと思いたいと思います。
人一倍歯の健康や口腔内の衛生に気を遣ってきただけに、数週間前まで生活歯であったところが、人生初の抜歯になってしまったらどうしようと不安が大きくなってしまいました。
時間がかかっても、自分の歯をもう少しお口の中に残せるのであれば、今の痛みをしのぶ励みにもなります。
仰っていただいて、痛みはきついですけれど、次回の診察までもう少し経過観察してみようと思いました。
ありがとうございました。
タイトル | 左下7番の歯髄壊死後の抜髄でのひどい痛み |
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質問者 | 海花さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 43歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
神経の無い(神経を取った)歯の痛み 歯科治療後の歯の痛み 根管治療後の痛み 根の穴・穿孔(パーフォレーション) |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。