保険治療の根管治療、クラウンの素材だけ自費にした場合の予後

相談者: さらさらださん (40歳:男性)
投稿日時:2020-07-07 23:49:43
街の歯医者に行き、なにも言わずに保険の範囲で根管治療をしてもらうと、ラバーダムマイクロスコープ等は使用しないと思うので、保険レベルの治療をされて、いざ型を取る段階に来て、ようやくセラミックがいい等と、自費治療の意思を示す。

その場合、例えばセラミッククラウン10万円だと言われたとして、その金額の中には自費レベルの治療代は含まれていて10万円という設定なのでしょうか?

もし含まれているとしたら、途中の治療は保険レベルの治療しか受けていない事になり、10万円の請求は正しいのか疑問に思い質問しました。

歯チャンネル内の他の質問で、自費の素材自体の値段は2〜3万円という文を読んだので余計に気になりました。

せっかく10万円払うのに、マイクロスコープを使わない根管治療をするのはもったいないのでしょうか?

よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2020-07-08 07:00:11
一連の内容のようですから、一つの投稿に纏めてくださると良かったですね。


>10万円の請求は正しいのか疑問に思い質問しました。

そもそも格安の設定のようですが、疑問に思うことや、不安に感じることは、インターネット上の歯科相談掲示板に立て続けに投稿するのではなく、何でも担当医に直接お尋ねしてみましょう。

コミュニケーションをとる努力を勧めます。

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回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-07-08 09:39:47
自費根管治療費も冠の治療費も、歯科医院によってかなり幅がありますから、おかかりになりたい歯科医院、またはおかかりになっている歯科医院で直接お尋ねになるのが良いと思います。

自費の根管治療を行うと、根管治療費が別途10万円、さらに冠の治療費が10万円というイメージになるのではないかと思います。

経済的負担感が強いと思われる方は根管治療は保険で行い、土台の治療からは自費に移行する事は、どこの歯科医院でも可能だろうと思います。

根管治療は、マイクロスコープラバーダムを必ず使わなければ成功しないというものではありません。
ほとんどのケースで保険の根管治療で成功していると思います。

最初の歯科医の治療により難治化したケースや誰がやっても、難易度の高いケースはマイクロスコープを使って行った方がよいと思います。
保険診療でもマイクロスコープは使用してもよいので、設備があれば使うことがあると思います。

根管治療は誰がやっても簡単な根管というのもあります。

ラバーダムも必須ではなく、安心感が術者側にも患者さん側にもあるので推奨されているという感じですね。

根管治療は自費診療を選択されておけば安心できるかもしれませんが、選択したからといって成功を保証するものではありません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: さらさらださん
返信日時:2020-07-08 13:26:02
小林先生、回答ありがとうございました。

次の患者さんがいるので、中々じっくり話せないのが現状です。

自費の素材なども説明されなくて、私が何も言わなければ普通に保険の材料にする流れでしたし、それが保険の歯医者さんというものだと思っています。

はいでは次回は型を取っていきますねーお疲れ様でしたって言われたら、普通はそこから話しかける流れに持っていくのは勇気がいりますね。。。

連投したのは申し訳ありません。
気を付けます。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: さらさらださん
返信日時:2020-07-08 13:40:58
Dr.ふなちゃん先生、回答ありがとうございました。

家の近くには自費歯科医院がないので、治療は保険の範囲で受けてます。
仕事が忙しく遠くに通うのは難しいのが現状です。

時間が出来たら遠くの歯医者に行こうと思ってるうちに虫歯が進行したりするので、保険の歯医者でもいいので近場で早めの治療を受けた方がいいと今回思いました。

保険の範囲での治療でもちゃんと成功するとの事で、少し安心しました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2020-07-08 14:26:33
保険の範囲での治療でもちゃんと成功するとの事で、少し安心しました。

水を差すようで申し訳ございませんが、信頼性の高い歯科サイトの記事では、

「日本の保険の根の治療根管治療)の成功率は50%以下である、と解釈してもオーバーではないかと思います。」

とされています。

参考 https://shikashiru.com/post/30.html


また、同サイトの他のページでも

米国歯内療法専門医ですから、ラバーダム装着率は100%に近いものと推測されます。

一方日本では根管治療の成功率についての報告はほとんどありません。純粋に成功率とは言えませんが、根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率として、50~60%程度根の先に透過像(炎症の存在)が確認されたとの報告があります。(3)

また、同報告内において、日本歯内療法学会会員中で必ずラバーダムを装着するするという会員の比率は25.4%、一般歯科医師中の必ずラバーダム装着をするという人数の比率は5.4%と報告されております。」

とされています。

参考 https://shikashiru.com/post/38.html


年代や大学によって違いはあるかもしれませんが、少なくとも僕は大学でラバーダムは「推奨」ではなく「必ず使用する事」と習いました。

しかし、大学を卒業して臨床に出ると「時間がない」「面倒くさい」と言う理由からやらなくなってしまいました。
(現在はラバーダムをしない根管治療は考えられませんが)

自動車教習所で「運行前点検」は「推奨」ではなく「必ず行う事」と習うはずですが、なぜか、日常的にはやらなくなってしまった…そんな感じに似ているかもしれません。


船橋先生の書かれている

>ほとんどのケースで保険の根管治療で成功していると思います。

>ラバーダムも必須ではなく、安心感が術者側にも患者さん側にもあるので推奨されているという感じ

と言うのはあくまでも「船橋先生個人の話」であって、僕個人としてはとても違和感を感じざるを得ない表現だったので書かせていただきました。

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回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-07-08 14:59:59
大学を出たばかりの時に大学の先輩から紹介され、保険診療であっても、根管治療を上手く成功させる事に生涯かけて取り組んでおられる先輩の診療を見学させてもらったことを懐かしく思い出します。

当時30年前ですからラバーダムは100円の保険点数がありましたが、ラバーダムが根管治療成功の鍵という訳ではなかったです。
当時はマイクロスコープももちろんありませんでした。

医院は古臭く、設備投資も更新出来ない小汚い小さなビル開業の歯科医院でした(保険診療の点数で根管治療を行っていても人件費無視の為、赤字にしかなりませんから)が、保険診療でも素晴らしい根管治療の成績を出されていましたし、レントゲンからも素晴らしい根管治療がされたことがわかるものでした。

考え方がちょっと古臭いかもしれませんが、そういう診療も出来る訳です。
ただ、今はラバーダムも保険点数がつきませんし(包括された)、マイクロスコープも普及してきています。

手用切削具だけでなく、効率よく根管治療する為の道具が沢山開発されてきました。

丁寧な診療をしようと思えば、時間と手間暇が非常にかかりそれに見合う技術料や人件費が保証されていなければ、ほとんどの歯科医はやる気をなくします。

アメリカでは、一般歯科医は根管治療はしないようになっています。直ぐに高額な自費専門医に送るようになっています。

それだけリスクが高い治療になっているということです(訴訟リスク)。
高い根管治療を望まない患者さんには、抜歯してインプラントまたは欠損修復の選択肢を用意するようになっています。

安価で根管治療が出来るはずだろうという事を前提にした保険点数は、日本の保険制度の欠陥の一つだろうと思っています。

あくまでも医療統計を反映しない個人的な見解です。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2020-07-08 15:42:46
根管治療は誰がやっても簡単な根管というのもあります。
 
考え方はそれぞれですが、私は尊敬する歯内療法専門医がおっしゃった

「簡単なエンドは存在しない」という名言を肝に銘じて臨床に取り組んでいます。

私なんかは日々悩みながら臨床をしていますので、エンドが簡単と言える先生は相当上手なんだと思います。


>家の近くには自費歯科医院がないので、治療は保険の範囲で受けてます。

>保険の範囲での治療でもちゃんと成功するとの事で、少し安心しました。

成功を保障することはできませんが、極々一般的には99%以上の患者さんは根管治療は保険治療で治療を受けられています。
 

ただ、個人的には費用を抑えながら歯の生存にこだわれば「根管治療」と「土台」にお金を出しますね。
 
被せ物などは、根の方がしっかりしていれば後でどうとでもなる問題ですが、根管治療に問題があれば何十万かけて作った被せ物も壊してやり直さなくてはいけません。
(家でいえば、根の治療=基礎工事、被せ物=家の外観みたいなものです)


繰り返しになりますが、日本の保険のルールでは根管治療は保険治療で自費への移行は土台からとなっているので、根管治療を保険治療で行うのは極々一般的です。
  
  
自費の根管治療ですが、自費での根管治療自体行われ始めてまだ20年もないと思いますし、私が開業する2007年は自費の根管治療自体保険医療機関ではダメという解釈でした。
 
開業当時で自費の歯内療法専門医は10件ないぐらいでした。 

今でも全国に自費専門の歯内療法専門医は50件ないと思いますし、都市部に集中してしまっています。
 

>例えばセラミッククラウン10万円だと言われたとして、その金額の中には自費レベルの治療代は含まれていて10万円という設定なのでしょうか?
 
クラウン10万円であれば極々一般的か少し安い方かと思います。
 
また保険のルールで保険と自費の差は「材料の差」であり、自費にしたから特別なことをしないといけないということではないので、差があるかなど知りたければ担当の先生に聞くしかないと思いますよ。


おだいじに。

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回答 回答6
  • 回答者
あすとら歯科クリニック相模原(神奈川県相模原市)の滝野です。
回答日時:2020-07-08 19:26:28
Dr.ふなちゃん先生

ラバーダムは使っていないけれど、「本当に根管治療を上手く成功させる事に生涯かけて取り組んでおられる先生」という表現に違和感を持ちました。

本当に生涯をかけて取り組んでおられるのでしたら、小汚いビルだろうと、古臭いユニットだろうと、ラバーダムは必ず使うのではないか、と疑問です。

>レントゲンからも素晴らしい根管治療がされたことがわかるものでした。

細菌感染、汚染は、根充直後のレントゲン写真ではわからないように思いました。他の状況が同じならば緊密で綺麗な根充がされているほうが良いですが、極端な話、

唾液に汚染されたが、レントゲン上で綺麗な緊密に見える根充」

死腔もありアンダーのスカスカな根充だが、無菌的な処置がされた」
でしたら、後者のほうがマシではないかと思いました。

>考え方がちょっと古臭いかもしれませんが、そういう診療も出来る訳です。

ラバーダムは160年前からあり、一世紀以上、変わらず評価され使い続けられているものだと思うので、古い、新しいということはないように思うのですが…

>丁寧な診療をしようと思えば時間と手間暇が非常にかかりそれに見合う技術料や人件費が保証されていなければほとんどの歯科医はやる気をなくします。

これは全くその通りだと思います。

>安価で根管治療が出来るはずだろうという事を前提にした保険点数は、日本の保険制度の欠陥の一つだろうと思っています。

その通りだと思いました。全ての歯科医師が同一の対価で、均一な医療を提供しているという制度ですからね…

回答 回答7
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-07-08 21:37:29
個人的な見解に付き合ってくださってありがとうございます。

生涯かけて保険根管治療を極めている歯科医レントゲンは、生涯かけた長期的予後を追ったものですから根管充填直後のものではありませんよ。

術後経過がどれくらい安定しているか?
破折もなく咬合圧をしっかり付与しての長期経過を、ずっとレントゲンで追ってありましたね。

当たり前の事ですが、保険診療でもきちんと根管治療を上手く行える歯科医はいますよね?

回答 回答8
  • 回答者
あすとら歯科クリニック相模原(神奈川県相模原市)の滝野です。
回答日時:2020-07-08 22:31:41
私のほうこそ個人的見解ですので、本題を逸れてしまっていたら申し訳ありません。

>当たり前の事ですが、保険診療でもきちんと根管治療を上手く行える歯科医はいますよね?

私もそう思いますし、ラバーダムが根管治療を成功させる唯一の要素とは思っていません。


ですので、

「生活をかけて保険の根管治療をそこそこそ上手くこなしている歯科医」

ということであれば、現在の保険点数を考えると、ラバーダムを使わない先生がいるのもやむを得ないと理解できます。

ただ

「生涯かけて保険の根管治療を極めている歯科医」

という表現でしたので、生涯をかけて極めているとまで言うならばラバーダムは使っていて欲しいな…と個人的に違和感を感じたまでです。

が、「根管治療を極めている」ではなく「保険の根管治療を極めている」ですので、極めるの方向性は様々あるのかもしれない…と思い直しております。

> 術後経過がどれくらい安定しているか?
>破折もなく咬合圧をしっかり付与しての長期経過を、ずっとレントゲンで追ってありましたね。


2点、疑問があります。

1. 術後経過が、どれくらい安定しているかの長期経過をずっとレントゲンで追うという目的では、保険でレントゲン撮影ができないので、問題が発生したか、自費でのレントゲンを撮影するということになると思います。

2.我々歯科医師が誰でも陥り得る誤謬ですが、長期来院されてる患者さんというのは、トラブルなく経過している患者さんです。
トラブルが起きたり、治療が上手くいかなかった患者さんは他院へ転院している場合もあります。

結果として、治療成績の良い患者さんだけを見て自身の治療の平均と誤認してしまうリスクがあります。

古い歯の治療で、半世紀近く前に綿栓根充されたらしい歯が根尖に全く問題無く残っているという症例にたまに遭遇し、綿栓根充でもこんなにも長くもつのかと思ってしまいます。

実際には、虫歯洪水時代に片っ端から抜髄されてきた膨大な数の綿栓根充歯の中の、ほとんどが予後不良で抜歯にされてきた中で、我々は、今残っているものしか見えていない…のだと思います。

回答 回答9
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-07-09 09:07:26
FC綿栓根充歯は、流石にもう一世代前で50年以上前でしょうね。




タイトル 保険治療の根管治療、クラウンの素材だけ自費にした場合の予後
質問者 さらさらださん
地域 東京23区
年齢 40歳
性別 男性
職業 会社員(技術系)
カテゴリ ラバーダム
マイクロスコープ
根管治療後の詰め物・被せ物
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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