レントゲンでまだ病巣があるのに根管治療(自費)終了を告げられた

相談者: ラキラキさん (53歳:女性)
投稿日時:2021-02-22 17:54:07
こんにちは。

自費で2本の根管治療中ですが、先日下奥から2番目の大臼歯の根管治療終了を告げられました。

MTAセメントを詰めた後CT撮影し、画像で一緒に薬の詰め具合を確認しながらどんなふうに終了したかの説明を受けたのですが、それが腑に落ちません。

画像では、病巣に通ずる曲がった方の根管には薬が入らず、真っ直ぐに、病巣とは違った方向に入っているのが確認できました。

先生の説明では

「初期治療が悪かったから、本来曲がった方に入れたかったけど無理だった」

ようなことを仰っていました。

そして

「まぁ治療開始した頃より病巣が少しは小さくなってるし、半年後、一年後と経過を見ていきましょう」

と言われました。

私の目では病巣の大きさは変わらず、そして、痛みもまだあります。

この後、だんだん良くなっていくのか聞いたところ、たぶん大丈夫でしょうとの返事でしたが、納得がいかないので数日後に受診する際に再確認したいのですが、どう聞いたらよいでしょうか?

そもそも、今回治療すればまだずっと問題なく残せる歯と診断されたから思い切って高額な自費治療に踏み切ったのに、経過観察が必要になるなんて、この時初めて聞きました。

根管治療終了時に病巣がまだ映ったり、痛みが残るのはよくあることですか?
薬が病巣とは違う方向に入ってますが、それでも病巣は小さくなるのでしょうか?

私なりに調べてみましたが、調べる程不安と疑念が大きくなってます。

どうかアドバイスをお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2021-02-22 19:59:51
こんにちは。

自費根管治療は、トラブルになりやすい治療とも言われています。

保険治療では行う事が無理な内容で丁寧に出来るだけの治療を試みたが、うまくいかないという時もあるだろうと思います。

元々、日本の保険の根管治療費の設定が安すぎるので、自費治療で契約されて色々なツールや薬剤を使用してもらい、治療を受けた事への費用と割り切る事ができるかどうかでしょう。

経過が悪い場合は、歯根端切除術根尖を取り除く治療で終わるしかないという場合もありそうです。

>薬が病巣とは違う方向に入ってますが、それでも病巣は小さくなるのでしょうか?

そのようになるとよいですね。

機械的清掃が無理になった根管は、化学的洗浄も効果が薄いと思いますが、全く何もしなかったよりはまだ保存の可能性を高められたと考えることができるのかもしれません。

無理な機械的拡大で薄い歯質を失ったりヒビが入るという事もありますから、根管治療は本当に難しい治療だなぁと思います。

根管治療終了時に、まだ病巣が残ってレントゲンで写るのが一般的だと思います。

骨ができてくるまでにはかなりの時間経過が必要でしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ラキラキさん
返信日時:2021-02-22 21:31:59
ふなちゃん先生、コメントをありがとうございました。

今回、根管治療について調べていくうちにこの治療がいかにデリケートなものかわかりました。

知人から大絶賛で薦められた歯科医さんでしたし、HPからもとても腕の良い先生だと判断し、信頼しきっていたのがいけませんでした。

先生からもリスクがある事を最初から聞かされていたら、この結果になっても気持ち的に違っていたと思います。

説明の際に半年後、一年後の予後が悪かった場合の処置などリスク面の話は一切なかったです。

ふなちゃん先生の仰るとおり、歯根端切除術の可能性もあるな…と残念ながら認めています。

一方で、この段階で病巣が映っているのが一般的なら回復の希望はまだ持てるのですね!?(そう思い込みたいのです…)

根管治療の際のトラブルはたくさんあるようです。
今回は完治してないかも知れないけれど、トラブルにならなかっただけでも、執刀医の先生が一生懸命治療してくれたと、ふなちゃん先生のコメントのお陰で少しずつ思えてきました。

ありがとうございました。
回答 回答2
  • 回答者
あすとら歯科クリニック相模原(神奈川県相模原市)の滝野です。
回答日時:2021-02-23 01:27:30
ラキラキさん、こんにちは。

>画像では、病巣に通ずる曲がった方の根管には薬が入らず、真っ直ぐに、病巣とは違った方向に入っているのが確認できました。

レッジやジップが起こっているということかなと想像します。
湾曲した根管に綺麗に充填されれば理想でしょうが、再治療では元々の破壊が進んでいることが大半でしょうし、根の形態は極めて複雑ですから全てのケースで理想通りとはならないでしょう。

>私の目では病巣の大きさは変わらず、そして、痛みもまだあります。

骨ができるのは時間がかかりますから、感染源を取り除き根管を綺麗にしてできる限りのことをしたら、根充タイミングという考え方はあると思います。

>そもそも、今回治療すればまだずっと問題なく残せる歯と診断されたから思い切って高額な自費治療に踏み切ったのに、経過観察が必要になるなんて、この時初めて聞きました。

言葉のアヤのようにも思いますが、そもそも根管治療の再治療で永遠に問題が起きないという保証はできないでしょうし、どのような治療でも経過観察は必要になると思います。

>私なりに調べてみましたが、調べる程不安と疑念が大きくなってます。

インターネット上のどこの誰かもわからない記述で左右されて主治医に不信感を募らせているようですが、疑問に思うことは主治医に訊ねてコミュニケーションをとっていくのが健全だろうと思います。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2021-02-23 18:08:16
特に大臼歯根管治療などは簡単ではない場合が多いです。
かかりつけ医の手に負えないケースなら、その先生から歯内療法専門医に紹介してもらうのが無難です。

通常、専門医は根管治療のみしか行いませんから、再び、かかりつけ医に戻って続きの治療を行うことになります。

HPから、そこの歯科医院の技術レベルを判断するのは、歯科医師が見ても無理だと思いますよ。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2021-02-23 20:04:44
MTAセメントを詰めた後CT撮影し

根管充填剤としてMTAセメントを使ったとなると、中々再度の根管治療が難しくなると思います。
それはMTAセメントがかなり硬いから、除去が非常に困難だと思います。

そうなると次の一手は、

経過観察
外科処置
抜歯

の三種類になるかと思います。

外科処置には歯根端切除術意図的再植ヘミセクションになると思います。

親知らずがあれば、抜歯後に移植も視野に入ってくると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ラキラキさん
返信日時:2021-02-23 20:53:37
滝野先生、藤森先生、柴田先生
ご回答をありがとうございました。

根管治療について全く何も知識を持ち合わせておりませんでした。

とにかく、歯を救うために自費治療で高額出費さえすれば、歯科医師が当然の如く治療してくれ、完治するものだと思っていました。

根管治療が、特に何より初期治療が大事で再治療になると難しくなるなんて事は、今回自身が追い詰められてあれこれ調べて、こちらの掲示板の過去の投稿なども参考にさせていただき、初めて知りました。

現在治療して頂いてる主治医は、今回の自費治療で初めてお世話になったので、正直コミュニケーションが上手く取れているとは思えません。

自費治療が初めてなものだから、毎回緊張しながら受診しており、質問したい事がたくさんあるのに気軽に聞けない状態です。

だから、1人で情報を掻き集めてはよくない判断をしていました。

先生方にご回答を頂け、今回の治療が一旦終了し経過観察が一般的なものだとわかり安心出来ました。

こちらで相談させてもらってなかったら、危うく主治医に疑念をぶつける失礼な物言いになっていたかも知れません。

MTAセメントを入れた以上、もうやり直しは難しいのですね。
それも初めて知りました。(いささかショックを受けてます。)

この段階で主治医に質問出来る事が、予後が悪かった場合の処置だけに絞れたので、悶々と悩んでいた時よりはスッキリしました。

ご回答くださった先生方に感謝です。

このような掲示板があり、精神的にものすごく救われました。

本当にありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2021-02-24 10:17:20
こんにちは。

根管治療後の説明が納得できなかったようですね。

気になるところは治療が終わったにもかかわらず痛みが残っていることです、痛みがあるという事は炎症があることを示唆しています。

経過観察をして痛みがなくなり病巣が消失すれば治癒と評価できると思います、しかし現在痛みが残っていて病巣の縮小が認められないとのことですから治癒と評価はできません。

経過観察の後治癒が確認できた症例 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=3661

>本来曲がった方に入れたかったけど無理だった」ようなことを仰っていました。

これはたまに経験しますが通常治癒は難しいと思います、理由は曲がったほうに感染源が残ったままになっているからです、この場合歯根端切除ができるならその適応症になります。

歯根端切除 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=3608

できないなら意図的再植を考えることになります。

意図的再植法 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=3686

要するに根管内に感染源が残っておれば治癒は望めないという事です、それの確定診断は自覚症状がなくなることと画像上での陰影(病巣)の消失の確認という事になります。

個人的にはこのまま半年経過観察をすれば結果は出ると思います、結果が出るまで補綴はしないことをお勧めします。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2021-02-24 10:30:21
歯内療法専門医をしていますが、

前回の質問も読ませてもらいましたが、

>見積もりには、「3根管の歯」で治療費が載っています。

術前時に根管数を確定して治療費の請求は、ちょっと無理があるかな!?と思ってしまいます。

私の臨床上で多いのは4根管が多いですね。

下顎の大臼歯であれば過去に「6根管」という歯も治療したことがあります。

http://eedental.jp/ee_diary/2013/01/6canals.html

 
>一方で、この段階で病巣が映っているのが一般的なら回復の希望はまだ持てるのですね!?(そう思い込みたいのです…)

病変の治り(レントゲンでの黒い影)は早い人で3カ月ぐらい、長い人では半年ぐらいして治癒傾向(少し治ってきたかな!?)が出てきます。
*その間大きく腫れたり歯茎から膿が出てくるのなら、根管治療は失敗です。
 
経験上、完全に綺麗な骨に戻るには1年以上かかる場合が多いです。
*CTなどで骨の治りを見ると更に時間はかかります。
 
つまり、根管充填(最終的な薬)を行う際には、骨の治りも確認できませんし、治ってきているかは分かりません。 
 

今の状態がどうなっているか分かりませんが、根管治療が終わっていれば、早めに土台を入れた方がいいと思いますよ。
 
仮の蓋の期間が長いと、せっかく根管治療を行っても再感染する可能性がありますからね。
 

これは私見ですが、年齢などにもより骨の治癒スピードは変わってくる気もしています。
 
http://eedental.jp/ee_diary/2021/02/post-2177.html
 

治療してもらった先生に、この後レントゲンで経過をみてもらえばいいと思いますよ。
 
 
後、山田先生の

>気になるところは治療が終わったにもかかわらず痛みが残っていることです、痛みがあるという事は炎症があることを示唆しています。

は、そうとも言えず、痛み=炎症ではなく、痛みは脳が作り出している面もあり、長期間痛みがあった人は痛みが引いてくるのも時間がかかりますし、非原性歯痛といって病変は治っても痛みだけ残る場合もあります。
*痛みは特に女性が抱えやすいので注意が必要です。

>これはたまに経験しますが通常治癒は難しいと思います、理由は曲がったほうに感染源が残ったままになっているからです、この場合歯根端切除ができるならその適応症になります。

理想を言えば、根の先まで掃除して洗浄をした方が治癒率は高いです、根の先が石灰化したような場合はそこまでを徹底的に掃除するだけでも6割は治ってくれるという文献もあります。
  
きちんと消毒したら後は待っての判定を行った方がいいですよ。


個人的にも藤森先生がおっしゃるように、根管治療の技術差というものは存在しますが、我々歯科医師でもその差というものは分かりません。

また根管治療で【技術】と同じぐらい大切なのは「知識」といわれてます。
どうしたら治る確率が高いかを勉強している先生ほど、歯の保存に長けていると感じます。
 
自費治療であれば、高い費用を支払うのですから、そのパートだけ専門医に頼るという選択肢もありかと思います。
 

おだいじに

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ラキラキさん
返信日時:2021-02-24 23:50:24
山田先生、井野先生

ご回答をありがとうございました。

治療終了直後に画像に病巣が映っているのは通常の事で、経過観察が一般的だとよくわかりました。

お二人や主治医の仰るとおり、結果が出るのは少なくとも数ヶ月〜半年なのですね。
もしくは、井野先生の歯内療法日記にあるように数年後かも知れません。

今回は、この掲示板でたくさんの先生方から授かった知識をもって、再度現主治医の説明を受けたところ、曲がった根管の状態や、その他諸々今まで以上に詳しく聞くことが出来き、理解も深まり、何より気持ちが楽になりました。

ここまでの治療経過も問題なく、病巣が大きくなる可能性は低いと言われたので、安心して経過を見ていきたいと思います。

お忙しい中ご回答くださり、感謝します。

ありがとうございました
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2021-02-27 09:33:53
>は、そうとも言えず、痛み=炎症ではなく、痛みは脳が作り出している面もあり、長期間痛みがあった人は痛みが引いてくるのも時間がかかりますし、非原性歯痛といって病変は治っても痛みだけ残る場合もあります。

そうかな〜、非資源性疼痛と一言で片づけられたら患者さんは気の毒ですよ、自分が行った処置を振り返えれば原因はわかるでしょう。

現にそのような方は来られますよ。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2021-02-27 10:31:03
>そうかな〜、非資源性疼痛と一言で片づけられたら患者さんは気の毒ですよ、自分が行った処置を振り返えれば原因はわかるでしょう。

すみません、今回の場合は非原性歯痛かどうか分かりませんが、痛みの中には「脳が作り出している痛み」もあると書きたかっただけです。
 
後、非原性歯痛の頻度はそれほど多くはないと思いますが、歯科の場合不適切な根管治療由来のものがかなり多いと聞きます。


炎症というのは、発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害が5大徴候ですから、一概に痛みだけで炎症とは捉えられないとも思います。
 
ただ、経験上でいえば根管治療による痛みは2〜3日で引くことが殆どで、痛みが1週間以上続く場合というのは細菌感染が継続、もしくは細菌感染させてしまったことによるものが多いと思います。
 
 
個人的には、大きな痛みがあるうちは根管充填しませんが、経過を見ながら多少の違和感程度の痛みであれば根管充填して経過を見ることが多いですね。
 
この辺りの治療アプローチは専門医でも画一された基準はないので先生毎の治療基準になってくると思います。
  

回答 回答9
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2021-02-27 14:00:24
歯が原因の歯痛(これまでの治療が不適切であった場合も含めて)と、歯以外に原因がある歯痛(根管治療では改善しない)の割合は、医療機関によって異なると思います。

通常は、ここの相談も含めて、歯に痛みの原因があるケースの割合が高いとは思われます。

数年前は、根管治療で治るはずのない歯の痛みに対して、次々に抜髄抜歯されてるケースもよく見ましたが、今では、かなり少なくなりました。(少なくとも私のところでは)

考えられることとして、TV番組で筋筋膜性歯痛を取り上げていただいたり、主には関連学会の努力によるものですが、ここの歯科相談掲示板も少しは貢献できたと思っています。




タイトル レントゲンでまだ病巣があるのに根管治療(自費)終了を告げられた
質問者 ラキラキさん
地域 非公開
年齢 53歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 神経の無い(神経を取った)歯の痛み
歯科治療後の歯の痛み
根管治療後の痛み
痛みがある状態での治療終了
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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