7歳、永久歯前歯がエナメル質形成不全により濃色になっている

相談者: こけしちゃんさん (7歳:男性)
投稿日時:2023-05-30 12:35:30
はじめまして。


永久歯前歯が生えてきてから、片方だけすでに多くの部分が茶色いに近い濃い黄色を呈しています。
まだ全部生えてないのですが、全部生えたら、場所的に目立つと思います。

色々調べたところ、アイコンでは、ブラウンスポットを、ホワイトニングでタンパク質の色素除去をした後、アイコンをすると改善する可能性があるのを見つけました。

また、エナメルマイクロアブレージョンというのも、あると知りました。

アイコンをやったのち、効果が薄かったらエナメルマイクロアブレージョンという方法はできますか?


ブラウンスポットは、ホワイトスポットと違い、エナメル質内にできた気泡にタンパク質が混入したものとあったのですが、ホワイトスポットより必ずしもブラウンスポットが、病巣が深いということではないということでしょうか?



また、ブラウンスポット単体をホワイトニングするということはできるのでしょうか?

なかなか、小児で審美を診ていただけるところが少なく、色々読んでそのようなイメージでいるのですが、回答いただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-06-01 15:32:30
こんにちは。


お子様の歯に変色や着色、白濁がありますと大変ご心配される方がおられると思いますが、本人がさほど気にしていないならばしばらく様子を見られてはいかがでしょうか?

歯の表面は加齢するに従ってどんどん磨耗しますからあまり気にならないようになるかもしれません。


iCONは塩酸でエナメル質のミネラルを溶かし樹脂を染み込ませて白濁を目立たないように試みる治療法になりますし、エナメルマイクロアブレージョンも酸と研磨剤で磨き飛ばす治療になります。

日常生活で失って行くエナメル質を治療により早く失わせることで見た目を改善させる治療になりますから、本人がどうしても今したいと希望されない限りは親の判断でしなくて良いのではないか?と考えます。


審美的な事からご本人が悩まれるようでしたら歯科医院で相談してみてください。
限局的に削りとり色味があった樹脂を詰める治療もあります。

また、小児期にホワイトニングは推奨されていないと考えます。



〉また、ブラウンスポット単体をホワイトニングするということはできるのでしょうか?

スポットでホワイトニング剤を置く事はできますが、ラジカルはそこだけに留まるわけではありませんから、ご希望にそう結果に繋がるか?は誰も確約できないだろうと想像します。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: こけしちゃんさん
返信日時:2023-06-02 10:32:29
返信ありがとうございます。


スポットに限定してホワイトニングするのは難しいのですね。

よく大人のエナメル質形成不全の治療でよく症例を見かけるのは、比較的白い白斑が多いようなのですが、黄色い方も多いのでしょうか? 
白よりも黄色の方が色として気になるように思うのですが実際は、黄色よりも白の方が目立ち、気になるということはありますか?


完全に目立たなくすることは難しくても、黄色の色味が気になるのであれば、まずはホワイトニングをするという選択肢が第一段階かなと思ったのですが、黄色→白になることで逆に目立つようになる可能性は高いでしょうか?



また、削らずにレジン剤でコーティングしてカモフラージュするというのを見かけたのですが、見た目がどれくらい改善するかは別として、そのような方法は可能なのでしょうか?



子供が成長し、どれくらい気にするかは分からないのですが、気にし始めたら、話ができればと思っています。
よろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2023-06-02 21:22:03
こけしちゃんさん、こんにちは。


エナメル質形成不全でも黄色から茶色い方もいらっしゃいます。
ホワイトスポットにも程度があり、薄い場合にはそれほど目立ちませんが、色が濃いマットな白色の場合は黄色より目立つ場合もあります。


形成不全の部分が浅い場合はエナメルマイクロアブレージョンという方法で目立たなくすることができますが、黄色〜茶色の形成不全は深い場合が多く、エナメルマイクロアブレージョンではほとんど変化がない場合があります。

黄色〜茶色の形成不全がホワイトニングで若干薄くなることはありますが、ほとんど変化がない場合もあります。

若干薄くできた場合、アイコンを併用することで目立たなくできる場合はあります。


レジンでコーティングする方法はホワイトスポットでは場合によって目立たなくなることはありますが、黄色い石灰化不全はほとんど変わりません。

日常的にはそれほど目立たなく、歯が乾燥すると目立つ場合はコーティングをすることで目立たなくなります。


前歯のエナメル質形成不全は目立つため、かなり気にされてコンプレックスになってしまう方も多いようです。

できれば歯を削らない治療がいいと思いますが、お子様が大きくなってコンプレックスになるようでしたら最終手段として形成不全部分を削って樹脂を詰める方法もお考えいただいてもよろしいかと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: こけしちゃんさん
返信日時:2023-06-03 09:14:20
返信ありがとうございます。


黄色〜茶色はやはり深い場合が多いんですね。

かなり個人差があるとは思うのですが、黄色のエナメル質形成不全で、範囲が広い場合半分くらい見た目を目立たなくする可能性があるというイメージでいくと、歯の負担が少ない順でいうとホワイトニングが最初の選択肢になるでしょうか?


また、削らないスーパーエナメル等があるようなのですが、適用に年齢制限はありますか?、つけたあとに外す場合はリスクはありますか?

例えば10歳くらいでレジン剤でコーティングし、18歳くらいでレジン剤を外しホワイトニング、アイコンするという方法。
また、最初にスーパーエナメル等をつけて、その後外してホワイトニングやアイコン治療をするという方法は、現実的に可能でしょうか?



何度も申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2023-06-04 19:06:45
私はかなり多くの形成不全の患者さんを拝見していますが、黄色〜茶色の形成不全は残念ながらホワイトニングレジンコーティング、アイコンはあまり効果がないと思います。

ただ探せば対応できる歯科医師もいらっしゃるかもしれません。


なおスーパーエナメルは登録商標で一般名称ではないため私からは回答ができません。
申し訳ありません。

回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-06-04 21:40:34
歯を削らないネイル感覚の極薄ベニアがスーパーエナメルですね。
登録商標を持っているのは私です。


歯の表面にセラミックベニアをレジン系セメントで貼り付ける事で見た目の問題をカモフラージュしますが、歯並びや歯の形によっては多少歯面を削った方がバランスよくなる場合があります。

下地色のマスキングが上手くできなければいけませんから、ガラスセラミックやハイブリッドレジンなどの透過性が高い素材ではマスキング不十分になります。

遮蔽力が高いジルコニアの選択が望ましいという事になりますし、使用する接着性セメントも遮蔽力が強いものである必要が生じるなど、さまざまな臨床技術が必要になります。



とはいえ、お子さんが成長され適用したくなるまでこの治療法があるかはわかりません。

スペシャリストの歯科医と特別に仕事を組んで行なっている技工士が作らなくなるかもしれませんからね。
(上手くて丁寧に作ってくれる技工士は大変不足しています)

お子さんが治療したいと思われる時にはまた別の治療法の選択ができるようになっているかもしれません。


セラミックなどの高い技術力が要求される技工物を用いた治療は販売製品とは全く異なり、匠達が本当に油が乗り切った時しか提供されない場合がしばしばあります。

例えば昔はコンタクトレンズベニアというものがありましたが、今はありません。
開発者であり提供者がお亡くなりになってしまえば良い技工物も提供されなくなります。

材料もいつまでもあるとは限らない為、それぞれの時代に旬の治療が提供されるので、必要になられてお考えいただくので良いのではないか?と思います。


スーパーエナメルはジルコニアでも内面接着処理し透過性と色味を特殊な技工ステップを追加する事で、必要な部位に必要に調整をかけて作られるノンプレップベニアの一種です。

歯を削らなければ特殊なレーザーで簡単に歯を痛める事なく外せますから、スカルプネイル感覚で半永久的につけたり簡単に外したり可能にした治療法ですが、取り扱い可能な歯科医院は日本に30軒か40軒しかありませんから、そんなに簡単に治療希望できないのではないか?と危惧いたします。


白濁の方や茶変の方やテトラサイクリンの方など多数のケースを行ってきましたが、日本中に普及するには様々な障壁がございます。

長年タッグを組んで改良して来た一人の技工士しか作れない技工物というか作品というものがありますから、どこでも出来るという事にはならないのではないかと思います。

上手い技工士は厳しい環境の中での競争ですからそう易々と技術をお披露目してくれません。
素晴らしい作品は誰でも作れるというものではありません。


同じように、ダイレクトボンドでもエナメルマイクロアブレージョンでもiCONでもホワイトニングでも歯科の場合治療は、術者の技術ややる気、気合い、根性、愛情により全く異なる出来になりますから、出来合いの薬を買ったり処方したり何かを買うようなイメージでは全く見誤ります。
そこは誤認されない方が良いでしょう。



それぞれの歯科医、関係する医療スタッフがそれぞれ求められる結果を出して丹精込めた作品として素晴らしい治療は組み上がるので、名前が一緒ならどこも同じだろうとはならないものですからね。

歯科医同士ならばこの歯科医のこのケースの出来は素晴らしいと感嘆しあったりしていますが、一般の方にはそういう作品という観点はないのかもしれません。

下手な出来も歯科医であれば見ればわかります。
どこの誰が今油が乗った治療ができているのか?もリアルタイム情報によりわかりますが、だからといって希望しさえすれば全ての人がその上手くいった治療を受けられるというようなものではありません。


今おかかりの歯科医院で必要になられたタイミングで出来る事を丁寧に行なってもらうので良いのではないでしょうか?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: こけしちゃんさん
返信日時:2023-06-07 09:47:15
返信ありがとうございます。


そうなんですね。
とてもよく理解できました。


お聞きしたいのですが、歯は削らずに表面だけレジン剤でコーティングするというのを行い、後に、着色や、ホワイトニング等をするためにレジン剤コーティングを取る場合、やはり歯も少し削れてしまいますか?

先生がおっしゃったようなスーパーエナメルで使用するような特殊なレーザーで歯を削らずに取るといったことは可能ですか?


以前、歯医者さんで聞いたところ、レジン剤だけを取るということはできなく、歯も少しは削れてしまう可能性が高いということをお聞きしました。

歯医者さんではレジン剤は後の着色の問題が大きいため、治療はしないで変色部分とはうまく付き合っていくしかないということでした。


私としては、削らずにレジン剤でカモフラージュしながら、大人になったら、ホワイトニング、アイコン、被せるといった治療を本人が考えるという風に考えたいのですが、レジン剤でコーティングすることが、後々、マイナスになるのはどのようなことがありますか?

歯医者さんでは、試しに表面だけレジン剤コーティングすることはできるとはおっしゃっていましたが、審美歯科については詳しくないようで、どれだけその後の治療に影響あるかははっきりと分からないとのことでした。

このようなことを、詳しくお聞きして申し訳ないのですが、お答えできる範囲で答えていただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
回答 回答5
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-06-08 08:37:36
除去用レーザーは水に反応する特異性を利用して歯とセラミック間の接着力を無くしてくれるだけですから、セラミックは外れますが、接着材の樹脂は残りますから残った樹脂は削り歯面を綺麗にする必要があります。

樹脂を歯面特にエナメル質につけるにはICONでは、通常のレジン充填や接着時に使用する前処理剤の所定濃度のリン酸での10から20μmにくらべ、所定濃度の塩酸なので約3倍とかなり深くまで歯にダメージを一旦与える事で樹脂の浸透を可能にして脱離せず所定の目的を達成するものなので、それを綺麗に取り切ろうとするとその深さ分歯質を失う事になります。

樹脂は吸水性ゼロにはならない為経年変化で必ず着色変色汚染されていきますから、マイクロフィラーを含有させる事により限りなくセラミックに近づけてあるのですが、i-CONのように浸透させる目的の樹脂にはフィラーを含めませんから(含めたところでスケールの問題から浸透していかない)経年劣化が何れ目立ち始める事になるでしょう。


着色変色した樹脂の上からマスキングを繰り返すのか?そこは一旦除去するのか?はその時の歯科医の判断と持ち合わせている技術力に左右される事になるでしょう。

通常は汚れたものの上に盛り足さないという選択をする事で新たな歯面との強固な接着を得る事を選択されるでしょうが、樹脂が浸透したところ深さは一律ではない為、随時持ち合わせている技術を考慮し患者さんの理解力を勘案して判断しながら治療がなされるものと想像します。



レジン剤でコーティングすることが、後々、マイナスになるのはどのようなことがありますか?

市販の審美的レジンは透過性を持たせてありますから遮蔽が上手くいくか?でしょうね。

ですから歯科医も試しにとお伝えしているのでしょう。


上手くカモフラージュしようと試みてあげるけど満足できる仕上げになるかどうかはわからないよとお伝えしているのでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: こけしちゃんさん
返信日時:2023-06-08 10:50:11
ありがとうございます。


アイコンについても、とてもよくわかりました。

レジンについては、歯面を削るということだけではなく、審美的にも着色の問題が大きいのだろうと思いました。
レジンを使うということは、経年すれば、エナメル質形成不全の着色か、レジンの着色かということになるのですね。


私自身、前歯失活歯のため、セラミックを被せていて、セラミックの着色はないのですが、他の歯の着色により、なんとなく、一本だけ白く目立つといった状況になっています。

前歯なので目立つため、何とかしてあげたいと思いますが、子供が大きくなってからのライフスタイルとかもあると考えますと、何もしない方がいいのかなとも思います。



最後にお聞きしたいのですが、ルミネアーズのような貼り付けるタイプの場合ですが、歯肉部分に影響は少なからずありますか?
被せ物にした場合、歯肉後退の影響があるイメージがあります。
回答 回答6
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-06-09 12:01:31
ルミネアーズはニューセリネートという特殊なセラミック(お皿をイメージしていただければわかりやすいと思いますが、各ブランドで使用陶材の種類が異なりますと汚れがつきやすかったり、つきにくかったり、繊細な表面だったり、緻密な表面だったり、白のイメージに特徴があったり色々なバリエーションがある事は日常生活で容易に実感しやすいだろうと思います)を使用していますが、ハイブリッドセラミックではなくちゃんとしたセラミックに分類されます。

ですからお口の中に使える安定した不変の材料になります。


ただ、どのような生体親和性が高い不変のセラミックでも歯にはくっつきませんから、間にレジン系セメントを介在させてくっつけてあります。

レジン系のものが直接歯茎に害があるか?といえばありません。
完全硬化したら害は無いとされていますが、未官能基が残りますから劣化や変化はします。

それを害にならないように綺麗に保ち続ける事がメンテナンスによる汚れ除去という事になります。



被せ物にしても今はオールセラミックを選べますから歯茎は逆にクリープして上がってきます。
それくらい生体親和性が高い材料が自費で選択可能になっています。

メタルは逆にリセッションして歯茎がどんどん下がります。
保険の前装冠や昔はそれしか出来なかった自費のメタルボンドなどで歯茎がどんどん後退して繋ぎ目が見え始める事はよく経験する事でしょう。


ルミネアーズやスーパーエナメルなどのノンプレップセラミックベニアもケースによってはお手入れが不足し歯茎ラインが後退する場合もありますから、選択される際にきちんと説明を受けられて歯を大きく削り取り普通のベニアにするのか?冠にするのか?を最終的にお決めになれば良いと思います。

まず、歯を削る選択をいきなりするのではなく20年単位で段階を踏んで行ったとすれば、8020は達成できるのではないかと考えます。




タイトル 7歳、永久歯前歯がエナメル質形成不全により濃色になっている
質問者 こけしちゃんさん
地域 非公開
年齢 7歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯の変色・着色
歯の異常・トラブルその他
その他(写真あり)
子供の歯の変色・着色
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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