歯髄壊死し変色してきている前歯の根管治療とホワイトニング

相談者: クタさん (46歳:女性)
投稿日時:2023-06-19 19:24:37
幼少時に行った矯正治療が原因ではないか、ということで、前歯失活歯ができてしまいました。
歯髄壊死との診断を受けました。

数十年かけての緩やかな変化だったため、全く気づきませんでしたが、ここ数年になって、歯の色が変化していることがわかるような段階になりました。


現状、根幹治療は行なっておりませんが、専門医からは治療の必要性を伝えられております。
まず、このようなケースの失活歯の根幹治療は必須ですか?

また、放っておくと、緩やかな色の変化ですが、根幹治療を行うことで、色味が急激に茶色や黒になるのでしょうか。

(どこかの歯科のHPにて、根幹治療をすることで、色の変化が止められるというニュアンス説明があったのですが、本当でしょうか?)


そして、失活歯のホワイトニングの方法として、ウォーキングブリーチが主に紹介されておりますが、歯根破折歯根やその周りの骨が溶ける副作用があると、書かれていました。

インターナルブリーチは、そのような副作用はない、というような紹介もされているHPも見つけましたが、実際のところはどうなのでしょうか。


長文失礼いたしました。

ご回答何卒よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-06-19 22:53:12
こんにちは。


失活しているならば根管治療が必要と考えるのが一般的だと思います。

根管治療を行えば、内部から歯のホワイトニングが可能になります。


ウォーキングブリーチは薬剤を詰めて再来してもらうことになりますから、歯科医の目が届かない為チェアーサイドで完結するインターナルブリーチの方がより確実で安心できるでしょう。

どちらも根管治療をきちんとしてきちんと根管充填されていないとリスクが高まり高くできません。
歯根破折歯根やその周りの骨が溶ける副作用が生じないようにしっかりした根管充填を行ってもらった上で加療してもらうと変色が気にならないように仕上がります。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2023-06-20 00:47:29
クタさん、こんにちは。


失活歯の変色は神経の取り残しや出血があると変色が強くなってしまい、その後のホワイトニングの効果にも影響が出ます。

根管治療を早く行うことを推奨しているのはそのためと思われます。歯髄壊死であれば根管治療は必要と思われます。



ウォーキングブリーチ大学病院でも行われている神経がない歯の一般的なホワイトニング方法ですが、根管へのガードが不十分だと歯の根や骨が溶けてしまう副作用が報告されています。

実際に私の医院にインターナルブリーチ希望でお越しになった方で以前ウォーキングブリーチを受けた方の約3割はレントゲンで根が溶けています(ウォーキングブリーチが原因であるということは断定はできませんが)。
その場合は残念ながらインターナルブリーチもできません。


根管治療終了後の根管充填剤の上にさらにしっかりとガードを行い、ホワイトニングの時に出るフリーラジカルが根のほうに漏れなければこのようなことは起こりません。
もしウォーキングブリーチ中に痛みを感じたらすぐに中断したほうがいいと思います。


インターナルブリーチはウォーキングブリーチのように密閉しないため、根管へのガードがゆるくても根管へのフリーラジカルの拡散が起こりませんので、このような副作用は起こりません。

ただ効果は長時間ホワイトニング剤を作用させることができるウォーキングブリーチよりは弱くなります。


ウォーキングブリーチとインターナルブリーチはリスクと効果を考えて選択したほうがいいと思います。
早く白くなるといいですね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2023-06-20 20:23:07
>このようなケースの失活歯根幹治療は必須ですか?

必要だと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: クタさん
返信日時:2023-06-20 21:28:18
先生方

ご回答ありがとございました。
根管治療が必要とのこと、理解いたしました。


根管治療を行うことで、現在の緩やかな色の変化ではなく、急激に茶色から黒色になることを懸念しておりましたが、その理解は正しいでしょうか?

そして、ホワイトニングに関しても、きちんとした根管治療をしていただかないと、やはりリスクが高まることやウォーキングブリーチのリスクが高い旨、理解いたしました。


歯をより痛めてしまう可能性があるホワイトニングを行うことが恐ろしく、質問させていただきましたが、根管治療がきちんとされているか、ということは結局のところ自分ではわからないことなので、いずれにしてもリスクが非常に高いことなのだ...と思いました。


諸々検討していきたいと思います。

ありがとうございました。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2023-06-21 13:31:24
実際見てみないと分かりませんが、
 
先日同じような患者さんの紹介を受けましたが、特に症状無ければ私なら経過観察することもありますね。
 
http://eedental.jp/ee_diary/2023/03/post-2565.html

 
たぶん長期的に変色しているとなると神経管はかなり細くなっているので、かなり難易度の高い根管治療になります。
また上からの治療で上手く行かなければ外科的歯内療法など外科も行う必要があります。
 
この辺りは先生の経験則からの判断にはなりますが、今症状があるか!?生活に支障はあるか!?はっきり病変所見があるかなどで総合的に判断した方がいいと個人的には思います。
 
治療することで今より歯の寿命が延びるなどの保障はどこにもない訳ですからね。

 
後、ブリーチしても今回のように長期的に変色した場合は後戻りも早い場合が個人的には多いです。
  

気になればセカンドオピニオンなど求められた方がいいと思いますよ。
 
おだいじに

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: クタさん
返信日時:2023-06-22 02:50:23
井野先生

ご回答ありがとうございます!

治療に関するリスクのお話、ありがとうございます。
リンクの記事も拝読させていただきました。
まさに私も記事の方と同じで、審美的なことよりも歯をできるだけ残していきたい、というのが希望です。


状況的には、歯内療法の先生二名に見ていただき、どちらからも治療は必要という診断をされています。
ただ、どうして治療が必要かはきちんと説明を受けていません。
というか、私もこのようなことが初めてのため、きちんと理解しないまま、ここまできてしまったというか...



色々あり、現在、まだ治療は受けられていないのですが、やはり専門の先生に見ていただいた方が良いケース、ということですね。

当該箇所、鼻の下に、ちょっとしたしこりがあり、それと歯の変色で気づき、他の場所のことと合わせて見ていただいたのですが、かかりつけ医が現在いないため、紹介がないと治療をお願いすることができず、かかりつけ医を探しているところです。


ちなみにブリーチしても後戻りも早い場合が多い、とのことですが、これは、現在の色味から、ということでしょうか。
根管治療をしたのちには、急速に色が茶色く変色していく、というイメージがあり、その色からということでしょうか。


質問が重なり、申し訳ございません。

そして、ご回答ありがとうございました。

何卒よろしくお願い申し上げます。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2023-06-22 12:23:45
>状況的には、歯内療法の先生二名に見ていただき、
 
専門の先生2人がおっしゃられていたら、神経の処置が必要なんだと思いますよ。


>当該箇所、鼻の下に、ちょっとしたしこりがあり、
 
経験上ですが、根尖病変があると前歯は鼻の下を抑えると違和感があります。
 

>紹介がないと治療をお願いすることができず、かかりつけ医を探しているところです。
 
ややこしいのですが、日本の場合
歯内療法専門医といっても、
1、歯内療法だけをしている専門医(紹介状必要が多い)
2、歯内療法以外の治療もしている専門医(普通にクラウンまで作ってくれます)
 
1の歯内療法しかしていない先生は都会に多いです。 


>ちなみにブリーチしても後戻りも早い場合が多い、とのことですが、これは、現在の色味から、ということでしょうか。

現在の色からです。

かなりコンビネーションで治療を行うとこんなこと出来ますが、徐々に後戻りはあります。

http://eedental.jp/ee_diary/2019/09/post-1961.html
 
「歯内療法」と「ホワイトニング」と「レジン」を行います。
 
経験所、ホワイトニングとレジンが綺麗に見える期間は短いと5年ぐらいで、徐々に後戻りがあり色の差が出てきます。
後戻りの色を気にしなければこの後も触る必要はありませんし、色が気になれば再治療を行います。 
 
一般的な治療は大きく削ってセラミッククラウン審美的に治すです。
 
 
>急激に茶色から黒色になることを懸念しておりましたが、その理解は正しいでしょうか?

根管治療をしたのちには、急速に色が茶色く変色していく、というイメージがあり、その色からということでしょうか。

椿先生のおっしゃられるように、変色の原因は神経部の髄角というかなり分かりにくい部分の神経の取り残しで強く(多く)出ます。

またこの部分をきちんと処理すると今の色(術前)より歯の色が明るくなることもあります。 


http://eedental.jp/ee_diary/2019/12/post-2001.html
この処理には顕微鏡があった方が有利です。
 
  
>審美的なことよりも歯をできるだけ残していきたい、
 
今の希望だと、歯内療法とレジン治療を行っている先生がいいと思います。
専門医以外にも出来る先生はいますが、一般の方が探そうとすれば、
  
歯内療法学会の専門医の先生の多くは一般歯科も行っているので対応できるかもしれません。
https://jea-endo.or.jp/doctors/specialst.html 
 
また、顕微鏡学会の先生でも同じような治療を得意としている先生はおられます。
https://kenbikyoshika.jp/ninteii.html
 
歯科は先生毎に得な治療法が異なります。
患者さんサイドで希望する治療があれば、その治療をしている先生を見つけ受診しないといけない部分もあります。
 
まずは通える範囲で専門医先生に相談してみてください。


おだいじに

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: クタさん
返信日時:2023-06-22 21:29:13
井野先生

ご丁寧なご回答、ありがとうございます。

様々なことを知ることができ、希望が見えてきた気がした反面、おっしゃっていただいた手法を用いて、審美的な部分も考慮に入れつつ、根管治療をされる先生を見つけるということが、素人にはとても難しい気もしてしまい、少々気が遠くなってしまいました...
(当方、愛知県からは遠いですし...)

こちら色々わからない頭で調べすぎて、少々頭が回らなくなっており、正しい判断ができるか不安です。


ちなみに再度の質問になり恐縮ですが、歯科医院に行くたびにレントゲンを取ることとなり、(根管治療ともなるとCTも)数院重ねると、そのことも不安になってきております。
実際のところ、レントゲンやCTをとる場合の、期間を開けるべき間隔など、あるのでしょうか。

ただ、歯の色が変色する理由を知ることができ、私がおっしゃっていただいた治療にたどり着けるかは未知数ですが、感謝しております。


以上、何卒よろしくお願い申し上げます。



タイトル 歯髄壊死し変色してきている前歯の根管治療とホワイトニング
質問者 クタさん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯の変色・着色
根管治療の治療法
ホワイトニング治療法
ウォーキングブリーチ
インターナルブリーチ(パワーブリーチング)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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