保険の歯科治療と自費治療について

相談者: デンタル悩みさん (46歳:女性)
投稿日時:2025-03-27 14:56:17
こんにちは。

これからの歯の治療の考え方について、アドバイスをお願い致します。

奥歯全てに銀歯が入っています。

歯科金属アレルギーがあるかもしれないので治療をしたく、最近たくさんの歯科HPを探していました。

昔に比べ、歯医者さんのHPに全てが詳しく書かれており、理念、特色、得意分野、メニューも豊富で細分化され、料金から設備まで、明瞭化されていることに驚きました。

その中でまず、保険治療の限界について目に留まりました。
セラミックが良いと認識はありましたが、高額なため、ほとんど銀歯のまま放置してきました。

次に、今、MI治療が主流で、削らないで虫歯を治療すること。
その進化に共感はしましたが、全て自費治療です。
 
自費であれば、良い治療が受けられ、歯を失わずに済むかもしれないという、現実がかかれていました。

本気で虫歯治療をしたいなら、自費治療であること。
効果的な治療ほど高額ですが、本当にそうだなと思いました。

保険治療をすると、かえって歯の寿命が縮まるのだと思うくらいでした。

矯正をしたこともあり、歯にお金がかかるのは、よくわかっているつもりではありますが、良い治療であればあるほど、歯1本につき、10〜20万円以上は掛かります。
(時間、技術、設備、薬、材料、器具、手間暇、人件費、被せ物を含み)

お金が掛けられない人は、近い将来、インプラントになってしまいますが、インプラントの方がさらに高額になります。
虫歯が多いため、かなり高額になってしまいます。

歯の治療に対して、これから、どの様に向き合ったらよいのでしょうか??

この間にも、虫歯が進行しているかと思うと。
暗い気持ちになってしまい、非常に悩んでいます。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-03-27 16:08:45
こんにちは。

歯医者のH Pを熱心に見ていると、鬱になってしまうでしょう?
あまり気にされなくて良いと思いますよ。

SNSやブログやHPを熱心に書き込んで作っていればいるほど、集患に力を入れている(商売熱心)という事になりますから、どうしても保険診療を否定して自費治療に誘導しがちになりますからね。

そもそも社会の仕組みとして、情報量の多いわかりやすいHPを作って維持管理し続けるには、広告業界(IT業界ともいいますか?)にお金を払い続ける必要があります。

広告宣伝費をどれくらいかけているか?と治療が上手いか下手、良い治療だったという感想をもつかは別物ですけど、皆さん熱心にネット情報を見て来られますから、その対策が歯科の経営には大切という事になってしまっています。

基本的に保険診療では差別化をしてはいけないという事がありますから、差別化するには、どうしても自費の内容に偏った内容になってしまうのは当然ですね。

そもそも、金属がお口の中にたくさんあっても長生きしてきた日本人は多いですし、金属アレルギーになっている人もそんなに多くないという印象があります。

ゼロではありませんから(皮膚科でパッチテストを受けて判定してもらうのが一般的です。金属アレルギーと診断を受ければノンメタル修復に保険適用で変えてもらえたりしますからね)、歯科でも積極的にリスクについてお伝えするようになっているとは思います。

ただ、本当に金属アレルギーなのか?は、皮膚科で診断を受けてくださいね。

また、MI治療というのは低侵襲治療のことで、インレーではなくできるならばCRで充填や修復をしておこうというような接着修復の進化を受けての流れですが、別に保険診療でもCR充填は可能です。

あえてMI治療という名称を使って自費診療に誘導している歯科医院に目が留まっておられるだけですから、気にせずお近くの歯科医にご要望をお伝えしてみていただければ、可能な治療であれば可能と言ってくれるでしょうし、それは適用できないなという事であればそう言ってくれるものと想像します。

金属アレルギーでもないならば、お口の中に金属があっても健康でいられますし、ガルバニー電流という微弱電流が流れますがそれに影響を受けない人の方が多いのではないかと思えるくらい金属がたくさん入っていても、健康そのものの人は日本に多く居られるという印象がありますね。

ただ、健康のために良い治療をお金がかかっても受けたいとご希望されるお気持ちはよくわかりますから、そういう方であればしっかりお稼ぎ頂きまして医療費控除という仕組みをうまく使っていただき、所得税や住民税を減額するのに役立てていただくことも含めて良い治療を受けていただけば良いのではないかと思います。

歯列矯正も美容目的はダメですが医療費控除の対象になりますし、金やセラミックでの治療も医療費控除の対象になります。
インプラント治療も控除の対象になります。

納税額が大きくなる事があるようでしたら(贈与を受けるとか所得が多いとか)、税額を減額できるありがたい国の制度ですから忘れずに申告いただくと良いと思います。


昨今は保険適用のハイブリッドレジンが評価が高く良い材料になっていますから、いきなり自費のセラミック治療をご希望されなくても保険のCAD/CAM冠やインレーで良いケースという場合もあるのではないかと思います。

HPを熱心に作り込んでいない、お近くの歯科医院を受診していただくという選択肢も首都圏でもあるのではないかと思いますが、もうそういう選択も無理な時代になってしまったのでしょうか?

保険診療だけでは、首都圏では歯科医院経営が難しいという話は聞きますから、全国一律同一料金の保険診療の限界はエリアによってかなり変わるのだろうとは思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2025-03-28 13:37:28
自費治療しかしていませんが、極論を言えば、歯の事で悩みが出てしまう最大の原因は、万人に情報が行きわたったのと、「長生きし過ぎ」なんですよね。

知らなくていい情報までネットで簡単にアクセス出来てしまいますし、嘘の情報や不安を煽る様な情報までもれなく目にしてしまいます。

ここ100〜150年で医療と薬の進歩で日本人の寿命は倍近くになりましたが、歯の構造は変わっておらず、同じように歯の寿命が2倍になるなどはありません。

歯磨き習慣がなかった江戸時代でも、人生40年であれば、歯はそれなりに残ったので今ほど情報が無かったのでそこまで悩まなかったと思います。


保険治療をすると、かえって歯の寿命が縮まるのだと思うくらいでした。
 
保険・自費関係なく「治療=歯の寿命は縮まる」です。
 
一度治療した歯は再治療のサイクルに入るので、歯が無くなるまで治療のやり替えが宿命付けられます。
この再治療のサイクルをできるだけ延ばす(なるべく触らない)が歯を最も残す選択だと思います。
 
勘違いされやすいのは、メタルインレー(保険)からセラミックインレー(自費)に替えれば歯の寿命は延び、適合も予後も良くなるというのは幻想で適合はメタルの方が良いと思います。

後、メタルに比べセラミック系修復は大きく健康な部分を削りますから、痛みや違和感も出やすいです。


今日午前中に治療させてもらった患者さんは自費治療のセラミッククラウンでしたが、もの凄く不適合で保険治療で治療した他の歯の方がよっぽど適合は良かったです。 
自費治療だから保険治療より質が良いとも全く言えません。
 
 
>良い治療であればあるほど、歯1本につき、10〜20万円以上は掛かります。
 
世界的にも歯の治療はこのぐらいのコストはかかってきます。
 
治療費の高い国になると、神経の治療費だけで20万近くする国もあり、クラウンまで入れると1本で40〜50万ぐらいしてきます。
  
じゃあ、この費用の治療をみんなが受けられるかと言えば、ある程度お金を持っている人でないと医療は受けられません。
お金のない方は病院にも行けません。

日本の保険治療が、世界的に見ても圧倒的に安い治療費で治療を受けられるかなり優秀なシステムです。
費用対効果で見れば世界一だと思いますが、今の患者さんは諸外国の1本10万円ぐらいの治療を保険治療で望まれるので、コスト的にもそれは無理だと思います。
  
 
>歯の治療に対して、これから、どの様に向き合ったらよいのでしょうか??
 
歯は消耗品費であり、治療をしても歯の寿命が大きく伸びる訳ではありません。
 
患者さんにアドバイスできるとしたら、フロス歯間ブラシなど使ってよく歯を磨き、年に1回ぐらいは歯科医院でチェックを受ける、夜間の歯ぎしり(力)のコントロール、食生活で極端に硬い物はなるべく避けるなどを心がけてもらった方がいいと思います。
 
咬む力で出来たクラック(亀裂)からも虫歯は出来てしまいます。
 
 
今や東南アジアより治療費が安い保険治療には多くは求められないと早く知った方がいいと思いますし、歯科治療に完治はないということも知った方がいいでしょう。
 

最後に、日本人は痛みが取れる治療がすぐに受けられるだけ世界的にみても凄く恵まれていると思います。
 
以上、個人的な意見でした。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: デンタル悩みさん
返信日時:2025-03-29 00:03:51
はじめてこちらの掲示板を知りまして、両先生方の貴重なご意見が頂けて嬉しいです。

凄く詳しく熱心に回答して頂いて、大変、勉強になります!

一度虫歯になり、削った歯はもう帰ってこない、削るのループ以外ない事を、思い悩みすぎて、質問させて頂きました。

この掲示板の、ルール、返信などの仕方もまだわかっておりません。

またこの話題に関する追加質問や、別の話題で、お時間頂く事があるかもしれません。

よろしくお願い致します。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2025-03-29 12:48:03
舩橋先生の回答にあるように、「歯科金属アレルギー」の有無により治療方法が変わりますので、まずは皮膚科での診断が必要だと思います。

パッチテストは最低でも1週間貼り続けるので、暖かくなると入院しないと正確な診断ができない恐れがでてくると思います。

金属アレルギーがあって皮膚症状があっても、全ての金属除去が必須ではないと思います。
掌蹠膿疱症の原因の一つに根尖病変がありますので、まずは必要な根管治療だけて改善することもあると報告されています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: デンタル悩みさん
返信日時:2025-04-03 02:56:38
改めてご回答ありがとうございます!!

奥の歯全てが虫歯なので絶望的になってしまいました。

先日、外れた被せ物奥歯の治療を受けた際、隣の銀歯も簡単に外れそうな状態になっており、外すとかなり汚れた状態で、本当なんだと愕然としました。
他の銀歯も古いため、怪しいです。

そして、保険CAD/CAM冠に致しました。
いきなりセラミックにせず、様子を見てみたいと思います。
8本も大丈夫なのか心配しすぎています・・。
より一層のケアが必要です。

医師より、割れたら、セラミックにしたらよいのでは?と提案されました。

MI治療という名称を使って自費診療に誘導している歯科医院に目が留まりすぎてしまい、医師に聞いてみましたら、マイナーで普及していないし、あえて選択しなくても良いのではないかと言われました。
やはりそうなんですね。

今まで、かかりつけ医がおらず、虫歯の数が多いため、自分に合った歯医者さんにお世話になりたいのですが・・わからず難しいです。

自費、保険に限らず、治療には長所、短所があり、やはり、完璧な治療は無いのですね。天然の歯が一番です。

アレルギー性皮膚炎で休職することも多く、治療を受けてみようと思いました。

以前、金属のパッチテストをしたことはあるのですが、その時は、歯科金属類に反応でてはいました。

暖かくなってしまう前に、早くパッチテストをしないといけないですね。
歯の他の病変を疑う事も視野に入れたいと思います。

今回、歯科金属アレルギーに理解のある歯医者さんに行きましたが、その方が良いのでしょうか?とは思いました。



タイトル 保険の歯科治療と自費治療について
質問者 デンタル悩みさん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
歯科金属アレルギー
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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