ハイブリッドセラミックインレーも補修はできる?

相談者: 主婦Aさん (36歳: )
投稿日時:2007-08-03 08:33:00
たびたびお世話になっております。

担当医への質問をまとめようと思い、再度インレーの知識を整理していたところ、また疑問にぶつかってしまいました。

お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
(しかも、以前からたびたびインレーの質問で申し訳ありません)


↓こちらを読み返していて気になったのです。
ハイブリッドセラミックの詰め物について

タイヨウ先生

「修理の仕方は口腔内で直接ハイブリッド(グラディアダイレクト)を充填補修しました。半年近く経ちますが、その後のメインテナンスでも再破折は確認されませんでした。」

ハイブリッドセラミックインレーというのは、窩洞形成→印象採得して、出来てきたインレーをセットするものだと思っていましたが、「直接ハイブリッドを充填補修」ともタイヨウ先生が書かれていたのを改めて読んでいたら、何だか頭がこんがらがってきました。

ジーシーのサイトも見てみたのですが、技工用のハイブリッド(→技工士さんがインレーを作る)でインレーを製作する一方、通常のコンポジットレジンのような充填用ハイブリッドもあり、両者を組み合わせて使用することができるということでしょうか?

つまり、破折してもお直しが可能なインレーだという理解で良いのでしょうか?
(破折の程度によるのでしょうけれど)


インレーの接着と合着、セメント層のこと

こちらの質疑応答のなかで、セメント層の補修は難しいとタカタ先生が書いておられましたが、ハイブリッドでは充填用のものもあるので、セメント層も補修できそうに思えてしまいます。

その点はいかがでしょうか。
やっぱり辺縁部分のお直しは無理ですか??

セラミックインレーについての論文を探しまくっていたのですが、やっぱり長期の観察によると辺縁部分の劣化というのがどうも不安な感じです。

ハイブリッドで、もし補修ができるんだったらいいなぁ。。。
お値段的に丸ごとやりかえても悪くないし。。。と思ったりしています。

よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-08-03 14:51:00
結論から言うと

タカタ先生的には
「理論上はお勧めできない」

僕的には
「臨床上は大丈夫」

と言うところではないでしょうか(笑)。


接着を考える場合「被着体との接着」が重要となります。

リン酸エッチングを行ったエナメル質にはだいたい、どのメーカーのものを使ったとしても非常に良く接着します。

しかし、象牙質や完全硬化したレジンハイブリッド)に対する接着は難しくなります。


現在、市販されているボンディング剤で「最強」といわれているのはクラレのメガボンドです。

多くのメーカーが「メガボンドと比較してこれくらいの接着力です」と言うくらいの指標にされています。

メガボンドでの象牙質の接着力は25〜30MPaと言われています。
(計測メーカーによりバラツキがあります)

良く取れると言われる某メーカーのボンディング剤は15〜20MPaくらい。


他のスレッドにワタナベ先生が書いていましたが、前処理(プライミング)を的確に行う事で、ある程度(臨床上問題の無いであろうレベル)の接着が可能になります。


つまり、25MPa程度の接着強度があれば臨床上は問題無いのかなぁ?と。


長期の経過症例が無いので、5年後10年後はどうなんだ?と言われると困ってしまいますが、とりあえず、ここ2〜3年での経過では、

ハイブリッドインレーに対し、適切なプライミングを行ったうえでのグラディアダイレクトによる補修は良好」

と言うのが僕の結論です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-08-03 18:16:00
タイヨウ先生、ありがとうございます。

要するに、ハイブリッドコンポジットレジンのお直しの件と、同じような考え方ということでよろしいわけですね。

「臨床上は」オッケーであると。

実は今日、診察日で。。。担当医とみっちりお話してきたのですが、オールセラミックでも破折したときにお直しが出来るとか!?(←タカタ先生に怒られそう!?)

表面を何かで処理してうんぬん。。。との話でしたので、タイヨウ先生が前に書いていらした「セラミックプライマー」を使うという意味だったのかなと思いました。

"お茶碗"でもくっつくんですね、臨床上は。

タカタ先生に洗脳?されている私は、思わず「理論上も接着するんでしょうか」と喉から出かかって、やめました(笑)。

臨床上はくっつくということで、私の場合は担当の先生を信じて、ついていこうと思います。

私の先生は、基本的にはCR充填が最も得意で好きみたいで、適応でない場合にはオールセラミック。

ハイブリッドはお好みでないようなので、今回は断念しました。

お直し……も、本当はちょっと心配ですし、かといってオールセラミックだと、金額的に丸ごとやり換えも勇気いりますね。主婦のお小遣いでは…。

ハイブリッドもオールセラミックも、まだ長期の症例が不足しているというのが、とにかく心配の種です。

お世話になっている先生の臨床研究の役に立とうと思っているので、ともに白髪の生えるまで(?)、今の先生に経過観察をしてもらっていこうかなと思っています(笑)。

(それが、長期の症例として、ひいては社会全体の役にも立つかなって)
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-08-04 00:02:00
硬化したレジンセラミックと同等に考えます。
理屈は知りませんが、そんなものの様ですよ。

ですから、コンポジットレジンハイブリッドセラミックもセラミックも、「セラミックプライマー」というもので前処理をしてから「コンポジットレジン」でお直しが臨床上は出来ます。

ただセラミックにコンポジットレジンをくっつけると、色合いはちょっと厳しいかも知れませんし、もともと過剰な力がかかって「割れた」(これがレジン系はすり減るだけで済む場合も多いんですが)場所にそういう事をしても、気を抜いて補修するとまた同じことが起きるかと思います。

上手な先生なら安心ですが。

上手に丁寧に行えば20MPa以上の接着力が引き出せそうですから、多くの歯科医師が使用している(←※ここがタイヨウ先生とニュアンスを変えてます)コンポジットレジンのワンステップのボンディング材の接着力(10MPa台前半がほとんど。良くて後半。保管、術中操作によって臨床的にはもっと低下している危険大)よりはよくつくはずです。

本当はプロ顔負けの知識があるのに、謙虚な主婦Aさんって素晴らしいですね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-08-04 09:11:00
一般的な歯医者さんって接着をどのくらい真剣に考えているんでしょうかね?

ボンディング剤を「ぺぺ!」っと塗って、エアーを「ブワ〜」っとかけて光を「ペカ!」とあてて終わりですかね?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-08-04 11:56:00
>渡辺先生

どうも私、オールセラミック=お茶碗、CR=プラスチック、というのが頭にありましてピンと来なかったのですが、「硬化したレジンセラミックと同等に考え」てよいのですね。

家庭だと、お茶碗が割れたときと、プラスチックが割れたときでは使う接着剤が違うので、どうなのかな〜?って思っていました。

コクランのプロトコルで、CR充填したところは、あとでお直しをするのと丸ごとやり換えるの、どっちがいいか!?というようなのを見かけて、このお題は気になるなぁ〜なんて思いました。

インレーのお直しの話にも参考になりそうですよね。

ところで私が謙虚だなんてお恥ずかしいです。。。プロの方を目の前にすると、やっぱり遠慮してしまうところもあって(猫をかぶっている?)。

遠慮する気持ちに加え、担当医と信頼関係が結ばれていると、不思議とややこしいことをぐちゃぐちゃ訊かなくてもいいやという気持ちになります。

まぁきっと大丈夫だから、黙ってこの人に任せてついていこう、みたいな。

「なんかこの先生、ちょっとアヤシイ…」という気持ちがどこかにあると、刺々しく問いつめたくなったりしますね(爆)。

前に通っていた歯医者さんに対しては、そういう刺々しい気分でした(笑)。


>タイヨウ先生

接着をどのくらい真剣に考えているか、どうなのでしょうね!? 

うちの近所の「一般的な歯医者さん」についての話ですが、CR充填後に研磨してくれないだとか、小臼歯へのII級充填でコンタクトが回復せずスカスカの仕上がりだとか(衛生士さんの施術)、そんな話を耳にしたことがありますけど。。。

きっと、ペペ!ブワ〜!ペカ!という感じなんでしょうか。



タイトル ハイブリッドセラミックインレーも補修はできる?
質問者 主婦Aさん
地域  
年齢 36歳
性別  
職業  
カテゴリ ハイブリッドセラミックインレー
補綴関連
回答者




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