クラウン取り替え後に発生した痛みと、スイスでの根管治療に対する不安

相談者: ジュネーブ猫さん (43歳:女性)
投稿日時:2007-12-14 20:36:18
はじめまして。大変素晴らしいサイトで感動いたしました。

スイス在住です。歯磨きは趣味のように毎日丁寧に行い、半年に一回ずつ定期的に歯科衛生士歯石を取ってもらっております。

いつも衛生士にほめられるほど、ここ約10年間ほど歯に関しましては何の問題もありませんでした。

一ヶ月前、新しい衛生士に歯石を取ってもらったのですが、残念ながら大変 乱暴で、そのため痛くて血だらけになりました。しばらく歯ぐきの痛みが治まりませんでした。

歯石の除去から一週間後あたりに、歯科医に定期健診を受けたのですが、右上の一番奥の歯のあたりの歯ぐきが腫れがまだ残っていると指摘されました。

歯科医に言わせると、14年ほど前に被せた金のクラウン(アメリカにて治療、神経は抜いていない)の形が悪く、歯ぐきにごみがたまりやすくなっている、腫れもそのためではないかと言われ、クラウンのやり直しを勧められました。

金のクラウンを被せた歯自体は14年前の装着時にはずいぶん痛んだ気もしましたが、その後14年間何の問題もありませんでした。

9年ほど前に成人歯科矯正を行い、その際、右上一番上の奥歯〈金のクラウン)と2番目の中間に矯正器具を差込ました。

矯正終了後、金のクラウンと2番目の間の歯ぐきに微妙な隙間が出来たので、毎晩デンタルフロスで挟まった結構な量の食べ物をとって就寝しておりました。

今まで、職場の歯科保険(上限あり)も歯石の除去以外、ほとんど使っておらず、十分残金があったので、歯科の先生に進められるまま、セラミックスのクラウンに取り替えてもらいました。このとき先生は、根幹治療はされませんでした。

ところが、古い金のクラウンをはずして、型取をした後ぐらいから、水を飲むと、とたんに こめかみから、頭に激痛が走るようになりました。

その一週間後にセラミックスのクラウンを被せても、激痛は止まりませんでした。先生にお話して、鎮痛剤をもらい、その一週間後に経過を見てもらいました。

一週間後の診察では、

1)
クラウンを取り替えた歯をたたいても、歯をかみ締めても、歯そのものが痛むようではないこと

2)
寝ている間に痛みでおきることが無い

3)
右上の2本の奥歯の歯ぐきが冷たい水で痛む

などのことから、再び鎮痛剤〈消炎剤も含んでいる)でもう一週間ばかり様子を見ることとなりました。特にレントゲンをとったりなどはしませんでした。

根管治療をすると歯が死んでしまうので、出来れば、先生は避けたいようです。

現在、かなり強い鎮痛剤(Méfénacide)を一日3回服用していますが、それでも夕方になると頭がとても痛くなります。

今日は痛みで明け方 目が覚めました。
心持か胸まで苦しくなります。

クラウンを取り替えた先生は、前に通っていたベテランの歯科医がご退職された後を引き継がれた若手の先生です。そのため、先生の技術、ご経験にも一抹の不安をかんじます。

歯科の痛みは逃げ場が無いのが難点です。もう三週間にもなり、体力的にも限界を感じます。

1)
いったい私の歯はどうなってしまったのでしょうか。

2)
これは歯の問題では無く、歯ぐきなどの感染でしょうか。それでしたら、歯周病の先生をたずねるべきでしょうか。

3)
やはりクラウン取替えの際に歯髄炎になってしまったのでしょうか。

クラウン取替えの前にこのウェブサイトに出会っていましたら、特に差し迫った、問題の無い金のクラウンを取り替えるなどしなかったのにと悔しくおもわれます。

歯科の先生はお金がほしかったのでしょうか。ちなみにスイスでは、クラウン一本〈セラミック、治療費別)20万円ぐらいします。これから根管治療をやってもらったらまた別にお金がかかります。

根管治療も、ちゃんとできるのでしょうか、不安です。まさにお金を払って、若手の先生の研修と、人体実験に協力しているような気分です。

12月末に日本に一時帰国しますので、〈東京)そのとき、日本の専門の先生に診てもらうことを考えたほうがよいでしょうか。

出来ましたらアドバイスをお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-12-15 03:02:11
はじめまして。

>大変素晴らしいサイトで感動いたしました。

恐縮です^^;
スイスからは3人目ぐらいの投稿だと思いますよ。

さて、問題の7番の症状ですが、文面から推測すると、残念ですがおそらく神経までやられてそう・・です。

冷たい水がしみる、程度なら最大3ヶ月ぐらい様子を見てみるのも良いかと思うのですが、ジュネーブ猫さんのそのご様子だともうそんなことを言っている場合ではないかと思います。

今後の対処についてですが、スイスの歯科医療レベルは私には分かりません。
日本と同じく担当する先生によってピンキリかとは思います。

根管治療も今回が初めてとなりますから、(※根管の中に細菌の侵入はほとんど見られないので)日本で保険ラバーダムもしないで猛スピードでやられるよりは、外国で仮に不器用な先生でも、ラバーダムして時間かけて丁寧にして貰う方がリスクは少ないと思いますよ。

もしくは日本でも一握りの、根管治療専門医、もしくはそれ級の先生に自費でお願いすれば一番贅沢かとは思います。数万円〜数十万円ぐらいだと思います。

ですが1本の歯の根管治療をやっつけるには、出来れば数ヶ月ぐら

いの時間的余裕があると助かりますね。
1日でも終われないこともないのですが、賭けになりますので。

もしも日本でそういった歯科医への受診を検討されるなら、早めにメールで問い合わせをして、段取りを決めておいた方がいいと思いますよ。

名高い先生の予約はもう間に合わないかも知れません。


それと費用対効果という意味で考えれば、上の7番ならもしかすると抜歯してしまうのも意外と選択肢になるかも知れません。

もちろん納得が行かない気持ちはあるかとも思いますが・・。

ポイントとしては、隣の6番が神経など抜いてなく、生涯もちそうな歯ならそれもありかも知れません。

参考⇒歯科相談室<歯が抜けた・抜く予定<7番(第二大臼歯)


・・と、考えれば今度の一時帰国時に、ダメ元で猛スピードの保険根管治療でも十分かも?知れませんね。

費用は10割負担だとしても、タダみたいなものですので。

あまりお役には立てなかったかも知れませんが、痛みの具合と相談しながら、検討されて下さい。

お大事にどうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ジュネーブ猫さん
返信日時:2007-12-16 06:43:53
渡辺先生、

お忙しい中、ご返事ありがとうございました。

歯科医から処方された鎮痛剤を飲んでも、痛みがさらにひどくなって、仕事にも支障が出るほどになってしまいましたので、クラウンを取り替えた歯科医に根管治療をやってもらいました。

実際そのスイスの先生の技術のよしあしは素人の私にはわかりませんので、運を天に祈るしかありませんでした。

一応ラバーダムをして一時間ぐらいで、その日の治療は終わり(神経をとり薬を入れたのでしょうか。。)来週の水曜にもう一時間ぐらいで(治療から5日後)治療は完成だそうです。

私の神経の根はとても深くて難しかった〈けれども根を探し当てた)と先生は言っていらっしゃいました。

神経を取りましたので、うそのように痛みと頭痛が止まりました。

後で見ましたら、新品のセラミックスのクラウンに穴を開けて歯科医の先生は治療されたようです。

二つほど質問があります。

1)
新しく入れたクラウンに穴をあけてしまってその後どうやってふさぐのでしょうか。これって大丈夫ですか。

2)
渡辺先生は以下のようなご回答をされました:

"1本の歯の根管治療をやっつけるには、出来れば数ヶ月ぐらいの時間的余裕があると助かりますね。1日でも終われないこともないのですが、賭けになりますので。"

あわてて根管をふさがないほうがよいのでしょうか。次回の歯科医との約束は5日後ですが、年末日本に帰国して、帰ってくる 1ヵ月後ぐらいにチェックしてから、根管をふさいだほうが良いのでしょうか。

数ヶ月ぐらいの時間的余裕とはどういうことなのでしょうか。

今日もこのウェブサイトで2時間ぐらい勉強させていただきました。
このウェブサイトを知る前は、誰にも相談できずに苦しんでいました。

このサイトは医者ではない私でも良くわかるように先生方が説明してくださり、大変ありがたく思いました。

よい週末をお過ごしください。


P.S.

ちなみにスイスでは 歯科医にかかると、ほぼ自動的に半年、または一年に一回、歯科医の歯科衛生士から連絡があり、歯石をとる様に言われます。〈ほぼ強制的)これってとてもよい制度だと思います。

隣国のフランス、イタリア またはイギリスなどと比べると、心持かスイス人はみんな、良い歯を持っているように思います。

また歯の健康に関する意識が高いように思います。

(それか、隣国に比べてスイスのほうが断然金持ちでもあるため、歯にお金を使えるのでしょうか。)
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-12-16 19:26:01
まずはお痛みがなくなった様で、良かったですね。


>実際そのスイスの先生の技術のよしあしは素人の私にはわかりませんので、運を天に祈るしかありませんでした。

これは日本に来ても同じことですよね。
悩んでも仕方ないことかもしれません。


>一応ラバーダムをして一時間ぐらいで、その日の治療は終わり(神経をとり薬を入れたのでしょうか。。)来週の水曜にもう一時間ぐらいで(治療から5日後)治療は完成だそうです。

まず日本なら1回の根っこの治療に1時間もかけてくれる先生は、100件に1件もあるかどうか・・。

それと個人的な考え方になるかも知れませんが、ラバーダムまでして貰えていれば、元よりも汚染される可能性がとても低くなります。

前回の回答でも触れましたが、今回は初の根管治療であり、神経の中はほとんど汚染されていない状態な訳です。

そう考えると、担当の先生の技術のよしあしはともかくとしても、及第点の治療はして頂けたのだと思いますよ。


>1)新しく入れたクラウンに穴をあけてしまってその後どうやってふさぐのでしょうか。これって大丈夫ですか。

たぶんレジン充填だと思います。

そちらだとアマルガムではなさそうですが、どちらも海外ではよくされる方法の様ですね。

一応賛否両論あるでしょうし、歯の状態にもよるのでしょうが、今回の場合は多分大丈夫だと思います。

参考⇒根管治療後のクラウンについて、専門医と担当医の意見が違う


>2)数ヶ月ぐらいの時間的余裕とはどういうことなのでしょうか。

もしも来日されて治療をするなら・・ということです。
神経の処置は、なかなかすぐに痛みが引かない場合も多いですからね。

それと欲を言えば、根尖病変レントゲン上の変化が見られるまでに、3ヶ月以上はかかりますので、それを確認してから最終的な被せ物に移行していけるのが一番理想的です。

今回の場合、穴はおそらくレジンで塞ぐだけですから、また次回のメインテナンスのときにでも確認のレントゲンを撮ってもらって、万一異常がみつかればそれからまた考えても十分だと思いますよ。


>よい週末をお過ごしください。

残念ながら家でごろごろしてました。
昨夜は勤務先の忘年会で、夜更かししてしまって・・。


>P.S. ちなみにスイスでは 歯科医にかかると、ほぼ自動的に半年、または一年に一回、歯科医の歯科衛生士から連絡があり、歯石をとる様に言われます。〈ほぼ強制的)これってとてもよい制度だと思います。

確かスウェーデンの研究で、予防にお金をかけた方が、結果的に国の医療費削減につながるということが実証されています。

過去にこちらに投稿されたアメリカの方のお話でも、所得が少ない人ほどかえって予防に通う様です。

(※理由は別のところにあるのかも知れませんが)

日本の場合は、治療に対する国の負担を減らす方向にばかり躍起になっていますが、これが結果的に逆効果になっている様に思えてなりません。

実際、予防は保険でカバーされていませんし、歯科医は所得が減るばかりで治療の質が維持できません。

参考⇒自費の歯科治療は、医療費控除制度の対象になるの?
参考⇒簡単に神経を抜くことと、歯科業界の実情(ワーキングプアー?)

国連あたりから、ガツンと言ってもらえませんかね・・^^;

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ジュネーブ猫さん
返信日時:2007-12-17 07:23:04
渡辺先生

ご返信ありがとうございました。
おかげで少し安心しました。

"実際、予防は保険でカバーされていませんし、歯科医は所得が減るばかりで治療の質が維持できません。国連あたりから、ガツンと言ってもらえませんかね・・^^; "

実は私 国連に勤務なのですが。。。難しいですね。。。 
地元の政治家の先生あたりに掛け合ったほうが可能性が高いのでは。。。

このウェブサイトで、日本における歯科医療の問題点なども勉強させていただきました。

渡辺先生、今回は大変お世話になりました。
これからもがんばってください。 

ジュネーブ猫



タイトル クラウン取り替え後に発生した痛みと、スイスでの根管治療に対する不安
質問者 ジュネーブ猫さん
地域 非公開
年齢 43歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯科治療後の歯の痛み
根管治療その他
ゴールドクラウン(金の被せ物)
クラウンを被せた後の痛み
クラウンの作り直し・再治療
クラウン(差し歯・被せ)のトラブル
クラウン(差し歯・被せ)その他
歯医者への不信感
医療ミス、不信感その他
スイス
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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