乳歯の断髄と抜髄について教えてください
相談者:
こうめさん (5歳:女性)
投稿日時:2008-01-09 16:23:35
先日、5歳の娘の乳歯のことで相談させていただいた、北京に住んでおります、こうめと申します。
10月に大き目の虫歯が見つかり、治療していただいた左上Eの歯がまだ痛むという相談をさせていただきました。
続けて相談させていただいてすみません。
【前回の歯科相談】
北京での乳歯の根の治療について
その後、転院して無事に処置をしていただきました。
噛んだ時の痛み、普通にしていてちょっと痛んだのが消えた、と娘はとても喜んでいました。
ですが、温かい物がしみる症状だけが消えません。
再度相談したところ…
◎ 10月から症状が消えなかったのを「様子見」という形で「放置」をしていたので、過敏であり続けた神経が落ち着く可能性が低い
◎ これから中国では2月の旧正月による大型連休があったり、3月に3週間の一時帰国があったりして、時間をかけてしっかり治療する期間がとりにくい、また急に痛みがひどくなった時にすぐにかかれない可能性がある
このような環境を考えて、神経の処置をした方がいいと勧められました。
ただ、もっと削ってみないとわからないけれど、虫歯が神経にとても近い、とか達している、というわけではなく、神経が過敏な状態が続いたからという理由での処置であることや、年齢的なことを考えても「断髄」を選ぶ可能性が高いです、ということでした。
検索してみましたが、「断髄」は神経の上の方を切る?処置だということくらいしかHITしませんでした。
断髄のほうが、抜髄より予後が悪いのでしょうか?
また、神経の上の方を切り取って、そこにお薬を詰めることになると思うのですが、神経との境目に隙間が出来てしまってそこからまた悪くなるようなイメージを持ってしまいます。
歯チャンネルの乳歯の虫歯のところにもちょっと断髄に関しての情報が見つからなかったので、どのような処置か、教えていただけないかと思います。よろしくおねがいします。
10月に大き目の虫歯が見つかり、治療していただいた左上Eの歯がまだ痛むという相談をさせていただきました。
続けて相談させていただいてすみません。
【前回の歯科相談】
北京での乳歯の根の治療について
その後、転院して無事に処置をしていただきました。
噛んだ時の痛み、普通にしていてちょっと痛んだのが消えた、と娘はとても喜んでいました。
ですが、温かい物がしみる症状だけが消えません。
再度相談したところ…
◎ 10月から症状が消えなかったのを「様子見」という形で「放置」をしていたので、過敏であり続けた神経が落ち着く可能性が低い
◎ これから中国では2月の旧正月による大型連休があったり、3月に3週間の一時帰国があったりして、時間をかけてしっかり治療する期間がとりにくい、また急に痛みがひどくなった時にすぐにかかれない可能性がある
このような環境を考えて、神経の処置をした方がいいと勧められました。
ただ、もっと削ってみないとわからないけれど、虫歯が神経にとても近い、とか達している、というわけではなく、神経が過敏な状態が続いたからという理由での処置であることや、年齢的なことを考えても「断髄」を選ぶ可能性が高いです、ということでした。
検索してみましたが、「断髄」は神経の上の方を切る?処置だということくらいしかHITしませんでした。
断髄のほうが、抜髄より予後が悪いのでしょうか?
また、神経の上の方を切り取って、そこにお薬を詰めることになると思うのですが、神経との境目に隙間が出来てしまってそこからまた悪くなるようなイメージを持ってしまいます。
歯チャンネルの乳歯の虫歯のところにもちょっと断髄に関しての情報が見つからなかったので、どのような処置か、教えていただけないかと思います。よろしくおねがいします。
回答1
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-09 23:46:24
今晩は
症状からすると、何らかの神経の処置が必要だと思います。
日本で断髄より抜髄することのほうが多いように思います。
ヨーロッパでは、入試の抜髄を避ける傾向にあるようで、断髄か、年齢によっては、抜歯となってしまうようです。
これは、抜髄が手間がかかり患者(小児)自体の負担も大きく、正確に行うことが難しいことが理由の一つだと思います。
また骨格的が日本人と違うことも、抜歯してしまう理由の一つのように思います。
研究による予後を見てみますと、断髄は、直接覆髄などに比べて、成功率がかなり悪いようです。
これは元の状態が、直接覆髄などは、症状のまだほとんど無い、状況のよい状態のときにすることが多く、断髄は、症状が出てから(状況が悪くなって)からすることが多いからではないかと思います。
つまり、症状(神経の状態)による差だと思います。
しかし予後が悪くても、永久歯のために、後2年間、できれば5年間持てばいいと考えれば、断髄も一つの選択肢だと思います。
断髄しても神経が死んでしまうようなら、その時点で神経を取るという方法もあります。
ただ、断髄が中途半端に成功すると、神経の管が閉鎖してしまい、罰髄しにくくなるという欠点もあります。
症状からすると、何らかの神経の処置が必要だと思います。
日本で断髄より抜髄することのほうが多いように思います。
ヨーロッパでは、入試の抜髄を避ける傾向にあるようで、断髄か、年齢によっては、抜歯となってしまうようです。
これは、抜髄が手間がかかり患者(小児)自体の負担も大きく、正確に行うことが難しいことが理由の一つだと思います。
また骨格的が日本人と違うことも、抜歯してしまう理由の一つのように思います。
研究による予後を見てみますと、断髄は、直接覆髄などに比べて、成功率がかなり悪いようです。
これは元の状態が、直接覆髄などは、症状のまだほとんど無い、状況のよい状態のときにすることが多く、断髄は、症状が出てから(状況が悪くなって)からすることが多いからではないかと思います。
つまり、症状(神経の状態)による差だと思います。
しかし予後が悪くても、永久歯のために、後2年間、できれば5年間持てばいいと考えれば、断髄も一つの選択肢だと思います。
断髄しても神経が死んでしまうようなら、その時点で神経を取るという方法もあります。
ただ、断髄が中途半端に成功すると、神経の管が閉鎖してしまい、罰髄しにくくなるという欠点もあります。
回答2
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-01-10 21:26:37
乳歯の場合は永久歯との生え代わりのため、根が吸収されます。
そのため、永久歯の場合のように根幹充填材に、吸収されにくい材料を使うことができません。
その結果、永久歯の場合よりもさらにアバウトな治療にならざるを得ず、乳歯の抜髄はどうしても永久歯より成績は悪くなってしまいます。
それから、乳歯の場合は、時間がたつと根が吸収されてくることがどちらかというと良いほうに影響するためか、永久歯の場合の断髄と比べると予後はそれほど悪くはないように感じます。
また、小牧先生もお書きのように、5年程度もたせられれば、その乳歯の役目は終わりますので、きちんと処置が行えれば、生え代わりまで問題なくすごせる場合も少なくありません。
ですので、予後が必ずしも良いとは言い切れず、なおかつ手間のかかる抜髄をファーストチョイスにする必要性は薄いかと思いますので、担当の先生の判断は妥当かと思います。
そのため、永久歯の場合のように根幹充填材に、吸収されにくい材料を使うことができません。
その結果、永久歯の場合よりもさらにアバウトな治療にならざるを得ず、乳歯の抜髄はどうしても永久歯より成績は悪くなってしまいます。
それから、乳歯の場合は、時間がたつと根が吸収されてくることがどちらかというと良いほうに影響するためか、永久歯の場合の断髄と比べると予後はそれほど悪くはないように感じます。
また、小牧先生もお書きのように、5年程度もたせられれば、その乳歯の役目は終わりますので、きちんと処置が行えれば、生え代わりまで問題なくすごせる場合も少なくありません。
ですので、予後が必ずしも良いとは言い切れず、なおかつ手間のかかる抜髄をファーストチョイスにする必要性は薄いかと思いますので、担当の先生の判断は妥当かと思います。
相談者からの返信
相談者:
こうめさん
返信日時:2008-01-10 22:09:12
小牧先生、森川先生、ありがとうございます。
読ませていただきますと、
直接覆髄>断髄>(≒)抜髄
というイメージに近いのでしょうか・・・。
直接覆髄(現在、たぶんこの処置だと思います)がなんとかうまくいってくれるといいのですが、異国の地に住んでおり、さらにこの先休暇や移動が多くなるという悪い時期が重なったために、神経の処置を積極的に考えたほうがよさそうですね。
何も知識が無いまま、先生にお任せしていいものかどうか非常に心配でしたが、小牧先生、森川先生のアドバイスを読ませていただき、いろいろ検索もして娘の治療に臨めそうです。
娘は5歳ですが、まったく泣いたり暴れることなく治療をすることができます。
ただ、Eの歯なので口を大きく開けていることが疲れるようで、さらに口をあけておく器具が現在の医院には無いようなので、それが少し心配です。
担当の先生も、あと5〜6年もたせたいので断髄のほうを選ぶことになると思う、とおっしゃっていました。
いずれにしても、もっと削ってみて神経の状態を確認してということになると思いますが、予備知識を持って治療に臨めるということで、とてもほっとしています。
ありがとうございました。
乳歯についてももっと勉強して患者力をupしていきたいです。
読ませていただきますと、
直接覆髄>断髄>(≒)抜髄
というイメージに近いのでしょうか・・・。
直接覆髄(現在、たぶんこの処置だと思います)がなんとかうまくいってくれるといいのですが、異国の地に住んでおり、さらにこの先休暇や移動が多くなるという悪い時期が重なったために、神経の処置を積極的に考えたほうがよさそうですね。
何も知識が無いまま、先生にお任せしていいものかどうか非常に心配でしたが、小牧先生、森川先生のアドバイスを読ませていただき、いろいろ検索もして娘の治療に臨めそうです。
娘は5歳ですが、まったく泣いたり暴れることなく治療をすることができます。
ただ、Eの歯なので口を大きく開けていることが疲れるようで、さらに口をあけておく器具が現在の医院には無いようなので、それが少し心配です。
担当の先生も、あと5〜6年もたせたいので断髄のほうを選ぶことになると思う、とおっしゃっていました。
いずれにしても、もっと削ってみて神経の状態を確認してということになると思いますが、予備知識を持って治療に臨めるということで、とてもほっとしています。
ありがとうございました。
乳歯についてももっと勉強して患者力をupしていきたいです。
タイトル | 乳歯の断髄と抜髄について教えてください |
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質問者 | こうめさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 5歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
虫歯治療 根管治療の治療法 根管治療その他 小児歯科治療 乳歯の虫歯(むし歯) 子供(子ども)の虫歯 乳歯の抜髄、根管治療 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。