前歯の根面のレジンが頻繁に取れるのですが、他に治療法はない?

相談者: 霧香さん (40歳:女性)
投稿日時:2008-03-05 21:47:31
いつも、参考にさせていただいております。

前歯の根元のことで、ご相談いたします。

左右下3、4番の外側の根元のレジンが大変脱離しやすく、一年どころか一ヶ月も持たなかったり、数日で脱離したこともあります。

初めは、20代の時で知覚過敏の処理、との事でしたが何回も繰り返すうちに深く穴が開き、しみが強くなってきました。

歯科の先生の技術のせいかと思ってしまい、転院もしてしまいましたが、現在の先生のお話ではの生え方に原因があるとのことでした。

歯石取りや、隣の歯を治療したときなどは必ずといってよい程取れてしまいます。

しかし先生のお話では、たとえ脱離したとしても歯石取りはしたほうが良い、とのことでした。

現在、他の歯の治療中で根元のレジンは取れた状態なのですが、もう再充填、脱離の繰り返しは嫌だと思うようになってきました。

繰り返しは4回はとうに超えています。


自費レジンの耐久性と審美性は、何年くらい持つのですか?

こちらの記事を読みますと、自費レジンでしたら、より長持ちしそうですので、ご回答されている先生のところに遠距離通院したいくらいです。

現在、痛みの問題があり、しみが治まるので薬のようにシュミテクトを塗ったりしていますが、飲んでしまうので身体には悪いと思っています。

このような痛みを止める処置というのは、あるのでしょうか。
また、接着で一番効果的なのはやはりレジンでしょうか。

他の修復方法があれば、是非試してみたいと思っておりますので、教えていただけると幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-03-06 00:51:20
こんにちは。
根面のレジンが頻繁に外れてお困りの様ですね。

結論としてはやはり、『特別丁寧なレジン充填』でなら可能性があるのではないかと感じます。

現在のところ、正しく使えば一番に接着させることが出来るのは、充填用のコンポジットレジンです。

ただ確実とは言えないですね。。
理由をご説明しますね。


レジン充填は、もうご存じだと思いますが、非常に知識・技術を要します。
「くっつく」のではなくて「くっつけるもの」と言う例えもされる程です。

「接着」に注目して考えると、実は霧香さんの様なケースが、最も難易度が高いのです。


【難しい理由?】

レジンが誰でも簡単に接着させやすいのは「エナメル質」です。

ですが根面(※正しくは"歯頚部"と言う表現になります)への充填の場合、上半分はエナメル質なのですが、下半分は「象牙質」になってしまい、同等の接着力は得られません。

レジンは硬化する時に、若干ですが収縮を起こします。

ですのでよくくっつくところとくっつきにくいところの両方が混在する場合、くっつきにくいところがますますくっつきにくくなります。(↑読みにくいですね・・)

参考→歯の構造


【難しい理由?】

レジン接着の際に、接着力を低下させてしまう最も大きな因子は、唾液・血液・湿気です。

外国だとレジン充填は、まずほとんどの場合でラバーダムを併用することでこれらの因子を排除するのですが、歯頚部の充填の際にはラバーダムの併用自体が非常に困難です。

かつ、歯頚部では、すぐ近くに歯肉溝歯周ポケットがあり、実はこの中からは常にじわじわ水分(※歯肉溝浸出液と言います)が出てきますので、環境としては最悪です。

それと、日本で言う自費のレジン充填でも、特に決まった術式がある訳ではありません。

患者さんウケするのは「接着」ではなくて「審美」ですから、自費だからと言ってラバーダムを必ず使うとか、接着システムを詳しく理解しているとは限りませんから、注意が必要かも知れませんね。


【難しい理由?】

実は歯頚部は、歯に強い力がかかった際に、最もたわむ場所です。

咬み合わせの状態にもよるのですが、3番、4番あたりの歯は特にたわみやすい歯とも言えます。

たわめば、接着面からかならずやられてしまいます。



・・イメージが掴めましたでしょうか?

?、?については慎重な操作や、材料の選択(※かなり大事です)である程度フォローが出来ると思うのですが、?についてはもうどうしようもないですよね。

ですから私の場合、知覚過敏も少々だったら、歯頚部へのレジン充填は極力避ける様にしています。

しみがどうしても強いということでしたらもう仕方がないかも知れませんが、どちらかと言うと充填や神経を抜く方法よりは、本当は知覚過敏処置で済ませられればそれがベストだとは思いますよ。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-03-06 01:38:15
こんにちは、渡辺先生のパフェーフェクトな説明の後には不必要な書き込みですが、

渡辺先生もおっしゃられているようにここの部分のCR充填は、高いレベルでいえば非常に難度が高く、きっちり詰めるのは容易ではありません。



>私の場合、知覚過敏も少々だったら、歯頚部へのレジン充填は極力避ける様にしています

私も歯頚部(歯茎の移行部)には殆どレジン充填しません。

また殆どがオーバー充填の形となり、人工歯石状態で詰め物の下に歯石がたまったり、虫歯が出来たりすることが多くあまりメリットはありません。


ただ私がするケースは、くさび状に大きく凹んだ場合象牙質をシールする意味医で一層薄くフロアブルレジンでコーティングする程度です。

またレジンはどんなに磨いても天然の歯よりは塑造になり汚れが貯まりやすいので、わざわざ汚れがたまりやすい物を歯茎のあたりに詰める必要性は薄いと思います。

歯頚部充填する場合私は圧排(歯茎に糸を入れて歯茎と歯のすき間を作る)操作をしてから充填します。

削らず詰める際にも、この際麻酔は必ずする必要があると思います。

これは痛みなどがあると特にポケット内から滲出液が多く出てくる為、接着阻害因子の除去を行う為にも、痛みのコントロールは必ずする必要があると考えます。

私であれば、まず知覚過敏のファーストチョイスにはレジン充填は選びませんね^^;

知覚を鈍麻させる塗り薬などがありますから、まずはそちらの処置をされてみてはどうでしょう!?

2〜3回塗ってみるといいかもしれませんね。

また噛み合わせで知覚過敏、くさび状欠損が出ている恐れもありますのでそちらのチェックもされた方がいいですよ^^ 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 霧香さん
返信日時:2008-03-06 23:02:52
渡辺先生、井野先生、わかりやすいご回答をありがとうございました。

やはり今の段階ではレジンの充填が一番接着(難しいけれど)する材料なのですね。

難しい理由も詳しく説明していただいて、イメージがつかめました。

『特別丁寧なレジン充填』は、直接病院へ伺ってお願いしたいくらいです。
遠距離で難しいのですが・・。

最初は光を当てて処理する知覚過敏の治療でしたがすぐに脱離し、レジンに変えたと思います。しかしやり直すたびに削られるのは辛いです。

知覚を鈍麻させる塗り薬というものもあるのですね。
シュミテクトを塗り薬代わりにしなくても良くなりそうです。


> 噛み合わせで知覚過敏、くさび状欠損

くいしばりがあるので、影響しているかもしれません。

の根元は外側だけではなく内側もしみることがあります。
(診て頂いても何もなっていないとのことでしたが)

色々な要因があるのですね。

一番最初の治療時は、こんなに難しいものだとは(繰り返すなどとは)思ってもいませんでした。

以前の記事で、

知覚過敏で削れた歯の根元は、詰め物を詰めるほうが良いでしょうか?

こちらの方は、キャンセルされたかどうかまでは解らないのですが、私もこの段階で相談できていればと思ってしまいました。



タイトル 前歯の根面のレジンが頻繁に取れるのですが、他に治療法はない?
質問者 霧香さん
地域 非公開
年齢 40歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
専門的な質問その他
詰め物、インレーが取れた・外れた
楔状欠損(くさび状欠損)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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