コーラ・イチゴ牛乳・100%オレンジジュース、1番虫歯になりやすいのは?

相談者: 点心さん (17歳:男性)
投稿日時:2008-08-19 20:38:27
こんにちは。ふと気になったことがあったので、質問しようと思いました。

それは、飲み物についてです。


感覚的に、コーラ(ファンタ・その他炭酸)は砂糖の感じがヌメっときますよね・・・
(僕だけかな

それに比べ、イチゴ牛乳やオレンジジュースは牛乳の特有の感じ、オレンジジュースは酸味だけです。

ですが!

コーラよりもイチゴ牛乳やオレンジジュースの方が砂糖が多かったんです!
これにはビックリしました・・・


もちろん、牛乳・いちご・オレンジ、それぞれ生で食べれば虫歯になりにくいと聞いたことがあります。




砂糖の量より、さらされる時間の方が大事だとも聞いたことがあります。


砂糖っぽさを感じるコーラと、感じなくても砂糖の多いイチゴ牛乳とオレンジジュース、どちらが虫になりにくいのですか?



よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-08-20 05:40:00
点心さまおはようございます。

面白い所が気になるようになったのですね、気になった事を調べてみようとなさる好奇心がものすごく大切ですよ。

まず砂糖の量についてですが、一番簡単なのはメーカーのお客様相談室に電話をなさることです。

そこでご自身の疑問に思っていることを訊ねてみてください、メーカーによって色々な答え方をなさりますが大体教えてもらえます。


むし歯になりやすいかどうかについては、色々な要素があるのでひとくくりには申せません。

あなたのがむし歯になりやすいのか一般的にむし歯になりやすいのかによってもお答えが違ってきます。

例えばお友達数人に協力を求めて、食べている物の種類と量を3日間すべて書き出してもらってその結果とむし歯の数・治療跡と比べてみると何かヒントが見つかるかもしれません。

めんどくさいかな?

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-08-20 09:33:26
面白いところに気が付きましたね。

実は「虫歯のなりやすさ」は砂糖の量も考慮しなければなりませんが、直接的には「pH」の方が影響が強いと言われています。

虫歯の成り立ち

 お砂糖を虫歯菌は栄養とする
 →虫歯菌が代謝産物として酸を作る
  →酸によってが溶ける
   →再石灰化がおきて歯の表面は元の状態に戻る
    →もっと酸ができる
     →再石灰化が追いつかない
      →やがて穴が開く
       →虫歯として歯医者さんに治療される

と。

つまり、直接、歯に穴をあけてしまう原因は「酸」です。
昔、理科で習いませんでしたか?
「酸性、アルカリ性」を表す指標「pH」(昔はペーハーなんて言い方もしていましたね)。

pH5.4以下になると歯が溶けだすと言われています。
これを「臨界pH」と言います。


つまり臨界pH以下の飲み物に長時間さらされていると歯が虫歯のように溶けてしまうと思ってください。
(これは厳密には「虫歯」ではなく「酸蝕」と言います)

点心 さんの言われている「砂糖の量より、さらされる時間の方が大事」と言うのはこの事を意味します。



東京医科歯科大学の齲蝕制御学分野の北迫先生と言う先生が、いろんな飲み物のpHを計っています。

(pHは数値が小さければ小さいほど酸性であることを表します)


 コカコーラ 2.2
 ファンタ しゅわっとピーチ 2.9
 VAAM 3.3
 カルピスウォーター 3.4
 Qoo とってもオレンジ 3.4
 明治乳児りんご100%ジュース 3.6
 ポカリスウェット 3.5
 ビタミンウォーター 3.7
 ポンジュース 4.0
 トロピカーナ 4.1

 午後の紅茶ストレートティー 5.5
 WONDA モーニングショット 6.2
 BOSS レインボーマウンテン 6.2
 キリン 生茶 6.3
 伊藤園天然ミネラル麦茶 6.5
 明治おいしい牛乳 6.8
 Volvic 7.0

nico 2007年7月号8月号より
だそうです。


つまり、午後茶より上の飲み物は長時間口に含むことによって「酸蝕」を引き起こす可能性があり、最もなりやすいのがpH2.2のコーラと言う事になります。


個人的には「C1000タケダ」あたりが最強にヤバいんじゃないかと‥。
「お砂糖+炭酸+すっぱい」でしょ(笑)。


点心 さん注目の「いちご牛乳」はデータに入っていないので、残念ですが、pHメーターなどで測定すれば数値はすぐに測れます。



まあ、美味しく飲む分には僕はコーラもいいと思うんですけどね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-08-20 10:30:13
食べ物には罪はそれほど無いと思いますよ。

要は、それを食する人の口腔内管理にあると思います。

でないと、パティシエはみーーーーんな総入れ歯になっちゃうでしょ?

回答 回答4
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2008-08-20 20:17:47
湯浅です。

タカタ先生の言われるように、それぞれの口腔内管理が違うので、一概には、言えません。

文献的には、動物でのの溶ける程度の実験があります。もちろん、人間に、あてはまるかどうかは、不明です(でも、このような実験は、重要です)。



<Bowenらの研究>

ねずみの実験ですが、14日間の脱灰量で調べた結果、糖1、コーラ1.16、蜂蜜0.88、母乳0.29、牛乳0.01だったそうです。

この論文の中に、下の論文に、市販の乳児用ミルク(粉ミルク)より、母乳のが、虫歯になりにくいと書いてあるとあります。

下の論文では、詳細は、不明ですが、どうも、しょ糖(5%グルコース)を1とすると、粉ミルクは、0.35ぐらい(商品によって変わる)です。

違う実験を直接比較はできませんが、商品によっては、カリエスになりやすいと考えてよいでしょう。

また、彼らは、カルシウムなどのミネラルが、砂糖のう蝕のなりやすさを変えると書いています。


また、母乳で育ったのに、ランパウントカリエスの報告があるが、それには、子供の食事の記載がないので、母乳を無制限に与えるとか、砂糖の食事も取っているとかの影響ではないかと推測しているようです。


Bowen WH, Lawrence RA. Comparison of the cariogenicity of cola, honey, cow milk, human milk, and sucrose. Pediatrics. 2005 Oct;116(4):921-6.
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/reprint/116/4/921

Bowen WH, Pearson SK, Rosalen PL, et al. Assessing the cariogenic potential of some infant formulas, milk and sugar solutions. J Am Dent Assoc. 1997;128 :865 –871
http://jada.ada.org/cgi/content/abstract/128/7/865


また、動物実験でもなく、基礎データなので、さらに、人間のカリエスのリスクにあてはまらないですが、

・野菜ジュース
「カゴメ野菜ジュース」では、ショ糖 0g となっていますが、その他のブドウ糖や果糖は書かれていません(カゴメのHPより)。

また、「おやつの野菜 りんご味」では、ショ糖 3.4g となっており、種類によって異なるようですので、注意が必要です。


・フルーツジュース
以前は、こちらのが主流で、研究もあるようですが、最近は、コンビニの占有率も低くなってきている感じです。
よって、今後は、野菜ジュースの研究が必要では?

「朝のフルーツこれ一本」では、糖質 30.4g 、ぶどう糖 8.3g となっており、野菜ジュースより糖分が多いようです。


僕も、飲んでいますが、砂糖が多いと言うことは、わかっておいた方が良いと思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-08-21 08:22:28
他の先生方も言われているように、虫歯になるには諸条件がありますが、少なくともpHと砂糖の量には左右されます。


タイヨウ先生に示していただいた食品以外に、天然のフルーツもpHが低く

 レモン 1.3〜2.0
 オレンジ 2.9
 リンゴ  2.8
 イチゴ  3.4〜3.8

です。

ちなみに強酸といわれる胃酸はpH2です。
またよくビタミンCとして飲み物などに添加されているクエン酸はpH0.77です。

市販の飲み物は、保存性や清涼感のために、クエン酸などを加えて、pHを下げています。


これら酸性の食品は、エナメル質を溶かします(これを脱灰と言います)。

しかし、人間の体は良くできているもので、に悪い酸性の食品が口に入ると、それを中和するために唾液が出ます。
唾液には酸性を中和して中性に戻す作用があり、歯を守ります。

酸っぱいものを食べたり、考えたりすると唾液がじわっと出てくるのは、このためです。

つまり唾液が多く出る食品は、体にはいいのですが、歯には良くありません。


この酸性の状態が続くと、虫歯になりやすくなります。

また、飲み物の粘調度にも関係があり、歯につきやすい飲み物は虫歯になりやすい傾向があります。

もちろん砂糖の量にも関係があります。
市販のフルーツジュースにはたとえ100%果汁でも、砂糖が多量に含まれている場合があります。

ただし湯浅先生もおっしゃっているように、ミネラルが加わると変わってきます。

カルシウムを含んでいる乳製品は、他の食品に比べると脱灰の作用が弱いことが分かっています。


したがって、同じ人が同じ条件で飲んだ場合、1.コーラ 2.オレンジジュース 3.イチゴ牛乳(ただし1と2はほぼ同等では)

ではないでしょうか。

ただし、製品によって砂糖の添加量やpHなどが異なりますので、一概には言えません。
 

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-08-21 20:11:46
タイヨウ先生、TSUBAKI先生>


>実は「虫歯のなりやすさ」は砂糖の量も考慮しなければなりませんが、直接的には「pH」の方が影響が強いと言われています。

これはじめて聞いたんですが、pHの低い食品と虫歯との関係のデータってありますか?


あと、pHが低い食品の場合はどこに虫歯ができるのでしょうか?

通常の、虫歯はプラークが付着した部分のみにできるかと思いますが、口腔内にpHの低い食品が入ってきた時に、プラークの表層は確かにpHが低くなると思いますが、面に近くの深い部分(バイオフィルム内?)までpHは低くなるのでしょうか?

だとすると、pHの高いもので酸を簡単に中和できるような気もしますし、唾液の緩衝が働いて歯表面でもpHが下がらない(=虫歯ができない)ように思えるのですがいかがでしょうか?

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-08-22 09:52:21
森川先生


pHの方が影響が強いかどうかはわかりませんが、少なくとも口腔内のpHが低い時間が短いほうが、脱灰のリスクも低くなると考えます。

森川先生がおっしゃるようにプラーク内のpHにはそれほど影響はないかもしれませんが、カリエスリスクを減少させるためには、口腔内のpHを速やかに上げることを考えると、なるべく酸性の食品は避けたほうがいいのではないでしょうか。


ホワイトニングの際にも、一般的にホワイトニング後はの脱灰を防ぐために、このような酸性の食品は避けていただいています。

最近では酸によるトゥースウェアも注目されてきており、歯に良くないことは間違いありません。

その関連でpHのことを強調してしまいましたが、カリエス発生には様々な要因がありますので、確かにpHのみではないと思います。

(3食品のうちのどれが最もカリエスになりやすいか?という質問で、先生方の回答がpHに関するものでしたので、私も関連させていただきました)。



申し訳ありませんが、私は基礎的なデータは持っておりませんので、もしお持ちの先生がいらっしゃいましたら、お教えいただきたいと思います。

口腔内のpHはカリエスリスクに関係がないというデータでも結構です。
よろしくお願いします。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2008-08-22 10:03:13
うちに来た患者さん、黒酢ダイエットの影響でエナメル質脱灰して、そこにプラークが停滞しやすくなり、全顎カリエスになってしまっていました。

22歳なのに、24本補綴になってしまいました。
酢や炭酸の取りすぎにも気をつけなければいけませんね。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2008-08-22 10:05:01
>pHの低い食品と虫歯との関係のデータってありますか?
>pHが低い食品の場合はどこに虫歯ができるのでしょうか?


回答2にも書きましたが「トゥースウェア」です。
厳密には虫歯では無いですね。

一般的な患者さんの解釈としてはトゥースウェアと虫歯を厳密に分けて考える方は少ないかな?と思ったのでこのような回答になりました。

いずれにしてもDr.TSUBAKIもおっしゃられているように「に良くないことは間違いありません。」から。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 点心さん
返信日時:2008-08-22 19:02:47
ありがとうございました。
たくさんの方からこんなに親切な回答を頂けて、とてもうれしいです。


>>山田先生

砂糖の量は原材料の所で確認しました。

メーカーに質問ですか・・・考えもしなかった事でした(笑)

食べているものとかは、ちょっと聞きづらい質問ですね・・・(笑)
いつか試してみようと思います。



>>タイヨウ先生

基礎知識として、「虫歯の成り立ち」と「pH」については、すでに勉強しておきました。
説明不足ですみません。

炭酸飲料はある程度pHが低いと思っていましたが・・・

ここまで低いとは!

カルピスも意外と低いんですね・・・
C1000タケダ・・・確かにその通りの味ですね・・・
ポカリスエットにも気をつけないといけないですね。
ポンジュースもあまり良いものではないですね。


トゥースウェア・・・今回の質問では、そこまで分けていないので虫の範囲とさせていただきます。



>>タカタ先生

>「食べ物には罪はそれほど無い」

確かにその通りです。
今回はただ気になっただけですので・・・

24本・・・
酸は怖いですね・・・



>>湯浅先生

牛乳がトップですか(笑)
なるほど、ミネラルが重要なのですね。

ランパウントカリエスとは、一種の虫歯でしょうか?
ランパウントの意味を教えてください・・・

横文字(英語)を読むのは苦手なので・・・ギブアップです・・・

野菜ジュースやフルーツジュースも意外な地雷ですね。
結構甘めになってたりしますからねー・・・


>>Dr.TSUBAKI(TSUBAKI先生)

レモンって胃酸より強いんですね・・・
具体的な例が分かりやすいです^^

あ!確かにすっぱいものをイメージすると、唾液が出ますね!

飲み物の粘性・・・意外な伏兵ですね。



みなさま、ありがとうございました。
最後に、ランパウントカリエスの意味を教えてください・・・
回答 回答10
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2008-08-22 20:18:16
湯浅です。

点心さん、ごめんなさい。相変わらず、質問者を飛ばして、専門的な話になってしまっています。



森川先生の、
「これはじめて聞いたんですが、pHの低い食品と虫歯との関係のデータってありますか?」

僕も、直接的には、知りません。
というか、どのように検索すれば良いのか、わかりません。

しかし、僕のバイブル教科書の一つ、
「Dental Caries: The Disease and Its Clinical Management 」には、新しいカリエスについての仮説がのっています。



砂糖を頻回摂取→酸性に傾く
    ↓
【環境の変化】:正常のpH→酸性pH
    ↓
【生態上の変化】:S.oralis,S.sanguis→MS,Lactobacilli⇒remineralization→demineralization
    ↓
  カリエス


というものです。これによると、口腔内のpHの変化は、大きな要素です。

もちろん、森川先生の質問に直接の回答ではありません。
いくらpHの低い食品と摂取しても、短時間なら、pHは、戻っていくからです。


実は、疑い深い性格で、この、自分としてもバイブルとあがめている教科書にまで、ホントかいな?その基文献は?と思って調べたのですが、どうもエビデンスに基づくというより、いろいろなエビデンスから、エイヤーと一つ飛んでから、書いているようですね。

詳細は、以下に記載してありますので、参考にしてください。

http://wiki.livedoor.jp/mxe05064/

の中の、「カリエスのパラダイムシフト」のページです。

結局、エビデンスはないですが、僕は、そうかもしれないと、信じています。

回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2008-08-23 00:16:16
湯浅先生>

>これによると、口腔内のpHの変化は、大きな要素です。もちろん、森川先生の質問に直接の回答ではありません。
>いくらpHの低い食品と摂取しても、短時間なら、pHは、戻っていくからです。

確かに
口腔内のpHの低下→酸性化で発育しやすい細菌へのシフト→う蝕

といった流れは、感覚的には違和感はありません。
ただ、
酸性の食品の品回摂取→口腔内のpHの低下

これは、言えないと思います。
(湯浅先生もこの点はご理解いただいているとは思いますが)


まして、(虫歯菌ではなく酸を扱う工場や、食品中の酸によってが損傷を受ける)酸蝕とう蝕(虫歯)は好発部位も、歯質の変化も異なりますから、酸蝕を起こしやすい食品がう蝕も引き起こしやすいというのは、まさに、

>エビデンスに基づくというより、いろいろなエビデンスから、エイヤーと一つ飛んで・・・

というような感じに私には映ります。

ですので、私の場合は、たとえ虫歯が多数あろう(≒ランパントカリエス)とも、酸蝕の症状が見受けられない患者さんに、pHの低い食品の摂取を控えるように指導することはありません。

回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2008-08-23 01:26:44
おじゃまします。

低pH食品については僕も森川先生と同じイメージを持ってます。

もちろん極端な場合は指導の対象ですが。



酸性食品の摂取は、その際に一時的に「が少しだけ軟らかくなる」イメージで、しばらく放っておけば「元に戻る」のが普通かと思いますよ。

参考→歯の再石灰化と食事・ph・フッ素の関係




で点心さんのご指摘通り、「ヌメッ」としてるものの場合はそれが長引いてしまう訳ですから、ちょっと嫌だなぁとは感じます。

回答 回答13
  • 回答者
回答日時:2008-08-23 01:31:46
コーラ愛好家@田尾です(笑)


>横文字(英語)を読むのは苦手なので・・・ギブアップです・・・

17 歳の点心さんにはちょっと酷な展開になってしまいましたね(^^;)


例えば、ダイエットコーラ(砂糖は0gで砂糖の代わりにアスパルテームなどの人工甘味料が入っているもの)のpHは3〜4程度ですが、細菌が糖を分解して酸を作ることは無いので、虫歯の定義に当てはめると虫歯にはなりませんよね。

ただ、pHは低いので、果たしてこれで虫歯(厳密には酸蝕症=トゥースウェア)になるのか?

たぶん、よっぽど変な飲み方をしない限りは、これだけでトゥースウェアにはならないのではないか?
(1日中飲んでるとか、寝ながら哺乳瓶で飲んでるとか)

炭酸の中にを漬けると歯が溶けますが、口の中でコーラに歯が触れるのはごく短時間ですし、唾液による自浄・緩衝・再石灰化もあるので、そう簡単に酸蝕歯にはならないのではないか?


・・・と考えていたのですが、最近アメリカで清涼飲料水による酸蝕歯が増えているというニュースをこの間見てちょっとびっくりしました。

”米インディアナ大学および米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で実施された今回の研究では、10〜14歳の児童900人を対象に調査した結果、30%に酸蝕歯が認められた。 ”

30%って・・・。

(参考)
http://health.yahoo.co.jp/news/detail/?idx0=w16080304


ただ、この酸蝕歯がどの程度のものなのか?とか、どういった調査方法なのか?とか全く調べていませんので、この情報をどう扱うべきなのかは僕には分かりません(^^;)

コーラを水代わりに飲んでるかもしれませんしね。


いずれにしても虫歯の原因にはいろんな要素がありますから、オレンジジュースをコーラに変えたりしても、虫歯予防に目ざましい効果は無いんじゃないかな〜と思います。

だったらそんな細かいこと気にせずに、ちょっとだけ飲み方に気を付けて、好きなものを飲めばいいんじゃないかな・・・と(^^;)

個人的には種類よりも回数が重要だと思っています。

⇒参考:虫歯の予防法

回答 回答14
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2008-08-23 02:54:27
湯浅です。

久しぶりに、勉強してみました。

pHの低い食事って、やはり、ソフトドリンクでしょう。
と言うことで、「"soft drinks" pH caries」などのキーワードで、検索開始。

Also, the low pH of soft drinks may contribute to caries.
http://www.nationaldairycouncil.org/NationalDairyCouncil/Health/Digest/dcd71-1Page3.htm

との文章を見つけるも、文献なし。
また、この方も「may」を使っている。


すると、

Epidemiological Studies of Soft Drink Consumption and Dental Caries
http://www.ada.org/prof/resources/topics/topics_softdrinks.pdf

の表を見つける。そもそも、論文数が少ないことが判明。

たしかに、soft drinksと言っても、low pH in oralなのか、in dental plaqueなのか、また、それは、soft drinksのpHからなのか、そこに含まれる砂糖に反応して、dental plaqueから発生したものか、コントロールできないので、研究しようがない。



砂糖のない、pHの低い飲み物?

そうだ、炭酸水だ、海外では、ミネラルウォーターとして使われていると気がつき、「炭酸水のpH」をGoogleで調べるも、どうも、単純に、pHが低いというものでもないらしい。

市販の炭酸水のPHは王冠を取った直後は約4.17
http://www.db.fks.ed.jp/txt/60000.shohou/00043/html/00006.html

を信用するならば、やはり、pHは低い。
でも、海外のミネラルウォーターでカリエスになったと聞いたことないし・・・。
また、海外は、硬水?って聞いたし。

Tahmassebi JF, Duggal MS, Malik-Kotru G, Curzon ME.Soft drinks and dental health: a review of the current literature.J Dent. 2006 Jan;34(1):2-11. Epub 2005 Sep 12. Review.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16157439?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

なんていう論文は、あるけど、内容は、知りません。う〜ん、読みたいですね。
この論文を調べていると、

Effects of Soft Drink Consumption on Nutrition and Health:A Systematic Review and Meta-Analysis
I Lenny R. Vartanian, PhD, Marlene B. Schwartz, PhD, and Kelly D. Brownell, PhDin
http://faculty.mercer.edu/thomas_bm/classes/621/Vartanian,%20Schwartz%20and%20Brownell%20(2007).pdf
を見つけました(著作権では?な感じですね、リンク切れになる可能性大)。

A small positive association was found between soft drink consumption cind dental caries

とあります。

89. Steinberg AD, Zimmennan SO, Bramer ML. The Lincoln Dental Caries Study: 11. The effeet of acidulated carbonated beverages on the incidenee of dental earies./y4m Dent Assoc 1972:85:81-89.
http://jada.ada.org/cgi/content/citation/85/1/81
古すぎ?

90. Heller KE, Burt BA, Ekiund SA. Sugared soda eonsumption and dental caries in the United States. JDentRes. 2001;80:1949-1953.
http://jdr.iadrjournals.org/cgi/reprint/80/10/1949
Freeで見られる。

91. Ismail Al, Burt BA, Ekiund SA. The cariogenieity of soft drinks in the United States. Im Dent Assoc. 1984:109:241-245.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6590604?ordinalpos=3&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

などが参考文献にありました。


砂糖入りの、soft drinkでさえも、dental cariesとの関係は、明確でないというか、少しぐらいであるようですね。
すると、pHの低いdrinkでは、さらに、関係があるという結果にはならないような気がしています。

もちろん、これらは、患者さんのリスクとか、乳幼児に、ジュースを入れてほ乳瓶で飲ますというような行為は、考慮しておりません。
また、erosionは、無視しています。


ともかく、カリエスリスクが高くない方に、ことさらに、pHを根拠にカリエスになりやすいと言うことは言わないと、湯浅は、判断しました。

しかし、カリエスリスクが高い方には、pHを根拠という前に、砂糖を根拠に、soft drinkの頻回な摂取は、避けた方が良いと思いました。

だったら、炭酸水は?って、日本じゃ、それほど言われないので・・・(^^;。

回答 回答15
  • 回答者
回答日時:2008-08-23 09:39:56
>私の場合は、たとえ虫歯が多数あろう(≒ランパントカリエス)とも、酸蝕の症状が見受けられない患者さんに、pHの低い食品の摂取を控えるように指導することはありません。


あ、僕も指導なんてしないですよ。

田尾先生も書かれている通り

「だったらそんな細かいこと気にせずに、ちょっとだけ飲み方に気を付けて、好きなものを飲めばいいんじゃないかな・・・」

ですから。


僕が酸蝕で注意するのは「黒酢ダイエット」くらいでしょうかね。

実際に僕の患者さんでいたんですよ。
半年くらいでみるみるトゥースウェアになっちゃった人に「どうしたんですか?」と聞いたら「最近、黒酢ダイエットにハマっている」と言う回答。

「あ、こりゃマズイな」と思い「体的にはいいのかもしれないけど、としては止めた方がいいですよ〜」と。

回答 回答16
  • 回答者
回答日時:2008-08-23 13:30:58
ランパントカリエス

画像1 乳歯

画像2 永久歯

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答17
  • 回答者
回答日時:2008-08-26 16:44:01
皆さん、いろいろな意見をお持ちのようです。
そこで私も勉強不足でしたので、これを機会に専門の先生に直接聞いてみました。

伺ったのは日本大学松戸歯学部う蝕抑制審美治療学講座の池見教授と昭和大学学部齲蝕・歯内治療学講座の久光教授、トゥースウェアに詳しい日本大学歯学部保存科の宮崎教授です。


池見教授によれば、ステファンカーブが示すように、ショ糖摂取後の唾液の緩衝能、平時においては齲蝕原因菌の存在によるpHの低下が考えられるので、口腔内のpHはカリエスリスクに関係しているとのことです。

また唾液等での再石灰化は、唾液中のフッ化物濃度の問題、ペリクルがどの程度邪魔するか等については分かっておらず、何時間で再石灰化するかということはいまだ明確になっていないそうです。

久光教授も同じご意見だそうです。



また宮崎教授によりますと、Tooth Wearは酸性食品の摂取でいきなりなるというものではなく,酸性食品の摂取とともに,舌や頬粘膜などが歯質に圧をかけることで,少しづつ経年的に進行するとのことでした。

ただし,乳歯においては,清涼飲料水やオレンジジュースなどの頻回の摂取によって,比較的早い時期にTooth Wearが生じることがあり注意が必要、とのことです。



脱灰と再石灰化に関しては、未だ明確になっていないことも多いそうです。

リスクを0にすることは不可能ですから、要は程度の問題ではないでしょうか。

先生方にもそれぞれのお考えや治療方針があると思いますが、一応参考になさっていただければと思います。

回答 回答18
  • 回答者
回答日時:2008-08-26 17:00:27
TSUBAKI先生、ありがとうございました。

参考になります。

回答 回答19
  • 回答者
回答日時:2008-08-26 18:31:30
TSUBAKI先生、ありがとうございました。


宮崎教授によりますと、Tooth Wearは酸性食品の摂取でいきなりなるというものではなく,酸性食品の摂取とともに,舌や頬粘膜などが歯質に圧をかけることで,少しづつ経年的に進行するとのことでした。

>ただし,乳歯においては,清涼飲料水やオレンジジュースなどの頻回の摂取によって,比較的早い時期にTooth Wearが生じることがあり注意が必要、とのことです。

以前、小牧先生や渡辺先生も以下のスレッドで書かれていましたが、


⇒参考:歯の再石灰化と食事・ph・フッ素の関係

⇒参考:歯磨きのタイミング(食前or食後?)

⇒参考:食後の歯磨きのタイミングと、予防に力を入れている歯科医院の見つけ方


「酸性食品の摂取とともに,舌や頬粘膜などが歯質に圧をかけることで,少しづつ経年的に進行する」

ということであれば、やっぱり酸性食品を嗜好する人に食後すぐの歯磨きをお勧めするのはちょっと危なそうですね。


ところで、「再石灰化と食事・ph・フッ素の関係」は、もう一年半くらい前に書いたスレッドになるのですが、今あらためて読み返してみると考え方が変わっていない部分があったり、ちょっと変わっている部分があったり、間違えているなぁ〜と思う部分があったり(^^;)、自分の考え方の変化が分かってけっこう面白いです。

でも、サイトを始めて間もない頃の自分の書き込みを読み返すと、間違いだらけで消したくなっちゃいます(^^;)

回答 回答20
  • 回答者
回答日時:2008-08-26 22:07:14
TSUBAKI先生、ありがとうございました。
(3人連続同じ出だしでしたね^^;)

>リスクを0にすることは不可能ですから、要は程度の問題ではないでしょうか。

ですね〜^^
屁理屈ばかり考えていると、ついついそういう根本的なところに目が行かなくなってしまいます。

肝に銘じておきます。


勉強になりました。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 点心さん
返信日時:2008-08-27 19:46:40
ここまで投稿数が増えるとは思ってもいませんでした・・・(汗


>>湯浅先生「相変わらず、質問者を飛ばして、専門的な話になってしまっています。」

それだけ勉強熱心な先生なのですね。そんな歯科医に診察していただける方はうらやましいです^^


>>森川先生

虫歯が多数≒ランパントカリエス
と言うことですね。


>>渡辺先生

「ヌメッ」=長引く
これは変わらないんですね。分かりました。


>>田尾先生

ダイエットコーラですか・・・伏兵でした・・・(笑)


>>山田先生

この写真によりますと、
の表面に虫歯がある」または「虫歯がたくさんある」と言う風に解釈をさせていただきました。


>>Dr.TSUBAKI

なんだか・・・ものすごいところまでいっちゃった感じがします・・・



皆様の意見をまとめると、

虫歯のなりやすさ(同じ人が飲んだとすると)はミネラルとpHを考えると

コーラ>オレンジジュース>イチゴ牛乳

というのが一般的。


全体的な条件を含めると、

コーラ≧オレンジジュース≧イチゴ牛乳

となる(アレ、全部一緒・・・?)。


と判断しました。

また、「摂るものよりも摂りかたが重要」と知りました。
皆様の酸蝕についての解説も、とても分かりやすくて勉強になりました。


皆様、ありがとうございました。



タイトル コーラ・イチゴ牛乳・100%オレンジジュース、1番虫歯になりやすいのは?
質問者 点心さん
地域 非公開
年齢 17歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ う蝕関連
その他(写真あり)
酸蝕歯(酸蝕症)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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