[写真あり] MTA処置は前歯にも有効でしょうか?

相談者: バニーさん (32歳:女性)
投稿日時:2009-02-09 23:48:03
毎々お世話になっております。

参考:過去のご相談
レジン充填した前歯の変色が気になります。二次カリエスでしょうか?
レジン充填した前歯が変色してきているため、歯の神経について教えて!


何度も恐縮ですが、今回はMTAについてお尋ねします。

7年前に上右1番(前歯)の側面が虫歯になり、神経近くまで削ってレジンを詰めてあります。

現在かなり変色していて、2次カリエスになっているかもしれないとの診断だったので治療と再充填を考えています。
(局所レントゲンでは神経は生きているとの事)

詰めた当初から、たまに少し沁みたり体調が悪い時には痛む事
もありました。


下記の過去回答にあったように神経に近い所まで削ると、削られたは表面に象牙細管という知覚のある組織が露出している所
から、神経に刺激がいくこともあると書いてありました。
再充填する際は少しでも防げないかと模索しております。


変色した詰め物を入れ替えたが、1番と2番が薄くなり、痛みも出てきました

また、上記の回答に有るように

"歯髄炎症を起こしていて、可逆性が見込まれればCRを除去して歯髄鎮静療法でしょう"

とは、歯髄鎮静療法どういう治療になるのでしょうか?



本題で、レジンを再充填してもらった際にMTAを施して貰うと
いう治療は神経が露髄した場合、(露髄までは行かないが)神経に近くまで削っているようなケースには有効でしょうか?

また、前歯なので年を追うごとの劣化や変色が気になります。
まだ新しい素材で臨床例は少ないのでしょうか?


一般的にMTAは操作性が悪く、混水比による物性の変化1、着色等が臨床上の問題が指摘されていますが得意とされている歯科医師の方は少ないのでしょうか?

もし、MTAが前歯の神経保護に適用出来ない場合には、他に神経保護になりうる治療はあるのでしょうか?


素人的な質問で申し訳ありませんが、先生方にご教示を賜れれば幸いです。
宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-02-10 00:17:21
私の経験で言わせてもらえば、
前歯でもMTA直接覆髄法は行います。
ただし現在日本で購入できるホワイトタイプを使用しています。


>詰めた当初から、たまに少し沁みたり体調が悪い時には痛む事
もありました。

と言うことですから、MTAを用いて保存処置をしようとしても分が悪いような気がします。


>"歯髄炎症を起こしていて、可逆性が見込まれればCRを除去
して歯髄鎮静療法でしょう"
>とは、歯髄鎮静療法どういう治療になるのでしょうか?

歯髄炎を起こしていたに沈静処置を行った所で、近い将来神経が死んでくると思います。

上手くいけば神経が保存できる可能性がありますが、上手く行かなければ神経が死んでしまい、長期間発見できなければ大きな病変が骨に出来てしまいます。



私もMTA直接覆髄
http://www.eedental.jp/contents/medicalcase/mta.html
は良くしますが、必ず過去・現在症状がないことが最低条件です。

私の臨床では症状があった歯に行っても、上手く行かない場合が多いような気がします。

データーは取っていませんが、MTA直接覆髄法を行い初め2年経ってある程度自分の基準が出来つつあります。
施術する側としては1%でも自分の成功率は上げたいので、症例選びは大切だと思います。

 

>本題で、レジンを再充填してもらった際にMTAを施して貰うという治療は神経が露髄した場合、(露髄までは行かないが)神経
に近くまで削っているようなケースには有効でしょうか?

そうですね。



>また、前歯なので年を追うごとの劣化や変色が気になります。
>まだ新しい素材で臨床例は少ないのでしょうか?

私の臨床においても2件MTAによる覆髄後、変色が見られるケースがあります。

何を重視するかで考えてください。
神経を残したい!?
それとも審美を重視したい!?

審美を重視するようであれば、神経を取ってセラミックなどの被せ物入れた方が予後は安定すると思います。


 
>一般的にMTAは操作性が悪く、混水比による物性の変化1、着色等が臨床上の問題が指摘されていますが、得意とされている歯科医師の方は少ないのでしょうか?

良く調べましたね。

している・していなのは操作性より、MTAが高すぎて保険適応になっていないからだと考えてください。
水酸化Caぐらい安価なら誰もが使用すると思います。
虫歯1本治して数百円しか治療費をもらえない日本の医療で。
1g1万円以上する薬はそう安々と使えないですよ。


>もし、MTAが前歯の神経保護に適用出来ない場合には他に神経保護になりうる治療はあるのでしょうか?

3Mixぐらいでしょうか。
 

画像1
ちょっと分りにくいと思いますが、MTA直接覆髄法後の変色スライドを載せておきます。
右側の写真のレジン充填の縁が黒くなりました。

この原因はまだ分かっていません。
今の私の推測の総則では、MTAに血液の鉄分が反応しているではないかなと・・・!?
はたまたNCと反応しているのか!?

分りませんけど・・・^^;

でも変色が問題になる場合ってそこまで多くないですから、変色が出てから考えるのも1つの方法かと思いますよ^^

 

画像1画像1

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-02-10 10:03:05
そうですね。
井野先生もおっしゃられているように「私の経験で言わせてもらえば」が前提です。
いかんせん、症例報告なども少なく、まして、統計的なデータなどほとんど存在しませんから‥。


>>詰めた当初から、たまに少し沁みたり体調が悪い時には痛む事もありました。

>と言うことですからMTAを用いて保存処置をしようとしても分が悪いような気がします。

僕もそう思います。

井野先生の

「施術する側としては1%でも自分の成功率は上げたいので症例選びは大切だと思います。」

は素晴らしいと思いますが、僕はちょっと違います。

「ダメモトでいいとおっしゃるのであれば、ちょっとくらい冷水痛があってもやりますよ」

と言う感じです。
(もちろん、温水痛などがあったら「もうダメですよ」とは言いますが‥。)

そう言う意味で、僕は井野先生よりも成功率は低くなるでしょうね。

担当医のキャラクターの差でしょうね。^_^;


審美を重視するようであれば、神経を取ってセラミックなどの被せ物入れた方が予後は安定すると思います。

同意です。


>水酸化Caぐらい安価なら誰もが使用すると思います。

同意です。


>もし、MTAが前歯の神経保護に適用出来ない場合には、他に神経保護になりうる治療はあるのでしょうか?

多少、成功率(と安心感)は下がるかと思いますが、レジンコーティングでも行けると思います。
僕は井野先生とは逆に前歯部にMTAを使った事は(たまたまなんですけど)ありません。

部での直接覆罩は全てレジンコーティングですね。
ホントたまたまそう言うケースがMTA発売以降無いと言うだけの話です。

3年くらい前に行っていた直接覆罩は、全てレジンコーティングだったので‥。


実際、探してみたら2007年4月に同じようなことを書いていますね。

参考までに
歯の神経抜く前に、何かトライしたい!思っているのですが・・・

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-02-10 15:51:55
MTAの白いものは 血液が付着すると黒く変色する報告が過去の論文であがっていますね。

なので、直覆にはグレーを使うように、というのがメーカーの弁明です。

回答 回答4
  • 回答者
自然歯科診療所の松村です。

【ご退会頂きました】
当コメントは医学的に問題がある可能性があるため、参考にしないようお願いいたします。
回答日時:2009-02-10 16:20:26
の噛む力は50キロ近くあり左右前後に色々な動きをしますので、噛み合わせの不調和があると虫歯にも成りますし、詰めたものの変色も起こりますし、痛みも出ます。

大元の原因を絶つ事が大切かと思います。

噛み合わせに対する考え方は先生により色々ですので、噛み合わせに詳しい先生に一度診てもらうと良いと思います。


ただし下手にいじると歯と体のバランスが崩れ返って問題が大きくなる場合がありますので、慎重に最小限にを心がけた方が良いと思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-02-10 22:16:50
タカタ先生>

>なので、直覆にはグレーを使うように、というのがメーカーの弁明です。

直覆時の審美的問題でホワイトタイプが後発で出たのではなかったですか!?
しかも、日本の薬事はホワイトタイプの直覆で認可が下りているので、グレータイプをメーカーが推奨するのは矛盾していないですか!?
 

変色はそこまで頻繁に起こりませんし、オペークレジンを上手く使用することである程度誤魔化していますが^^;


 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: バニーさん
返信日時:2009-02-11 00:30:40
※この治療については自費治療で治療しようと考えています。
自費治療が前提で回答して頂けると幸いです。


井野泰伸先生、回答ありがとうございます。

先生のHPを拝見しました。
とても高度ですね。
通院出来る患者さんが羨ましいです^^


さて、

>何を重視するかで考えてください。
>神経を残したい!?
>それとも審美を重視したい!?
>審美を重視するようであれば、神経を取ってセラミックなどの被せ物入れた方が予後は安定すると思います。

神経を残したい!方が優先です。
しかも、先生の画像でも変色は分からない程度だったので、全体が黒くならなければ審美面も十分だと思います。
(ハリセンボンのはるかみたいではイヤですけど…)

虫歯になってからでは遅い事は重々理解している事を前提で、我がままを言わせて頂ければ…
治療した歯はいずれは神経を取って被せる事になるとは覚悟していますが、少しでも時間を遅らせたいと思っています。

この先何十年も使う歯なので、被せるのは最終手段にしたいと自分勝手に考えています。


>>もし、他に神経保護になりうる治療はあるのでしょうか?
3Mixぐらいでしょうか。

3Mix方でも、"成分のミノマイシンは歯を変色する作用があるので、前歯のように審美性が問われる部位には3Mixを使うのは適切ではない場合がある"とありましたが、これも症例が少なく未知数なのでしょうか……



タイヨウ先生、回答ありがとうございました。

読む投稿によく先生が回答しているので、凄腕の先生だなぁと敬服しきりで回答を拝読しております。

>もし、MTAが前歯の神経保護に適用出来ない場合には、他に神経保護になりうる治療はあるのでしょうか?
>>前歯部での直接覆罩は全てレジンコーティングですね。

参考に載せて頂いた投稿を拝読しました。

前歯の事例ではなさそうでしたが、前歯の場合の直接覆罩はどういう手順になるでしょうか?

完全に硬化するフッ素徐放性のフロアブルレジンは前歯にも適用になりますか?
操作性が難しいとどこかで読み、扱っている歯科医院は少ないでしょうか?

>>僕の結論は「レジンベース厚め」

(〔歯の神経抜く前に、何かトライしたい!思っているのですが・・・〕から)

は、前歯にも適用になりますか?



●「いかにして神経を守るか?」を第一に考え、その方法はどんな方法であっても担当医の信じている方法が最も良い方法だと言えると思いますよ。

そうだと思います。
いかにして神経を守るかと、いかにして自分の歯を守るかですね。(虫歯にならないのが一番ですが…^^;)

これを実行してくれる歯科医師は少ないと思います。
出会えれば、メンテナンスにも通えて虫歯は減ると思いますが、皆なかなか出会えないのが現状だと思いますね。


タカタ先生、貴重な情報ありがとうございました。


自然歯科の先生、ありがとうございました。
いい先生と出会えたら噛み合わせも診てもらおうと思います。




とても虫歯治療の事で神経質になってしまっていて、感情的かつ拙文になっていますがお許しください。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-02-11 17:09:34
>この先何十年も使うなので、被せるのは最終手段にしたいと自分勝手に考えています。

私もこう考えますね^^


3Mix方でも、"成分のミノマイシンは歯を変色する作用があるので、前歯のように審美性が問われる部位には3Mixを使うのは適切ではない場合がある

すみません、私の周り3Mixしている先生がいないのでちょっと分かりかねます。
正確に言うとみんな止めてしまった・・・


たとえば画像1の
左から2番目の1/3歯が欠けているところにも
MTA直接覆髄レジン充填
を行い4ヶ月近く経過していますが変色などは出ていませんよ。

あまり小さなリスクばかり気にしない方がいいですよ。
「変色してしまった場合、どう対処しますか!?」
と担当の先生に聞いてもらえばいいだけの問題だと思います^^

 

画像1画像1

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2009-02-12 14:50:39
>凄腕の先生だなぁと敬服しきりで回答を拝読しております。

大したことないです。^_^;


前歯の場合の直接覆罩はどういう手順になるでしょうか?
>完全に硬化するフッ素徐放性のフロアブルレジンは前にも適用になりますか?
>操作性が難しいとどこかで読み、扱っている歯科医院は少ないでしょうか?
>僕の結論は「レジンベース厚め」は、前歯にも適用になりま
すか?

前歯も臼歯も手順、適応は変わりません。
ラバーダムをして、次亜塩素酸でしっかり消毒、止血、乾燥、ボンディング、レジンコーティング‥です。

材料だけの話であれば、どんな歯医者さんにも置いてあるようなモノなのですが「直接覆罩」自体を積極的におこなっているかどうか‥と言うと何とも言えません。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2009-02-12 16:27:50
直覆にはグレーを使うように、というのがメーカーの弁明です。

ってのは、アメリカのDentsplyの弁明です。
日本では当然ながら白しか使えませんので血液が付着しないようにしなければいけませんし、オペークを用いないといけませんね。

MTA自体はポートランドセメントといわれるモルタルの原料とほぼ同じようなものです。

表面は多孔性で、体内ではマクロファージにパクパク食べられるものであると文献でも出ています。

ただ、 悲しいことに、現状 直接覆髄歯根端切除の際に用いることを前提に開発された商品としては、コレくらいしかないために、我々歯医者はこの低質なセメントを使うことになってしまいます。 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: バニーさん
返信日時:2009-02-13 22:24:58
井野泰伸先生、タイヨウ先生、タカタ先生
再度回答ありがとうございます。

とても参考になりました。

>あまり小さなリスクばかり気にしない方がいいですよ。

そうですね。
色々考えてから自分で納得した方法で治療をしたいと思います。

また投稿する事があると思いますが、その際は宜しくお願い致します。



タイトル [写真あり] MTA処置は前歯にも有効でしょうか?
質問者 バニーさん
地域 東京都下
年齢 32歳
性別 女性
職業 会社員(事務系)
カテゴリ 材料・機材関連
その他(写真あり)
MTA
覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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