抜髄しても痛みから解放されない。ペリオドンの効きが不十分だったせい?

相談者: waveさん (40歳:女性)
投稿日時:2009-09-20 13:36:27
前回は、大変お世話になりました。


※過去の相談※
2ヶ月前に前歯を直接覆髄処置、今も痛みが続いていて心配です
スーパーボンドでの直接覆罩の安全性と拒絶反応について



何度も恐縮ですが(どうかブラックリストに載せないでください!お願いします!)、先生方からのコメントをいただけましたら幸いです。
痛みが続く毎日で、もう『ムンクの叫び』状態です。
よろしくお願いいたします。
場所は同じく、左上2番です。

あれから結局、他院を探す元気もなくなり、同じ先生に抜髄をお願いしました。
ラバーダムは使用せず。
前歯なら必要ないと言われてしまいました。)

主治医とは、ちゃんとコミュニケーションを取っているつもりですが、これから行う治療の詳しい説明はなく、毎回、私の方から始める前に、あせってお尋ねする状態です。
薬剤名などは後で衛生士さんに伺い教えていただきました。



9月12日: 
抜髄後、ペリオドンを入れて、2重にキャビトンで仮封。
(次回診察は2週間後の9月26日)

次の日に、口の中に薬剤が漏れてきたのか舌がピリピリとしびれて、吐き気も続く。
ペリオドンの説明書を読むと『応用期間は7日間を限度としー』となっていたので、少し怖くなって、我慢せずに、9月16日に受診。


9月16日:
ペリオドンの代わりに、キャンフェニック(CC)を入れ、ユジノールセメントで仮封。(2重)
(念のため、液漏れや仮蓋が取れないように、自分の判断で蓋の部分にユーティリティーワックスで薄くカバーしています。)

次回26日に、ガッタバーチャにキャナルスで根管充填して終了予定。

抜髄すれば痛みからいずれ開放されると信じていたのですが、読みが甘すぎました。
まだ歯根の先端辺りに痛みを感じます。
持続痛で、頭痛もしています。

主治医は残髄はないし、痛みは気のせいだといわれます。
前回、渡辺先生から、『痛みを長い期間我慢してからの抜髄は、処置中にまたしつこい痛みが出ることが多い』と、コメントいただきましたので、覚悟はしていたのですが、出口が見えず、闇の中です。


ご相談したいこと:

口の中に薬剤を感じたとき、歯根破折が原因で、前面の歯茎の方から漏れてきたとは考えられませんか?
触ると、奥のほうでなんかパチパチとする気が。
もし仮に極小でもクラックがあれば、根管充填剤の注入で、歯根膜などに影響は出ませんか?
医院にはCTはないので、レントゲンでもう一度確かめるべきでしょうか?

痛みが残っているのは、側枝が未だに有髄状態なのでしょうか?
ペリオドンでの歯髄の失活が不十分だったせいですか?
(出来ればペリオドンはもう使用したくないです)

痛みのある状態で根管治療を、ひとまず終了すべきなのか、抜髄は今回初めてだったので、どのような治癒経過をたどっていくのかが、実感としてわかりません。

こんなにも小さな組織が、凄い存在感で痛みとなって襲ってきて、想像以上の苦しみにすっかり参ってしまいました。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-09-20 16:44:04
抜髄後ペリオドン、CCと続くと書かれた様な経過をたどりがちです。
もう少しちゃんと書いたのですが、投稿時に消失してしまい、簡単にしました。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-09-20 18:19:32
抜髄する前と後では痛みの質が違いませんか?
いわゆるむし歯の時に出る「ズキズキ」から、に触れると痛い様なことになっていませんか?

生きている神経細胞を切断するので多少痛みは残ることもあります。
生身の身体に傷ができた時しばらく痛みが残るでしょう?
あれと同じです。

臼歯の場合は、上下顎かみ合わせないように咬合を落とすのですが、前歯の場合舌側の部分を削合しますが、審美的な事を考慮するとそれほど削れません。
難しいかもしれませんが、そこで極力咬まない様にしてください。

私は抜髄をしたら1週間は何もしません。
患者さんは早く治したいので続けて来院をしたいと言われますが、人によっては触れることもできないので放置をしておきます。

(10年ほど前は続けてきていただきましたが、1週間ほどあけた方が私の経験上いいようです。ただ、根拠はありません。)


>触ると、奥のほうでなんかパチパチとする気が。

浸潤麻酔を行い抜髄をしたと思います。
歯肉の下に麻酔液を注入するのでその影響が有るのかもしれません。
あくまでも想像の世界です。

ペリオドンは私は抜髄後、次の診療日に痛みが残っている時に部分的に使用します。
根管内に貼薬することは僕はしません。


>念のため、液漏れや仮蓋が取れないように、自分の判断で蓋の部分にユーティリティーワックスで薄くカバーしています。)

これはやらないで欲しい。
ユーティリティーワックはすごく柔らかいワックスなので口腔内で溶け出します。
液漏れや仮封の除去防止などできません。
溶けて飲み込んでいるのが関の山です。

以後お気をつけください。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-09-20 18:49:53
ご相談ありがとうございます。

神経の治療とは色々難しい治療です。
上の先生方のご意見の通り、こうなったら少々時間を掛けて解決して行かれた方が良いかもしれません。



>口の中に薬剤を感じたとき、歯根破折が原因で、前面の歯茎の方から漏れてきたとは考えられませんか?

それもないとは言えませんが可能性が大きくありません。
むしろ、仮蓋の影響はとても大きいと思います。


>「ペリオドンを入れて、2重にキャビトンで仮封。」

2重の状態がよく分かりませんが、この仮封剤では漏れるはずです。



>「ユーティリティーワックスで薄くカバー」

しない方が良いと思います。



>「キャンフェニック(CC)を入れ、ユジノールセメントで仮封。(2重)」

2重の状態がよく分かりませんが、液状の薬を入れたときは蓋をする時難しく、例えどんなセメントでも注意しないとすぐに漏れます。




>もし仮に極小でもクラックがあれば、根管充填剤の注入で、歯根膜などに影響は出ませんか?

それはあまりご心配はいらないと思います。




>医院にはCTはないので、レントゲンでもう一度確かめるべきでしょうか?

どのようなレントゲンでも写らない場合があります。



>痛みが残っているのは、側枝が未だに有髄状態なのでしょうか?

それはあまり考えにくいと思います。
普通、神経を取った後はあまり痛くありませんから、原因は、治療内容と使用薬剤の可能性があります。


>ペリオドンでの歯髄の失活が不十分だったせいですか?
>出来ればペリオドンはもう使用したくないです)

一番考えられることは、ペリオドンとキャンフェニック(CC)の歯根膜や身体への作用です。
日本ではこのような薬品を主に使用しますが、治療効果よりも他の作用で困ることになることが多く、あまり好ましいとは考えられておりません。

使用しないで治療できないかどうか、ご相談してみてはいかがでしょうか。



>痛みのある状態で根管治療を、ひとまず終了すべきなのか、

それは危険です。
まず痛みを止める治療を終わらせてからにしましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: waveさん
返信日時:2009-09-20 20:02:53
松山先生、田部先生、さがら先生、
休日にもかかわらず、早速のご回答ありがとうございます。


松山先生、

抜髄後ペリオドン、CCと続くと書かれた様な経過をたどりがちです。

そうなんですね。抜髄未経験者には、わからないことでした。
消失してしまった投稿内容、拝見できず、残念です。


田部先生、

>抜髄する前と後では痛みの質が違いませんか?

もともと自発痛もないが、治療中に神経を切断して、2ヶ月間直接覆髄法の経過観察で、痛みとの格闘でした。
言われてみれば、その痛みとは違いますが、今のほうが全体的に、特に歯茎の上の方に痛みを感じています。
我慢できなくて、痛み止めを数回服用しました。


手に出来た傷のように、自分で歯の中が見られて、治療出来たらどんなにいいかと、いつも思ってしまいます。
まさしく『歯がゆい』っていう表現は、こんな状態を言うんですよね。


>歯に触れると痛い様なことになっていませんか?

これは今は大丈夫です。落ち着いてきました。


>ペリオドンは私は抜髄後次の診療日に痛みが残っている時に部分的に使用します。
>根管内に貼薬することは僕はしません。

この薬の怖さをご存知だからこそのことだと思います。


ユーティリティーワックスについてですが・・・

これは昔、歯列矯正(舌サイドの内側から5年間)の時、ワイヤーやブラケットからの保護目的でよく使用していました。
もしかすると、名前が違っているかもしれません。
赤色の棒状で、ちぎって丸めるタイプのものです。

今回お願いして、クリアータイプも頂いたのですが、それには『OrthoSil』と明記してあります。

使用しないほうがいいなら、止めておきます。




さがら先生、

>この仮封剤では漏れるはずです。

では多分、後ろ側からも漏れていて、それが口内に充満して、不快に感じたのかもしれません。


>一番考えられることは、ペリオドンとキャンフェニック(CC)の歯根膜や身体への作用です。

私は内科でいただいたお薬でも念のため、『医薬品医療機器情報提供』のホームページの、『添付文書情報』できちんと副作用など調べてから服用するようにしています。

ですから、歯科用の薬は強いものが多くて、気をつけたいと思っていました。
薬は少量でも毒になりますし、できれば複数回の使用は避けられないか、お願いしてみます。


次回の診察まで、痛みが治まらなければ、もう少し治療を待っていただこうと思います。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-09-21 07:22:42
1本のでなんか凄く長引いていますね^^;

>何度も恐縮ですが(どうかブラックリストに載せないでください!お願いします!)

大丈夫ですよ、田尾先生信じられないぐらい寛大ですから^^


>場所は同じく、左上2番です。

前回渡辺先生がおっしゃられたように、直覆後痛みを我慢していた歯なので、痛みに関しては長い目で治まるか見てやった方がいいでしょう。
また生活に支障のないレベルの違和感に変わったら、きりの良い所まで治療して経過を追った方がいいです。


前回からの流れで言うと、
治療→痛む→不安→ネット→治療→痛む・・・・

繰り返しになっており、このパターンは最悪抜歯になることが多いです。
歯科医師が治療を行っても元の状態とは程遠い所がゴールです。

また歯科医師が触れば触るほど悪くなって行くことも多々あります。



私の歯科医院根の治療で長期間痛みが続く人も来られます。
患者さんは今の痛みを何とか取ってくれと思われて来院する訳ですが、痛みを長く持ち、歯科医師が歯の中を何回も触ったような歯は多くの場合で痛みが長期化します。

ただし、歯の中に原因があれば丁寧な根管治療で大きな痛みはなくなります。

この方も典型なパターンでした。
http://www.youtube.com/watch?v=oguHg_5ilFQ&feature=channel

小さな神経管が「痛み」というシグナルを出していました。
ここを処置すると大きな痛みはピタッと止まりました(たまたまかもしれませんが)
しばらくして患者さんが訴えることは違和感です。

これも典型的なパターンです。


私は根の治療のゴールを

「生活に支障の出ないレベル」

と定めており最初にこのこともお話しているので、この違和感に関しては

「半年程様子を見てください」

とお話をします。



根の治療後痛みを抱えやすい体質の方もおられます、思うのですが、そう言った方は

根の治療後:痛み・違和感が取れない→再治療→また痛み・違和感が取れない
⇒転院 
:再治療→痛み・違和感が取れない→再治療→また痛み・違和感が取れない

・・・→抜歯のパターンもあります。


根の治療で食べていこうと思っている人間がいうことではないかもしれませんが、根の治療は残ることを前提とした治療ではないので、抜歯も1つの治療選択肢だとは思います。


ただ過去からの質問を読んでいて、全く元の状態を求められているのであればこのパターンになると思い先読みをさせていただきました^^;


ネットであまり色々調べて不安にならない方がいいですよ。
友人(素人)からも言われましたが、

歯チャンネルは読めば読むほど歯の知識はつくがその分不安ももれなく付いてくる」

まさに!!と思いました。


「ペリオドン」について
>薬は少量でも毒になりますし、できれば複数回の使用は避けられないか、お願いしてみます。

私もペリオドンは抜髄時に使用します。
(ただし最初の1回のみです)

私の中では失活抜髄の方が術後トラブルことも少なく、治療後患者さんに痛みを出さず治療出来るという点から用いることがあります。

おっしゃられるように薬は使い方です。


私の経験則ですが、特に直接覆髄法で痛みが出た歯などは一度きちんと神経を殺してしまい、その後歯の中の神経の死骸(タンパク質)を体の外へ出してやった方が大きな痛みも術後数日で治まってきて、治療も長期化せずいいと思っています。


>抜髄未経験者には、わからないことでした。

不安だと思いますが、全くの無痛・違和感のないを短期間でのゴールにしないでくださいね。
気になると思いますが、小さな違和感は続くと思います。

また上顎の2番は奇形歯も多いので、転院をするなら大学病院などの保存科がいいと思いますよ。
不安にさせている訳ではないですよ^^;
治療が難しいパターンもあると言うことです。

⇒参考:ラバーダムの縁を封鎖する白いものは何ですか?
(回答17で書きましたが読まなくてもいいですよ^^;)


おだいじに
 

 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: waveさん
返信日時:2009-09-21 09:30:33
井野先生、

休日の早朝にもかかわらず、臆病な相談者の質問に再度お答えいただきまして、どうもありがとうございます。
丁寧なご回答に感謝いたします。

(もっと早くお礼を申し上げたかったのですが、松山先生のように
投稿中、文章が消えてしまい遅くなりました。)

なんか涙が出てきてしまいました。
(感激してしまって)


歯科医師が触れば触るほど悪くなって行くことも多々あります。

私はまさしく、このパターンをたどってしまったと思います。


>http://www.youtube.com/watch?v=oguHg_5ilFQ&feature=channel
先生の素晴らしい処置技術、いつか私も受けてみたいです。

ラバーダムの縁を封鎖する白いものは何ですか?

回答17 興味深く読ませていただきました。
私の2番は根の深さが21mmで、標準?でしょうか?


>ネットであまり色々調べて不安にならない方がいいですよ。

治療の時に、患者の私が何も事実を知らされず、処置を進めていただくほうが不安なんです。
このサイトにめぐり合って本当によかったと思います。

内科などでは、ある程度説明していただけるのに、歯科の場合はどうして真実を教えていただけないのか、いつも疑問に感じていました。
この『歯チャンネル』で知識を身につけたほうが、今後、メリットとなる事のほうが多いと思います。
新しい情報もキャッチできますし、これからも勉強させていただこうと思います。



>不安だと思いますが、全くの無痛・違和感のないを短期間でのゴールにしないでくださいね。
>気になると思いますが、小さな違和感は続くと思います。

抜歯は絶対に避けたいので、違和感になれる努力をしたいと思います。


今、前の歯茎が少し腫れている状態なのですが、もし仮に歯根膜炎を発症していた場合、飲み薬などで経過を見ることになるのでしょうか?

また質問してしまい、申し訳ございません。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-09-21 14:11:00
>私の2番は根の深さが21mmで、標準?でしょうか?

極々標準的ですよ。


>内科などでは、ある程度説明していただけるのに、歯科の場合は
どうして真実を教えていただけないのか、いつも疑問に感じていました。

確かに今の歯科の説明は少ないですね^^;



抜歯は絶対に避けたいので、違和感になれる努力をしたいと思います。

いえいえ、今の状態は先生の頑張り処です^^;
ある程度治療が終わったら小さな不快感はあまり気にしないようにしてください。

先に言っておきますが、治療後2,3日は違和感が出ると思いますがこれは鎮痛剤などで落ち着けてください。


>今、前の歯茎が少し腫れている状態なのですが、もし仮に歯根膜炎を発症していた場合、飲み薬などで経過を見ることになるのでしょうか?

腫れが大きくなるようでしたら、近所に救急当番などがあれば一度診て頂いた方がいいかもしれません。
腫れが違和感程度の小さなものでしたら連休明けにでも担当の先生に診てもらってください。


おだいじに

 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: waveさん
返信日時:2009-09-21 14:40:52
井野先生、

本当に何度も私の相談に耳を傾けていただきまして、ありがとうございます。
顔も見えない相手からのメール相談なのに、こんなにもいろいろと、説明やアドバイスをいただけて、の痛みとともに、心の痛みも緩和されていくようです。
あらためて感謝申し上げます。


>ある程度治療が終わったら小さな不快感はあまり気にしないようにしてください。

はい、先生のアドバイスを信じてみます。


>腫れが違和感程度の小さなものでしたら連休明けにでも担当の先生に診てもらってください。

そのようにしたいと思います。

先生の貴重なお時間を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。



タイトル 抜髄しても痛みから解放されない。ペリオドンの効きが不十分だったせい?
質問者 waveさん
地域 非公開
年齢 40歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療後の痛み
根管治療に関するトラブル
根管貼薬
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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