[写真あり] 欠損部にインプラントをすると歯槽骨の維持に繋がりますか?

相談者: ノビーさん (54歳:男性)
投稿日時:2009-12-19 23:12:48
参考:過去のご相談
〔写真あり〕インプラントを入れた後に矯正はできるか?

下左右1番2番ともに抜歯されてブリッジになっています。

若い頃、歯並びを治して欲しいと歯科医院に行ったところ、抜、ブリッジとなりました。
36年間保っているので、ブリッジそのものとしては良いものであると思っています。

しかし、欠損部の歯肉歯槽骨の後退が顕著になってきており、歯間ブラシのMが楽々入ってしまうほどです。

歯チャンネルインプラント治療をされてる先生方のHPでは、「ブリッジのの支柱(無髄歯)はいつもまでも保たないよ」というお話も多く、さらに「下顎の土手」が無くなれば、「総入れ歯も安定したものを入れるのは難しくなります」ということで先々が不安です。

下顎の予後(〜10年後)に対して最善を尽くすとして、欠損部にインプラントを入れることによって、歯槽骨を保つということを考えました。

もちろん、生きた歯髄や自前の歯根(無髄であって)と同等とは全く思っていませんが、コアが埋まっている方が多少はましとか、ブリッジの支柱の負荷を軽減できないかというレベルの発想であります。

前歯ということで審美性の問題がありますが、当方は大きく笑っても歯茎は全くみえない状態ですので、そういう意味では審美性を無視してもいいと思っています。

もちろん予知性において前歯のインプラントは止めた方が良いというアドバイスも先にいただいておりますから、恐縮至極ではあります。

しかし、それでも恥を忍んでお聞きしたいのです。

下前歯、欠損部に何本かインプラントを入れることで多少なりとも歯槽骨の維持に繋がるという考え方は間違っているでのしょうか?

また若い頃から下前歯4本欠損のままで老後に至っても、ミニインプラントなら立てれるれる可能性が強いのならば、老後はミニインプラントを利用した入れ歯にしようとも考えます。

しかし、一般的にそういう状況ではそれ(ミニインプラント)も出来ない公算が強いという事ならば、お金がかかっても現時点で何らかの処置・対応をしておきたいと考えています。

下前歯、欠損部に対する歯槽骨維持の為の手段など無いんだよと、断定されればそれはそれで、割り切るしかないのですが・・・

画像1画像1


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-12-20 01:13:13
こんばんは。

随分と心配なさっているご様子ですが、個人的にはそんなに深刻に考えなくても良いのではないかと感じます。

4本欠損の6本ブリッジですから、一見無茶な設計の様に感じるかも知れませんが、下の前歯部のみは例外的に、意外と大丈夫です。

奥歯かみ合わせさえしっかりしていれば、一般的には力に耐えられる、十分な構造設計だと思います。

それでももちろん今後3番を失う可能性は、全くの健全と較べれば高い訳ですが、それを敢えて外してまでインプラントを埋入することに、コストを上回るメリットがある様には思えません。

今もしもグラグラ揺れるとかなら・・一考の価値はあるかも知れませんけどね。



当該部位の骨は、確かに薄く、見た目低くなりがちですから「こんな風になって将来大丈夫かな?」と思われるのもごもっともなのですが、4番〜4番ぐらいまで、重要な血管や神経が走行していない部位なので、いざインプラントを埋入しようと思えば、まずおそらく大丈夫ですよ。
(※今見えている歯茎の位置の数ミリ下から、顎の下端までのほとんどが使える骨です)

しかも今は左右3番4番もありますので少なくともその部位には十分は骨がある訳です。
いよいよどれかを抜くとなった場合に(・・ということにならないのが一番ですが)は、早めの段階から計画的に移行していけば、大丈夫ですよ。

下顎の場合、仮に歯数がゼロになっても、4〜4番の間に計4本のインプラントが埋入出来れば、インプラントを支えとしたブリッジででも、構造的には耐えられると考えられることが多いです。

あまり安直には受け取れないにせよ、です。



逆の見方をすれば、お口の「ターミナルケア」とも言えます。

予防的にインプラント、という発想には同意できませんが、もしも将来インプラントを、となってしまった場合には、出来るだけより間違いのない、堅実な方法を選択されるのが良さそうに思います。

考えは色々ありますし今後も歯科界で受け止め方の変化もあると思われますが、今現時点の個人的感覚としては、「楽そう」なミニインプラントや、「派手」なAll on 4(4〜4部へのインプラント4本で、固定式の6〜6の延長ブリッジ)などは、積極的な第一選択とはまだせず、「地味」に、普通のインプラントを安全な場所に数本埋入して、インプラントを利用した入れ歯などの方が"好み"ですね。



まあ、そんなことを悩むよりは、今のブリッジを長持ちさせられる様、ホームケアとプロフェッショナルケアで頑張って下さい。
入れ歯になったら人生が終わる訳でもありませんし。。

定期的に歯科を受診して、万一問題が発生した場合には適切な時期に次の手が打てる様にだけ、気をつけて下さいね。

最低限、3番や4番を、お手入れ不足で歯周病で失わないことが大事だと思います。

決して、インプラントが歯に勝るということはありませんよ。
今ある歯を、大切にして下さいね。

お大事にどうぞ。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-12-20 06:53:22
ノビーさま、おはようございます。

例の下顎のブリッジですね、写真を拝見した所マージンが合っていないため、右側はむし歯になっているように思います。

したがっていつかやり直しが必要になるでしょう、その際は腕のいい親切な歯科医に治していただくのが一番だと思います。

歯根はしっかりしているようにお見受けするので、上手な歯科医に治してもらえば十分長持ちするような感じがします、おそらく総入れ歯になるようなことはないと思うのですが・・・。

この部分の歯肉の様子から伺えることは、オーバーブラッシング気味なことと、おそらく間食も少ないようにお見受けしますがいかがなものでしょうか。

お口の中を見せていただければ今後の推移もわかるかと思います、個人的には此処だけで判断するとインプラントは無意味なように思います。

現在の年齢と犬歯抜髄からの時間経過からすると、今後の心配事は歯根破折ということになろうかと思います。

歯磨き技術を改善して、力を抜いて磨ける技術を身につけて、間食の量と食べ方への配慮があればを失うようなことは、それほど心配なさらなくてもいいように思います。

参考になさってください。

オーバーブラッシング http://yamadashika.jp/prevent08.html
むし歯の出来ない砂糖の量 http://yamadashika.jp/prevent05.html
歯根破折 http://yamadashika.jp/infection.html#a02

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ノビーさん
返信日時:2009-12-20 14:15:13
渡辺先生。
丁寧にお答えいただき感謝いたします。

下の前歯部のみは意外と大丈夫で、予防的にインプラントをするメリットはないと教えていただき、気持が楽になりました。

3番や4番をがんばって残していきたいと思います。

「地味」に普通のインプラントを利用しての入れ歯という選択肢もあるのですね。

大変参考になりました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ノビーさん
返信日時:2009-12-20 14:25:30
山田先生。
丁寧にお答えいただき感謝いたします。

現状でインプラントは考えなくても良いと思えるようになりました。
おかし等は食べないので食間はしないんですよ。

歯磨きは、電動歯ブラシなので、オーバーブラッシングをしていた可能性がありそうです。


マージンが合っていないため、右側はむし歯になっているように思います。

ブリッジの支えのの縁が黒くなっているのは、変色ではなくて、カリエスなんですね。
ということは、何か症状が出る前にできるだけ早急に、治療を行った方が良いのでしょうか?
それとも、特に緊急性はないのでしょうか?

支柱の歯ということもあり、治療をせず放置して歯質が犯されたり、根管感染ということは絶対に避けたいのですが。

また、ブリッジのをやり直しをする場合は、コアごと変えてしまうのが一般的なのでしょうか?
コア自体は取り替えずそのまま使えるのでしょうか。

仮に使えても、新しいコアに取り替えてしまう方が予後に対しより賢明なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-12-21 03:39:05
こんばんわ。

個人的には、電動歯ブラシはあまりお勧め致しかねます。


>何か症状が出る前にできるだけ早急に、治療を行った方が良いのでしょうか?

おそらくこのむし歯に関しては症状はでないと思います。


>特に緊急性はないのでしょうか?

この写真だけでは判断いたしかねますが、直ちに治療を始めなければならないことは無いように思います。


>治療をせず放置して歯質が犯されたり、根管感染ということは絶対に避けたいのですが。

この変色はむしだと思います、感染根管についてはノビーさまがどうした所で何ともなりません、歯科医の治療がどうだったかで決まっています。


>コアごと変えてしまうのが一般的なのでしょうか?
>コア自体は取り替えずそのまま使えるのでしょうか。

感染根管ならコアははずして根管治療をすることになります、むし歯が大きい場合もはずすことになるでしょう。

コアがきっちり出来ていないときも同じだと思います、むし歯がほとんど進行していなくてコアもしっかり出来ていればそのままになるかもしれません。

しかし歯根破折を避けるため、個人的にはスーパーボンドとファイバーポストを使ってコア用レジンで新しくコアを作り直されたほうがいいと思います。

参考になさってください。


電動歯ブラシ http://yamadashika.jp/prevent08.html#dendou
コア(支台築造) http://yamadashika.jugem.jp/?cid=139

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-12-21 09:11:57
ちなみに・・・

歯槽骨の吸収をインプラントを埋めることによって防ぐ、という考え方は(私の知る限り)動物実験では上手くいっていません。

インプラントの治療をご専門の先生に多い意見ですが、動物実験等では、残念ながら槽骨もインプラントあるなしに関わらず、落ち着くところへ落ち着く、という見解です。

まだ議論のあることですので、あくまで参考にしてください。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-12-21 12:21:18
大筋で諸先生方の意見と同じです。

特にノア先生の

>「地味」に、普通のインプラントを安全な場所に数本埋入して、インプラントを利用した入れ歯などの方が"好み"ですね。


ですね。


話は変わりますが、

>もちろん予知性において前歯のインプラントは止めた方が良い

部は主に「審美面での難しさ」から「前歯のインプラントは止めた方が良い」と言う事であり、

>前歯ということで審美性の問題がありますが、当方は大きく笑っても歯茎は全くみえない状態ですので、そういう意味では審美性を無視してもいいと思っています。

とお考えであれば、問題無いと思います。


オッセオインテグレーション」と言う考えを世に広めたブローネマルク先生の初期のインプラントは、「下顎4〜4の間にインプラントを入れ、義歯を安定させる」と言うところからスタートしていたように記憶しております。
(間違いであったら訂正してください>諸先生方)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ノビーさん
返信日時:2009-12-21 23:20:56
各先生方、丁寧にご回答していただき感謝いたします。

やはり老年期を踏まえて、予防的にインプラント入れておくというのは止めた方が良いようですね。

ブリッジをやり替える際は、ファイバーコアを使用し歯根破折のリスクを回避したいと思います。

前歯のインプラントは予知性において止めた方が良いというのは、強度の問題ではなく具体的にはフィクスチャーが露出してしまうからという事だったのですね。

オッセオインテグレーション、逆にいえば一度入れたチタンは取りだせないので慎重にということなのですね。

ありがとうございました。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-12-22 10:54:12
タイヨウ先生

ブローネマルクの初期のコンセプトは、4−4ではなく、オトガイ孔からオトガイ孔までの間です(細かい突っ込み、すみません)。

ちなみにBi-Cortical固定で、長いインプラントを入れるとされています。

もともと、下顎の総義歯で不自由している人を「ハンディキャップ」の患者と見なして、インプラントが開発されました。

上顎は誰でも経験するように比較的総義歯が上手くいくので、当初は想定されていませんでした。

典型的なケースは、下顎に5本のインプラント、上顎は可撤式の総義歯です。
これが一番予後が良いとされています。
もともとインプラントは「機能障害」に対する解決法の一つなんですね。

たまにこの原点を思い出しながらインプラントを考えるようにしています。

ノビーさん、お大事になさって下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ノビーさん
返信日時:2009-12-25 12:55:55
大野先生、ご回答に感謝いたします。

インプラントに対する先生方の立場もまだまだ統一されてない中、先生のHPを見させていただきたき大変参考になりました。

まずインプラント在りきという方針の医院は避けようと思うようになりました。

ありがとうございました。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2009-12-25 15:49:45
細かいツッコミありがとうございます>大野先生

確かに「バイコーチカルに埋入…」って習いました。


そうですね。
「まずインプラント在りきという方針の医院」は避けられた方がよろしいかと思いますよ。

ただ、これはインプラントを否定する意見ではありません。

僕もインプラントは行います。
それは様々な選択肢から「天然のを守るためのインプラント」と言う考えを持った上でのチョイスです。

ケースバイケースですが、(現時点において)インプラントがベストチョイスとなる事は多々ありますので、担当の先生としっかり相談された上で治療に臨んでください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ノビーさん
返信日時:2009-12-25 17:52:16
タイヨウ先生、ご回答ありがとうございます。

確かに健全なは削りたくないですし、ブリッジの為に健全な神経を抜くなんて、とんでもないとも思っています。

となると、インプラントがベストチョイスかというと、他の何かの要素が加わった場合に、必ずしもそうでもない(そうはいかない)という意見も多く拝見しています。

もちろん条件が整えばインプラントがベストチョイスになることは多く、又たくさんの方がそれで救われているといのは承知のこところでもあります。

別スレをたてて、こういうケースはどうでしょう?とお聞きしたいと思います。

もしお目に止まれば、ご回答よろしくお願い致します。



タイトル [写真あり] 欠損部にインプラントをすると歯槽骨の維持に繋がりますか?
質問者 ノビーさん
地域 非公開
年齢 54歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:1番(中切歯)
抜歯:2番(側切歯)
インプラントその他
その他(写真あり)
歯茎が下がった(歯肉退縮)
回答者




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