[写真あり] 覆髄できた可能性は?また覆髄と抜髄の判断基準は?
相談者:
es68さん (28歳:男性)
投稿日時:2010-02-14 20:49:22
参考:過去のご相談
・左下6番、根管治療でマイクロスコープの必要性
他
左下6番が頬っぺた側の根元から虫歯になってしまい、削っていくうちに露髄してしまいました。
最近このサイトを知った私は、覆髄処置という方法があるとの知識が無く、言われるがままに抜髄の方向で治療を進めることになりました。
現在は歯髄を殺す薬を埋め、セメントで固めている状態です。
もう今となっては覆髄の方向に切り替えられないことは分かっていますが、このサイトで歯髄は極力抜かない方が良いこと、良い根管治療を受けるには時間と費用がかかることを知り、覆髄処置を打診できなかった後悔とともに大きな気がかりとなってしまいました。
以下、今回のケースと質問ですが、覆髄できた可能性はどれほどあったのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。
・虫歯(治療前)の段階では普段も、物を食べても痛みはありませんでした。
・治療前に治療方針の入念な説明を受け、頼んだわけではないですが、抜髄はしない方が良いから極力抜かないというお話がありました。
・初診、レントゲン写真を見た段階で抜髄については微妙とのことでした。
・削っていくうちに露髄してしまい、歯髄の管の穴を手鏡でみせてもらいました。
・麻酔をせずに露髄するまで削り、最後の方はかなりの痛みで体がビクビクしましたが、そのような反応も抜髄決定の判断に勘案されるのでしょうか?
・根元からの虫歯で歯全体の2/5程、歯茎と同じ高さから削ってしまいましたが、そのせいで覆髄処置ができなくなることはありますか?
露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
少しでも感染してしまうと覆髄の適応は無くなるのですか?
歯髄がバイ菌に感染しているかどうかの判断はどのようにおこなうのですか?
・左下6番、根管治療でマイクロスコープの必要性
他
左下6番が頬っぺた側の根元から虫歯になってしまい、削っていくうちに露髄してしまいました。
最近このサイトを知った私は、覆髄処置という方法があるとの知識が無く、言われるがままに抜髄の方向で治療を進めることになりました。
現在は歯髄を殺す薬を埋め、セメントで固めている状態です。
もう今となっては覆髄の方向に切り替えられないことは分かっていますが、このサイトで歯髄は極力抜かない方が良いこと、良い根管治療を受けるには時間と費用がかかることを知り、覆髄処置を打診できなかった後悔とともに大きな気がかりとなってしまいました。
以下、今回のケースと質問ですが、覆髄できた可能性はどれほどあったのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。
・虫歯(治療前)の段階では普段も、物を食べても痛みはありませんでした。
・治療前に治療方針の入念な説明を受け、頼んだわけではないですが、抜髄はしない方が良いから極力抜かないというお話がありました。
・初診、レントゲン写真を見た段階で抜髄については微妙とのことでした。
・削っていくうちに露髄してしまい、歯髄の管の穴を手鏡でみせてもらいました。
・麻酔をせずに露髄するまで削り、最後の方はかなりの痛みで体がビクビクしましたが、そのような反応も抜髄決定の判断に勘案されるのでしょうか?
・根元からの虫歯で歯全体の2/5程、歯茎と同じ高さから削ってしまいましたが、そのせいで覆髄処置ができなくなることはありますか?
露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
少しでも感染してしまうと覆髄の適応は無くなるのですか?
歯髄がバイ菌に感染しているかどうかの判断はどのようにおこなうのですか?
回答1
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2010-02-15 00:39:34
>・麻酔をせずに露髄するまで削り、最後の方はかなりの痛みで体がビクビクしましたが、そのような反応も抜髄決定の判断に勘案されるのでしょうか?
おそらく無いと思います。
>・根元からの虫歯で歯全体の2/5程、歯茎と同じ高さから削ってしまいましたが、そのせいで覆髄処置ができなくなることはありますか?
ラバーダムがしづらいので、“できなくなる”ことは無いと思いますが、治療が難しいでしょう。
しかし虫歯の部分は必ず取り除く必要がありますので、致し方ないでしょう。
>露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
>少しでも感染してしまうと覆髄の適応は無くなるのですか?
感染している可能性は高いのですが、それよりも歯髄の炎症がどのくらい進んでいるのかのほうが重要に思います。
>歯髄がバイ菌に感染しているかどうかの判断はどのようにおこなうのですか?
歯髄の炎症の状況で予測します。
おそらく無いと思います。
>・根元からの虫歯で歯全体の2/5程、歯茎と同じ高さから削ってしまいましたが、そのせいで覆髄処置ができなくなることはありますか?
ラバーダムがしづらいので、“できなくなる”ことは無いと思いますが、治療が難しいでしょう。
しかし虫歯の部分は必ず取り除く必要がありますので、致し方ないでしょう。
>露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
>少しでも感染してしまうと覆髄の適応は無くなるのですか?
感染している可能性は高いのですが、それよりも歯髄の炎症がどのくらい進んでいるのかのほうが重要に思います。
>歯髄がバイ菌に感染しているかどうかの判断はどのようにおこなうのですか?
歯髄の炎症の状況で予測します。
相談者からの返信
相談者:
es68さん
返信日時:2010-02-15 20:18:01
小牧先生、ご回答ありがとうございました。
・炎症がどのくらい進んでいるか > 感染している可能性
とのことですが、"炎症の状況"は何で確認するのですか?
歯髄は少しでも感染していれば、覆髄は不適応なのでしょうか?
感染が疑わしい場合は抜髄、覆髄どちらが適当だとお考えですか?
感染か非感染かの判断が炎症状況からの"予測"だとすると、患者の立場としては重要な分岐点なだけに、はっきりさせる方法などないのかなあという想いですが、明確な判断材料なく感が頼りな状況でしょうか。。
実際に私の歯を直接診てもらった訳ではないので判断は難しいとは思いますが、今回のケースでは、覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?
↓状況補足です+写真(削る前、削り後)
・再治療した歯ではなく、初めての虫歯の歯でした。
・虫歯は中で大きく広がっており、えぐるように全体の2/3ほど削ったと思います。
とても気になってしまっています、参考程度にでもご回答いただけますと幸いです。。
画像1 画像2
・炎症がどのくらい進んでいるか > 感染している可能性
とのことですが、"炎症の状況"は何で確認するのですか?
歯髄は少しでも感染していれば、覆髄は不適応なのでしょうか?
感染が疑わしい場合は抜髄、覆髄どちらが適当だとお考えですか?
感染か非感染かの判断が炎症状況からの"予測"だとすると、患者の立場としては重要な分岐点なだけに、はっきりさせる方法などないのかなあという想いですが、明確な判断材料なく感が頼りな状況でしょうか。。
実際に私の歯を直接診てもらった訳ではないので判断は難しいとは思いますが、今回のケースでは、覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?
↓状況補足です+写真(削る前、削り後)
・再治療した歯ではなく、初めての虫歯の歯でした。
・虫歯は中で大きく広がっており、えぐるように全体の2/3ほど削ったと思います。
とても気になってしまっています、参考程度にでもご回答いただけますと幸いです。。
画像1 画像2
回答2
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2010-02-15 21:32:41
こんにちは
直接覆髄法と言っても過去にも書いておる通り、手間がかかる割には非常に評価の低い治療法であまり積極的には行われないかもしれません。
またこれと言った指標はなく、極端な話直接覆髄法を行わない先生もおられます。
それが医学的に正しいかは分りません。
直接覆髄法が失敗すれば感染根管処置となり、抜髄より成功率は下がってしまい、あの時すんなり神経を取っておけば・・・、と言うことにもなりかねません。
>左下6番が頬っぺた側の根元から虫歯になってしまい、削っていくうちに露髄してしまいました。
であれば私も神経を取る処置を行いますね。
>露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
露髄云々ではなく、先生は虫歯を介して細菌が神経の中に既に入っていると判断したことだと思いますよ。
>歯髄は少しでも感染していれば、覆髄は不適応なのでしょうか?
先生の経験、感による所が大きいですが、本来は偶発的露髄(削りすぎてしまい神経が出た場合)が適応症です。
この場合多くのケースで歯髄の保存は可能と私は思います。
>感染が疑わしい場合は抜髄、覆髄どちらが適当だとお考えですか?
私は抜髄を判断することが多いですね^^;
覆髄法を行い下手に数年経過して行う根管治療は、歯髄腔の閉鎖も起き専門医でも治療が非常に厄介になる時もあります。
>感染か非感染かの判断が炎症状況からの"予測"だとすると、患者の立場としては重要な分岐点なだけに、はっきりさせる方法などないのかなあという想いですが、明確な判断材料なく感が頼りな状況でしょうか。。
逆に言ってしまえば、ここまで放置しておいた次点で抜髄もやもう得ないと思います。
我々歯科医師は、神経の保存を第1に見ているのではなく、その歯が長く持つような面から1手先の診断をすることがあります。
神経の保存・抜髄の判断器具はなく非常に難しい所です。
>覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?
これはここでは分りませんよ^^;
どちらかと言うと私は神経の保存を行いたいと思いますが、それでも週に1〜2本行うかというぐらいのもので大きな虫歯=直接覆髄法にはならないと思います。
また、直接覆髄の成功率を高く維持しようと思うと、多くの場合で抜髄を行うと思います。
今回は抜髄になってしまい気を落とされていると思いますが、虫歯が神経に達していれば私も抜髄を行います。
おだいじに
直接覆髄法と言っても過去にも書いておる通り、手間がかかる割には非常に評価の低い治療法であまり積極的には行われないかもしれません。
またこれと言った指標はなく、極端な話直接覆髄法を行わない先生もおられます。
それが医学的に正しいかは分りません。
直接覆髄法が失敗すれば感染根管処置となり、抜髄より成功率は下がってしまい、あの時すんなり神経を取っておけば・・・、と言うことにもなりかねません。
>左下6番が頬っぺた側の根元から虫歯になってしまい、削っていくうちに露髄してしまいました。
であれば私も神経を取る処置を行いますね。
>露髄するとバイ菌が歯髄に感染してしまっている可能性が高いのでしょうか?
露髄云々ではなく、先生は虫歯を介して細菌が神経の中に既に入っていると判断したことだと思いますよ。
>歯髄は少しでも感染していれば、覆髄は不適応なのでしょうか?
先生の経験、感による所が大きいですが、本来は偶発的露髄(削りすぎてしまい神経が出た場合)が適応症です。
この場合多くのケースで歯髄の保存は可能と私は思います。
>感染が疑わしい場合は抜髄、覆髄どちらが適当だとお考えですか?
私は抜髄を判断することが多いですね^^;
覆髄法を行い下手に数年経過して行う根管治療は、歯髄腔の閉鎖も起き専門医でも治療が非常に厄介になる時もあります。
>感染か非感染かの判断が炎症状況からの"予測"だとすると、患者の立場としては重要な分岐点なだけに、はっきりさせる方法などないのかなあという想いですが、明確な判断材料なく感が頼りな状況でしょうか。。
逆に言ってしまえば、ここまで放置しておいた次点で抜髄もやもう得ないと思います。
我々歯科医師は、神経の保存を第1に見ているのではなく、その歯が長く持つような面から1手先の診断をすることがあります。
神経の保存・抜髄の判断器具はなく非常に難しい所です。
>覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?
これはここでは分りませんよ^^;
どちらかと言うと私は神経の保存を行いたいと思いますが、それでも週に1〜2本行うかというぐらいのもので大きな虫歯=直接覆髄法にはならないと思います。
また、直接覆髄の成功率を高く維持しようと思うと、多くの場合で抜髄を行うと思います。
今回は抜髄になってしまい気を落とされていると思いますが、虫歯が神経に達していれば私も抜髄を行います。
おだいじに
回答3
宇藤歯科医院(町田市)の宇藤です。
回答日時:2010-02-16 06:48:09
おはようございます。
写真も拝見しましたが,質問内容からすると直接診ないとなんともいえないと思います。
ただ、担当の先生の対応からするととても丁寧な印象を受けました。
以上回答になっていませんが、感想だけ書かせていただきました。
どうぞお大事になさってください。
写真も拝見しましたが,質問内容からすると直接診ないとなんともいえないと思います。
ただ、担当の先生の対応からするととても丁寧な印象を受けました。
以上回答になっていませんが、感想だけ書かせていただきました。
どうぞお大事になさってください。
回答4
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2010-02-16 09:04:45
諸先生方の回答に同意です。
>覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?↓
やはり直接診ないと何とも言えませんが、ただ、「どうしても」判断してほしいと言うのであれば…。
結果はおそらく抜髄になったと思いますよ。
理由
1 咬合面と比べ側面から神経までの距離が短い
(えぐるように全体の2/3ほど削ったと言う事は…)
2 側面からの虫歯だとラバーダムをかけずらい
(無菌的処置が難しい)
です。
僕も宇藤先生同様「とても丁寧な印象を受けました」です。
>覆髄できた可能性はどれ程だったと思われますか?↓
やはり直接診ないと何とも言えませんが、ただ、「どうしても」判断してほしいと言うのであれば…。
結果はおそらく抜髄になったと思いますよ。
理由
1 咬合面と比べ側面から神経までの距離が短い
(えぐるように全体の2/3ほど削ったと言う事は…)
2 側面からの虫歯だとラバーダムをかけずらい
(無菌的処置が難しい)
です。
僕も宇藤先生同様「とても丁寧な印象を受けました」です。
相談者からの返信
相談者:
es68さん
返信日時:2010-02-17 21:09:38
井野先生、宇藤先生、タイヨウ先生、ご回答いただきありがとうございました。
詳しく解説していただき納得することができ、そして内容からとても救われた想いになりました。
しょうがなかったとけじめとをつけ、これからは先の治療に専念することができそうです。
本当にありがとうございました。
詳しく解説していただき納得することができ、そして内容からとても救われた想いになりました。
しょうがなかったとけじめとをつけ、これからは先の治療に専念することができそうです。
本当にありがとうございました。
タイトル | [写真あり] 覆髄できた可能性は?また覆髄と抜髄の判断基準は? |
---|---|
質問者 | es68さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 28歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療の治療法 その他(写真あり) 覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。